アリアちゃんにとって私はお姫様ポジションらしい。
私の生まれは平民クラスの地位しかないのに、どうしてなのかは分からなかった。
ある日、アリアちゃんは、“わたくしは秋葉さんの騎士です!”と堂々と宣言した。
◇
タッグ・トーナメントは謎の龍の出現により、中止となったが、稼働ログを取るため、一回戦だけは執り行うらしい。
そんな些細なことはどうでもいい。
問題なのは、こっちだった。
「ダメージレベル……Dですか……」
「はい。残念なことに……夜桜のダメージレベルがDでした。これは完全に再起不能状態です」
秋葉が緊急治療室で治療を行っている間に、山田先生は夜桜のダメージチェックをしていた。
結果はダメージレベルD。
つまり、コア以外は完全に駄目になってしまったのだ。
「そうですか……」
秋葉は病室の窓から見える景色を眺め、その表情はとても切なかった。
最後の誕生日プレゼントの最後がこれじゃあ、お父さんやお母さん、束さんに頭が上がらない。
「今まで、ありがとう……夜桜」
最初にして最後の相棒に別れを告げるのだった。
◇
「重力異常は今の所見られません。予測時間通り10分後にゲートを出ます」
「もう直ですわ」
少女はペンダントを握りしめる。
「ゲートが開きます」
船は大きく揺れ、ゲートを出た。
出た先は海。
そして、その横にある島は、IS学園だった。
「予定座標と照合……照合完了。目的地、IS学園で間違いありません」
「ハッチを開けてくだまし。わたくし直々に出ますわ」
「了解です」
少女は立ち上がり、その場を出る。
「今から行きますわ。秋葉さん」
◇
「織斑先生! 大変です!」
「ああ、今確認した」
IS学園は突如海から浮上した戦艦に、総員慌ただしいくなっていた。
タッグ・トーナメントのことがまだ片付いていない状況下の中で現れた為、一段と慌ただしくなっていた。
そして、その戦艦から一機の青い機体が出て来る。
「あれは……ISだと?」
千冬は突如現れた機体に驚く。
顔はバイザーで隠されていたが、そのISはセシリアと全く同じ機体だった。
そして、彼女は歌う。
「~~~~~~♪ ~~~~♪」
先攻して来たIS部隊は、それを見て驚く。
「何こいつ、何処の機体?」
だが、そんな躊躇している暇はなかった。
青い機体は徐々にに赤い色へと機体の色を変える。
「~~~~♪ ~~~~~~♪」
歌が終わる頃には既に遅かった。
歌い終わった瞬間、彼女の後ろに浮遊していた4つのビットから数億分のレーザーが放たれる。
IS部隊は回避するも、そのレーザーはホーミングし、確実に当ててくる。
「IS部隊が……全滅しました……」
オペレーションルームで山田先生と千冬、以下数名の職員はその報告に驚きを隠せ無かった。
たった数分足らずで10機近くあったIS部隊がたった一機に負けたのだ。
「専用機持ちに連絡」
「はい!」
千冬はその機体を眺める。
赤かった機体は青に戻り、冷却処理を行なっていた。
◇
「これで、邪魔者はいなくなりましたわ」
冷却処理を終え、彼女は目的の場所へと向かう。
しかし、そう簡単には行かせてもらえなかった。
一本のレーザーを避けると、すぐさまオレンジの機体が追撃してくる。
「邪魔です!」
彼女はライフル型のレーザー兵器を展開し、4つのビットも同時に出撃させる。
「お行きなさい!」
射撃、射撃射撃射撃。
まさに弾雨の如き攻撃が降り注ぐ。
しかも、セシリアとは違い同時でおこなってくる為に、凌ぐでやっとだった。
「なんなのあれ!?」
「同時稼働なんて、わたくしでも不可能なのですよ!?」
「この子……強い」
鈴、セシリア、シャルルは自分たちより一回り小さい彼女に手を焼いていた。
ビット操作はセシリアよりうまく、確実に当てて来る。
接近戦に持ち込もうとすると、ライフルの下につけられたブレイドでガードしつつ、ビットで撃って来る。
「面倒ですわ! ブルー・ティアーズ・セカンド!!」
彼女もこれ以上時間をかける訳にいかなく、決めに入る。
4つのビットの先端が開くとバチバチと鳴り始めた。
「まさか!?」
3人が気付いた時には、遅かった。
「ファイヤッ!!」
4つのビットから荷電粒子が放たれ、鈴、シャルルは回避に間に合わず、直撃する。
掠りはしたが、追撃の射撃がヒットし、セシリアも落ちる。
◇
「凰さん、デュノアくん、オルコットさん共に撃沈」
その光景を見ていた千冬は目を細め眺めていた。
代表候補生をいとも簡単に倒す操縦者など、片手で数える程しかいない。
だが、小柄の操縦者など千冬は知らない。
「奴は一体何者なんだ……」
それは、誰もが思った疑問だった。
目の前のISを倒した彼女は一直線である方向へと向かう。
「この方向は……」
写し出されたマップに彼女予測方向には、ある部屋があった。
「奴の狙いは、秋葉か!?」
残っている専用機持ちは、一夏しかいない。
そして、今か向かっても間に合う訳がなかった。
◇
彼女は校舎の一部を破壊して、保健室へと入ってくる。
セシリアのブルー・ティアーズと同じ機体で、顔はバイザー隠されており分からない。
「見つけましたわ!」
秋葉はこの声に聞き覚えがあった。
これは、絶対に間違う筈のない声だった。
「え? アリアちゃん?」
「秋ぃぃぃぃ葉ぁぁぁさぁぁぁんーーー!!!」
彼女はISを解除して、飛びついてくる。
それが、秋葉が怪我をしていても。
「大丈夫か!! 秋葉!!」
「秋葉さん!!」
「ええい! 退きなさいよ!」
その後からぞろぞろと一夏や鈴、セシリアと入って来る。
アリアはそんな事など、お構いなく秋葉を締める。
「アリア……ちゃん……ギ、ギブ……」
「イヤです! もう二度と放しません!」
さらに一段と締め、ついにやってしまった。
ポキ……
『あ!』
「へ?」
秋葉はさらに入院期間が伸びた。