とある戦場、一人の戦士が殿を務めて奮戦していた。立ちふさがる敵は斬り、突き、吹き飛ばしていた。
戦士の名は鍔基剣二(つばもと けんじ)と言って戦場では「蒼い雷人」と呼ばれ称えられていた。由来は本気で彼が戦うと体から蒼い闘気が溢れ、稲妻を纏っている姿が「雷神」の様だったことから敵見方から敬意の念で言われていた。
剣二は愛刀の「麒麟」を水平に構えて相手に備えた。敵は数人こちらに槍を構え突っ込んで来た。
1人が突いてきたのを刀の峰で左へ逸らし腹部を切り裂く、次に上段から振り下ろされた槍を左手で受け止め敵の胸を突き、息の根を止め後ろに回ろうとしていた敵に投げつけ隙を着いて首を跳ねた。
刀にこびり付く血を払い、また水平に剣を構える。
「・・・」
ちらりと自分の後方を見る。数里先の城に味方が上手く逃げ込めたことを確認し、前を見ると隊列を整えた兵たちがいた。
「弓兵ですか・・・」
弓を構え剣二に標準を合わせていた。すると、さぁーっと潮が引くように隊が左右に別れ一人の司令官が出てきた。
「もう降伏したらどうかね。悪いようにはせんが」
司令官は降伏を進めるが剣二は無言で返した。
「いやはや、君の働きは誠に素晴らしかった。おかげで勝てた戦を逃してしまった。さすが「雷人」といったところか」
「これは司令官殿からお褒めの言葉を承るとは、光栄だね。だが、降伏はしないよ」
「満身創痍の状態でも戦うか。君の生死は私が握っているのだぞ。命令一つで君はハリネズミにもできる」
「何度降伏を勧めても無駄だぜ。俺は降伏はしない!この意思を変えることは絶対に無い!」
剣二からは蒼い闘気が溢れ稲妻が走る。司令官は一つため息を吐き右手を上に掲げる。
「そうか、残念だ。皆の者撃てえ!」
合図とともに無数の矢が飛んでくる。
(ここまでか・・・ま、それなりにやれたかな)
剣二は構えを解いて愛刀の「麒麟」を見た。そして、相棒に礼を言った。
「ありがとう。ここまで付き合ってもらって」
その瞬間、麒麟の刀身からまばゆい光が溢れた。
「!?」
光が剣二の体を包み込み、そして、剣二の姿を消してしまった。