私の初めての友達はセシリアさんの娘のアリアちゃん。
私とは3つ離れているけれど、結構気の合う友達。
アリアちゃん家はお金持ちだから庭が広いし、いい暮らしをしている。
お母さんは国家代表だとかで、期待を背負われちゃっているのが一番の悩みと言っていた。
◇
それは突然のことだった。
アリーナでいつもの通りにお父さんの訓練をやっている時の事だった。
周りが騒がしかったので、その発生源に目を向けると一機の黒いISを纏った銀髪がいた。
「ラウラさんですか……」
彼女の目線先は相変わらずお父さんに向いている。
そこまで、彼女がお父さんを憎んでいる理由は知っているけれど、それは……
「貴様も専用機を持っているな……」
「それが、どうした……」
お父さんはオープン・チャンネルで嫌味を返すが、ラウラも同じだった。
このまま行けば、ドンパチを始めてもおかしくなかった。
「私と勝負しろ!」
「断る。やる理由がない」
「貴様になくても、私はある」
そう言ってラウラはいきなりぶっ放して来る。
いち早く気付いたシャルルはシールドを構えるが……
「二刀流……『
その前にラウラの放った弾頭を『夜桜』の主力武器である《夜桜》と《桜》が放った斬撃で撃ち落とすと同時にラウラにも斬撃の雨を降らす。
「無傷か……」
秋葉の放った斬撃はラウラに届くことは無かった。
ラウラはあの一瞬で『シュヴァルツェア・レーゲン』に搭載されている《慣性停止結界》通称AICを展開したのだ。
「貴様に用はない!」
「あんたには無くても、私にはあるのよ!」
ラウラは再び構えるが、秋葉のISはそこらのISとは違っていることを彼女は知らない。
気付いた頃には遅く……
「『
秋葉はラウラの背後におり、右手にある《夜桜》を振り下ろすと同時に、ラウラの砲台は真っ二つに切り落とされ、装甲に至っては所々切られていた。
その上、絶対防御が発動までもが発動していた。
「ばかな……ありえん」
一夏とラウラとの距離は500メートル近く離れている。
秋葉はその距離を目にも留まらぬ速さで進み、ラウラの背後まで移動したのだ。
「チェック・メイト」
「っ!」
ラウラのISは完全に沈黙してしまい、打つ手がなかった。
ちょうど、その時。
「そこの生徒、何をしている!」
管制室から放送により秋葉は《夜桜》を放し、一夏たちの元に戻る。
ラウラはラウラで、『シュヴァルツェア・レーゲン』を解除してその場を去った。
◇
各自、アリーナのシャワーを浴びて、解散になって秋葉は一夏を待っていた。
「(この気配……)何をしているのですか? 刀奈伯母さま」
目の前の木から感じる気配は、自分のもう一人の伯母、更識楯無だった。
気付かれた為、楯無は大人しく木の陰から姿を現した。
「本当に簪ちゃんに似ているわよね……」
「それは、仕方ないです。母なんですから」
「それでもよ」
「それで、私に何の用なんですか?」
「もちろん決まっているわ……あなたのISよ」
第四世代型・超短期戦型IS『夜桜』。
世界ではまだ2機しか存在しないIS。
もう一つは一夏の『白式』であるが、まだそのことは誰も知らない。
「……何を知りたいんですか?」
「第四世代と言って片付けられない部分があるのよ……あの速度は何?」
あの速度……その言葉に秋葉少しばかり思い当たる節があった。
ラウラの時に使ったアレの事だろう。
「あの速度は異常よ……イグニッション・ブーストを使う処かそれすら見せないであの距離を移動した。まるで、瞬間移動をした様に……その説明をして頂戴!!」
楯無の言っていることは、大体分かった。
確かにあの距離を
「……『
「イマジナリーギア?」
「虚数時間はしっていますよね?」
「ええ、それぐらいは分かるわ……まさか!?」
虚数時間とは、一方的に流れる実数時間と違って自由に操れる時間のこと。
速くも遅くも流れて、過去へも未来へも行ける。
簡単に言えば、夢の中で流れる時間のようなもののこと。
「そのまさかよ。あの時のラウラさんの背後までの一瞬を私は数分に伸ばしたのよ」
「そんなの……もう、第四世代ではないわ」
「だけど、これには大きな弱点があるのよ」
「弱点?」
「『虚数運動機関』は連続で発動できない、SEの消費量が半端ない……そして、使用者の寿命を削る」
「っ!? それは……」
「今回は5分程度だったからそんなに影響はないけど、これを数時間単位で使ったら間違いなく死ぬわね」
強力な力には、それなりの代償がある。
それは、いつものことだ。
「どうやら、お父さんが来たようだから……話はここまでね」
「……そうね」
楯無はそれを言い残して、林の中へと姿を眩ました。
それと同時に一夏がアリーナから出て来る。
「すまん。またせたな」
「別に気にしてないよ」
「そっか……そんじゃ、帰るか」
二人は今後の訓練の事を話ながら、寮へと足を進めた。