(でも僕は……)
「トーカちゃんの事は好き……本当の家族だとも思ってる……これは本当なんだ」
「カネキ……」
✳︎
(トーカ視点)
私だってそうだ。いつからだろう? カネキを仲間だと思い始めたのは?
最初は軟弱でウザい奴としか思ってなかったのに、カネキがアオギリにさらわれた時、真っ先に助けに行くと言ったのは私だった……
『1人にしないで……」
母さんもいなくて、父さんもある日消えて、アヤトはアオギリに入って私は一人ぼっちだった。『あんていく』に入ってからもそれは変わらなかった。寂しかったんだ……怖かったんだ、また1人になるのが
そんな時………
『しないよ』
アイツはそう言ってくれた。その時から私にはカネキしかいない、そう思うようになったんだ。
だから今の言葉はとても嬉しい。
「カネキ……私も…………アンタが」
「でも、僕は君と付き合えない……」
「……え?」
その時、カネキは確かにそう言った。カネキのその言葉は私を突き飛ばす様な言い方だった。
「どういうことよ?」
「……僕と一緒にいたら、後からが辛いだけなんだ」
「は?」
「トーカちゃん、聞いて。僕は4月からドイツに行くんだ。嘉納の講演会に参加するために……その後、僕はしばらく日本に戻らない」
「!?」
「日本にアオギリがある様に、海外にもそんな喰種組織が存在する。海外にいる喰種に僕1人じゃ太刀打ちできないけど……ドイツにいるある喰種組織から連絡が来たんだ。僕はそこに所属して他の喰種を倒す」
「……ふざけんな! :reはどうすんの!? またアンタ1人で……」
「……仲間はいるよ。今度は1人じゃない」
そんな事言いながらも、どうせまた1人で敵陣に突撃していくのは目に見えている。それなら、
「…………なら私も!」
「駄目」
カネキはハッキリそう言った。
「君を巻き込むわけにはいかない。それに君にもしもの事があったら……」
「ハッキリ言えよ。私がいると足手まといなんだろ?」
「!」
「アンタがあんていくを出て行った時も、ヒナミや月山は連れて行って私は連れて行かなかった。それは私が弱いと思ってるからだろ?」
「足手まといとは思っていないよ。ただ、君を傷つけたくないんだ」
「……そこまで言うなら、私と戦え!!」
「え!?」
自分を犠牲にしたり、自分だけ戦ったりする……アイツはそれでいいと思ってる。
「カネキ、前にも言ったよね。私、アンタのそういうところ嫌い」
「…………君とは戦えないよ」
「黙れ!」
✳︎
「!?」
トーカちゃんはそう言うと、僕に殴りかかってきた。トーカちゃんに躊躇はない。本気で僕を……倒す気だ!