東方雷人伝   作:ドディドドン

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……どうしてこうなった。


第四話 雷人から雷神へ

 そこは、水がいっぱいに広がる空間。辺り一面海のように水が広がっていて、その奥には大きな屋敷が堂々と建っていた。屋敷の門の前で刀を腰に差した剣二が腕を組んで門を見ながら自分がいる状況を考えていた。

 

 

 隕石衝突後、剣二は一気に力を解放し、豪炎から人々を守って能力を使い、月へ瞬間移動で避難させた。

しかし、豪炎の力が強いのと、爆発の衝撃で吹き飛んでくる瓦礫などで両腕には酷い火傷を負い、左肩には槍のように鋭い鉄骨が突き刺さり、痛みと熱で気を失い、炎の波に飲み込まれていった。そして剣二が気が付いたら無傷で門の前で倒れていた。

 

「うだうだ考えたって仕方ない。進んでみますか」

そう結論を出して、前へ進んで行く。門を潜ると水面に石畳が敷いてあって玄関へと繋がっていた。石畳の上を歩いていく。

 

 玄関に着いた。玄関の扉は開いてあって中が見えていた。中には神主の服装をしていて、左腰に剣を下げている男性がいた。

 男性は、フッ、と微笑してこう言った。

 

「待っていたよ。『雷人』」

 

 剣ニは奥へと案内されて話をしていた。この男性は神の1人「イザナギ」と言って月夜見の父親だそうだ。そして何故、剣ニがこの空間に居るのか説明を受けていた。

「何故君がここに居るかと言うと、あの炎に焼かれて死にかけていたのを、私が新しい体を作って魂を入れたからだ」

「って事は、俺は1度死んだんですか?」

「まあ、そう解釈していいな」

「ふうん……。そんな感じはしませんね、普通に動くし」

「そう、それは良かった。後、何か気づいた事はないかい」

 微笑をしたまま聞くイザナギ。しかし、剣二は気付いてないのか、首を傾げる。

「ん~、解りません。何かしたのですか?」

「ふふどうだろうね」

「隠さないで言ってもらえますか」

「実は君の体は人間とはかなり違うんだよ」

どうだ、と言った表情で答えるイザナギに剣二は「はあ」と返事を返す。その反応に溜息を吐くイザナギ。

「なんだ、もっとこう、反応をして欲しかったな」

「ウワー、スゴイヤー」

「……まだ何も言ってねえよ。後、棒読みするな、地味に傷付く」

 また、溜息をしながらいうイザナギ。

「まあ、いいや。正解は……」

「正解は!?」

「神様になーりまーしたー」

 拍手をしながら言うイザナギに理解できていない剣二。ちなみに反応は「は?」の一言。呆ける剣二にイザナギはやや乱暴に言葉を繰り返した。

「だから、君は私や、月夜見と同じ神の力をその体に宿している」

「何故ですか!?」

「理由は私の能力『神を生み出す程度の能力』を使って君の体を作ったからだ。そのおかげで君は人としての制約を破り、寿命がほぼ無くなって信仰を糧に生きていくことになる。後は、そうだな、霊力から神力に変わったのと『雷人』が神の方の『雷神』なったくらいかな」

 あっけらかんと言ってのける答え方に剣二は怒りを感じ、怒鳴った。

「『なったくらいかな』じゃないですよ!かなり変わっているではありませんか!?何故俺が神にならなければいけないのですか!!?」

 イザナギはなだめながら説明する。

「そうしないと君はこの世には存在しないからだ。人として死んだからには、閻魔の裁きを受けないといけない。だけど、君にはまだやってもらうことがたくさんある。死んでもらうわけにはいかないんだ。だけど、君の体はほぼ死んでいた。だから新しく体を作り、魂をいれたんだ」

「新しく体作ったからってどうして神になってるんですか」

「私は生まれた時から神だった。最初から神だった私には神しか作れない、能力のせいもあって人は作ったことがないんだ。だから君は神として復活したんだ」

「……」

イザナギの説明にに黙る剣二。しばらく間を置いて剣二が質問した。

「……しかし、神といえども俺に何の神になれと」

 ふっ、と微笑み答えるイザナギ。

「さっき言ったろ、『雷神』だよ」

「雷神は他にいるのではないのですか」

「邪神としてな。普通の神としてはまだ存在しない。君は剣の腕も素晴らしいから剣の神かつ雷の神になる。これが嫌なら、そうだな、色欲の神でもなるか?簡単にいえばエッチな神様だ。さあ、どっちがいい?」

「卑怯ですよ。雷神に決まっているじゃないですか」

 剣二の返答にに満足しているイザナギ。

「ふふ、そうだな。ここでもし『色欲の神でいいです』って言われたら必死になって説得していたよ。さて、君の神の名がある。『建御雷』(タケミカズチ)だ。雷神、かつ剣の神でもある。それとこれは私からの贈り物だ、ちょっと刀を拝借するよ」

 そう言うと剣二の腰から刀を抜き取り力を込める。

「汝、建御雷を支える霊剣となれ。毒気から覚醒し、活力を与え建御雷に勝利を与えよ。名は『布都御魂剣』(ふつのみたまのつるぎ)あらゆるものを断ち切るがよい」

 そう唱えると、黒塗りの鞘に金色の文字で「雷公之剣 布都御魂剣」と文字が刻み込まれた。

「それが君の神器『布都御魂剣』だ。その剣は君しか抜けない剣だ、その剣には『ありとあらゆるものを納める』力がある。これは、怒りや悲しみなどの感情を収めたりしたり、物を鞘の中にある異空間に吸い込んだりする力が宿っている。君に授けよう」

 

 そう言い剣を渡すととイザナミは立ち上がった。

「さて建御雷よ、準備はこんなもんかな。神って言っても気にしないで前と同じ様に過ごせばいい。力に溺れるなよ、溺れたら最後、あるのは破滅だけだ」

「解っています」

 「布都御魂剣」を腰に差しながら立ち上がる剣二。剣二からは神特有の覇気が溢れていた。

「ふふ、なかなか様になってるねぇ」

「それはどうも」

 少し照れながら礼をいった。

「色々と世話になりました。助けてくれてありがとうございます」

「ああ、まあ色々とあるだろうが頑張ってくれ。力の扱い方は体に染み込んでいるからそのうち解る。まあ、鍛錬怠ることなかれってな。さあ、早く行きな、あれからかなり時間が過ぎている。早く行け」

「了解しました。それでは、さらば!!」

 そう言い残すと剣二は瞬間移動を月に向かってした。

 

 

 

 

 

 

 ここは月にある移住記念公園。この公園の1番奥には1つの石碑がある。その石碑には「『雷人』鍔基剣二、多くの者を救いし英雄」と刻まれていた。

 ここに突然一人の男性が現れた。鍔基剣二である。剣二は瞬間移動をしたらこの石碑の前に移動したことに首を傾げていた。

「あれ、おかしいな。永琳にプレゼントしたネックレスを目印にして移動したはずなのに、何でここなんだ?不思議だな。なんだこの石碑は」

 そして石碑を読んでいくにつれて、あの出来事から結構の時間が過ぎていることに気づいた。そこで思い出したのはイザナギが言った「かなりの時間が過ぎている」という言葉。だんだん考えが進むにつれて剣二の表情は青くなっていった。

(おいおい、これって結構な時間だよな。嫌な予感がするぞ)

 取り敢えずここに居ても何も解らないので周りを調べるために行動を開始した。

「まずは、永琳に会わないとな。忘れられてないだろうな」

 剣二は歩いて街へと向かった。

 

 公園から出ると住宅街で洋風の家屋が建ち並んでいた。人々を見て驚いたのが「ウサ耳」をつけた人たちがいることだ。頭の上に白い毛並みの耳が2つ付いていて、最初は髪飾りかなんかと思ったりしたが結構な数の人が「ウサ耳」をつけているのでよく観察してみると本物の耳だと解った。

「なんだろう、月にいた先住民とかだろうか?それと、何で皆はジロジロと見るんだ?話しかけると皆逃げるし。不思議だな」

 住宅街を歩いていると、すれ違う人々が皆剣二の方を見る。しかも、チラッとかじゃなくて、ジッと見てくるのだ。剣二が気味悪がって「俺がどうかしたのか?」と尋ねると「いいえ、なんでもないです」とか言って話そうとしない。

「何なんだろう、公園の石碑を見ると俺は英雄扱いされているしそのせいか?う~ん、街の中心に行ってみるか?」

 街の中心にはお城があり、その下は城下町になっていた。ここには和風の家屋が立ち並び、団子屋とか蕎麦屋などの飲食店や服屋や質屋などがあって賑わっていた。城下街を散策していると、以前よく通っていた居酒屋があるので、ここなら情報が得られるだろうと中に入った。

「ヘイ、ラッシャイ!!」

 居酒屋の大将の威勢のいい声がして剣二は笑顔で言った。

「よお、大将」

 大将は剣二の顔を見て驚きの表情を表した。

「け、ケンさんか?」

 ケンさんとは剣二のあだ名である。

「ん、ああ、鍔基剣二だ。忘れたのか?」

「ケンさん……死んだんじゃ……」

「とある方に助けられてね、そこから今帰って来たばかりなんだ」

「……ケンさん……うっ、ううっ」

 すると、大将は男泣きに泣き出した。

「お、おい、大将!!?」

「ううっ、よかったぁ、戻ってこれて。ぐすっ、ケンさんは知らないかもしれんが、あれから100年経ったんだぜ」

「ひゃっ、100年!?」

「ぐすっ、ああ、特に1番悲しんだのが永琳ちゃんだ。彼女はあれから、君の帰りを信じていたが死んだことになってからは毎日泣いていたんだ。最初の方は独りでここに来て泣きながらお酒を飲んで酔いつぶれていたよ」

「そんな……永琳」

 かなりの時間が過ぎていたことに驚きを隠せない剣二。大将は涙を拭って言った。

「ケンさん、今すぐ永琳ちゃんのところに行ったほうがいい」

「ああ、永琳は俺がいなくなってどうなったんだ」

「笑わなくなったよ、それこそ人形のように。好きだった君が死んでしまったことになってからは皆の前では無表情のままだ」

「……そうか、そんなに変わってしまったか。解った、永琳と話をして落ち着いたらまた来るよ。ありがとう大将」

「ああ、そん時はサービスするからな」

 大将は笑顔いっぱいにしてそう言った。剣二も笑顔で答え外に飛び出した。

「待っていろ永琳、今すぐ行くからな」

 そう言うと剣二は城門へ向けて走り出した。

 




誤字脱字あったら報告ください。

この内容によってはタイトル詐欺になると思うのですがどうでしょうか?

ご意見頂けたら嬉しいです。
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