東方雷人伝   作:ドディドドン

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すみません更新遅れました。




第五話 月の頭脳・永琳と建御雷・剣二

「……そういや、城門までの道解んねぇな」

 走っていた剣二は立ち止まって言った。

 城は見える、ならとにかく進めばなんとかなるだろう。そう思って勢いよく居酒屋から出発したものの、未だに城までたどり着いていない。ということは……。

「道に迷ったのか?嘘だろぉ」

 ガックシ肩を落として言った。そして近くにある高いビルを探す。

「まっ、いつものように高いところから見下ろして行けばいいか」

 そして比較的高いビルを見つけ屋上に瞬間移動をする。さて、どう行けばいいかなぁなど考えていると突然緊急を知らせるアラームが鳴り響き屋上に結界が貼られた。

「ヘアッ!?」

「侵入者ニ警告シマス。アナタハ完全に包囲サレマシタ。両手ヲ挙ゲテウツブセニナリナサイ。繰リ返ス……」

「やべぇ、セキリュティーに引っかかった。しかもこれ永琳が作ったやつだな、警告したら侵入者を無力化するやつだから警告が終わったらガンカメラが攻撃してくるはずっ!!」

 そう言い終わるや否や5つのガンカメラが宙に浮いた。カメラの下には銃口が剣二を狙っている。

「……まぁ派手に騒げば人が来るだろう」

 そう言い放つと一閃、ガンカメラの1つを一刀両断にした。

「鍔基剣二いざ参る!!」

 

 

 

 今日、永琳は研究所で自分の部屋の整理をしていた。普段は城の中にある自分の部屋で研究をしたりして1日を過ごすのだが、部下に書類を渡すついでに研究所の自分の部屋を整理と掃除をするために着た。

 一通り片付けを終わらせコーヒーを淹れて休んでいた。すると机の上にある1つの写真が目に入った。

 シンプルな写真立ての中には幼い頃の永琳と腕を組み、にやりと笑う剣二が居た。

「……けんじのばか」

 飲みかけのコーヒーが入ったマグカップを机に置き両手でその写真立てを持つ。永琳の表情は少し悲しそうな、けれどどこか嬉しそうな顔をしていた。

「全く、貴方がいなくなったことになってもう100年が経つんだよ。どこほっつき歩いているんだか」

 そう呟くと永琳は写真立てをバックの中に入れて天井を仰いだ。

「な~んてね、私バカみたい。剣二がいない生活にやっと慣れたっていうのになぁ。死んだ剣二が今の見たら爆笑するでしょうね。きっとあいつの事だから『ハァ、やっぱお前は子供だな』って言うでしょうね、ふふふ」

 マグカップに残っているコーヒーを片付けて城に帰ろうとしたとき、机の上にあるディスプレイが突然起動してアラームが鳴った。

「ん、侵入者?誰かしら」

 警備トップクラスを誇るここに侵入するのは誰かしら?そう思いながらカメラから送られて来る映像を待つ。しばらくして映像が届いた

「鍔基剣二いざ参る!」

 ぶぼっ、げほっごほっ……。

「ええええええええ!!!剣二!!?」

 コーヒーを盛大に吹いて立ち上がった。

「何で剣二が!!?夢じゃないわよね!!」

 そう言っている間に剣二はカメラを破壊していく。このままじゃまずい、そう思った永琳はディスプレイに付いている小型マイクに向かって言った。

「剣二!!剣二なの!?」

 すると剣二は刀を振りかぶったまま1つのカメラの前で立ち止まった。

「んっ!この声、もしかして永琳か?」

「剣二!!どうしてそこにいるの!?」

「ああ、神として復活したんだ」

「そう、そうなの……」

「おい?永琳?」

「…………。」

 復活した。その言葉に呆然とする永琳。気が付くと目から涙が流れてきた。涙流すなんて久しぶりね、そう思っていると、「おい!」と声が入る。

「えっ?あっ、はい!!」

「永琳大丈夫か!?いきなりのことでびっくりしていると思うけど」

「ん、ええ、ごめんなさいね黙っちゃって、少し涙が出ただけ」

 涙を袖で拭きながら永琳はそう言った。すると、剣二は驚きの表情をした。

「どうしたの?驚いた顔して」

「い、いやぁ、なんというか……その……大人になったな」

「へっ?」

「話し方から幼さが抜けている。姿は成長したのか知らないけど、心は大きくなったようだな」

 永琳はそれを聞いて微笑して言った。

「あら、背も伸びたし男を振り向かす位のスタイルは持っているわ。月夜見が悔しがる位にね」

「ふふふ、そうか。……ちょっとここまで来れないか?

 

 

永琳に会いたい」

 

そう言ってカメラを破壊した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カメラを破壊して剣二は屋上のど真ん中で立っていた。カメラは出てこないものの結界は張られたままでオレンジ色のドームに閉じ込められたままだ。

(それにしても100年か……)

 剣二にとっては永琳と別れて1日くらいなのだが、永琳から見れば100年も会ってないのである。

(居酒屋の大将に聞くと相当辛い思いをしてたらしいからな……)

 腕を組み結界越しに空を見ながら考えていると、勢い良くドアが開けられた。振り返って見るとそこには、白衣を着た永琳の姿があった。

 以前よりも背が高く胸の膨らみもはっきりしていてこの前までからかっていたのが嘘のようだ。急いできたのだろう、肩で息をしながら呼吸をしている。

 こういう時なんて言えばいいのか解らない剣二。しかし、言葉は自然と出ていた。

 

「ただいま、永琳」

 永琳はそれを聞いて両目から涙をボロボロ零して剣二に駆け寄った。

「う、うわああぁああああああん!!!けんじぃい!!」

 駆け寄った永琳を優しくしっかりと抱きしめる。

「うああああ!!馬鹿馬鹿馬鹿ぁ!!剣二の大馬鹿者ぉ!!私に寂しい思いさせてぇ!!ぐすっ、ふぇええええん!!」

 剣二の胸をポカポカ叩きながら子供のように泣きじゃくる永琳。剣二は背中を優しく叩いて宥める。

「ああ、すまなかった。お前に寂しい思いをさせて、いきなり現れて、ただいまっていうのはずるいかな」

「……ずるいわ、反則2回で反則負けね」

「なんの反則だよ」

「剣道」

 スンスンと鼻を鳴らして冗談を言う永琳。彼女は剣二の腕の中から離れ距離をとる。

「とにかく、お帰りなさい剣二」

 永琳はとびきりの笑顔で迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

―――研究所・永琳の部屋―――

 

 2人はコーヒーを飲みながらソファーに座って今までのことを話していた。

 

「そしたら、イザナギが行ったんだよ『色欲の神になるか剣の神になるか』って」

「あら、どっちにしたの?」

「剣の神だろ!!」

「ふふふ、そうよね」

 声を荒げる剣二に口に手を添え笑う永琳。

「でも何でエッチな神様にならなかったの?そもそも性欲ってあるのかしら?」

「あるけど」

「ふーん、今右腕に胸を押し付けているんだけど」

 剣二は自分の右腕をみる。そこには砲弾のような膨らみが押し当てられ、ふにゃりと形を変えていた。

「……恥ずかしくないのかお前は」

「剣二なら……いいよ///」

 顔を赤くしてそう呟く永琳。大抵の男ならこの一言で理性が爆発して押し倒すのだろうが剣二はその様なことはせず「そうか」と呟いてコーヒーを飲む。一方恥ずかしい思いをしてやっているのに反応がこんなのでは永琳はつまらない。グイグイと腕に胸を押し付けるが「服が擦れて地味に痒い」と言われて永琳はしょげた。

「ううっ、私って剣二に女として見られているのかな」

「見てるよ、ただ単に性欲がないだけ」

「無いってレベルじゃないわよ!もはや枯れているわ!!」

「明鏡止水、心頭を滅却すれば火もまた涼し。ぶっちゃけ痩せ我慢だ」

 そう言うとコーヒーを飲み干す。

「まあ、俺を色気で攻略しよってなら裸にでもならんと無理だな」

「むう……」

 永琳は唸りながら考えた。よし、今晩剣二のお風呂に乱入しよう。

「さて、月夜見に挨拶しに行くか」

「ええ、もう行くの?もう少し話しましょうよ」

「多分月夜見は親父さんから連絡受けているはず。ついでにどこか寝泊りできる場所を貸してもらおう」

「そう、なら行きましょ。寝泊りは私の家に止まればいいわ。空き部屋ならあるし」

「いいのか?」

「いいのよ」

(元々剣二と一緒に暮らすための家なんだし)

「よし、それじゃあお城への案内お願いしますよ」

そう言って右手を差し出す剣二。永琳は両方の手で包むように差し出された手を握り立ち上がった。

「ええ、お願いされました」

 

 

 

 

 

 永琳の案内で城まで迷うことなく辿り着けた剣二。そして、月夜見のいる天守閣まで案内された。

「剣二さん入ってください」

 呼ばれて入ると地上にいた時と何ら変わらない月夜見がいた。

「ああ~、けんじさ~ん!!復活おめでとうございます!!」

「あはは、ありがとう。そしてただいま。」

「ええ、お帰りなさい」

 2人は握手した。月夜見は言った

「剣二さんのことはお父様から手紙が届いて知ったので説明しなくても大丈夫です。それより、今後のことを相談しなければなりませんね。どうですか永琳」

「ええ、そうね。取り敢えず仕事から相談しましょう。いいわね、剣二」

「ああ、構わない」

 剣二から許可を得て1つの巻物を出す月夜見。そこには「月の都警備隊隊長」と書かれた巻物だった。いきなり渡され不審に思う剣二。

「これは?」

「これが剣二さんの仕事です」

「警備隊って簡単に言うと警察か?」

「ええ、その通りです」

「剣二にはそういうのがお似合いよ」

「まあ、別にいいけど」

「そうですか!それではお願いします!建御雷様!!」

 月夜見がそう言うと剣二は苦笑して言った。

「おいおい、月の最高神が何言ってんだ」

「えへへ、言ってみたかっただけです」

「それじゃあ、仕事はこれで決まりね」

 3人で色々と話し合いながら今後のことを相談し、時は過ぎていった。

 

 

 

―――永琳の家―――

 

 

「ハァー、疲れた」

「ふふふ、久しぶりねこうやって2人で家にいるの」

 夕飯は永琳からのリクエストで剣二が親子丼を作って食べてお風呂が準備できるまでテレビを見ていた。

「まあ、そうなるだろうな」

「100年間1人で寂しかったのよ」 

 永琳はそう言いながら剣二の左腕に抱きついた。

「もう辛かったんだから。だからね、剣二にお願いがあるの」

「何だ、言ってみろ」 

 剣二は頭を軽くポンポン叩いて促した。

「ずっとずっと一緒にいて欲しいの。大好きな剣二とこれからを過ごして行きたいの。だから……その……わ、私と付き合ってください!!」

 顔を赤くしながらもまっすぐ剣二の目を見て言う永琳。その真剣さに剣二は心を強く打たれた。

「ふっ、そんな風に真正面から言われたら断れねえよ。解った、俺は一生お前を護ってやる。だから、これからもよろしくな、永琳」

 少し照れながら剣二は永琳の告白を受け入れる。永琳は顔に喜色を浮かばせ剣二に飛びついた。

「えへへ、剣二だ~い好きっ!!」

「ああ、俺もだよ永琳」

 そうお互いの気持ちを伝え合ってその日の夜は過ぎていった。 

 

 

 

 

 

 

ーおまけー

 

【挿絵表示】

 




永琳がメインヒロインになります。

それでもいいという人はこれからもよろしくです。
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