東京喰種√S   作:torachin

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お詫び 

編集ミスで文章がおかしくなっていました。九時五分に修正完了しました。大変申し訳ございませんでした。


カネキと景虎

「まさかおまえが《ムカデ》やったとはな」

 

《ムカデ》、CCGが僕に使う呼称の一つだ。『眼帯の喰種』『隻眼の喰種』時には『半端野郎』、色んな呼ばれ方をされるけど、喰種が僕をムカデと呼ぶ事は少ない。

 

「僕を知っているんですね」

 

僕をムカデと呼ぶ人たちの共通点は、僕を排除したいという事だ。

 

僕は少し前までアオギリを倒す事しか考えていなかったから、景虎に恨まれたりするような事はした覚えは無いし、する余裕は無かった。

 

つまり、景虎はどこかの喰種組織に所属しているという事だ。

 

「情報は権力のある所に集まるからな」

 

やはり、今のいい方だと景虎はどこかに所属しているんだ。アオギリじゃなければ……一体?

 

「何を考えとるんや? さしずめ、わいがどこの喰種組織に属しているのか、ってとこか」

 

「!」

 

やっぱりこの人、鋭い。

 

「まぁ、お前じゃ分からんとこや。わいの組織は言うならば『影』、表舞台にはおらん」

 

「?」

 

影? 暗躍している喰種組織? そんな組織……

 

(……………………!!! まさか…もしかして!)

 

僕がそれを思いついたと同時に、景虎はまた話し始めた。

 

「つまり、権力の大きい所に何もかも集まるんや。情報だけやない、使える駒も……」

 

景虎は抱きかかえているトーカちゃんを見せつけるように揺らす。

 

「女もな」

 

「!」

 

今度こそ僕は怒りに身を任せて、景虎に突っ込んでいく。始めから全力。6本の赫子で景虎を叩き付け……

 

「怖いのぉ……」

 

「!?」

 

ところが、景虎は僕の赫子を受け止めた。彼はすでに気絶しているトーカちゃんを地面におろし、両目は赫眼となっていて、赫子を出していた。

 

「冗談やないか」

 

彼の赫子は腰から出ていて表面はまるで鱗のようだ。僕と同じ《鱗赫》、数は4本で僕より少ない筈なのに……

 

「6本……さすが、噂通りの強さやな。けど……」

 

「!?」

 

景虎は赫子で僕を容易く空中に投げ飛ばした。僕の赫子を受け止めて、さらには投げ飛ばした、力だけならあっちの方が上だ。なら、ヤモリと同じだ。

 

「舐めるなぁ!」

 

手数で押し切る! 6本の赫子を巧みに操って、景虎の赫子の攻撃を防御していく。どんな喰種にも隙はある。例えば、4本の赫子全てで僕を攻撃しようとした時……

 

(ここだ!)

 

「アカンでぇ、カネキ」

 

「!?」

 

その時、景虎の赫子の軌道が変わった。1本の赫子が僕の腰めがけて猛スピードで突っ込んできた。次の瞬間、赫子の感覚が無くなった。奴の赫子が僕の赫子を全部断ち切ったんだ。

 

さらに残った3本の赫子で僕を思いっきり切り裂く。そして人間では考えられないほどの血が噴き出した。

 

「がはっ!!」

 

「『舐めんなぁ』、それ勝負で負ける奴が言う台詞やで」

 

僕は地面に倒れ込む。ダメージがでかすぎる! 回復する気配はない。亜門さんの時と同じだ。

 

しかも、この爪痕みたいな傷……思い出した!!

 

 

SSレート《猛虎》!

 

赫子一つでビルを倒壊させる喰種随一の力を持つ強力な喰種だ。『ある一つの事件』でのみしか確認されていないにも関わらず、その時にSSレートとして指定された喰種。

 

この傷跡も……彼の赫子が残す特徴的な傷跡。

 

「あ……あぁ……」

 

意識が薄れていく……肉…食べなきゃ…回復できない……死んでしまう

 

「どうしたぁ? アレ使ってもいいんやで。何やっけ? 《半赫者》? アレつかえや」

 

……駄目だ。あの力は自分で制御できない。あの力を使っていいのは……有馬との戦いみたいな時だけじゃないと、僕はまた人を傷つけてしまう。それに……

 

 

「僕は人を……見失わない!!」

 

 

そう決めたんだ。でも、それじゃあ僕の大切な人たちは守れない。

 

だから『:re』で働いて僕はある結論に達した。

 

 

「そういうのを綺麗事って……」

 

「だけどね」

 

「?」

 

自分の心境が変わっていくのが分かる。

 

「あの日から……あの人(リゼさん)と話してヤモリと戦ったあの日から、僕は戦いに快楽を覚えたんだ」

 

そう、ヤモリの時も喰種レストランの時も……

 

「だけど、亜門さんや有馬貴将、CCGの人たちと戦う時はそれが無かった。その時、僕は気づいたんだ。『僕の中の喰種』は戦う事を好むんじゃない、自分の気に入らない奴を倒す事が楽しかったんだ」

 

「お前、まさか……」

 

「気に入らないんだよ……僕の仲間を…居場所を奪う奴は容赦しない……」

 

トーカちゃんを汚い目で見るお前も……

 

 

「邪魔なんだよ!!」

 

 

(芳村さん、あなたの言う通りでした。僕は『人間』と『喰種』、二つの世界に居場所を持てる存在。『人』であり『喰種』だ。『人』としての僕は皆と楽しくふれあって、孤独で苦しんでいたりする人たちを助けるために存在して、『喰種』としての僕はそれに必要な邪魔な芽を摘むための存在だ)

 

 

(今……『喰種』になる時だ)




覚醒ではありませんが、カネキが自分の生き方、自分の存在についてこういった結論に辿り着いた所で今回は終了です。

最終回近くの(あんていくに戻ると決め、CCGに突撃していくまでの少しの間)精神的に『人間としての正常さ』と『喰種としての異常さ』を残したカネキが僕は一番好きで、この小説ではそんなカネキを書いていこうと決めていたので、敵がどうあれ僕の書きたかったカネキが完成しました(何言ってんだ、僕?w)

このカネキについて意見、感想お待ちしています。というか、意見こないとドンドンめちゃくちゃになりそうww

次回、『景虎編』完結、少し長めになります。
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