インフィニット・ストラトス 最凶の少年   作:しぃー

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今まで束視点、心象ばかりだったけど次からようやく一夏の視点に入ります。


想い

 

いまではすっかり日課となったISの操縦。

 

そんな中でも度々ハプニングは起こる。

 

「束さん」

 

ただ名前を呼ばれただけだった。

 

しかし日常的なことなのか、束は一夏の言葉の意図を理解する。

 

「はぁ、今日もかー。みんな懲りないね」

 

深いため息には束がいかにめんどくさがっているかがわかる。

 

 

 

ISコアを唯一作れると言われる束。

 

彼女を味方につけられるということは、世界で№1の軍事力を手に入れるといっても過言ではない。

 

そのため多少乱暴な手を使おうとも束を手に入れようとする輩は多い。

 

いつもならどこかの組織に所在を掴まれた時点で別の場所へと移動するのだが、一夏がISを起動させて以降、束の隠れ家にはISを存分に動かせる環境が必要となったため中々移動できずにいた。

 

「ちょっと黙らせてくるから待っててね」

 

いつものとおり、侵入者迎撃用のシステムを使い追い払おうとする。

 

しかし今日はいつもと違った。

 

「ねぇ、俺が倒しに行ってもいいよね」

 

「えっ」

 

風を切る音が束の耳に入る。

 

小声で話す言葉に反応するころにはすでに一夏は侵入者の下へ向かっていた。

 

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やっぱり今のいっくんは何するかわからない……

 

一夏の元へ急ぐ束。

 

いくら超人と呼ばれ、織斑千冬に匹敵する身体能力を持つ束もさすがにISには追いつけない。

 

先程モニターで確認したところ相手はISが3機。

 

さすがに常軌を逸した動きをしようと一夏一人では危険だ。

 

どうか無事でいて…

 

そんなことを考えていると

 

バコッ、グシャ

 

破壊音が響き渡る。

 

「ははっははは」

 

同時に聞こえる笑い声。

 

 

 

束が駆けつけ、その場で見たものは倒れた2体のIS。

 

そして残る1体が戦闘不能にも関わらず攻撃を続ける一夏の姿だった。

 

頭が上手く働かない。

 

声も出ない。

 

 

基本身近な人以外どうでもいい束。

 

他人の生き死になど知ったこっちゃあ無い。

 

しかしそんな束もこうして目の前で人が死ぬかもしれない暴力的行為を見るのは初めてだったのだ。

 

ましてやそれを行っているのは大切な人、一夏。

 

思考が停止してしまうのも無理なかった。

 

 

どれくらいの時間がたっただろうか。

 

騒音が止む。

 

静寂に包まれた戦場にかすかな呟きが流れた。

 

「変わらない、晴れない…なんなんだよ」

 

一夏が苦しそうな顔をして言う。

 

だんだん感情を少しずつではあるが表に出していた一夏が、この様な苦しんだ、辛そうな表情を出すのは初めてだった。

 

理解が追いつかない、何を考えているかも分からない……そう考える束の耳に

 

ガシャ

 

金属の擦れる音が聞こえる。

 

 

音のする方を見てみると、そこにはゆっくりと始めに倒れたISが一夏に銃口を向けていた。

 

狙われていることに一夏は気づかない。

 

考える前に、体が動いていた。

 

「だめぇぇぇぇぇぇぇぇ」

 

ドンッ

 

一夏の体が横へ飛んでいく。

 

押し出すことで、一夏を射線からはずしていた。

 

それと共に銃声が鳴り響く。

 

 

 

 

 

最後の力を振り絞ったためか、銃声が止むとそれ以降倒れたISに追撃はなかった。

 

しかし

 

「は…は…、ミスっちゃったかな…」

 

苦しそうな声で横っ腹を押さえ、倒れている束。

 

あたりには血が少しずつではあるが広がっていった。

 

「束…さん…」

 

上手く言葉が出ない。

 

「あのね」

 

一夏の頬に手を当てゆっくりと言葉を紡いでいく。

 

「いっくんが心の中でどれだけ絶望を味わっているか…本人じゃないし…はっきりとは…分かんない」

 

一夏は未だ微動だにしない。

 

「でもさ…自分の体は…もっと大事にしてよ…」

 

少しピクリと反応する。

 

「いっくんは馬鹿じゃないし…死ぬ気も無いんだろうけどさ…見てると…私が…苦しいよ」

 

束の声はだんだんと涙ぐんでいる。

 

「また前みたいな笑って…見せてよ…、もっと…話そうよ…。このままじゃ、いっくんがどっか行っちゃいそうで…嫌だよ…怖いよ。いっくんがいなくなったらね…私…生きていけないよ」

 

頬を触る束の手をゆっくりと握る一夏。

 

その手は微かに震えている。

 

 

「私には…いっくんが必要なんだ」

 

 

 

 

 

そう言いきり、束は気絶する。

 

すぐに治療すれば命に別状は無いだろう。

 

 

一夏はゆっくりと束を小さな体で抱き上げる。

 

コツッコツッ

 

何事も無かったように歩く一夏。

 

 

 

しかし先程まで束が触っていた頬には、微かに涙が伝っていた。

 




これだけだとイマイチ一夏が何考えてるか分からないので、次から同じ場面を一夏視点でやらせていただきます。
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