インフィニット・ストラトス 黒刀の剣士   作:ぬっく~

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8話

私の初めての友達はセシリアさんの娘のアリアちゃん。

私とは3つ離れているけれど、結構気の合う友達。

アリアちゃん家はお金持ちだから庭が広いし、いい暮らしをしている。

お母さんは国家代表だとかで、期待を背負われちゃっているのが一番の悩みと言っていた。

 

 

 

 

それは突然のことだった。

アリーナでいつもの通りにお父さんの訓練をやっている時の事だった。

周りが騒がしかったので、その発生源に目を向けると一機の黒いISを纏った銀髪がいた。

 

「ラウラさんですか……」

 

彼女の目線先は相変わらずお父さんに向いている。

そこまで、彼女がお父さんを憎んでいる理由は知っているけれど、それは……

 

「貴様も専用機を持っているな……」

 

「それが、どうした……」

 

お父さんはオープン・チャンネルで嫌味を返すが、ラウラも同じだった。

このまま行けば、ドンパチを始めてもおかしくなかった。

 

「私と勝負しろ!」

 

「断る。やる理由がない」

 

「貴様になくても、私はある」

 

そう言ってラウラはいきなりぶっ放して来る。

いち早く気付いたシャルルはシールドを構えるが……

 

「二刀流……『七十二煩悩鳳(ななじゅうにポンドほう)』!!」

 

その前にラウラの放った弾頭を『夜桜』の主力武器である《夜桜》と《桜》が放った斬撃で撃ち落とすと同時にラウラにも斬撃の雨を降らす。

 

「無傷か……」

 

秋葉の放った斬撃はラウラに届くことは無かった。

ラウラはあの一瞬で『シュヴァルツェア・レーゲン』に搭載されている《慣性停止結界》通称AICを展開したのだ。

 

「貴様に用はない!」

 

「あんたには無くても、私にはあるのよ!」

 

ラウラは再び構えるが、秋葉のISはそこらのISとは違っていることを彼女は知らない。

気付いた頃には遅く……

 

「『死・獅子歌歌(し・ししそんそん)』……」

 

秋葉はラウラの背後におり、右手にある《夜桜》を振り下ろすと同時に、ラウラの砲台は真っ二つに切り落とされ、装甲に至っては所々切られていた。

その上、絶対防御が発動までもが発動していた。

 

「ばかな……ありえん」

 

一夏とラウラとの距離は500メートル近く離れている。

秋葉はその距離を目にも留まらぬ速さで進み、ラウラの背後まで移動したのだ。

 

「チェック・メイト」

 

「っ!」

 

ラウラのISは完全に沈黙してしまい、打つ手がなかった。

ちょうど、その時。

 

「そこの生徒、何をしている!」

 

管制室から放送により秋葉は《夜桜》を放し、一夏たちの元に戻る。

ラウラはラウラで、『シュヴァルツェア・レーゲン』を解除してその場を去った。

 

 

 

 

 

各自、アリーナのシャワーを浴びて、解散になって秋葉は一夏を待っていた。

 

「(この気配……)何をしているのですか? 刀奈伯母さま」

 

目の前の木から感じる気配は、自分のもう一人の伯母、更識楯無だった。

気付かれた為、楯無は大人しく木の陰から姿を現した。

 

「本当に簪ちゃんに似ているわよね……」

 

「それは、仕方ないです。母なんですから」

 

「それでもよ」

 

「それで、私に何の用なんですか?」

 

「もちろん決まっているわ……あなたのISよ」

 

第四世代型・超短期戦型IS『夜桜』。

世界ではまだ2機しか存在しないIS。

もう一つは一夏の『白式』であるが、まだそのことは誰も知らない。

 

「……何を知りたいんですか?」

 

「第四世代と言って片付けられない部分があるのよ……あの速度は何?」

 

あの速度……その言葉に秋葉少しばかり思い当たる節があった。

ラウラの時に使ったアレの事だろう。

 

「あの速度は異常よ……イグニッション・ブーストを使う処かそれすら見せないであの距離を移動した。まるで、瞬間移動をした様に……その説明をして頂戴!!」

 

楯無の言っていることは、大体分かった。

確かにあの距離を()()()()()なら、普通のISでは跡形もなく吹き飛んでしまう。

 

「……『虚数運動機関(イマジナリーギア)』よ」

 

「イマジナリーギア?」

 

「虚数時間はしっていますよね?」

 

「ええ、それぐらいは分かるわ……まさか!?」

 

虚数時間とは、一方的に流れる実数時間と違って自由に操れる時間のこと。

速くも遅くも流れて、過去へも未来へも行ける。

簡単に言えば、夢の中で流れる時間のようなもののこと。

 

「そのまさかよ。あの時のラウラさんの背後までの一瞬を私は数分に伸ばしたのよ」

 

「そんなの……もう、第四世代ではないわ」

 

「だけど、これには大きな弱点があるのよ」

 

「弱点?」

 

「『虚数運動機関』は連続で発動できない、SEの消費量が半端ない……そして、使用者の寿命を削る」

 

「っ!? それは……」

 

「今回は5分程度だったからそんなに影響はないけど、これを数時間単位で使ったら間違いなく死ぬわね」

 

強力な力には、それなりの代償がある。

それは、いつものことだ。

 

「どうやら、お父さんが来たようだから……話はここまでね」

 

「……そうね」

 

楯無はそれを言い残して、林の中へと姿を眩ました。

それと同時に一夏がアリーナから出て来る。

 

「すまん。またせたな」

 

「別に気にしてないよ」

 

「そっか……そんじゃ、帰るか」

 

二人は今後の訓練の事を話ながら、寮へと足を進めた。

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