東京喰種√S   作:torachin

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運命の決戦相手

一方、カネキとENDのいる場所では……

 

「あ……ああああぁ!!」

 

カネキの体に異常が起き始めていた。ムカデの様な赫子が不気味な音を立てながらうごめき始めたのだ。カネキは頭を抱えて苦しみ始める。

 

「! Rc細胞が変異している」

 

「私の!! 俺の!! 肉ッッ!!!」

 

「……2つのRc細胞が暴走してるのか。このままだと肉体が保たない。カネキくん、辛かっただろうね」

 

ENDは同情するようにカネキを見つめる。が、暴走状態のカネキにそんなことは関係なかった。

 

「歪んでるよぉ!! …俺? …私? 僕……僕僕僕僕も君も皆ぁッ!!」

 

カネキがENDに襲いかかるが、紙一重で躱す。しかしENDの表情に焦りは見られない。その表情は先ほどと同じ悲しい顔だった。

 

「君をこんな姿にしてしまった……それは僕の責任もある。僕はもう誰も傷つけたくないのに…だからこそ僕を殺してくれる存在が欲しかった」

 

「ハァハァ!! 肉ゥ!!」

 

カネキの呼吸は乱れ始め、口からは血が吹き出る。

 

(カネキくんの体の限界が近いな……)

 

「だけど僕を殺せる存在は限られてる。僕を殺したければ世界を恨み、呪い、否定し強くならなければならない。世界に否定され続け生き続けた僕に平和ボケした存在が勝てるはずがない。……君だよカネキくん、君には僕を殺す資格がある」

 

その時、再びENDから何か不穏な雰囲気が生まれる。それは先の捜査官の命を奪ったものよりずっと重く苦しいものだった。本能が叫んだのかカネキもENDから離れる。

 

「何とでも言うがいい。悪魔? 卑劣? 姑息? それでも僕は死にたい……死ななければならないんだ。だから君に死なれたら困るんだ、カネキくん」

 

そしてENDはカネキに急接近してーー

 

顔を近づけ、カネキに初めて優しい笑顔を浮かべた。

 

「だから生きろ。カネキ、この世の全てがお前を否定しようとーー

 

 

「僕はお前を愛してる」 「!?」

 

 

我に一瞬返り、カネキはENDの瞳を見つめた。それはかつて優しい視線を送ってくれた……母の視線と瓜二つだった。

 

「ぐっ!! ああああああああああぁ!!!」

 

しかしまたすぐに体の苦しみに耐えられず、暴走を始めてしまう。

 

「カネキくん……ENDを憎め、恨め。もとより僕は君の敵だ。だけど辛いときでも心配しないでいい。カネキ、僕はお前をずっと見ている」

 

そしてENDは再び悲しそうな表情を浮かべる。そして目を閉じ、何かを思う。そして次の瞬間、怒りに満ちた表情を見せた。

 

「いつだって世界を狂わす存在がいる。それが誰かの人生を狂わすことを承知の上で……嘉納、君には罰を与える。見るがいい、これがENDの見せるーー」

 

    

                   《終焉!!!!!》

 

 

「……? 地震かい!?」

 

「にしては強すぎだろ! 月山、早くここを抜けるぞ!!」

 

「地震か? ……ッ!」

 

(右腕が……アラタの様子がおかしい)

 

「……そうか。そこまで私が憎いか。END」

 

 

 

「滅びるがいい、ENDの名の下に!!」

 

次の瞬間、会場のあらゆる場所から大樹が……否、それと見間違う程巨大な赫子が出現した。

 

世界樹が世界を造るものであるならこの赫子はそれと対なる存在、世界を滅ぼし得るものであった。

 

会場は崩れ落ち、全ての喰種・人間が地下数十階まで落下していった。それと共に巨大な瓦礫も落下する。あちこちで爆発が起こり、火の手が上がる。

 

自分の赫子に掴まるENDは落ちていく人々、火の海と化した最下層を見下ろす。その瞳は氷のように冷たいものであった。そしてENDは赫子を収束しどこかへと消えていった。

 

(また会おう、カネキケン)

 

 

「クソッ! 何がどうなっている!?」

 

亜門は炎をアラタの右腕で振り払いながら、先へと進む。

 

(落下の時にクインケを……一体どこに? いや、それより……)

 

「アキラッ!! 什造ォ!! 桐ヶ谷ァ!!」

 

亜門は必死に叫びながら炎の中を進み続ける。

 

するとその目の前に2人の人影が現れた。

 

 

「wait! wait! wait!!!(待て待て待て!!!) 霧嶋さん、本当にこの人たち連れて行くの!?」

 

「だって放っておくわけにはいかないでしょ!」

 

トーカと月山はまだ息のあった捜査官3人を抱えて走る。

 

「全く……君たちあんていくはいつも甘い」

 

(が、たまにはそれも……いや、それがいい)

 

そして炎の向こうに人影が見える。それは……

 

「ーーWhat the bad joke…(悪い冗談だ…)」

 

「クソ……」

 

 

「美食屋……ラビットォ…!!」

 

亜門は右腕を構え、トーカも赫子を出現させた。

 

 

 

「ぐ……ガハッ! ハァハァ!!」

 

炎の海の中にいるカネキは生きていた。が、赫子の暴走に体が限界を迎えている。口から血が止まらない。

 

そして……

 

「……チッ! 不良品の分際でッ……まだ生きていやがったのか」

 

「! 見ぃつけたアァ!!!!」

 

再びカネキ達は対峙した。そして2人の赫子がぶつかり合うのはほぼ同時であった。

 

「いい加減死ねよ!!」

 

「ケハハハハァ!!!」




あと数話でEND編終了の予定です。
思ったより長くなってしまったこのストーリー……ENDの重傷っぷり(病名:中二病)……最後までお付き合いいただければ幸いです。

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