東京喰種√S   作:torachin

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追い込み

「……亜門さん」

 

昨日、月山さんに見せられた情報は衝撃的なものだった。アオギリが梟討伐戦の時に拉致したCCGの捜査官達を一斉に実験場まで運送する計画。

 

しかもそこには亜門さんの名前もあった。

 

「……おい、カネキ?」

 

あのとき、暴走した赫者の力で亜門さんを傷つけて、それが原因で亜門さんが捕まったのだとすればそれは僕の責任だ。僕が必ず亜門さんを……

 

「おい! カネキ」

 

「! な、何トーカちゃん?」

 

「しっかりしてよ……時間がないんだから……」

 

「ご、ゴメン。で、次は?」

 

 

 

 

 

 

???????

 

暗く、寒く、狭い牢屋の中で亜門は倒れていた。いつ自分が何をされ、生きていられるかどうかも分からないまま……

 

(篠原さん、政道、什造、暁……俺は…………)

 

「よぉ、のっぽ!」

 

その時、一人の喰種が亜門に近づいて来た。それは嘉納の屋敷で出会ったナキだった。

 

「お前は……」

 

「おおおお、あの時はよくもやってくれたなぁ! あの『クンイケ』とかいうチンケな道具で俺を切り裂いて……」

 

「『クインケ』を馬鹿にするな。そのチンケな道具にやられたのは誰だ?」

 

と、亜門はナキを睨みつけて言い返した。

 

「なっ!! てめえぇ!!」

 

と、ナキが亜門を殴り飛ばそうとした時だった。

 

「おい、ナキ! てめぇ、誰の許可で実験体に手出していいって言われたんだ? あぁ?」

 

ナキの背後から一人の少年が現れた。

 

「げっ!? アヤト!」

 

「さっさと、コイツらを運ぶ準備に取りかかれよ」

 

と、言われナキは不満をあらわにしながらもその場を去っていった。

 

(ナキとかいう喰種が俺をどこかに運ぶのか? 殺されるのか?)

 

「おい」

 

「!」

 

考えていた亜門にアヤトが話しかけてくる。

 

「俺は今回の件に反対している。……アンタをここから逃がしてやりたいと考えている」

 

「!?」

 

「もう、この計画の情報はどこかに流してある。後はその情報を見た奴と……てめえの生きる意志次第だ」

 

と言うと、アヤトはその場からゆっくりと立ち去っていった。亜門はその後ろ姿をしばらくの間、見続けていた。

 

(……『眼帯』といいアイツといい……………喰種は一体、何を考えているんだ? 喰種は一体何が目的なんだ?)

 

 

 

 

 

 

 

トーカちゃんの受験は3日後、アオギリの計画も3日後。それまでに出来る事と言えば、アオギリの計画の内容を細かい所まで覚えること。そしてトーカちゃんの分からない所の問題解決だ。

 

今は西尾先輩が見てくれているけど、しばらくしたら先輩は大学にいかないと行けない。そうなったら、次は僕の番だ。

 

(戦いまで後3日か……)

 

トーカちゃんと僕は全く違うものを相手に3日後、戦わないといけない。

 

「よし!」

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