遊戯王ARCーV アイズの名を持つ龍の主   作:青眼

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38話 幻影と星の戦士たち

時が流れ、小学生高学年に上がった時だった。学校が終わった俺達は、いつもの様にカードショップに向かった。デュエルスペースを借りて遊んでいたある時、店に数人の男子が入ってきた。ありきたりな普通な事だ。見向きもせずにデュエルを続ければ良かったたんだ。なのに、何故か俺はあの時、男達を見てしまったんだ。俺の目の前に映った物。それは……

 

低学年の時に俺をイジメていた、悪餓鬼どもだった。何でも、俺達が学校帰りにここに寄っていたのを目撃したのだという。それで奴らはこう言ったんだ。

 

ーーーお前ら、付き合ってるのか?

 

普通に、口から悪意の無い言葉が俺達に投げかけられた。それを聞いた俺達は口を揃えて言った。それがどうかしたのか、と。それを聞いたあいつらは、口を三日月みたいに開いて笑ったんだ。その後、あいつらは何か思いついた様な顔をして帰っていった。それが何か分からず、俺達はデュエルをして帰った。

 

………その次の日。学校であんな事が起きるだなんて、想像もしていなかったんだ。

 

 

side春菜---start

 

「……はぁ」

 

無人となった舞網市の中に聳え立つLDSのカードショップ。その中で私は1人でデッキを構築していた。いや、構築していると言うより、デッキのカードを眺めていると言った方が正しい。彼と、秋人君と一緒に組んだこのデッキを。

 

(……何をしているんだろう。秋人君は。あんな真っ黒な格好でやってくるし、わざわざ『ブルーアイズ』に乗ってやってくるし。もう、何が何だか分からなくなってきたよ……)

 

手元のデュエルディスクで見た、秋人君を見て余計混乱しているのが自分でも分かる。だけどそれも仕方がないと思う。今まで仲の良かった友達が、何かが取り付いたかの様に豹変したのだから。

それに、秋人君が使っていたあの『RUM(ランクアップマジック)』。それに『CNo.(カオスナンバーズ)』のカード。あれは私達の世界、エクシーズ次元のハートランドの歴史の中にあった、バリアン世界のカード。伝説の決闘者(デュエリスト)であり、科学者でもあった【天城カイト】や、【アークライト一家】でさえ復元する事ができなかったカード達を、何故秋人君が持っているのか。謎が謎を呼んでいく一方で、一個も減っていないのだ。

 

「はぁ………」

「ため息ばかりしていても、いい事は無いぞ」

 

ため息をしていると、後ろから聞きなれた声がかけられてくる。ふと後ろを振り返ってみれば、予想したとおり、紫色の髪をした少年、ユートさんがそこにいた。

 

「ユートさん……そう、ですね。いつでも出られる様に準備を……」

「そういう事じゃない。俺が言いたいのは、思い悩んでいても何もいい事は無い、と言う事だ」

 

私の座っている席の真向かいに腰を下ろすユートさん。それを聞いて私はまたため息を吐く。

 

「ほらまた。まぁ……俺もそうだったから人のこと言えないがな」

「あはは……セレナちゃん、でしたっけ?あの瑠璃ちゃんとよく似た女の子」

「ああ。今、自分の『月光(ムーンライト)』デッキに、少しエクシーズのギミックを入れたいって言われてな。それで適当なカードを見繕ったのだが……」

 

少し苦笑しながら言うユートさん。その笑顔が少し苦々しかったので、何があったのかと尋ねる。すると、ため息を吐きながら説明してくれた。

 

「いや……この間『純幻影騎士団(ファントムナイツ)』で決闘(デュエル)したんだが……後攻1キルされてな……」

「わ、ワンターンキル!?ユートさんが!?」

 

状況を聞くと、何でも赤馬さんがセレナちゃんの【ランサーズ】入りを記念して、『月光』のペンデュラムモンスターを開発したらしい。それと『炎星』パーツをいくつかを投入した『月光』デッキと決闘したところ、ワンキルされたらしい。『幻影霧剣』を伏せていたが、『月光蒼猫(ブルー・キャット)』で攻撃力が倍加した、『舞獅子姫(ライオ・ダンサー)』というモンスターに1キルされたらしい。勿論引きが良かったり、偶々妨害策が無かったからという点も大きいのだろうけど、それでも負けは負け。相手を探しに来たものの、今が大会の真っ只中という事もあって暇だったらしい。

 

「というわけで、デッキの調整に付き合って貰いたいのだが……大丈夫か?」

「あ、はい。大丈夫ですよ。それに、考えていたって仕方ないですし、決闘でもして気を紛らします」

 

私の言葉を聞いたユートさんがすまないな、とまた苦笑する。今回、私たちは【アカデミア】に帰還した紫雲院素良。セレナちゃんの護衛役だったバレットが、オベリスクフォースを連れて来た時の露払い役を買っている。勿論、大会の参加者が倒せればそれに越した事は無いが、十中八九ありえないとのこと。なので、今回はいつでも追われる用にテーブルデュエルをする事になった。

 

「それじゃ、始めますか!」

「ああ。加減はいらない。互いにベストを尽くそう」

 

「「決闘(デュエル)!!」」

 

星野春菜 LP4000

ユート LP4000

 

「先行は私からです!手札から『星因士(サテラナイト) デネブ』を召喚します!」

春菜 手札5→4

 

星因士 デネブ/光属性/☆4/戦士族/ATK1500 DEF1000

 

「召喚に成功した『デネブ』のモンスター効果を発動し、手札の『カゲトカゲ』の効果も発動します。レベル4モンスターの通常召喚に成功した時、手札からこのカードを特殊召喚できます」

春菜 手札4→3

 

カゲトカゲ/闇属性/☆4/爬虫類族/ATK1100 DEF1100

 

「そして、『デネブ』の効果でデッキから『テラナイト』モンスターの『アルタイル』を手札に加え、『デネブ』と『カゲトカゲ』の2体で『キングレムリン』をエクシーズ召喚します!」

春菜 手札3→4

 

普段ならデュエルディスクから自動で出てくるが、テーブルデュエルでそんな事が起こる筈もなく。エクストラデッキからカードを取り出し、2枚のカードの上に重ねて置く。

 

キングレムリン/闇属性/★4/爬虫類族/ATK2300 DEF2000

 

「そして『キングレムリン』の効果発動をしますね。ORU(オーバーレイ・ユニット)を1つ使って、デッキからレベル4の爬虫類族モンスター。『カゲトカゲ』を手札に加えます!」

春菜 手札4→5

 

↓墓地に送られたORU

星因士 デネブ

 

カードを展開し、結果的に手札消費0でエクシーズモンスターの召喚に成功する。それを見たユートさんが笑った。

 

「やはり『テラナイト』は安定性があるな。『カゲトカゲ』を使えば毎ターンエクシーズ召喚してくる」

「まぁ、エクシーズ召喚するデッキのいい例ですから。手札消費を抑える所は、黒咲さんの『RR(レイド・ラプターズ)』には負けますよ」

 

あの展開力はおかしい。手札消費を抑えるどころか、相手の妨害策を敷きながら蹂躙してくる。そこに『RUM(ランクアップマジック)』で攻撃力が上がっているのだから、堪った物じゃない。

 

「カードを1枚伏せて、ターンエンドです。さぁ、ユートさんのターンですよ」

春菜 手札5→4

 

春菜 LP4000

場:キングレムリン(ATK2300 ORU×1)

魔法・罠:1

手札:4

Pゾーン:無し

 

「俺のターンだな。ドロー」

ユート 手札5→6

 

ゆっくりとカードを引き、手札のカードをよく見て行動を考えるユートさん。新しく組んだデッキだと言っていたから、どんな展開が始まるのか、少しだけ楽しみだ。

 

「俺は手札から『カードガンナー』を召喚する」

ユート 手札6→5

 

カードガンナー/地属性/☆3/機械族/ATK400 DEF400

 

「『カードガンナー』の効果を発動する。デッキの上から3枚のカードを墓地に送り、送ったカード1枚につき500ポイント。攻撃力をアップする」

 

↓墓地に送られたカード

幻影剣(ファントム・ソード)

幻影騎士団(ファントム・ナイツ)フライジャイルアーマー

幻影騎士団ダスティローブ

 

カードガンナー

ATK400→ATK1900

 

「次に墓地に送られた『フライジャイルアーマー』の効果を発動する。墓地のこのカードを除外し、手札の『ラギッドグローブ』を墓地に送り、カードを1枚ドローする」

 

『カードガンナー』の効果で墓地に送られたカードの効果で、手札を1枚交換する。しかも、これはただの交換ではなく、次の行動に移るための物でもある。

 

「墓地の『幻影剣』の効果発動。このカードを除外し、墓地の『幻影騎士団』モンスターを特殊召喚できる。墓地の『ラギッドグローブ』を守備表示で特殊召喚する」

 

幻影騎士団ラギッドグローブ/闇属性/☆3/戦士族/ATK1000 DEF500

 

「俺はレベル3の『カードガンナー』と『ラギッドグローブ』でオーバーレイ。『幻影騎士団ブレイクソード』をエクシーズ召喚する」

 

ユートさんもまた、エクストラデッキからモンスターを召喚する。ユートさんが愛用しているランク3のエクシーズモンスター。『ブレイクソード』だ。

 

幻影騎士団ブレイクソード/★3/戦士族/ATK2000 DEF1000

 

「……ってあれ?いつもの『ブレイクソード』とイラストが変わっていませんか?」

 

以前見た『ブレイクソード』は、体を正面に向けて走っている姿だった。だが、今ユートさんが使っているのは、『ブレイクソード』が左に向かって走っている。

 

「俺のデッキを見た赤馬が改良してくれたんだ。これから闘う【アカデミア】との戦いで、その効果だけでは心許ないと言われてな。」

「何ですかそれ凄く羨ましいです!!私なんて性能が高すぎたせいか、あの時のデュエル以降ずっと『プトレマイオス』が使えないのに!!」

 

 

あの時の、北斗君とのデュエル以降で『プトレマイオス』を使ってみたけれど、何故か一向に召喚される気配が無かった時はがっかりしたものだ。赤馬さんに修理に出したけど、舞網チャンピオンシップでのペンデュラムカードの作成が忙しくて全く手についていない。それなのにユートさんの『幻影騎士団』が改造されているとか、酷い。酷すぎる。『幻影騎士団』の殆どが墓地起動効果持ちという時点で魔改造しすぎな気がしてならない。

 

「続けるぞ。まず『ブレイクソード』の素材となった『ラギッドグローブ』の効果!このカードを素材とした闇属性・エクシーズモンスターの攻撃力を、永続的に1000アップする」

 

幻影騎士団ブレイクソード

ATK2000→ATK3000

 

「魔法カード『おろかな埋葬』を発動。デッキから『幻影騎士団サイレントブーツ』を墓地に送る。そしてバトルフェイズ!『ブレイクソード』で『キングレムリン』を攻撃する!」

ユート 手札5→4

 

攻撃力が3000に跳ね上がった『ブレイクソード』と、『キングレムリン』の攻撃力の差700が削られる。デュエルディスクの電卓機能を使い、ライフが減少する。

 

「効果が変わりすぎですよ!まぁ良いですけどね!永続トラップ『神星なる波動』を発動します!このカードの効果で、手札から『星因士 アルタイル』を守備表示で特殊召喚します!」

春菜 手札4→3

   LP4000→LP3300

 

星因士アルタイル/光属性/☆4/戦士族/ATK1700 DEF1300

 

「特殊召喚に成功した『アルタイル』の効果で、墓地の『デネブ』を特殊召喚!その効果で2枚目の『アルタイル』を手札に加えます」

春菜 手札3→4

 

星因士 デネブ/光属性/☆4/戦士族/ATK1500 DEF1000

 

「やるな。ライフを削られてもモンスターを展開するとは」

「ふふん。この永続トラップは便利ですからずっと使ってるんですよ。『デネブ』の効果で特殊召喚しまくりですからね」

 

『デネブ』でサーチした『アルタイル』を召喚し、『テラナイト』エクシーズモンスターを召喚する為に入れているカードだが、『シャム』のカードを使えば引導火力にもなるので、意外と使えるカードです。さて、これからどう展開してきますか?

 

「厄介だが、突破する方法はある。俺は『神星なる波動』を墓地に送り、手札のチューナーモンスター、『トラップ・イーター』を特殊召喚させてもらう!」

ユート 手札4→3

 

トラップ・イーター/闇属性/☆4/悪魔族/ATK1900 DEF1600

 

「な、私のトラップカードを使ってモンスターを、しかもチューナーを召喚した!?」

「それだけではない。手札から魔法カード『精神操作』を発動。相手の場のモンスター1体のコントロールを奪う!『アルタイル』のコントロールを奪取。更にレベル4の『アルタイル』に、レベル4の『トラップ・イーター』をチューニング!『ギガンテック・ファイター』をシンクロ召喚!」

ユート 手札3→2

 

ギガンテック・ファイター/闇属性/☆8/戦士族/ATK2800 DEF1000

 

「『ギガンテック・ファイター』の効果により、互いの墓地の戦士族モンスター数×100ポイント、攻撃力をアップする。今俺たちの墓地には戦士族モンスターが3体いる。よって攻撃力は300アップする」

 

ギガンテック・ファイター

ATK2800→ATK3100

 

「いきなり攻撃力3000オーバーが2体!?殺意凄くないですか!?」

「これくらいどうとでもなるだろう。墓地の『幻影騎士団サイレントブーツ』を除外し、デッキから『幻影霧剣(ファントム・フォッグ・ブレード)を手札に加え、カード1枚を伏せる。最後に永続魔法『強欲なカケラ』を発動し、ターンエンドだ」

ユート 手札3→1

 

ユート LP4000

場:幻影騎士団ブレイクソード

  ギガンテック・ファイター(ATK3100→ATK3000)

魔法・罠:強欲なカケラ

     1

手札:1

Pゾーン:無し

 

 

「私のターンですね。ドローします」

春菜 手札4→5

 

手札の5枚の内、2枚は既に公開情報だ。場には『デネブ』が1体だけ。これなら、まだどうにでもなる。まずは『幻影霧剣』を使わせないと。

 

「私は『H-C(ヒロイック・チャレンジャー)エクストラ・ソード』を召喚します!そしてレベル4モンスターの召喚に成功した事で、『カゲトカゲ』を特殊召喚!」

春菜 手札5→3

 

H・Cエクストラ・ソード/地属性/☆4/戦士族/ATK1000 DEF1000

 

カゲトカゲ/闇属性/☆4/爬虫類族/ATK1100 DEF1500

 

「そして2体のモンスターでオーバーレイ!『No.(ナンバーズ)50 ブラック・コーン号』をエクシーズ召喚!」

 

No.50 ブラック・コーン号/闇属性/★4/爬虫類族/ATK2100 DEF1500

 

「む。『ナンバーズ』か」

「まぁ、ソリッドビジョンを使ってないですし、いいかと思って。あ、『エクストラ・ソード』の効果発動です。このカードを素材にエクシーズ召喚したモンスターの攻撃力を1000アップします!」

 

No.50ブラック・コーン号

ATK2100→ATK3100

 

素材となったモンスターが、召喚したエクシーズモンスターのステータスを強化する。これで『ブラック・コーン号』の攻撃力がユートさんのモンスターを上回った。『ブラック・コーン号』の射程圏内です。

 

「『ブラック・コーン号』の効果発動!ORUを1つ使い、このカードより攻撃力の低いモンスターを墓地に送り(・・・・・)、相手に1000ポイントのダメージを与えます!対象は『ブレイクソード』です!」

 

↓墓地に送られたORU

H・Cエクストラ・ソード

 

新しい『ブレイクソード』の効果は、エクシーズ召喚に成功したこのカードが破壊された場合(・・・・・・・)。つまり『ブラック・コーン号』で墓地に送れば(・・・・)問題ない!

 

「『ブレイクソード』の効果の隙を突いてきたのは良いが、このカードがあるのを忘れていないか?永続トラップ『幻影霧剣』を『ブラック・コーン号』を対象に発動!このカードの効果を受けたモンスターの効果は無効となり、攻撃対象にする事ができなくする」

 

伏せられたカードは前のターンでサーチしたトラップ。けれど、その効果は何度もデュエルして分かっている。……墓地から特殊召喚できる効果が追加されているのは、知らなかったけれど。

 

No.50 ブラック・コーン号

ATK3100→ATK2100

 

「これで安心して展開できます!手札から『死者蘇生』を発動!言わずと知れたその効果で、墓地から『エクストラ・ソード』を攻撃表示で特殊召喚します!」

春菜 手札3→2

 

H・Cエクストラ・ソード/地属性/☆4/戦士族/ATK1000 DEF1000

 

「行きます!レベル4の『エクストラ・ソード』と『デネブ』をオーバーレイ!『鳥銃士カステル』をエクシーズ召喚!」

 

鳥銃士カステル/風属性/★4/鳥獣族/ATK2000 DEF1500

 

2枚のカードを重ねて出したのは、数あるランク4エクシーズの中でも、屈指の強さを誇る『カステル』。その効果は、単純にして強力だ。

 

「『カステル』の効果を使う前に、素材となった『エクストラ・ソード』の効果が発動し、攻撃力が1000ポイントアップします!」

 

鳥銃士カステル

ATK2000→ATK3000

 

「そして『カステル』の効果発動!ORUを2つ使い、相手の場のカードをデッキに戻します!対象は『ギガンテック・ファイター』です!」

「……止めるカードはない。シンクロモンスターである『ギガンテック・ファイター』は、エクストラデッキへと戻る」

 

戦闘面に関して不死身の性能を誇る戦士も、効果で消し去ってしまえば怖く無い。だが、これで手札は『アルタイル』と1枚だけになってしまった。けれど、それを回復する手段はある。

 

「手札から魔法カード『エクシーズ・トレジャー』を発動!互いの場に存在するエクシーズモンスターの数だけ、カードをドローします!フィールドには3体のエクシーズモンスター。よってカードを3枚ドローします!」

春菜 手札2→4

 

補充した手札を見て、次のターンへと繋ぐカードを引き込む事ができ、少し安堵する。そして、次に行うべき事を行う。

 

「バトルフェイズ!『カステル』で『ブレイクソード』を攻撃!攻撃力が同じなので、相打ちです!」

「だが、エクシーズ召喚された『ブレイクソード』が破壊された事により、墓地の『幻影騎士団』モンスターを2体召喚し、召喚したモンスターのレベルを1つ上げる!墓地より『ラギッドグローブ』と『ダスティローブ』を召喚!」

 

攻撃力3000の『ブレイクソード』を倒すも、新たに2体のモンスターが墓地から復活する。何度やられても相手を倒すまで舞い戻る。それがユートさんのデッキ、『幻影騎士団』の戦い方だ。何度苦汁を飲まされようと、何度でも這い上がり敵を倒す。その意思が感じられる。

 

幻影騎士団ラギッドグローブ/闇属性/☆3→☆4/戦士族/ATK1000 DEF500

 

幻影騎士団ダスティローブ/闇属性/☆3→☆4/戦士族/ATK800 DEF1000

 

「それは仕方ないです。メインフェイズ2でカードを2枚セット。これでターンエンドです」

春菜 手札4→2

 

春菜 LP3300

場:No.50 ブラック・コーン号(ATK2100 ORU×1)

魔法・罠:2

手札:2

Pゾーン:無し

 

「俺のターン!この瞬間、『強欲なカケラ』の効果が発動し、強欲カウンターが1つ使いされる」

ユート 手札1→2

 

強欲なカケラ

強欲カウンター0→1

 

 

「俺は場の『幻影霧剣』を墓地に送り、『マジック・プランター』を発動する。デッキからカードを2枚ドローする」

ユート 手札2→3

 

『幻影霧剣』が墓地に送られた事で『ブラック・コーン号』の効果が復活する。けれど、素材とした『エクストラ・ソード』の効果が消滅しているせいで、攻撃力が上昇しない。それに、ユートさんの場にはレベル4のモンスターが2体存在している。つまり、彼のエースモンスターが召喚可能というわけだ。

 

「行くぞ。俺はレベル4になった『ラギッドグローブ』と『ダスティローブ』でオーバーレイ!『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』を召喚する!」

 

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン/闇属性/★4/ドラゴン族/ATK2500 DEF2000

 

召喚されるのは漆黒の体に、鋭利に牙を顎から生やしたドラゴン。ソリッドビジョンで見れば迫力があるのだろうけれど、今はテーブルデュエル。どんなカードも実体化なんてしない。

 

「素材となった『ラギッドグローブ』の効果発動!『ダーク・リベリオン』の攻撃力を1000アップする!」

 

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン

ATK2500→ATK3500

 

「更に『ダーク・リベリオン』自身の効果発動!ORUを2つ使い、相手フィールドのモンスター1体の攻撃力を半分にし、その数値分『ダーク・リベリオン』の攻撃力をアップする。対象は『ブラック・コーン号』だ」

 

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン

ORU2→ORU0

 

↓墓地に送られたORU

幻影騎士団ラギッドグローブ

幻影騎士団ダスティローブ

 

No.50ブラック・コーン号

ATK2100→ATK1050

 

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン

ATK3500→ATK4550

 

召喚されたドラゴンの攻撃力が、秋人君の『ネオフォトン』や、『究極竜(アルティメット・ドラゴン)』の攻撃力をギリギリ超える。ライフ差を考えれば、『ダーク・リベリオン』の攻撃が『ブラック・コーン号』に直撃すれば、それで終わりだ。

 

「まだまだ行くぞ。俺は墓地に送った『幻影霧剣』の効果発動。このカードを除外し、墓地から『幻影騎士団』を召喚する。俺は『ダスティローブ』を攻撃表示で召喚する」

 

幻影騎士団ダスティローブ/闇属性/☆3/戦士族/ATK800 DEF1000

 

「そして『ダスティローブ』の効果発動。攻撃表示のこのカードを守備表示に変える事で、場の闇属性モンスター、『ダーク・リベリオン』の攻撃力を800アップする!」

「ちょ、まだ攻撃力を上げる気ですか!?」

 

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン

ATK4550→ATK5350

 

なんという事でしょう。手札を一切消費せずに、攻撃力5000オーバーのドラゴンが出現しました。これで『ブラック・コーン号』が攻撃されたら、初期ライフ4000でも軽く瞬殺されてしまう。

 

「後は戦線を維持する為にこいつを呼ばせてもらう。自分フィールドに『幻影騎士団』がいる事により、手札から『幻影騎士団サイレントブーツ』を守備表示で特殊召喚する」

ユート 手札3→2

 

幻影騎士団サイレントブーツ/闇属性/☆3/戦士族/ATK200 DEF1200

 

「そしてレベル3の『サイレントブーツ』と『ダスティローブ』でオーバーレイ!『虚空海竜リヴァイエール』召喚!」

 

虚空海竜リヴァイエール/風属性/★3/海竜族/ATK1800 DEF1600

 

「……成る程。新しくなった『幻影騎士団』にこれほど相性の良いカードはないですね」

「全くだ。俺は『リヴァイエール』の効果発動。ORUを1つ使い、除外されているレベル4モンスターを特殊召喚する。俺は『フライジャイルアーマー』を守備表示で召喚する」

 

虚空海竜リヴァイエール

ORU2→ORU1

 

↓墓地に送られたORU

幻影騎士団ダスティローブ

 

幻影騎士団フライジャイルアーマー/闇属性/☆4/戦士族/ATK1000 DEF2000

 

こ れ は ひ ど い

前のターンから素材となるモンスターがいたとは言え、たった1ターンで高火力の『ダーク・リベリオン』。壁の『フライジャイルアーマー』。そしてリクルーターの『リヴァイエール』を召喚してきた。これは、本格的にピンチですね

 

「準備は終わった。バトルフェイズ!『ダーク・リベリオン』で『ブラック・コーン号』を攻撃する!」

「まだ終わりませんよ!速攻魔法『収縮』を発動!『ダーク・リベリオン』の攻撃力を元々(・・)の攻撃力の半分にする!!」

「なっ!?」

 

表になったカードを見て、ユートさんが驚いて声を上げる。『ダーク・リベリオン』は攻撃力を上げるだけで、元々の攻撃力を上げるわけじゃない。つまり、『収縮』で元々の攻撃力の半分にしてしまえば、その攻撃力が一気に落ちる!

 

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン

ATK5350→ATK1250

 

「くっ、だがまだ『ダーク・リベリオン』の攻撃力の方が上だ!」

「でもダメージは最低限に抑えれましたよ!」

春菜 LP3300→LP3100

 

危ない危ない。あのまま攻撃が直撃していたら、一気にデュエルエンドまで持っていかれていましたよ。最初は【アカデミア】の『混沌巨人(カオス・ジャイアント)』とかの対策に入れておいたのですが、思わない所で役に立ちました。

 

「まだバトルは終わっていない。『リヴァイエール』でダイレクトアタックだ」

「……ライフが半分を切りましたね。少し、危ないかな?」

春菜 LP3100→LP1300

 

「メインフェイズ2、墓地の『ラギッドグローブ』を除外する事でデッキから『幻影騎士団トゥームシールド』を墓地に送る。カードを1枚伏せ、ターンエンドだ」

ユート 手札2→1

 

ユート LP4000

場:ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン(ATK1250→ATK2500 ORU×0)

  虚空海竜リヴァイエール(ATK1800 ORU×1)

  幻影騎士団フライジャイルアーマー(DEF2000)

魔法・罠:強欲なカケラ(強欲カウンター)

     1

手札:1

Pゾーン:無し

 

 

 

さて。これからどうしましょうか。もうすぐライフが『ガガガガンマン』の射程圏内に入る私に対し、ユートさんは未だに無傷の4000。幸い、手札に『アルタイル』があるから、ランク4のエクシーズ召喚はできる。……あの伏せカード(リバースカード)が『ブレイクスルー・スキル』とかじゃなければですが。

 

「とりあえず、引いてから考えますか。ドローです」

春菜 手札2→3

 

引いたカードを見て、少し驚きながらもそれを発動する。これなら、一矢報いれるかもしれません。

 

「手札からマジックカード『逆境の宝札』を発動!自分の場にモンスターが存在せず、相手の場に特殊召喚されたモンスターが存在する時、デッキからカードを2枚ドローします!」

春菜 手札3→4

 

まるで【レジスタンス】の信念を表すカード。『逆境の宝札』で手札を補充する。ここまで手札が増えれば、自然と対抗策が見えてくる。

 

「手札から『星因士ベガ』を召喚!すかさず『ベガ』の効果発動!このカードの召喚・特殊召喚に成功した時、手札から『星因士』を特殊召喚できます!『アルタイル』を召喚し、『アルタイル』の効果で『デネブ』を特殊召喚!今度は『デネブ』で3枚目の『アルタイル』をサーチ!!」

春菜 手札4→3

 

星因士ベガ/光属性/☆4/戦士族/ATK1200 DEF1600

 

星因士アルタイル/光属性/☆4/戦士族/ATK1700 DEF1300

 

星因士デネブ/光属性/☆4/戦士族/ATK1500 DEF1000

 

手札に揃ったカード2枚で一気にモンスターを展開する。途中でユートさんがカードを発動させる素振りは見せなかったから、恐らくあの伏せカードは攻撃反応型のカードか、トラップモンスターの『幻影騎士団』カードだろう。けれど、そのカードもこのカードの前では無力だ。

 

「行きますよ!私はレベル4の『アルタイル』『ベガ』『デネブ』の3体でオーバーレイ!『星輝士(ステラナイト)トライヴェール』をエクシーズ召喚します!」

「………あ」

 

星輝士トライヴェール/光属性/★4/戦士族/ATK2100 DEF2500

 

「『トライヴェール』の効果発動!このカードがエクシーズ召喚に成功した時、このカード以外の全てのカードを手札に戻します!『ダーク・リベリオン』は勿論、次のターンでカウンターが溜まる『強欲なカケラ』もです!!」

春菜 手札3→4

 

「……流石に『カケラ』は遅すぎたか。この手の物には決して除去されないドローソースだと隼から聞いたのだがな……」

ユート 手札1→4

 

ユートさんが残念そうに呟くのを聞いて、黒咲さんらしくないと思った。あの人の事だから『終わりの始まり』くらいのカードを薦めると思うんですが。

 

「おっと、『トライヴェール』でダイレクトアタックしますよ。2100のダメージです」

「ああ。俺のライフが半分を切ったか」

ユート LP4000→1900

 

ライフが半分を切り、4枚の手札の内、3枚が魔法かトラップ。メイン2で『トライヴェール』の効果を使ってハンデスしてもいいが、ユートさんが相手だと、塩を送る事になってしまうので、素直にもう1つの案で行く事にする。

 

「メインフェイズ2。場の『テラナイト』エクシーズモンスターの『トライヴェール』で、オーバーレイ・ネットワークを再構築!『星輝士セイクリッド・ダイヤ』をエクシーズ召喚!」

 

星輝士セイクリッド・ダイヤ/光属性/★5/幻竜族/ATK2700 DEF2000

 

『トライヴェール』に重ねて召喚したのは、私のデッキのエース。『セイクリッド・ダイヤ』だ。『テラナイト』エクシーズモンスターを使ったセルフランクアップ効果と、闇属性モンスターに対して強力な効果を発動する、『テラナイト』デッキ最強モンスター。攻撃力が2700と高いのも私の好きなところだ。

 

「最後にカードを2枚伏せ、ターンエンドです」

春菜 手札3→1

 

春菜 LP1300

場:星輝士セイクリッド・ダイヤ(ATK2700 ORU×4)

魔法・罠:2

手札:1

Pゾーン:無し

 

「……俺のターン。ドローだ」

ユート 手札4→5

 

少し悩みながらもカードを引くユートさん。手札にあるモンスターは『トライヴェール』でバウンスした『フライジャイルアーマー』のみ。今引いたカードによりますが、伏せカードも『セイクリッド・ダイヤ』もいるこの布陣が、そう簡単に陥落するとは思えない。

 

「……手札から『手札抹殺』を発動!互いのプレイヤーは手札を全て捨て、その枚数だけカードをドローする!」

ユート 手札5→4

 

引いたカードを勢いよく発動させるユートさん。ここで手札総入れ替えのカードを引いてくる辺り、本当にユートさんのドロー力は凄い。けれど、それくらいは想定内です。

 

「カウンタートラップ『神の宣告』発動!ライフを半分支払い、相手のマジック・トラップ。モンスターの召喚を無効にして破壊します!!」

春菜 LP1300→650

 

「ここで最強のカウンタートラップだと!?」

 

デュエルモンスターズの中で汎用性が高く、発動する為の代償が大きいけれど見返りも多いカード。『神の宣告』によって『手札抹殺』の発動を阻止する。これで、ユートさんの手札は変わらない。勝利のチャンスが見えてきた!

 

「これで手札モンスターは『フライジャイルアーマー』1枚だけ!次のターン、私が『アルタイル』を軸にランク4モンスターを召喚すれば、私の勝ちです!」

「……それはどうかな?」

 

ユートさんがふっ、と顔を綻ばせながらそう言う。……意味が分からない。主力モンスター、それこそ『ダーク・リベリオン』の効果でさえ封じたというのに、まだ何か秘策があるというのでしょうか。

 

「春菜。このターンでお前は終わりだ!手札から『幻影騎士団フライジャイルアーマー』を召喚!」

ユート 手札4→3

 

幻影騎士団フライジャイルアーマー/闇属性/☆4/戦士族/ATK1000 DEF2000

 

手札には使えないトラップとマジックだけ。手元にあるモンスター今召喚したカードだけ。それで一体何をしようというのだろうか。

 

「これが、お前を倒すカードだ!魔法カード『死者蘇生』発動!」

ユート 手札3→2

 

「なっ、ここでそのカードですかぁ!?」

「説明は不要だな。春菜の墓地から『星因士ベガ』を特殊召喚し、レベル4の『ベガ』と『フライジャイルアーマー』でオーバーレイ!エクシーズ召喚!これが俺の新たな切り札!来い!『No.39希望皇ホープ』!!」

 

No.39希望皇ホープ/光属性/★4/戦士族/ATK2500 DEF2000

 

召喚されたのは、伝説の決闘者(デュエリスト)【九十九遊馬】が愛用していたと言われる『ナンバーズ』。その圧倒的な知名度故に、ハートランドでは激レアカードだった。本来、あのカードは黒咲さんの物だった。黒咲さんの誕生日パーティーを開いたあの日。あの時渡したパックの中にこのカードあって、黒咲さんが日ごろの感謝にとユートさんに渡したのだ。

 

「……懐かしいですね。そのカード」

「ああ。あの頃は楽しかった。……必ず取り戻すんだ。あの時の楽しかったハートランドを」

 

あの頃のことを思い出して、私たちは再び覚悟を決める。【アカデミア】を打倒し、平和だったハートランドを取り戻すと。だが、今はデュエルの最中だ。それに集中すべく、私は最後の伏せカードを発動させる。

 

「闇属性以外のモンスターの対策もバッチリですよ!永続トラップ『デモンズ・チェーン』発動!このカードの効果を受けた効果モンスターは、攻撃と特殊効果を無効にされる!対象は『希望皇ホープ』です!!」

 

『カステル』やら『Ark Knight(アーク・ナイト)』やらの対策に入れておいたカードで、『ホープ』の力を封じようとする。だが、私は忘れていた。ユートさんの墓地にあのカードがある事を。

 

「その発動に対し、墓地から『幻影騎士団トゥーム・シールド』の効果発動!このカードを除外する事で相手のトラップ1枚の効果を、ターン終了時まで無効にする!俺は当然『デモンズ・チェーン』を無効にする!」

「っ、しまった!『ラギッドグローブ』の効果で既に墓地に……!ですが、攻撃力ではこちらの方が上です!」

「構わない!『ホープ』で『セイクリッド・ダイヤ』を攻撃だ!」

 

攻撃力2500の『ホープ』では、2700の『セイクリッド・ダイヤ』を勝つことはできない。だが、私は失念していた。『ホープ』が存在し、攻撃力が低くても攻撃してくるその意味を。

 

「そしてその攻撃に対し、『ホープ』の効果発動!ORUを1つ使い、攻撃を無効にする!」

「自分で自分の攻撃を無効に……まさか、伏せられていたカードって!?」

 

ここまでされてようやく気が付いた。あのカードなら、この状況を打開し、かつ勝利できる事を。

 

「速攻魔法『ダブル・アップ・チャンス』を発動!自分の攻撃が無効となった時、その攻撃力を倍にしてもう一度攻撃できる!」

ユート 手札2→1

 

No.39希望皇ホープ

ATK2500→ATK5000

 

「こ、攻撃力5000……!」

「これで終わりだ。『ホープ』で『セイクリッド・ダイヤ』を攻撃する!」

「……攻撃力の差は2300。私の負け、ですね」

春菜 LP1300→LP0

 

 

 

 

 

 

「やっぱり『強欲なカケラ』は要らないですよ。入れるなら『セブンストア』とか、『ジェネレーション・フォース』でサーチ可能な『エクシーズ・トレジャー』じゃないですか?」

「それはそうだが……どちらも発動に制限があるからな。やはり『終わりの始まり』がいいか……」

「新しくなった『幻影騎士団』だと重い気がしますけどね。除外するから再利用が難しいですし」

 

デュエルが終わってから私達は、いつもの様に互いのデッキを見せ合い長所と短所を言い合う。これをしなければデュエルをした意味もないし、何よりユートさんがデュエルを申し込んできた意味も無くなる。そうやって時間を過ごしていると、デュエルディスクに着信が入る。ディスプレイに表示される名前に赤馬と書かれてあるのを見て、私は電話に応じる。

 

「もしもし星野です。赤馬さん?何かありましたか?」

[星野か。そこにユートもいるな?]

「?はい、いますが……」

[落ち着いて聞いてくれ。【アカデミア】がオベリスクフォースをこのスタンダード次元に送り込んできている]

 

それを聞いた時、私は驚きの余りディスクを手から滑らせて仕舞う。それを見たユートさんが床に落ちる前にキャッチして電話を変わる。

 

「危ないな!?落としたらどうするつもりだ!?」

[その声はユートか。星野にも伝えたが、【アカデミア】がオベリスクフォースを送り込んできている。当初の予定通り、迎撃に向かってくれ。私はここから参加者と君達を指示する]

 

そう言って赤馬さんは一方的に通話を切ってしまう。その事にユートさんがため息を漏らすも、すぐにデッキを腰のホルダーに仕舞って、ディスクを渡してくる。

 

「行くぞ春菜!このスタンダード次元を、エクシーズ次元の様な世界にはさせない!!」

「は、はい!行きましょう!ユートさん!!」

 

私も慌ててデッキを直し、ユートさんと一緒に部屋を出る。このビルの外にいる、敵を葬る為に。

 

Side春菜---end

 

 

 

 

 

 

side秋人---start

 

「……つまらん。つまらんぞ貴様ら」

 

目の前で地面に平伏している梁山泊塾の決闘者(デュエリスト)を見て、俺はため息を吐く。2対1で始まったこの決闘(デュエル)。だがまぁ……正直やり過ぎたかもしれないが、たった1ターンで終わるとは思いもしなかったからな。

 

「くっ……あぁ……」

「く……そぉ……!」

 

結果は火を見るより明らかにも関わらず、歯を喰いしばって立ち上がろうとする2人を見て、俺はそれなりに骨があると感心した。だが、このデュエルは俺の勝ちで終わりだ。俺は後ろに控えていた奇術師と、溶岩の拳。2つの威圧感が相手を襲う。

 

「まァ……相手が悪かったと諦めるンだなァ!やれ!『CNo.(カオスナンバーズ)104 仮面魔踏士(マスカレード・マジシャン)アンブラル』!『CNo.(カオスナンバーズ)106 溶岩掌ジャイアント・ハンド・レッド』!!プレイヤーを抹殺しろ!!」

 

『アンブラル』のロッドから巨大な黒球が、『ジャイアント・ハンド・レッド』が拳から溶岩の弾丸を飛ばす。あれがプレイヤーに直撃すれば、命に関わるかもしれないだろう。だが、俺には関係の無い事だ。俺と【レジスタンス】(あいつら)に関係の無い命など、どうなろうが知った事ではない。

 

「『ルーンアイズ』!『ビーストアイズ』!!あいつらを守れ!!」

 

とてつもない威力が込められたが球体が、光と業火の一撃とぶつかり合って消滅する。今まで【LDS】で行動していた俺は、それは見た事の無いはずだった。だ が、俺はあの攻撃を見た事がある。そう、この世界とは全く違う世界。俺の元いた世界で【遊戯王ARC-Ⅴ】を見た時の一撃だ。

 

「やめろ秋人!それ以上は命に関わるんだぞ!!」

「榊遊矢……ふん、主人公のお出ましか」

 

先ほどの攻撃を放ったドラゴンとは違う、ペンデュラム召喚を象徴するドラゴン。『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』に乗って、俺の前に現れる。それを見て、俺はようやく現れた強者に、これから始まる決闘に胸が躍った。

 

 

 




ユート「今回のキーカードは『No.39希望皇ホープ』だ」

No.39希望皇ホープ/光属性/★4/戦士族/ATK2500 DEF2000
レベル4モンスター×2
1):自分または相手のモンスターの攻撃宣言時、
このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
そのモンスターの攻撃を無効にする。
(2):このカードがX素材の無い状態で攻撃対象に選択された場合に発動する。
このカードを破壊する。

ユート「エクシーズ召喚という召喚方が登場した時、そして、伝説の決闘者【九十九遊馬】が愛用した『ナンバーズ』だ。攻撃を無効にする効果には、未だに多くの決闘者が救われていると思う。ORUが無い『ホープ』を攻撃されると自壊してしまうデメリットがあるが、そうなってしまう前に『RUM』等で対処したいな。決して!ホープホープレイホープライトニングオラァ!!などしないように」

ユート「毎度のことだが、誤字・脱字等の指摘を頼む。それでは、次回予告だ」


~~~次回予告~~~

オベリスクフォースがスタンダード次元の襲撃に来る前。舞網チャンピオンシップでは様々な決闘者がデュエルをしていた。だが、その中でもこの2人のデュエルは一線を画していた。

遊矢「行くぞ秋人!俺は、お前に笑顔を齎してみせる!!」
秋人「やかましいンだよ。父親の後ろ姿ばっか見てる“偽者”がよォ!!」

次回、【遊戯王ARC-Ⅴ アイズの名を持つ龍の主】
『振り子の竜とエンタメデュエル』

秋人「さぁ、テメェの“言葉(デュエル)”を見せてみなァ!【主人公】(榊遊矢)!!」
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