黒咲「そんな今期に絶望している作者を置いといて、本編を始めるぞ」
ユーゴ「おっしゃぁ!今回も俺のデュエルだぜ!楽しみしておいてくれよな!!」
side春菜---start
「秋人君……!!」
モニター室で監視カメラの映像を確認していた私たちに、ユートさんから連絡があった。最初は、秋人君と一緒に帰ってくるという至極当然なものだと思っていた。勝手な行動をしたから、黒咲さんにアイアンクローされちゃうな~と。いつも通りの生活を過ごせると思っていた。だけど、ユートさんから伝えられたのは、私が思っていたこととは真逆の事だった。
―――秋人君がデュエルで敗北。体中に火傷を負い、爪の様な物で引き裂かれた傷から血が溢れ、今にも死にそうな状態。それを聞いて、私はパニックを起こしそうになったけれど、近くにいた柚子ちゃんのおかげで、何とか正気を保つことができた。ユートさんが秋人君を運んでもう三時間以上経っていて、今、LDSの医療スタッフが彼の手術をしている。待合室で待っている私は、手を重ねて秋人君の無事を祈る。
(お願いします!神様!秋人君を……秋人君を殺さないでください!!)
願い、祈り、【ハートランド】が襲われた時にはもういないと思った神様に、縋るように念じ続ける。それから数十分もしてからだろう。手術中を示す赤いランプが消え、中から医師が出てくる。
「…ッ!先生!!秋人君は!?秋人君は無事なんですか!?」
「落ち着いて。手術は成功したよ。峠も越したし、後は彼が目を覚ますのを待つだけだ」
カエルのような顔をした医師が、二本に指でピースしながら言うのを聞いて、私は安堵の余り涙を流す。それを見た先生が、ポケットからハンカチを渡してくれたので、それを借りて涙を拭う。
「彼はもう病室に移したから、お見舞いに行ってあげるといい。きっと、彼も喜ぶだろう。はい、これ彼の病室のキーカードね。赤馬社長に個室に収容するよう言われたから、失くしちゃ駄目だよ?」
「はい!ありがとうございます!先生!!」
先生から渡されたカードを受け取り、できるだけ早足で病院を歩く。秋人君がいる、その病室を目指して。
side春菜---end
sideユート---start
「……そうか。分かった。ご苦労だったな。ゆっくり休んでくれ」
目の前の赤いマフラーを付けた男、赤馬が携帯電話を仕舞い、こちらに視線を移して言う。
「桐原だが、どうやら一命を取り留めたらしい。今はゆっくり寝ているそうだ。不幸中の幸いか、引き裂かれた胸の傷も、火傷で傷が焼かれて塞がれていたらしい」
「…そうか。良かった…」
ほっとした俺は息を吐き出して安堵する。それを聞いた隼が、目を閉じて考える様に腕を組んだ。
「……秋人を倒したデュエリストの情報は?」
「すまないが、何も分かっていない。桐原のディスクに残されたデータを復元したが、復元できるのはデュエルのデータだけで、その時話した音声までは再現できていない。……今後の改善点だな」
どこからとなくメモ帳を取り出し、思ったことを書き留めていく。その姿を見て、俺は目の前の男が、LDSの社長なのだと思った。
「それでユート。君が会わせたいといっていた少年はどこにいる?」
「廊下で待たせている。…連れてきても?」
俺の問いに無言で頷き、俺は会議室の外で待っていた少年を中に招き入れる。
「あ~初めまして?俺はユーゴ。お前らの言う“シンクロ次元”からやってきた」
「…赤馬零児だ。ユーゴといっていたな。単刀直入に聞こう。君は。いや、
すうっ、と目を細くしながら尋ねる赤馬。それを見た俺は背筋が寒くなった。本人は気づいていないのかも知れないが、彼が放っている視線。ある意味、殺意とも言えるそれに、俺は冷や汗をかく。それを聞いたユーゴが憤慨しながら言う。
「少なくとも俺は敵じゃねぇ!いや、トップスの奴らは敵だけどコモンズは敵じゃねぇよ!」
「トップスにコモンズだと?どういうことだ?」
初めて聞く単語に、素直に質問する赤馬。それを聞いたユーゴが自分のいる世界の事について話し出す。シンクロ次元は、所謂競争社会を重視する世界。その中での99
それを聞いた赤馬が、頭が痛くなったのか、溜め息を吐いていた。
「別に、暮らしが悪いだけで俺はコモンズの皆が大好きだ。一緒に魚を釣りに行ったり、皆でデュエルしたり。一緒に楽しい時間を過ごしてきた。……あの時まではな」
ユーゴによると、ある日、夜が遅くなっても帰ってこない友人。リンの事が心配になり、Dホイールで探しに行っていたらしい。その時、彼は自分の顔とよく似た少年と出会ったらしい。そして、その少年がリンという、瑠璃とよく似た少女を連れ攫うところも。
「だからあの時、俺にデュエルを仕掛けてきたのか」
「ああ。悪かったなユート。勘違いしちまってよ」
「構わないさ。俺も勘違いしていたしな。融合の手先だとな」
「だから融合じゃねぇ!!ユーゴだ!!間違えるんじゃねぇ!!」
いつも言っているセリフを飽き飽きしながら言うユーゴに、俺は自然と苦笑いを浮かべる。その時だった。隼が音もなく立ち上がった。
「何処に行く黒咲?」
「秋人の見舞いだ。ここにいても何もできないのなら、見舞いに行ってくる」
赤馬から許可も無しに部屋を立ち去る隼。そのことに謝罪しよう口を開くが、赤馬が呼んでいたかのように手を前に出して、それを制する。
「謝る必要はない。それより、君も早く桐原の見舞いに行って来ると良い。私も、用が終われば行くつもりだからな」
「……すまない」
「謝る必要はない。早く行ってやれ。ユーゴはどうする?」
「行くとこねぇから、ユートに付いて行くわ。また後でな。零児」
そう言って俺たちは部屋を出る。その時に、秋人のデュエルディスクも一緒に持ち出す。そして、ふと気になってデッキを確認する。
「……やはり、か」
メインデッキとエクストラデッキを確認し、その中から『
(何故、奴らは『銀河眼の光子竜』のカードを奪った?レアカードなのは分かるが、それだけの理由である筈が無い。一体何故……)
頭の中で思考しながら歩き、ユーゴと共に秋人の病室に向かう。だが、その部屋の前には、俺たちより先に部屋を出た隼が腕を組んで立っていた。
「どうした隼。中に入らないのか?」
「……ユートか。すまないが、暫く
頼み込む様に言う隼に少し驚きつつ、理由を聞こうとした時だった。部屋の中から泣き声が聞こえたのだ。それも、聞いたことのある少女の泣き声が。
「…そうだな。ならどうする?他にすることがないのだが…」
「そういうことなら都合が良い。そこのバナナヘアー。確かユーゴとか言っていたな」
「バナナじゃねぇ!ユーゴ「「病院では静かにしろ」」はい。ユーゴです。で?俺に何か用かよ?」
疑惑の視線を隼に向けるユーゴ。それを見た隼がフン、と鼻を鳴らす。
「先に言っておく。俺はまだお前を認めた訳ではない。貴様らシンクロ次元が、【アカデミア】の尖兵ではないとは、まだ断定できていないからな」
「そうかよ。まぁ別に良いけどよ。だったらどうすりゃいいんだよ?」
「簡単なことだ。俺とデュエルしろ。それで白黒はっきり着けてやる」
そう言って歩き出す隼。それにすまないと俺はユーゴに謝る。
「隼は、仲間思いの良い奴なんだ。だけど、秋人がああなって少し堪えているのかもしれない」
「別にいいって。俺が信用されてないのは知ってる。それに、今からやるのは普通のデュエルだろ?なら、楽しまねぇとな!」
普通なら怒っても当然なことなのに、ユーゴは笑顔で隼の後を付いていく。その笑顔が、いつかの秋人の笑顔と重なった。
(デュエルは楽しいもの、か。確かにそうだな。お前もそう思うだろ?秋人……?)
眠りについている友人に、心でそう問いかけながら、俺も二人の後を追うのであった。
sideユート---end
side隼---start
「この辺りでいいだろう」
病院を出て、その前にある広場に俺は立つ。白いライダースーツを着た男。ユーゴは既にデュエルディスクを構えている。
「準備が早いな」
「当然だろ?それより、早く
「ふん。いいだろう。お前の力、見せてみろ!!」
デュエルディスクを装着して起動。半透明な盤が出現し、デッキをディスクにセットする。
「「
黒咲 隼 LP4000
ユーゴ LP4000
「先行は貰う!手札から『
黒咲 手札5→4
RR-バニシング・レイニアス/闇属性/☆4/鳥獣族/ATK1300 DEF1600
「このカードの召喚・特殊召喚に成功したメインフェイズ、手札からレベル4以下の『RR』モンスターを特殊召喚できる!来い!『RR-ミミクリー・レイニアス』!!」
黒咲 手札4→3
RR-ミミクリー・レイニアス/闇属性/☆4/鳥獣族/ATK1100 DEF1900
二体のモンスターを一気に揃える。『ミミクリー・レイニアス』の特殊効果も発動できなくは無いが、今はこのレベルの方が都合が良いので、あえて使わないでおく。
「レベル4が二体!早速かよエクシーズかよ!!」
「行くぞ!俺はレベル4の『バニシング・レイニアス』と『ミミクリー・レイニアス』でオーバーレイ!!」
二体のモンスターが飛翔し、開かれる黒い穴に飛び込む。そして、その穴から一筋の光が奔る。
「冥府の猛禽よ。闇の眼力で真実を暴き、鋭き鉤爪で栄光をもぎ取れ!エクシーズ召喚!飛来せよ!ランク4!『RRーフォース・ストリクス』!!」
穴の中から一匹の梟が出現する。ステータスは低いが、俺のデッキでのターボエンジンだ。
RR-フォース・ストリクス/闇属性/★4/鳥獣族/ATK100 DEF2000
「『フォース・ストリクス』の効果発動!ORUを1つ使い、デッキからレベル4・闇属性・鳥獣族モンスターを1枚、手札に加える!俺は『RR-ファジー・レイニアス』を手札に加え、自分の場に『RR』モンスターが存在する事により、『ファジー・レイニアス』を守備表示で特殊召!」
↓捨てられたORU
RR-ミミクリー・レイニアス
『フォース・ストリクス』の隣に並び立つように、紫色の機械鳥が出現する。
RR-ファージ・レイニアス/闇属性/☆4/鳥獣族/ATK500 DEF1500
「更に、墓地に送られた『ミミクリー・レイニアス』を除外して効果を発動!デッキから『RR』カード、『RR-ネスト』を手札に加え発動!自分の場に『RR』が2体存在する時、デッキ・墓地の『RR』モンスターを手札に加える!俺は『シンギング・レイニアス』を手札に加え、自分の場にエクシーズモンスターが存在する事により、サーチした『シンギング・レイニアス』を守備表示で特殊召喚!」
RR-シンギング・レイニアス/闇属性/☆4/鳥獣族/ATK100 DEF100
「またレベル4が二体!?どこまでやる気だ!?」
「レベル4の『ファジー・レイニアス』と『シンギング・レイニアス』でオーバーレイ『RR-フォース・ストリクス』をエクシーズ召喚!そして、その効果を発動し、デッキより『RR-アベンジ・ヴァルチャー』を手札に加える!」
黒咲 手札3→4
RR-フォース・ストリクス/闇属性/★4/鳥獣族/ATK100 DEF2000
↓捨てられたORU
RR-シンギング・レイニアス
「言い忘れていたが、『フォース・ストリクス』は自身の効果により、このカード以外の鳥獣族モンスターの数×500ポイント、攻撃力・守備力をアップする。よって、今の『フォース・ストリクス』の守備力は2500だ」
RR-フォース・ストリクス×2
ATK100→ATK600 DEF2000→2500
「最後にカードを2枚伏せ、ターンエンドだ」
黒咲 手札4→2
黒咲 LP4000
場:RRーフォース・ストリクス(DEF2500 ORU×1)×2
魔法・罠:RRーネスト
2
手札:2
Pゾーン:無し
「長ぇ1ターンだったな…。まぁ良いか!行く!!俺のターン!」
ユーゴ 手札5→6
「自分の場にモンスターが存在しない時、手札からこのカードを特殊召喚できる!来い!『
ユーゴ 手札6→5
SR―ベイゴマックス/風属性/☆3/機械族/ATK1200 DEF600
「『ベイゴマックス』の効果発動!このカードの召喚・特殊召喚に成功した時、デッキから『ベイゴマックス』以外の『SR』を手札に加える!俺はレベル1のチューナーモンスター、『赤目のダイス』を手札に加えて、通常召喚する!」
SR赤目のダイス/風属性/☆1/機械族/ATK100 DEF100
「チューナモンスター……。ということはシンクロ召喚か。だが、レベル4のシンクロでは俺のモンスターを倒すのは不可能だ」
「慌てんなって。俺は『赤目のダイス』の効果発動!このカードの召喚・特殊召喚に成功した時、このカード以外の『SR』1体のレベルを、1~6の好きな数字に変更できる!俺は『ベイゴマックス』のレベルを6にするぜ!」
SRベイゴマックス
☆3→6
「レベル7のシンクロ……ユーゴの奴。いきなり
ユートがそう言って、自分のエクストラデッキからカードを取り出す。それを身ながら、俺は目の前の男を見据える。
「行くぜ!俺はレベル6になった『ベイゴマックス』に、レベル1の『赤目のダイス』をチューニング!!」
怪しいサイコロが空中に浮かびあがり、1つの緑の輪へと姿を変える。そして、『ベイゴマックス』も自身を6つの星へと変わる。
「その雄雄しくも美しき翼翻し、光の速さで敵を討て!シンクロ召喚!!」
☆1+☆6=☆7
「現れろ、レベル7!『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』!!」
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン/風属性/☆7/ドラゴン族/ATK2500 DEF2000
緑の輪から光が奔り、その中からユートの持つ『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』と、よく似たドラゴンが姿を現す。違う点と言えば、『ダーク・リベリオン』が黒、『クリアウィング』が白い竜という点だろうか。
「手札から速攻魔法、『禁じられた聖杯』を『フォース・ストリクス』に発動!このターン、『フォース・ストリクス』の効果を無効にする代わり、攻撃力を400アップする!」
ユーゴ 手札5→4
この効果を通せば、『フォース・ストリクス』の守備力は2000となり、戦闘破壊できる。それを聞いた俺は、すかさず伏せカードを発動させる。
「させん!カウンタートラップ、『ラプターズ・ガスト』発動!自分の場に『RR』カードが存在する時、相手が発動したマジック・トラップの発動を無効にし、破壊する!」
発動され、出現した聖杯を取り囲むように風が吹き起こり、聖杯を飲み込み、消滅させる。それをみたユーゴが口を尖らせて言う。
「仕方ねぇな。俺もカードを2枚伏せて、ターンエンドだ」
ユーゴ 手札4→2
ユーゴ LP4000
場:クリアウィング・シンクロ・ドラゴン(ATK2500)
魔法・罠:2
手札:2
Pゾーン:無し
「俺のターン!すかさず2体の『フォース・ストリクス』の効果を発動!ORUをそれぞれ1つずつ使い、デッキから『RR-バニシング・レイニアス』、『RR-インペイル・レイニアス』を手札に加え、『ファジー・レイニアス』の効果により、3枚目の『ファージー・レイニアス』を手札に加える!」
黒咲 手札2→6
2体のモンスターの効果を使い、前のターンで消費した手札を回復する。それを見たユーゴが、苦笑いをしていた。
「一気に手札が6枚って、どんだけサーチするんだよ……」
「サーチだけが『RR』の取り柄ではない!行くぞ!手札から『
黒咲 手札6→5
発動したカードの効果により、『フォース・ストリクス』が飛び立つ。だが、その時だった。ユーゴの『クリアウィング』の咆哮が轟き、『フォース・ストリクス』の動きを止める。それだけではなく、俺が発動した『レイド・フォース』まで、効力を失ったかのように消滅する。
「何!?『RUM』が効果を発動する前に消えた!?」
突然の出来事に驚き、俺は声を荒げる。それを聞いたユーゴが、勝ち誇ったように笑った。
「お前の『RUM』の発動にチェーンして、永続トラップ『
発動されたカードの効果を聞いたとき、俺はギリッと歯を噛み締めた。俺のデッキ、それ以前に大量展開するデッキの共通点として、元々のステータスが低いことが挙げられる。それに加え、俺の高ランクエクシーズモンスターは、最上級クラスまでいかなければ、軒並みステータスが低い。今の俺の手札では、あのカードを突破することはできない。
「厄介な罠だ。……モンスターを裏守備表示で召喚。更に魔法カード『闇の誘惑』を発動。カードを2枚ドローし、その後闇属性モンスターの『ファジー・レイニアス』を除外。カードを1枚伏せてターンエンドだ」
黒咲 手札5→3
黒咲 LP4000
場:RR-フォース・ストリクス(DEF2500 ORU×0)×2
1
魔法・罠:RRーネスト
2
手札3
「このまま一気に行くぜ!俺のターン!」
ユーゴ 手札2→3
勢いよくカードを引き込むユーゴ。だが、『竜の束縛』は互いのプレイヤーに効果を及ばすカード。奴のデッキも、エクストラデッキモンスターを主体として戦うシンクロデッキならば、メインデッキのモンスターのステータスは低いはず。
「俺は手札から魔法カード、『マジックプランター』を発動!永続トラップの『竜の束縛』を墓地に送り、カードを2枚ドローするぜ!」
ユーゴ 手札3→4
互いの展開を妨害するカードだが、ああいう使い方をすれば、俺の展開だけを一方的に封じ、自分だけ展開できる。どこかユートと似たプレイングをするユーゴに、聞こえない程度に舌打ちを鳴らす。
「行くぜ!俺は手札から『SRダブルヨーヨー』を召喚!」
ユーゴ 手札4→3
SRダブルヨーヨー/風属性/☆3/機械族/ATK1400 DEF1400
「召喚に成功した『ダブルヨーヨー』の効果発動!墓地の『SR』モンスターを特殊召喚できる!来い!『赤目のダイス』!」
召喚されたヨーヨーが高速回転を始め、それが収まると、ヨーヨーの上に怪しげなダイスが乗っていた。
「そして『赤目のダイス』の効果で、『ダブルヨーヨー』のレベルを、3から5に変更だ!」
SRダブルヨーヨー
☆3→☆5
「俺はレベル5になった『ダブルヨーヨー』に、レベル1の『赤目のダイス』をチューニング!」
ダイスが再び浮かび、緑の輪となり、その中に星を5つ浮かび上がらせたヨーヨーが入り込む。
「十文字の姿持つ魔剣よ。その力で全ての敵を切り裂け!シンクロ召喚!現れろ!レベル6、『
HSR魔剣ダーマ/風属性/☆6/機械族/ATK2200 DEF1600
「『魔剣ダーマ』の効果発動!墓地の機械族モンスターを除外して、相手に500ポイントのダメージを与える!俺は墓地の『ベイゴマックス』を除外する!!!」
剣玉のようなモンスターが輪から出現し、その先から赤い光が放たれ、俺の肩を掠る。
「ふん。安い一撃だな」
黒咲 LP4000→3500
鼻で笑いながらそう言うと、ユーゴがムッ、とした表情で指を指してくる。
「だったらバトルだ!『魔剣ダーマ』で裏守備表示のモンスターに攻撃!あ、言っとくけど、『魔剣ダーマ』は貫通効果を持ってるぜ!」
「そんな大事なことは最初に言え!ええいトラップ発動!『RR-レディネス』!このカードを発動したターン、俺の場の『RR』モンスターは戦闘破壊されない!そして伏せモンスターは……『RR-インペイル・レイニアス』だ…!」
RR-インペイル・レイニアス/闇属性/☆4/鳥獣族/ATK1700 DEF1000
『魔剣ダーマ』が、守備態勢を取っていた『インペイル・レイニアス』に突撃する。
「『魔剣ダーマ』の貫通効果で、『インペイル・レイニアス』との攻撃力と守備力の差、1200のダメージを受けてもらうぜ!」
『魔剣ダーマ』の切っ先が『インペイル・レイニアス』を刺し、そこから放たれる衝撃波が俺を襲う。
「くぅ!だが、『インペイル・レイニアス』は『RR-レディネス』の効果で、戦闘破壊されない!」
黒咲 LP3500→2300
「知ってるよ。カードを1枚伏せて、ターンエンドだ」
ユーゴ 手札3→2
ユーゴ LP4000
場:クリアウィング・シンクロ・ドラゴン(ATK2500)
HSR魔剣ダーマ(ART2200)
魔法・罠:2
手札:2
Pゾーン:無し
「ライフ差に加え、このモンスター達の数か。少しはマシなデュエルができるようだな」
「へっ、褒めても何もでないぜ?」
「事実を言ったまでだ。行くぞ!俺のターン!」
黒咲 手札3→4
カードを勢いよく引き込み、それを確認する。それと同時に、ユーゴが伏せカードを発動させた。
「ドローフェイズ終了時にトラップ発動!『ブービートラップE』!手札1枚を墓地に送り、手札か墓地の永続トラップをセットする!こいつで、墓地の『竜の束縛』を再セットだ!」
ユーゴ 手札2→1
↓捨てられたカード
SR三つ目のダイス
発動したカードを見て、ますます目の前の男が、ユートとよく似ていると思った。確か『ブービートラップE』の効果でセットされたカードは、そのターンから発動することができたはず。それで俺の展開を防ごうという魂胆だろう。
「残念だが、『竜の束縛』はこのターンで攻略させてもらう!手札から装備魔法『エクシーズの宝冠』を『フォース・ストリクス』に装備!このカードを装備したモンスターは、そのランクをレベルに変換する!」
黒咲 手札4→3
エクシーズの宝冠 (アニメオリカ)
エクシーズモンスターにのみ装備可能。このカードを装備したエクシーズモンスターはランクをレベルとして扱う。このカードを装備したエクシーズモンスターをエクシーズ素材とする場合、1体で2体分の素材とする事ができる。
RR-フォース・ストリクス
★4→☆4
「なぁ!?エクシーズモンスターのランクがレベルに変わったぁ!?」
「それだけではない!『エクシーズの宝冠』の更なる効果!このカードを装備したモンスターを素材にエクシーズ召喚を行う時、そのモンスターを1体で2体分の素材とすることができる!俺は2体分となった『フォース・ストリクス』と、『インペイル・レイニアス』の2体で、オーバーレイ!」
頭部に王冠をつけた『フォース・ストリクス』と、『インペイル・レイニアス』の2体が飛び立ち、新たなモンスターが姿を現す。
「殲滅しろ!『
No.32海咬龍シャーク・ドレイク/水属性/★4/海竜族/ATK2800 DEF2100
RR-フォース・ストリクス
ATK600→ATK100 DEF2500→2000
「げ、攻撃力2800!?」
「バトルだ!『シャーク・ドレイク』で『クリアウィング』を攻撃!デプスバイトォ!」
『シャーク・ドレイク』が青いオーラを纏った衝撃波を放ち、『クリアウィング』に迫る。それを見たユーゴがカードを発動させる。
「やらせるかよ!リバースカードオープン!カウンタートラップ『攻撃の無力化』!相手の攻撃を無効にし、バトルフェイズを終了させる!」
鮫に似た衝撃波が、突如現れた渦に飲み込まれて消滅する。それに舌打ちをして、俺はメインフェイズ2に入る。
「カードを1枚伏せ、ターンエンドだ」
黒咲 手札3→2
黒咲 LP2300
場:No.32海咬龍シャーク・ドレイク(ATK2800)
RR-フォース・ストリクス(DEF2000)
魔法・罠:2
手札:2
「今度はこっちからだぜ!俺のターン!」
ユーゴ 手札1→2
「まずは『魔剣ダーマ』の効果発動!墓地の機械族モンスター『ダブルヨーヨー』を除外!相手に500のダメージを与える!」
『魔剣ダーマ』の先から、再び赤い光線が放たれる。だが、それは俺を庇うように移動した『クリアウィング』によって防がれる。
「そしてこの瞬間!『クリアウィング』の効果発動!レベル5以上のモンスターの効果が発動した時、それを無効にして破壊する!ダイクロイックミラー!!」
『クリアウィング』の翼が輝き、そこから放たれた数多の光が『魔剣ダーマ』を包み込み、消滅させる。
「自分のモンスターの効果を無効にして破壊した?一体何を考えている……」
「へへっ、行くぜ!『クリアウィング』の更なる効果!この効果でモンスターを破壊した時、エンドフェイズまで破壊したモンスターの攻撃力を、『クリアウィング』に加える!」
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン
ATK2500→4700
「攻撃力4700だと!?」
「一気にライフを削ってやる!バトルだ!『クリアウィング』で『シャーク・ドレイク』を攻撃!」
『クリアウィング』が翡翠色の火球を放つ。それが『シャーク・ドレイク』に激突する前に、俺は伏せカードを発動させる。
「させん!トラップカード『立ちはだかる強敵』発動!相手モンスターの攻撃宣言時、戦闘を行う自分のモンスターを変更できる!攻撃対象を『シャーク・ドレイク』から、『フォース・ストリクス』に変更!」
『シャーク・ドレイク』に迫った火球に、『フォース・ストリクス』が前に立ち、それを受ける。守備表示のため、俺が受けるダメージは無い。だが、この手カードを使って自分のモンスターがやられるのは、やはり気分の良いものではない。
「防がれちまったか…。カードを1枚伏せて、ターンエンドだ」
ユーゴ 手札2→1
ユーゴ LP4000
場:クリアウィング・シンクロ・ドラゴン(ATK4700→ATK2500)
魔法・罠:2
手札:1
Pゾーン:無し
「俺のターン!!」
黒咲 手札2→3
手札3枚とはいえ、その内2枚は公開情報だ。つまり俺が取れる手は今のところ一つしかない。
「バトルだ!『シャーク・ドレイク』で『クリアウィング』を攻撃!」
『シャーク・ドレイク』が吼えながら突撃し、『クリアウィング』噛み千切らんと肉薄する。
「『クリアウィング』はやらせねぇ!トラップ発動!『禁じられた聖槍』!フィールドのモンスター1体の攻撃力を800下げ、そのモンスターはこのターン、マジック・トラップの効果を受け付けなくする!『シャーク・ドレイク』の攻撃力を800下げるぜ!」
開かれたカードから槍飛び出し、『シャーク・ドレイク』の翼に突き刺さり、攻撃力が低下する。
No.32海咬龍シャーク・ドレイク
ATK2800→ATK2000
「これでこっちの方が攻撃力は上だ!迎え撃て!『クリアウィング』!!」
接近した『シャーク・ドレイク』に火球を放ち。悲哀の声を漏らしながら消滅する。
「ッ!だが、俺がダメージを受けたことにより、手札の『アベンジ・ヴァルチャー』の効果発動!このカードを特殊召喚する!」
黒咲 LP2300→1800
「させるかよ!『クリアウィング』を対象にして永続トラップ、『竜の束縛』をチェーン発動!こいつで、互いに攻撃力2500以下のモンスターを互いに特殊召喚できないぜ!」
「残念だが、それが叶う事は無い!その発動にチェーンし、トラップカード『エクシーズ・リボーン』を発動!墓地のエクシーズモンスターを特殊召喚し、このカードを召喚したモンスターのORUにする!暗き墓地より蘇れ!『シャーク・ドレイク』!!」
俺の前に水柱が沸き立ち、その中から咆哮と共に『シャーク・ドレイク』が復活する。先ほど自分を打ち倒した、『クリアウィング』を睨みつけながら。
Np.32海咬龍シャーク・ドレイク/水属性/★4/海竜族/ATK2800 DEF2100
「げぇぇぇぇ!?」
「『竜の束縛』の効果により、『アベンジ・ヴァルチャー』の特殊召喚は不発になるが……十分だ。これでお前のモンスターを守るカードは無い!バトルだ!『シャーク・ドレイク』で『クリアウィング』を攻撃!」
『シャーク・ドレイク』が再び立ち向かい、『クリアウィング』に肉薄する。爪で相手の動きを封じ、0距離でデプスバイトを放つ。
「うぉ!?『クリアウィング』!?」
ユーゴ LP4000→3700
「対象にしたモンスターがフィールドから消えたため、『竜の束縛』も消滅!更に、相手モンスターを戦闘破壊したことにより、『シャーク・ドレイク』の効果を発動!ORUを1つ使い、破壊したモンスターを攻撃力を1000ポイント下げ、攻撃表示で特殊召喚する!」
『シャーク・ドレイク』の周囲を漂っていた、水色のORU砕け散り、爪を地面に突き刺すと、そこから『クリアウィング』を引きずり出し、宙に放った。
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン/風属性/☆7/ドラゴン族/ATK2500→1500 DEF2000
「そして、この効果を発動した時、『シャーク・ドレイク』は2度目の攻撃を可能にする!やれ!デプスバイトォ!!」
宙に放り出され、何も行動ができていない『クリアウィング』に、『シャーク・ドレイク』のデプスバイトが容赦なく直撃し、再びその身を消滅させる。
「うぉぉぉ!?」
ユーゴ LP3700→2400
「悪いが、俺のターンはまだ終わりではない!手札から『RR-バニシング・レイニアス』を召喚し、その効果により、『アベンジ・ヴァルチャー』を守備表示で特殊召喚!」黒咲 手札3→1
RR-バニシング・レイニアス/闇属性/☆4/鳥獣族/ATK1300 DEF1600
RR-ファジー・レイニアス/闇属性/☆4/鳥獣族/ATK500 DEF1500
「そして永続魔法『RR-ネスト』の効果により、墓地の『シンギング・レイニアス』を手札に加え、守備表示で特殊召喚!」
RR-シンギング・レイニアス/闇属性/☆4/鳥獣族ATK100 DEF100
「俺はレベル4の『シンギング・レイニアス』と『バニシング・レイニアス』でオーバーレイ!3体目の『フォース・ストリクス』をエクシーズ召喚!そして効果を発動し、デッキより『RR-トリビュート・レイニアス』を手札に加え、カードを1枚セット!ターンエンドだ!」
↓捨てられたORU
RR−シンギング・レイニアス
黒咲 LP1800
場:No.32海咬龍シャーク・ドレイク(ATK2800)
RRーフォース・ストリクス(DEF2500ORU×1)
RR-アベンジ・ヴァルチャー(ATK1700)
魔法・罠:RR-ネスト
1
手札:1
Pゾーン:無し
「どうしたユーゴ。もう終わりか?」
挑発するように俺はユーゴに声をかける。すると、ユーゴは、この圧倒的に不利な状況にも関わらず、笑って言い返してきた。
「冗談だろ?まだライフは残ってるし、手札だって1枚だけどある!まだまだこれからだ!」
「その意気だ。さぁ、かかってこい!貴様の【鉄の意志】、【鋼の強さ】を見せてみろ!!」
お互いにディスクを構え直し、ユーゴがカードをドローする。どうやらこのデュエルは、まだまだ終わりそうにない。
ユーゴ「今回のキーカードは、やっぱり『竜の束縛』だな」
竜の束縛 (永続罠)
自分フィールドの攻撃力・守備力が2500以下のドラゴン族モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、お互いに対象のモンスターの元々の攻撃力以下のモンスターを特殊召喚できない。(2):対象のモンスターがフィールドから離れた時にこのカードは破壊される。
「効果だけを見れば『虚無空間』の方が良いかもしれないけど、あっちと違って場持ちがいいから、ドラゴン族モンスターを多用するデッキなら相性がいいな。使い道としては、発動制限ギリギリのライン、俺の『クリアウィング』とかだと絶大な効果を発揮するぜ!他だったら、秋人の使ってる『聖刻』とも合うな!」
「例によって、誤字・脱字などの報告。それから感想をよろしく頼む!評価とかしてくれるとアオメも喜ぶってよ!それじゃ、次回予告に移るぜ!」
~~~次回予告~~~
(地の文は黒咲)
俺がきっかけとなって始まったこのデュエル。手札2枚のユーゴに対し、万全な布陣を敷いた俺だったが、それはユーゴの思わぬ手によって覆される。
「まだまだこれからだぜ黒咲!俺たちのデュエルはよ!」
「ああ。お前に見せてやろう。『RR』の全力をな!!」
次回、【遊戯王ARC-Ⅴ アイズの名を持つ龍の主】
『進化する隼と水晶の翼』
ユーゴ「さぁ!もっと楽しいデュエルしようぜ!!」