俺はこんなの望んでない。《加筆中》   作:赤 有馬

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FGOで混沌の爪救済があったことに感謝。
でももうちょっとガチャの鯖率上げてくれませんかねェ。


reloadⅡ・日常

5月。学校では友達のグループが出来上り、派閥同士でいがみ合ったり、互いの腹の中探り合ったりなどする不毛な時期。

ゴールデンウィークでは彼らが遊びまわり、担任の教師に迷惑をかけ胃薬の量を増やしたり顔のシワを増やしたりしているのであろう。その点無害な俺は優秀な生徒だと自負できる。

まあ、こんなに悪し様には言っているがやはり休みというのは素晴らしいというのが俺の考えだ。

 

かと言ってずっと家でお休みというのが素晴らしいかというとそうでもない。

俺が保証しよう。

 

 

~監禁生活一ヶ月とちょっと~

 

 

身につけられた鎖がアクセサリーのように身に馴染んだ。

すっごく嬉しくない。

 

 

この一ヶ月で俺が手に入れたものは強い自制心、多少の信用、痩せた筋肉だ。

どんなにべったりされても耐え抜き、死んだ目をしながらも一線を越えてしまうような「お願い」以外には従い、抵抗をしないがために抵抗をするだけの筋力を失っていった。

筋力を失ったのは大きいが、信用を得たのは大きいことだと思っている。

そう信じたい。

そうでもしないと精神を殺しながらでも得たものが全く意味を無くす。

一個「お願い」を叶えるたびに耳元で紅留美が「あり……がとう…兄さ…ん」と囁くのも、母さんが「偉いわね」と慈悲の目で見つめて来るのにも耐えた。

一度紅留美が「まだ…壊れ……ない。ま…だ耐えて…る。どんな……兄…さんで…も愛す…るから……諦めて…いいん……だよ?」と俺の頬に手を添え、額合わせに目を見つめながら言われた時には酷い寒気と堕ちて行く恐怖に晒されたものだ。

その紅留美は最近、母さんが居ない時に俺の胸に顔を擦りつけながら「もう…少し……もう……少しで…壊れる」と嬉しそうな顔で頬を赤らめながら呟いている。

そんなに俺は壊れてきているのだろうか?

…………分からない。

俺は至って変わっていないと思う。現に紅留美からの接触にも耐えている。

何も問題は無いはずだ。

だって風呂やトイレなら長い鎖を付けて行けば行くことを許可されるくらいにはなったのだ。

今までは絶対にどちらかがついてきていた。それが無いのだ。

何も問題はない。

 

しかし、現状はまだ安全でもいつ強行手段に出られるかは分からない。

いつ来てもおかしくはないし、そう先長いことでは無いだろう。

なんとかして能力をモノにしなければ。

 

 

―×―×―×―×―×―

 

 

6月。梅雨のだるさと怠惰な生活のだるさが合わさり、体が動かない。

風呂やトイレには行けるが、それ以外で動く気力が起こらない……。

鎖が邪魔だ……。

何度かマトモに動けない俺を親父が見つけ俺をタコ殴りにした。

すぐに紅留美が来てくれて、親父は刺されて地面に這いつくばった。

いい気味だ。

 

そういえば能力が何とかカタチになってきた。

もともと、アサシンの"記憶"から戦い方というものは識っていた。

しかし、宝具本来の力である「妄想幻像」(ザバーニーヤ)、そのカタチの発現はできていなかった。

出来なくても今生を生き残るだけの力はあった。

今ではそれで妥協が出来ない。

自身の内に能力というカタチであったアサシン達と対話し、その人物像を元に人格を構成していった。

しかしまともそうな奴が少なかったのは何故だ。訴訟も辞さない。

それとアッサシーンの元になったザイードらしき奴も見つけた。原作では散々なことを言われていたけど、能力が高くてもキチってるのとかもだいぶ多くて能力主義はやめようかと思った。キチってないザイードは優秀である。

そもそもは一人の人間の多重人格を元にしているというのだからその人の脳内は一体どうなっていたのか。

そういえば現実に戻る時にザイードらしき奴には「気をつけなされ」と言われた。

何に対してのことだろうか。母娘についてはこうして対応しようとしている。

今のところ問題は無いはずだ。

何も問題無い。

 

体がだるい。寝よう。

 

 

―×―×―×―×―×―

 

 

7月。外の気温はだいぶ上がってきているはずだ。だが家は快適、冷房バンザイ。

アイスも美味しいし、鎖がひんやりとして冷たく気持ちいい。冬は知らん。暖房様がおる。

だるさも少しづつ引いていき、気持ち体に力が戻っている。

喜ばしい事だ。

 

最近は能力を応用して体の一部のみを発現させることを実験してみた。

結論として言うなら微妙に使える。

まだ発現が甘いからか持続はしない。

一人千手観音もできなかった。残念ながら協力してくれるような茶目っ気や真面目さ有るやつが少なすぎる。でも阿修羅はやった。四本腕を発現させるなかなかにハードなお仕事でした。

これを利用して自分じゃ解除できない鍵をその技能もったアサシンさんに代行してもらうという目標でやったが、頭の部分の発現が部分で行えないために「鍵が見えない」と実験は此処止まり。

もしも成功させたら体から髑髏の面付けた頭と黒い腕を生やした人間ができあがる。

なんてスプラッタ。

今のところ不自由無く生活しているが、いずれ危険が来るだろう。

親父の発狂度合いも末な気がする。他所様に見せられるような様では無いために内職するらしい。本来はそれすらせずに俺を殺しにかかろうとしていたらしいが、紅留美の「…仕事…して」の一声に仕事はするようになった。俺を殺しにも来るが。その度に母さんか紅留美に半殺しにされて仕事部屋に投げ込まれている。それでも懲りずに来るのだから黒光りする例のGよりもしぶとい。早々死んでくれた方が静かな生活が遅れるというのに。

 

そろそろ風呂に入ろう。紅留美ー、親父閉じ込めといてくれー。

 

 

 

―×―×―×―×―×―

 

 

8月

 

昼過ぎの時間。

暖かな、むしろ暑い日差しが窓から差す中、俺は日陰にあるベッドに座りながら茶を飲んでくつろいでいた。あぐらをかいたその中にはすっぽりと収まるように紅留美が座っている。その背中は俺に預けられており、触れているところが温かい。

そんな穏やかな午後のことである。紅留美はポツリと聞いてきた。

 

「ねぇ……兄…さん、私た…ちの……事好き…?」

「ん? どうした藪から棒に」

「答えて……」

 

いつもと少し様子の違う紅留美だが、普段から色んな意味で紅留美には世話になっている。そんな紅留美のことはもちろん

 

「好きにきまってるだろ」

 

頭に手を置き、そっと撫でる。

肉親(父を除く)を嫌いになるわけ無いだろう。

むしろ愛おしいと思うし、世話になっている事のほうが多いので何かを返してあげたいほどだ。

 

「……そう、私…嬉……しい」

「そうか、それなら俺も嬉しい」

「でも……」

「ん?」

 

嬉しいというのに何故かうつむく妹。

髪で影ができていて目元が視えず、少々怖いが、それでも俺の可愛い妹で―――

 

 

 

 

「でも……なんで壊れて…くれないの?」

 

 

 

 

 

「え?」

 

我ながら気の抜けた声が出たと思う。きっとポカンと口を開けていることだろう。

それほどに意味の分からない台詞であった。

 

そんな俺をお構いなしに妹の言葉は続く。

 

「たくさん……愛をあげた…のに。たく…さん……触れたのに。たくさ……ん一緒に………居たの…に。たくさん…遊んだの…に。…た…くさん言うこ…と聞……いた…のに。たくさん――――」

 

 

 

 

「―――せんのう…したのに」

 

 

 

「どうして……どう…して壊れないの? 教え…て? お…兄…ちゃん?」

 

 

「お薬が…だめ…だった…の? …それ……とも私たちの…やり…方がダメ……だったの…? それとも…お兄……ちゃんが…何かして…るの? それ……ともあ…の男? 教…えて、全部……壊す…から。全部…壊し……てお兄ちゃ…んを助ける……から。教えて――――」

 

 

 

「――――…お兄ちゃんを……壊すから」

 

 

ギリギリと俺の太腿に置かれている手に力がこもる。半ズボンから覗く足の皮膚に爪が立ち、深く食い込み傷を作り、血が流れる。肉も抉れるように広がる。まだ小学生の妹の力とは思えない。

しかし、痛みが現実を俺に教える。

 

逃げるように腕を後ろにつき、身を引こうとする。が、それを予見していたかのように妹は体を反転させ俺を押し倒す。そのまま紅留美は馬乗りになる。

俺の顔にゆっくりと紅留美の顔が近づいてくる。思わず顔を背けたその、無防備な首筋に。

紅留美は歯を立てた。

皮膚の裂ける感覚と、紅留美のが傷口に染みる感覚、傷に這う舌の感覚が身を襲う。

その不快感に身を捩れば普段慣れていた鎖が手のひらを返すように、俺を嘲笑うかのように手足に絡みつき動きを縛った。それはいつかの感覚で―――。

 

そして不意に傷を這うぬるりとした感覚が喉元へと移り、そのまま上へ、頬に至り、頬に水痕を残し、耳を嫐りにかかった。

片耳からは絶えず水音が聞こえ、我が身を喰らわれているかのような感覚に陥る。いや、それで間違っていないのかもしれない。俺はその身を嫐られるだけの獲物に成り下がったのだ。ゆっくりとゆっくりと毒を注がれ、抵抗すらままならない。

苦痛と快楽が体を奔る。

痛い。しかし気持ちがいい。そんな感覚がもどかしい。

 

 

 

永いような嫐りが終わり、紅留美はゆっくりと俺から顔を離していった。

 

 

その顔は上気していて、淫靡で、そしてなにより――――

 

 

 

 

――――狂気に満ちていた。

 

 

 

 

 

紅留美の手が俺の頬を撫で、首筋を撫で、そこで止まった。

ゆっくりと力がこもっていき、首に圧力を感じる。

先ほどついた傷から血が溢れだしていくのを感じる。

痛い。苦しい。辛い。

 

 

 

 

 

意識を手放す俺が薄目で見えたのはただ、ただ嬉しそうな一人の少女の顔だった。

 

 

 

 

 

 

 




キスをする場所には意味があるそうで。
久々の中学編でヤンデレssを読み漁った結果がこれだよ!!
コピペとかは一切してないから作者の脳内で自重/Zeroにしたよ!!
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