「トーカちゃん、ごめん。勝手な事したのは本当に……」
「うるさい、黙れ」
昨日からずっと謝ってるのに、トーカちゃんはずっと僕に対してこの調子だ。原因はまた自分1人で無茶してアオギリに向かっていったからだそうだ。
「お前、本当に馬鹿だよな」
西尾先輩が笑いながら話しかけてくる。
「すみません。でも、今回ばかりは本当に時間がなくて……」
「ああ、それは分かってる。だから四方さんもお前を一発なぐって終わりにしてくれたんだろう」
「…………」
昨日、目が覚めたと同時に四方さんに何でこんな事をしたのか聞かれた。僕はそれに対して、正直に答えて……平手打ちをされた。『お前には芳村さんの言いたかった事がまだ分からないのか』と言い残されて……
「僕、駄目ですね」
「本当だよな、何回同じ事を繰り返すのかって感じだ」
「……………」
「平和な世界で暮らしたくないならそれでいい。が、そうじゃないんだろ?」
「「!」」
西尾先輩と話していると、コーヒーカップを磨きながら四方さんが話しかけてきた。
「平和な世界で暮らすために戦う……それも1人で。お前に今、必要なのは『力』じゃない。『心の支え』だ」
心の支え……僕は西尾先輩を無意識のうちに見つめていた。先輩には貴美さんが、芳村さんに憂那さんがいた。二人ともそれで変わる事が出来たんだ。西尾先輩はもうあれから人を殺していない。
……僕はリゼさんがいたから変わってしまった。喰種になって、喰種を受け入れて……僕は彼女のおかげで強くなれた。そんな彼女も……ヤモリのあの時から悪夢にしか出てこない存在になった。
確かにそうかもしれない。ヒデがそうだった様に……
ヒデ、今どうしているんだろう?
*
「亜門さん! お見舞いにきましたよ!」
「おぉ、永近か。久しぶりだな!」
亜門は今、梟戦で傷ついたCCGの人たちが入院している病院にいる。もちろん、彼も入院している身だ。
「……腕、大丈夫なんすか?」
「! これは……」
(眼帯の赫者、アイツはあれを制御しきれていない)
「事故さ。……不運によるな」
涙を流している眼帯、『もう喰べたくない』と苦しむ眼帯が頭の中に浮かぶ。不運、喰種として生きていくしか無い彼の不運。
「寂しくなりましたね」
「ああ」
この戦いで亜門は多くの人を失った。篠原さんは昏睡状態、滝沢は未だ行方不明、亜門はそれを知った日、病室で涙が涸れるまで泣き続けたという。
「俺もこの腕じゃ、引退かもしれんな」
「そんな!?」
「だが、俺は見届けたい」
「え?」
(眼帯……お前の生き様を)
*
そして、上井大学の合格発表日……
後は2章の終わりに向けてのエピローグ祭りじゃ!!
亜門のCCG人生、トーカちゃんの合格発表、カネキのこれから……語っていくぜぇ!