東方雷人伝   作:ドディドドン

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愛刀から出た光に飲み込まれた剣二は・・・


第ニ話 雷人と天才少女

「うっ、ここは?」

 木に背中を預け、気を失っていた剣二は目を覚めた。そして周りの風景を見て疑問符を頭の上に出す。

「俺は確か・・・」

 戦場で殿を引き受け、弓兵に囲まれ全身ハリネズミになる瞬間に、愛刀「麒麟」から出た光に包まれて、それで気を失って・・・。

「死んだのか?」

 自分の体を見てみるが、足はしっかり生えているし、何より肉体がある。しかし、服装が洗濯でもしたように綺麗なままである。返り血一つもない。

 

 とりあえず立ち上がって体を一通り動かしてみるが何も異常がない。鞘から「麒麟」を抜いて素振りをしてみるがしっかりと振れている。次に目を閉じて、腹部に力を込める。髪の毛がざわつき、体から蒼い闘気を放つ。

「はぁぁぁぁあああああ!!」

 目をカッと見開いて腹部の力を一気に開放する。ゴオオと足から闘気が溢れ出て、稲妻がバチバチと体の周りを走る。両腕には鋼でできた籠手が装備され、両足にも同じく鋼でできたすね当てが装着されている。

『蒼い雷人』と呼ばれる姿になった。この状態になってもう一回、一通りの運動してみる。

「普通に動けるな。よし、一回目の前の木を斬ってみるか」

 左腰に刀を差して居合切りの構えを取る。刀の鯉口を左の親指で切り一閃、一拍遅れて目の前の大木が左右に真っ二つになった。

 

 刀を払って鞘に納める。それと同時に闘気が収まっていく。剣二の体を包んでいた稲妻も消えていった。

 

 ふう、とため息を着いて言った。

 

「生きているんだな。俺」

 目を閉じて確かめるように呟いた。「しかし、ここは一体どこなんだ」

先ほど斬った木を見ながら言う、なぜなら、その木は剣二が見たことのない木だった。また周りの植物も見たことのない物ばかりだ。

「もしかして、別な世界にでも来たか?」

 ひとつの仮説を立ててみる。もしこの仮説が正しければ非常に困る。まず人類が居るかどうか解らない。居たとしても言葉が通じるかどうか。剣二は首を左右に振って考えを振り払った。

「考えても仕方ない。まず、行動だ」

 そう言って剣二は歩き始めた。

 

 

 

 

 

数時間後

 

 

 剣二は川を見つけ水を飲んでいた。わかったことが二つ、一つはやはり別世界であること。理由は巨大生物や昆虫がいた。大蛇のような大ムカデや恐竜が存在していた。先ほど肉食恐竜を倒した。大体10mはあるだろう恐竜が鋭い牙で背後から襲ってきたのだった。まあ、振り向き様に首を下から跳ね上げ殺したが、流石に焦った。

 二つ目は人が存在すること。明らかに人工物であるう建物があった。灰色の塔のような建築物があったが、明らかに文明が発達しすぎている。剣二の世界では木造建築だったが、あのような建築物は見たことがない。

 とりあえず、人と接触するために灰色の街へと向かっていた。

 

「さて、水分補給も済んだし行きますか」

 口元を拭い街に向かって歩き始めて数分、すすり泣く声が聞こえてきた。

「この声は女だな。一体どうしたのだろう」

 剣二は気になり声のする方に向かったら、巨大な蜘蛛の巣に銀色の髪の毛を持ち、青と赤の奇抜な服を着ている少女が引っかかっていた。

 

 

「おい!!どうした!なぜそんなとこにいるんだ!」

 剣二は駆け寄り少女に訪ねた。

「妖怪に囚われたんです。助けて下さい!」

 少女は泣きながら頼んできた。

 

「わかったから動くなよ。いま助ける!」

 刀の柄に手を掛け居合の構えをとり、蜘蛛の巣に向かって踏み込んだ。鞘の中で刀を加速させ少女を抑えている糸を切り裂いた。そして、落ちてくる少女を左腕で抱きとめた。

 

「大丈夫かい?怪我はない?」

「あっ、はい、ありがとうございます」

 少女はぺこりと頭を下げ礼を行ってきた。

「ん、いいよ。聞くけど君名前は?なんで蜘蛛の巣に引っかかっていたんだ」

「えっと、名前は八意××って言います」

「え?八意・・・何?」

「あ、えっと、永琳。永琳って言います。」

「なるほど八意永琳ね。でなんで引っかかっていたの?」

「え~っとですね・・・その・・・」

 永琳は、声を落とし指先を合わせごもらせた。

「言えないのか?」

 剣二は聞くと永琳は俯いてちいさく「はい」と返事した。

「ふむ、そうか。ならしゃあないな。いいよ、これ以上聞かないから」

「えっ?聞かないの?」永琳は驚いた声をあげた。

「なんだ?聞いて欲しいのか?なら聞くが」

「え、あ、聞いて欲しくないです」

 そう言うと永琳は顔を赤くしてまたうつむいた。

「ふふっ、そうか」

「あの、あなたの名前は何ですか」

 永琳は顔を赤くしたまま上げて訪ねてきた。

「俺は、鍔基剣二だ。よろしくな」

「うん、よろしくね」

 お互い笑顔で握手を交わしたのだった。

 

 

 

 そして、今永琳の案内で街へと向かっていた。歩きながらお互いのことを話し、親睦を深めていた。

「なるほど、剣二は気が付いたら世界が変わっていたのね」

「ああ、そうだな」

「剣二は元の世界に戻りたいの?」

「う~ん、案外そうでもないな。戻っても死んだことになってるだろうし、また何百人と殺す生活には縛られたくないし」

 前を見ながら話す剣二、それを聞いた永琳は顎に手を添えて少し考え言った。

「なら、落ち着くまで私たちの街にいればいいじゃない。どうかしら」

 永琳の提案に驚く剣二。

「いいじゃないってお前、余所者の俺がいていいのか?つうか、子供のお前が言うほど簡単じゃないぞ」

「こ、子供じゃないもん!!確かにまだ色々と小さいけど・・・ってそれは置いといて、私は街で一番の科学者なのよ。あの建物も設計したのは私だし、医学が進歩したのも私がいたからよ。それなりに身分だってあるんだから大丈夫だってば!」

「へぇ~、そりゃたいしたもんだ」

 剣二の反応にジト目を送る永琳。剣二はそれを感じて言った。

「ふんじゃあ、街の進歩に携わってきた天っ最科学者が蜘蛛の巣に引っかかって泣いていたのか。何でだろうな~」

「うっ、それは・・・。っていうか、さっき聞かないって言ったじゃない!引っ張らなくていいわよ。そんなの!」

「はいはい、悪かった悪かった。ん!」

 剣二は笑って永琳の肩を叩いていたが何かに気がついたようで歩を止めた。

 永琳が「何?どうしたの?」と聞いてくるのを目線で静かにするように伝える。永琳はそれに気づいたようで口を閉じる。

 ズン!ズン!と足音がこちらに近づいてくる。乱立する樹木を押し倒してきたのは巨大な恐竜だった。

 

「GAAAAAAAA!!!」

 

「恐竜か!?」

「違うわ!妖怪よ!!」

「何だと!?」

 これは恐竜だろと、剣二が言おうとしたら恐竜が言葉を放った。

「ケケケ、美味ソウナ人間ガフタリ。食ッテヤル!!」

「しゃ、喋った!?」

 剣二が驚いていると恐竜は口を大きく開けて突っ込んで来た。それを永琳を抱えて横に避ける。

「永琳、お前は動くなよ!いいな!!」

 そう言うと、剣二は愛刀「麒麟」を抜いて一気に恐竜との距離を縮める。そして太い足に斬撃を加えるが、予想以上に固く跳ね返された。

「くっ、硬い!」

「剣二危ない!!」

 永琳が叫んだ。気づくとしっぽが横にふるっていて剣二は軽く吹っ飛ばされた。

「痛っ、クソ野郎が・・・ぶっ潰す!!」

 そう叫ぶと蒼い闘気を体から放ち雷を纏い、「蒼い雷人」の姿になった。

「さて、すぐ消してやる。」

 剣二の左手に電気が集まっていく。それは球体となりバチチチと音を鳴らして完成する。

「ウ、ヤメテクレ」

 恐竜が逃げようとするを見て鼻で笑う。

「逃がすかよ」

 剣二は蒼い光となり、一瞬で距離をゼロに縮めて右足で恐竜を天高く蹴り上げる、そしてまた瞬間移動をし空中で仰向けになった敵の腹に左手の電気玉を叩きつける。その衝撃で恐竜は地面にぶつかり地面に叩きつけられ身動きがとれなくなった。それを確認した剣二は「麒麟」に電流を流し威力を上げる。

「喰らえ、『雷人壱之型』!!」

 そう宣言しながら、瞬間移動をして恐竜の体をぶった斬った。

 

 ほぅ、とため息を吐きながら刀を収め、「蒼い雷人」の姿を解く。すると永琳が近寄ってきて、まじまじと見た。

「剣二強いのね、大丈夫?怪我はない?」

「ん、ありがとう。怪我は・・・まあないだろう」

「嘘、あっ!右腕から血が出てるじゃない!早く手当しなきゃ。急ぐわよ」

 永琳は左腕を掴み、剣二を引っ張る。

「おいおい、かすり傷だって。唾付ければ大丈夫だって」

「いけないわ、バイキンが入ったらどうするの?さあ、急ぐわよ!」

 結局、剣二は永琳に引っ張られる形で街へ行くことになった。

 

 




ということで永琳登場。誤字脱字などあったらご指摘お願いします。
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