「……亜門さん」
昨日、月山さんに見せられた情報は衝撃的なものだった。アオギリが梟討伐戦の時に拉致したCCGの捜査官達を一斉に実験場まで運送する計画。
しかもそこには亜門さんの名前もあった。
「……おい、カネキ?」
あのとき、暴走した赫者の力で亜門さんを傷つけて、それが原因で亜門さんが捕まったのだとすればそれは僕の責任だ。僕が必ず亜門さんを……
「おい! カネキ」
「! な、何トーカちゃん?」
「しっかりしてよ……時間がないんだから……」
「ご、ゴメン。で、次は?」
*
???????
暗く、寒く、狭い牢屋の中で亜門は倒れていた。いつ自分が何をされ、生きていられるかどうかも分からないまま……
(篠原さん、政道、什造、暁……俺は…………)
「よぉ、のっぽ!」
その時、一人の喰種が亜門に近づいて来た。それは嘉納の屋敷で出会ったナキだった。
「お前は……」
「おおおお、あの時はよくもやってくれたなぁ! あの『クンイケ』とかいうチンケな道具で俺を切り裂いて……」
「『クインケ』を馬鹿にするな。そのチンケな道具にやられたのは誰だ?」
と、亜門はナキを睨みつけて言い返した。
「なっ!! てめえぇ!!」
と、ナキが亜門を殴り飛ばそうとした時だった。
「おい、ナキ! てめぇ、誰の許可で実験体に手出していいって言われたんだ? あぁ?」
ナキの背後から一人の少年が現れた。
「げっ!? アヤト!」
「さっさと、コイツらを運ぶ準備に取りかかれよ」
と、言われナキは不満をあらわにしながらもその場を去っていった。
(ナキとかいう喰種が俺をどこかに運ぶのか? 殺されるのか?)
「おい」
「!」
考えていた亜門にアヤトが話しかけてくる。
「俺は今回の件に反対している。……アンタをここから逃がしてやりたいと考えている」
「!?」
「もう、この計画の情報はどこかに流してある。後はその情報を見た奴と……てめえの生きる意志次第だ」
と言うと、アヤトはその場からゆっくりと立ち去っていった。亜門はその後ろ姿をしばらくの間、見続けていた。
(……『眼帯』といいアイツといい……………喰種は一体、何を考えているんだ? 喰種は一体何が目的なんだ?)
*
トーカちゃんの受験は3日後、アオギリの計画も3日後。それまでに出来る事と言えば、アオギリの計画の内容を細かい所まで覚えること。そしてトーカちゃんの分からない所の問題解決だ。
今は西尾先輩が見てくれているけど、しばらくしたら先輩は大学にいかないと行けない。そうなったら、次は僕の番だ。
(戦いまで後3日か……)
トーカちゃんと僕は全く違うものを相手に3日後、戦わないといけない。
「よし!」