「ねぇ束さん……俺ISに乗りたいな」
先程のように顔は笑っていないが少し弾んだように、年齢相応な雰囲気が漏れ出ていた。
「うん、いいよ」
これがいい方向に進んでいるか、束自身もわからない。
しかし感情が復活してきている以上、もうISに賭けるしかなかった。
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「これが訓練機、打鉄だよ」
束に案内されると、吹き抜けの闘技場と鎧のようなISの元へたどり着く。
「打鉄…ね……」
興味深そうに細部を見ていく一夏。
「それじゃあ乗り方をレクチャーしていくよー…って、いっくん!!」
勝手に乗り込もうとする一夏を見て慌ててしまう。
「大丈夫だよ束さん……なんか乗れる気がするから」
「そんな無茶な…え…」
そうして誰に教えられた訳でも無いのにISに見事に乗り込み、起動させる。
「だんだん驚くことにも慣れた気がするよ」
「これが……ISか……とりあえず動かしてみるか」
「ちょっと、待っ!!」
静止を聞かず空を飛び出す打鉄。
そこからの一夏の動きは束から見ても見事としか言いようが無いものだった。
あの動き……とても初起動の動きじゃない……打鉄がもう少ししたら負荷に耐えられないかもしれない。
でもそれ以上に体の負荷を考えない普通の人にはやろうとも思えない異常な動き。
あのままじゃあいっくんが壊れちゃう。
まったく減速せず直角に曲がる……機体が悲鳴を上げても尚速度を上げ続けようとする……そんな限界の動きの中でも打鉄のブレードを振り続ける。
「いっくん!!!!!」
束の声が聞こえたからか……それともただ満足したからなのか。
一夏は動きを止め束のそばへと帰ってきた。
「いいね……IS」
そう一言残し、打鉄を置いて部屋へと帰っていく。
そのときの一夏の服はところどころ血がこびり付いていた。
束の予想通り負荷に体が耐えられていない証。
そんなひどい姿をただ見ていることしか出来なかった束。
「待っててね。必ずいっくんの体を守ってくれる機体を作って見せるから……」
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一夏は廊下を歩く。
「ごふっ」
口元を押さえた手を見るとそこには真っ赤な血が手のひらに広がっていた。
外部だけでなく体への被害は内部にまで達していたのだ。
「ああ」
一人納得したようにこの1ヶ月前から誰にも見せたことの無いような安らかな顔でつぶやいた。
「これが生きているってことなんだね……」
一夏の専用機フラグですね。
まあ当然、白式じゃあないわな。