インフィニット・ストラトス 黒刀の剣士   作:ぬっく~

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9話

マドカ叔母さんは、お父さんと千冬伯母さんと和解しても今なお、テロ活動を続けてる。

違法研究場を徹底的に潰し、多額の寄付をしている孤児園に子供たちを預けている。

ぞくに言う、足長おじさん状態だ。

 

 

 

 

「秋葉」

 

「なんでしょうか?」

 

授業が終わって寮に帰ろうかと思った時、織斑先生に呼び止められる。

 

「お前宛てに荷物が届いている」

 

「私宛ですか?」

 

差出人不明の荷物だった為、検査が放課後まで続いてしまったそうだ。

届いた荷物はどうやら、ISの装備らしく、今は第一アリーナの整備室に置かれているらしい。

 

「わかりました」

 

時間があるので、その装備を見ることにした。

荷物をまとめ、第一アリーナを目指す。

 

(……差出人不明には引っかかるけど、この世界で私のことを知る企業は誰もいないんだけどな……)

 

装備を作るとなると、あの天災以外は企業でしか作られない。

秋葉に関する情報は外部に漏れていないので、IS学園の人たち以外は知らない。

 

「ま、いっか」

 

そんな事は後に置いて、目的の所へと向かった。

 

 

 

 

第一アリーナの整備室に着くと山田先生が待っていた。

その後ろに布に被された何かがあった。

 

「それがそうですか?」

「はい! こちらが、秋葉さん宛てに届いた装備……『ヴァルキュリア』です」

 

被されていた布を剥がすと変わったランスが置かれていた。

先端が渦巻状のランス。

色も水色と灰色と変わった配色。

 

「早速ですが、インストールを始めましょう」

 

「はい」

 

『夜桜』の容量は結構開いていたので、すんなりと作業が進み、30分でインストールが完了する。

予定より早く終わったので、そのままアリーナに出て実演することにした。

 

「…………」

 

展開してあることに気付く。

このランスはどちらかというと剣に近い存在だった。

取手の部分が異常に短く片手で持つ程しかない。

 

「うむ……」

 

1時間程使ってみたが、いまいち分からなかった。

楯無のミステリアス・レディの主力武装であるランスとは別で、アクア・ナノマシンを纏わせても威力は変わらず、全く分からない。

 

『秋葉さん、そろそろ時間ですので』

 

「あ、はい! 分かりました」

 

疑問はとりあえず、部屋に戻ってからにすることにした。

 

 

 

 

寮に戻る途中、物陰で誰かの会話が聞こえてくる。

秋葉は更識家直伝の隠密行動でその会話がする所へと近づく。

 

「…………はい。分かっています」

 

声の主はシャルルだった。

秋葉はシャルルが男装した生徒だてことは知っている。

 

「白式のデータと織斑一夏のデータは手に入れます…………」

 

予想通りだった。

しかし、彼女にとっては予想外の事態が起こっていた。

男装すれば、織斑一夏と同室となる確率が高くなるのだが、織斑秋葉が同室している為、計画に支障を浸している。

 

「では………」

 

シャルルは隠し持っていたインカムを切り、その場でため息を吐く。

 

「どうして……僕が」

 

「こんなことをしなければいけないの、ですか?」

 

「っ!?」

 

突然のことにシャルルは反応出来ず、そのまま秋葉が壁に押し当てる。

見かけによらずに、力が強いことにシャルルを片手で押さえ、開いた手には『夜桜』を持っていた。

 

「秋葉さん……」

 

「スパイ活動をするならもうちょっと、頑張ってほしかったです。シャルルさん……いえ、シャルロットさん」

 

「あはは……ばれていたか」

 

シャルルは諦めたのか意外と簡単に素直になった。

戦意喪失を確認した秋葉は『夜桜』を鞘に納め、その手を放した。

 

「いつから、気付いていたの?」

 

「最初からです。正確に言えば私はシャルロットさんの状態で会ったことがありますから」

 

「そ……そうなんだ」

 

「はい」

 

「はぁ……ばれてしまった以上、もうこの学園にいられないね」

 

潜入活動は失敗に終わり、シャルロットが待つ未来は地獄だけ。

 

「祖国に強制転送、悪くて監獄行だね」

 

「何を言ってるのですか?」

 

「え!? だって……」

 

「ここを何処だと思っているのですか? ここはIS学園。国家及び企業に属さない孤独の島ですよ? つまり、シャルロットさんは3年間だけですが、猶予が与えられたのです」

 

時間稼ぎにしかならないが、3年もあれば解決方法を見つけるには十分な時間だ。

私の世界ではそれが出来た。

 

「それじゃあ……」

 

「そう言うことです。では、また何処かでお会いしましょう。シャルロットさん」

 

それを言い残して秋葉はその場を去った。

その後、後ろから誰かの泣き声が聞こえた事は言うまでもなかった。

 

 

 

 

「システム・オール・グリーンです。いつでも行けます」

 

「分かりましたわ……では、参りましょう」

 

金髪の縦ロールの少女はオペレーターの確認を聞くと中央に設置された席から立つ。

 

「『フラクシナス』発進ですわ!!」

 

13歳程の少女の宣言で船は動きだす。

そして、前に現れたゲートへと進む。

 

「待っていてくださいね。秋葉さん」

 

少女の胸元にあるペンダントには二人の少女の写真が収められていた。

一人は彼女、そして……もう一人は織斑秋葉だった。

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