最後の投稿から約9ヶ月……お待たせして申し訳ありませんでした!!
公的な問題、私事でこのサイトにアクセスする暇すらありませんでした(涙
今後はこのような長期休暇をとる際はお知らせをしておきたいと思います。
そして長らく更新をしていなかったにも関わらず、多くの方がこのお話をお気に入り登録してくれていることについてはいくら感謝してもしきれません。今後もこの物語にお付き合いしていただければ幸いです。
では、引き続き東京喰種√Sをお楽しみください。
「ハハハ……ハハハハハハハハ!!!! は……早過ぎだろ、それ!!」
「た…倒れない!?」
最高の一撃、の筈だった。しかし、現に滝澤は倒れていない。絶望が三人を襲う。
「……鈴屋一等。今の一撃は?」
「はい。間違いなく決まってたです。そして喰らえば終わりと言っても良い程の一撃でした。政道には梟と同じ回復力と再生力がありますねぇ」
「そうか」
アキラは確信した。この勝負が長引くことはない、と。滝澤の攻撃はことごとく桐ヶ谷に躱し続けられる。だが、当たればそこで勝負は終わる。
一方で桐ヶ谷の攻撃は速く火力もある。滝澤はその攻撃に耐えている。が、滝澤もあれほどの一撃を何度も喰らい続けれないだろう。
滝澤が攻撃を当てるのが先か? 桐ヶ谷の連撃が滝澤の体力を削り取るのが先か?
そしてそのことに2人は気づいていた。だからこそ2人は躊躇せず、ぶつかり合った。
「「うおおおおおおおおおおおぉぉぉ!!!!」」
桐ヶ谷は滝澤の攻撃を躱すかクインケで受け流す。滝澤はクインケの攻撃を受けながらも攻撃を続ける。
「どうした? さっきより攻撃が軽いぞ?」
「お前こそ動きが鈍ってるぜ!」
お互いの挑発と攻撃が続く。2人の言う通り、滝澤はさっきから躱せる攻撃も蓄積されたダメージの影響か浅いものの喰らい続けてる。一方の桐ヶ谷もさっきの一撃の様な大技をなぜか出さないでいる。
「おい! もう一回さっきの技出してみろよ! ああ、そうか! もう限界かな!?」
「……限界?」
その時、エリュシオンが再び輝きを放つ。
「! やっべぇ……」
と言いつつも、笑顔がこぼれる滝澤。それはまだ余裕、ということを意味してた。
(これを喰らっても余裕でいられるか? 片手剣突進技)
桐ヶ谷はバックステップと同時に滝澤に突っ込んだ。
「誰が限界って?」
滝澤も負けじと赫子発現させるが、突進と共に繰り出された突きを防ぐことは出来ない。
「《レイジスパイク》」
滝澤は思わず、膝をつく。力が抜け倒れ込む状態になり、自然と右手がエリュシオンに引っ掛かる。桐ヶ谷はそれを見て勝利を確信した。クインケを背中の鞘に収納しようとする。が、エリュシオンがピクリとも動かない。
「! 何だ?」
エリュシオンの刀身に視線が動く。そこには傷だらけの右手が血管が浮かび上がる程の力で握りしめられていた。
「耐えたぜ」
「なっ!」
「へへへ……お前のその技には弱点がある。それはクインケを利用した超高速の攻撃、それが仇になってお前の体への負担がデカい。まぁ、それは我慢すればどうにでもなる。そしてもう一つ!!」
「技を出した直後、お前の筋肉が衝撃のあまり痙攣を起こしている。今から俺はお前を蹴りとばす。ピンチってことくらい分かるだろ? 避けてみろよ?」
「ッ!!」
「避けられねぇよなぁ! その痙攣は数秒間は続く!!」
滝澤は満面の笑みを浮かべ、桐ヶ谷に向かって舌を出した。
「俺の勝ちだ」
滝澤はエリュシオンを投げとばし、そして什造の義足を破壊した時以上の威力で桐ヶ谷を蹴飛ばした。骨が砕け、内臓や血管が破壊される音が両者の耳に聞こえた。桐ヶ谷は嘉納がいたステージ上まで飛ばされていった。
「桐ヶ谷三等!!」
「ッ!」
鈴屋がクインケを構えるが、それを察していたかのように赫子が鈴屋を襲う。当然、滝澤のものだ。鈴屋は再びその場で倒れてしまう。
「ハハハハハハハ!! 逃がすかよ!」
滝澤がアキラを睨みつけた。その時、ほとんどの喰種の始末を終えたドイツの捜査官が一気に襲いかかる。
「あ?」
「sterben!!!(死ね!)」
「よせ!!!!!」
アキラの叫びが響いた直後、滝澤の赫子は正確にドイツ捜査官の首元を貫いた。
「おッホホホォ!!! !? ガハッ!」
滝澤は甲高く笑ったかと思うとその場で吐血した。
「内臓が……久方ぶりだな。ここまでやられたの」
滝澤はその場に座り込む。
「少し休むか。どうせアイツら逃げられねぇし」
*
「ぐっ!」「強すぎる」「これが赫者」
捜査官は一瞬でやられ、その場に倒れ込む。
「ケハハハハ!!!」
カネキはその光景に思わず笑みがこぼれる。が、倒れ込んだ捜査官のうち数名は立ち上がり武器を手にする。
「……捜査官たるもの死ぬまで喰種とーー」
「逃げろォォォ!!!!!」
その時、悲鳴が聞こえた。その場にいた全員が辺りを見渡す。カネキも思わず反応してしまう。が、反応したのは声にではなく……
寒気。視覚できるほどの寒気が全員を襲った。突風のようにフロア全体を寒気が支配したかと思うと捜査官は息をひき取った。
「……またか」
声の主がカネキの前に姿を現す。フードを被った黒髪の少年。カネキはジッと彼を見つめる。少年は捜査官たちを見下ろす。そして1人、目を開けたまま息をひき取った捜査官を見つけるとその場に座り込んだ。
「ごめん……名前も知らない1人の男よ。僕が君に与えたのは恐怖とーー終焉(END)だけだ……」
彼にそっと触れ、目を閉じさせる。そして少年はカネキを見ると、フードを外した。外見はなんら変わらない普通の少年だった。
「君が恨むのは愛? 友? 繋がり? 運命?」
「ううううう〜ん? 君はだぁれ? 美味しそう……」
「フフフ。やめておいた方が良いよ、僕はこの世で一番マズイ存在と自負してるからね、色んな意味で。……僕と対峙できる人に出会ったのはいつ以来かな?」
「出来ればちゃんとした出会い方が良かったんだけど……初めましてカネキくん。僕は《END》だ」
「…………」
「そう、そのまま大人しくしててね。『君を殺したくない』少し話があるんだ」
(倒れる救世主! 悲劇の少年の前に現れた謎の少年)