俺はこんなの望んでない。《加筆中》   作:赤 有馬

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バレンタインだよ。
ということでそれなりに時間を削って一話分をプレゼント。
※作者は男です。(not薔薇)

受験って受かってからも面倒だなぁ……(遠い目


fire2・そして試練へ《修正済》

ようやくやってきた受験日。

長かった。すごく長かった。この日をどれだけ待ったか。

書類と中身のあまり入っていない財布のみで家を飛び出した俺はまともな逃亡生活が送れる訳がなかった。

道中でチンピラを狩り回し、カツアゲしてる奴からカツアゲし、万引き犯を蹴り倒し、強盗を吊し上げた。

そうやって金を集めながら、走り、車、船、電車、ハイエースと移動手段を転々としながらようやくたどりついた。

東京に着いてからはまず、古着屋に行き、まともな服を手に入れ、まともな格好になってからホテルをとった。

翌日から色々な服屋を回り、制服の下を探した。上はワイシャツでも問題ないだろう。その合間にもチンピラ狩りをして資金を稼いだ。準備はちゃくちゃくと整っていき、ついに当日を迎えた。

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

やってきました武偵高。試験開始五分後。

 

……要するに遅刻してしまった。

 

ヤバい不味い死ぬどうしよう。

遅刻した遅刻した遅刻した遅刻した遅刻した……私は遅刻した。

なぜこんなときに限って激運案件が起こってしまうのか…。

神は俺を見放している、というか神死ね。

アイツが余計なことさえしなければ俺はこんなにも苦労することはなかった筈だ。

ああ、事情説明すればなんとか先生に納得してもらえて受験できるだろうか。

まず、校門の前に居る人に校内に入れてもらえるだろうか。

…あのちょっと怖めの人に話がまず通じるのか。

武偵校の人間って大体人の話を聞かないしな。

 

「……すみません」

 

俺が声をかけると相手はこちらを向き、顔をピクリとひきつらせた。

ピクリって何か俺は怒らせるようなことをしただろうか。

ああ、普通に遅刻した人間にイラってしてるのかコレ。

一言もなしに銃がでなかっただけましか。

まだ話は通じる方のようだ。

なんにしても事情を話さなければ。

 

「……私は貴校の受験者なのですが、ここへ来る途中に冗談ではなく、バスジャックに遭遇してしまい、定刻より遅れてしまいました。ですが、試験を受けることは可能でしょうか。可能であれは途中からの参加か、再試験をお願いしたいのですが…」

「……………」

 

俺はバスジャックに遭遇した。先程も言ったが激運案件である(白目)

といっても原作的爆弾バスジャックではなく、ただの薬キメたおっさんがやっただけのものだった。

少し眠気がしたので試験前に仮眠をとっていたわけだが、その間に"運悪く"起こってしまった。なんとまあ"滅多に"起きない事件に巻き込まれたものだ。しかも何故か深く眠ってしまっていたものだ。起きていたら即解決で終わっただろうに。

俺が眠る間に武偵高行きのバスは法定速度を遥かに超える速度で目的地とは逆方向へ。

結局、起きた時にはまだ一時間の余裕があった訳だがなんとも遠くに来たものか。

俺は起きた瞬間にあっ…(察し)となり、犯人を気絶させバスは無事止まり、警察が来るのを待ちになった。

警察待ちになった訳だが警察の事情聴取とか受ける気はないし、なによりも時間(生命線)がまずかったから全力で現場から走って逃げてきた。

今日ほど敏捷Aだったことを感謝したことはない。

で、今武偵高に到着したところだ。

神様許さない。

一生懸かった場面でいらない激運での事件発生とかやめてくれ。死ね。

 

 

事情を説明しても無言だった男性教諭がようやく口を開いた。

それまですごくジロジロと見られた。

あまりいい気分ではなかったが、服装の検査だろう、仕方ない。

 

「一応可能ダケド、君ハ、ドウヤッテ此処マデ来タノ?」

「……あー……。タクシーで来ました」

「ヘェ、ソウ。大変ダッタネ。ジャア案内スルヨ」

 

…あーよかった。なんとか首の皮はなんとか繋がったみたいだ(冗談でなく)。

なんかニヤリって感じで笑ってて怖いけど。あれか、不良遅刻者として目付けられたか?

入学試験前からイビリの的にされるとか勘弁願いたい。

 

 

 

 

 

案内された所はヤの人っぽい奴とかチンピラっぽいのとか銃に触れて笑いを浮かべる奴とかが集まっていた。

………勘弁してくれ。

俺、諜報科(レザド)志望なんだけどなぁ(嘆き)。

 

やっぱり試験官に嫌われたらしい。

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

side ???

 

「ランピョウセンセー」

「あ? チャンか。なんじゃ、こっちゃもう試験直前やぞ」

「アーモウ、ソンナコト イ ワ ナ イ デ、面白イ娘ガ居タカラ、約束ドオリニランピョウチャンノ試験会場ニ連レテッタノヨ」

 

武偵高のある一室。

そこに二人の教師がいた。

一人は女性。タバコを咥え、手元の受験生の情報がのっている資料をパラパラと捲っていた。

もう一人は真を案内した校門にいた教師である。

 

「あん?なんやて?」

「ウフフ、居タノヨ面白イ子。食ベチャイタイ位ニ可愛カッタワ。実ハ、ナントソノ子ネェ、私ノコト見エテタノヨ。私ノ他ニハ誰モアソコニ居ナカッタシ。シッカリ目モ合ッチャッタンダカラ」

「ほお……そりゃぁ確かにオモロイな。だがそれだけかァ?

 お前(レザド)の言うことや、絶対他にも何かあるんやろ?」

 

新しいおもちゃを見つけたように楽しげな女性。

その女性に返すようにチャンもニヤリと笑う。

 

「フフフ、ソウネェ………。彼女、”例ノ”バスジャックニ遭ッタラシイノヨ」

「ああ、あの受験者絞りの奴か。今年もマヌケどもがしこたま引っかかったらしいなァ…。できる奴ァ自分で切り抜けるし、特上モンならまずフリだったのがわかるやろ。お前がオモロイ言う割りに引っ掛かるならカスやろ」 

「ソウ、ホントナラネ。デモネ、ココニ何時気絶シタカ分カラナカッタ犯人役ト、イツノ間ニカ一人消エタ乗客、警察役ノ囲ミ、止マッタ現場カラノ距離ヲ加エタラドウカシラ…? 気ヅカレズ、見ツカラズ、不明ナ移動手段ヲ持ツ。何デ引ッ掛カッタカハ分カラナイケド面白クナイ?」

「…こりゃぁいいモン見つけたなァ。こりゃあ今年は当たりだな。

武偵中Sランク卒業で『二つ名』持ちの遠山、平均的に高い能力値と評価されてる不知火とかのAランクが5人、そしてまだ判らんがコイツ。どやろなァ。」

 

手元の受験者資料をめくりながら、”強襲科”の試験担当である蘭豹はニタリと笑う。

チャンが見た画面の先、彼女(・・)は一人の女子と話していた。

 

 

◇ ◇ ◇ 

 

 

「あー……。あったわ資料」

「エーット、名前ハ(マコト)チャン。思ッタ通リ可愛イ名前ジャナイ」

「……おい待てコイツ”男”やと‼」

「エッ、嘘デショウ?………ツイテルノ?」

 

しっかり受験届けには 神無月(カンナヅキ) (シン) という記名の横に性別男と○がついていた。

 

「こいつチェンジとちゃうか」

「デモ一般カラノ子ガソンナコトスル? …イエ、一般ジャ無イ?」

 

受験届を確認していた蘭豹とチャンは混乱したそうな

 

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

「やぁ」

「………ん、何?」

「一般の受験会場はここじゃないぞ?」

 

やけにギラギラした人間の多いこの物騒な空間で試験の始まりを待っていた所、一人の女の子が話しかけてきた。

俺に声をかけてきたのは目つきの鋭い、黒髪ロングが特徴的で、見た目も話し方もちょっと中性的だけどグラマーな女の子だった。着てる服からして武偵中出身だろう。

原作のイラストでは見たことない子だったから、モブだろう。

しかし、モブだとしてもこんなむさ苦しく物騒な空間で彼女は清涼剤のように思えた。いや、むしろモブだからこそ清涼剤ですんでいるのだろう。

原作みたいに濃い奴だったら、話しかけられても清涼剤どころではなく一足二足跳んで劇毒だろう。胃が壊れる(確信)という自信がある。

この子は俺のように浮いている人間に話しかけてくれるとても親切な子なようだ。マトモな子でなんとも嬉しいことだ。

 

「……ああ、忠告ありがとう。俺はここに教員に連れてこられたんだ。一応ここでの受験票を貰ってる。」

「ふーん……そうか。もしもこの試験で出会うことがあったら”よろしくね”手加減はするつもりはないから」

「……ああ、お手柔らかに。」

「ハハハ、その格好からして一般出身で合ってるよね。」

「……ああ、そうだな。名前をいうのを忘れてたな、俺の名前は神無月 真だ、よろしく」

「こちらこそ、私は------

 

彼女の名前が聞こえる、という時に銃声が鳴り響いた。

………銃声で名前がまるで聞こえなかった。

どこぞの馬鹿が始まる前にぶっぱなしたのかと思いきや、スーツを着崩した男性が「黙れテメェら!! 試験の説明をすっぞオラァ!!」と叫んでいたので、どうやら試験官の先生で、今のは注意を引くためだったらしい。

 

「じゃあ、もう始まるみたいだから私も準備しないと、君も聞き逃さないようにね」

 

そう言うと彼女は名前を聞き直す前に颯爽と自分の荷の置いてあるらしい所に去って行った。

こうしている間にも説明は淡々と行われており、内容は理解したが、連れられただけの俺はどうすればいいんだろう。

 

 

「おい、そこの‼ さっさと受験票で指定された場所に行きやがれ‼」

 

発砲した人……試験官だろう、に怒鳴られた。

しかし、俺の持っている受験票には場所なんて書いていない。

取り出して確認してみても服装についてや、時間について、持ってくるものについては書いてあるものの、場所については【東京武偵高】とあるのみだ。

 

「すみません、私の受験票には場所等が記入されていないのですが」

「ああン? 見せてみろや」

 

試験官は俺の渡した受験票を見ると、しばし、考えるように黙り、こう言ったのだった。

 

「お前ェ、屋上」

 

 

 

俺はX階を駆け上がることになった。

 

 

 

げんなりしながらも駆け上がった屋上の扉を開くとそこには―――

 

 

 

「よォ、クソガキ。まァ死んでけや」

 

 

 

煙草をくわえ、ゴツイ銃(S&W M500)をこちらに向ける女性がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今日に間に合わせようとちょっと頑張りました。

チャン先生が蘭豹先生に見えてるように書いてるのは任意で見える、ということで。
オネエ口調とかWikipedia先生には書いてあったけどこれであってるのやら……。

今回登場したのはヒロインかなー。

お気に入り件数がもう90超えててビックリしました。
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