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ドイツに来る少し前にカネキは:reで明日の仕込みと食器洗いをしながらある事を考えていた。
(嘉納をドイツで捕らえる。僕みたいな人をこれ以上増やさないためにも……)
その思いはカネキが正義の心を持つ復讐でもあり、悲劇の主人公である事を表す心持ちであった。リゼはそこまで憎めなくとも、嘉納を恨むには十分すぎる理由があった。
そしてカネキはある事を懸念していた。
(嘉納はアオギリのカード。そしてアオギリは梟……店長を手に入れた。この2つのピースが組み合わされば? 嘉納が店長で喰種を作っていたら?)
最悪の組み合わせ。カネキは理解していた。だからこそ嘉納を絶対に捕まえて、店長を取り返さないと行けない事も分かっていた。
(でも、今回は1人で突っ込んでどうこうなる問題じゃない。月山さんはついてきてくれるとは言ってるけどそれでも足りない。もっと……それでこそアオギリの様な組織で挑まないと……)
そのとき、カネキに1本のメールは届いた。今回のドイツ戦での支えとなる1本のメールがーー
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「嘉納とENDの確保は絶対だ。今後のためにもね」
僕とトーカちゃんは神山さんと数日後に向けての話し合いをしていた。月山さんはこの場にはいないけど、今回月山さんは撤退する場所の確保、雑魚の殲滅が任務だから心配は無用だった。
ただ、問題は……
「本気ですか? トーカちゃんに殿を任せるって……」
そう、今回の作戦は僕と神山さんが嘉納を追い、残りの精鋭メンバーでドイツの喰種捜査官たちを足止めさせて僕たちの作戦に支障をなくす事だった。そのメンバーの1人がトーカちゃん。しかもトーカちゃんを精鋭メンバーのリーダーにするとまで言い始めたのだ。つまり、いざとなるとトーカちゃんは……
「大丈夫、トーカさんの実力はさっき見たけどかなり高いものだったよ。それにドイツの喰種捜査官は日本と比べて箱持ち(クインケ)が少ないしね」
それでも僕はトーカちゃんの事が心配で仕方がなかった。
「分かりました。ただ1つだけ言っておきます。これはあくまで同盟関係であってあなたを仲間とは思っていません。トーカちゃんが死ぬ様な事があれば……」
「僕があなたを殺す」
その場にいる全員に緊張が走った。殺気が漏れたのだろうけどそんな事は関係ない。そのまま神山さんを睨み続けていると
「うん。僕も自分の不甲斐なさで誰かが傷つくものなら、もとより責任は取るつもりだから」
彼はごく自然に笑顔を浮かべながら答えた。そのとき、僕は確信した。
(この人は僕より強いな、力も……精神(こころ)も)
「すみません、強い言い方してしまって」
「ううん、仲間を失う時の辛さは知っているから……」
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「トーカちゃん、気に入られてるんだね」
「え?」
「カネキくんに」
神山さんは私に急にそう話しかけてきた。
「い、いえ、そんなことないですよ。アイツ、いつも急に私の前からいなくなって……」
「いや、僕には分かるよ。彼の中にはいつも君がいて、君が彼の支えになってるんだって」
不思議な気分だった。彼の勝手な解釈。それは分かっていたけど、彼のその言い方は確信に近いものだったから。
「あっ、ごめん。変な事言ってしまって。信じられないかもしれないけど……」
「僕、他人(ひと)の心の中を見るのが得意なんだ」
「え?」
ますます意味が分からなくなってしまった。そして私が混乱しているのが分かったのだろうか、神山さんは
「あぁ! ゴメン! 意味分からないよね! さっきのは気にしなくていいから!」
「……ぷっ。ハハハハ!」
それを見ていて私は思わず笑ってしまった。その慌て方がカネキに似ていたから。
「な……なんですか?」
その言い方もカネキに似ていた。
「いえ、何でも……」
彼とは仲良く出来そうだった。
「で、話戻すけど……カネキくんとは付き合ってるの?」
「はぁ!?」
さっきまでは気に入られてるとかの話だったのにいきなりぶっとんだのは気のせいではない。
「いや、いつも仲良くしてるからって思って……」
「いえ、今はまだ……」
『トーカちゃん、あんな話の後で悪いけど……トーカちゃん、付き合うのはもう少し待ってからにしてもらえないかな?』
『え!? 何だよ、それ!』
『勝手なわがままかもしれないけど全て元通りに……昔のあんていくの様な頃に戻るまでは待ってほしいんだ』
その気持ちは私にも分かった。だからこそ私はそれを了承した。今は、カネキにとって大事な人、それで良かった。今は……
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「ENDかぁ」
僕は神山さんに渡された資料を見ていた。
『END 性別? 年齢? 赫子?』
『レート Z(全国指名手配喰種 下位捜査官は見つけ次第、速やかに撤退せよ)』
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(そして……)
「亜門准特等、ドイツの喰種対策局がお呼びだ」
「ああ、遂に来たか。この作戦でどんな風に抜擢されるかだな。アキラ、気を引き締めろよ」
「無論だ」
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(歯車は……)
「……この匂い。会ってみたいとは思っていたけどまさかここで会うなんてね。まぁ僕がENDだったら敵か……でも、初めましてだね、カネキくん」
「君と会って、ゆっくり話がしたいな」
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「いよいよか、私についてくる喰種はどれだけいるかな? エトさん」
「んー、どうだろうね? ところで今回の護衛はどうするの、嘉納さん?」
「フフフ、タロちゃんコース200体と一般作150体、そして私の成功作と最高傑作を1体ずつって感じだね」
「へぇ! って事はあの子達を!?」
「ああ、さて準備はいいね? 《オウル》、それと《カネキくん》」
「ああ」
「早くしろ、腹減ってんだ」
(……動き出す)
最後のは分かる人には分かる。(カネキくんはオリジナルです)
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