インフィニット・ストラトス 黒刀の剣士   作:ぬっく~

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一部変更しました。 2015/05/09


20話

傲慢(プライド)嫉妬(エンヴィー)色欲(ラスト)暴食(グラトニー)怠惰(スロウス)憤怒(ラース)強欲(グリード)

 

Septem peccata mortalia

ラテン語で「七つの死に至る罪」だと言うことは、私は知っていたが、この時の私はこの七つの大罪の本当の名前を知らなかった。

それを知った時、凄く後悔した。

 

七つの大罪の本当の意味は……

 

傲慢(ルシファー)嫉妬(レヴィアタン)色欲(アスモデウス)暴食(ベルゼブブ)怠惰(ベルフェゴール)憤怒(サタン)強欲(マモン)

 

 

    ◇◇◇

 

 

「やあやあ、アリアっちが私たちを呼んだって事は、仕事だね♪」

 

「はい。現在、『銀の福音』が暴走したとのことです」

 

ウサミミのヘアバンドを着けた女性のフレンドリーな会話に合わせて、現在の状況を説明するアリア。

 

「ジブリールさん。『銀の福音』のスペックデータを」

 

「はいはい」

 

ジブリールは近くにあった端末をいじり、福音のスッペクデータが提示される。

そのことで、千冬は驚く。

 

「おい……アリア。何故貴様が二カ国の最重要軍事機密を持っている!」

 

「ジブリールさんがアメリカ国家代表なんですよ」

 

「何!?」

 

話によればアリアのクルーは全員、国家代表のエリートで構成された最強部隊だとのことだ。

その為、世界中の最重要軍事機密などの情報があの船にあるそうだ。

 

「それでは、本作戦を再開しましょう」

 

ジブリールから送られて来た福音のスッペクデータを元に相談を始める。

 

「広域殲滅を目的とした特殊射撃型……わたくしのISと同じく、オールレンジ攻撃を行えるようですわね」

 

「攻撃と機動の両方を特化した機体ね。厄介だわ。しかも、スッペク上ではあたしの甲龍を上回っているから、向こうの方が有利……」

 

「この特殊武装が曲者って感じはするね。ちょうど本国からリヴァイヴ用の防御パッケージが来ているけれど、連続しての防御は難しい気がするよ」

 

「しかも、格闘性能が通常のISの3倍。スキルがSE吸収と無限稼働となるとやっかいだな……」

 

セシリア、鈴、シャルロット、ラウラは真剣に意見を交わす。

 

「それにこの機体、最高速度が時速245キロをを超えるってあるなの」

 

「とうなると、一撃必殺の力を持つ『白式』で……」

 

「それは、ダメです!!」

 

山田先生の言葉に、秋葉は反対した。

 

「しかし……」

 

「何故、今回アリアちゃんを頼ったのか分かりますか? この作戦でお父さんは一度死にかけたのです」

 

「「「「!?」」」」

 

四人はそれを聞いて驚く。

 

「ええ。我々の持つ記録に確かにこの事件はあります。そして、秋葉さんの言った通りです」

 

アリアの言葉に一夏の単独作戦は取りやめになる。

そして、新しく立てられた作戦がこれだった。

 

「部隊を3つに分け福音を止めます。先陣に小父様、母、鈴さん、シャルロットさん、ラウラさんを、真中に璃兎さん、なのはさん、ジブリールさんを、最後にわたくしが入ります」

 

アリアのインフィニット・レインの時間稼ぎをしつつ福音を止めようとのことだ。

しかし、ここで箒が反論する。

 

「ちょっと待ってください! 私は?」

 

「箒さんは待機です。専用機を手に入れてばかりのあなたでは、足手まといですので外させてもらいました」

 

「な!? 私は……」

 

「いいえ。あなたの今の実力では、足手まといです。この前に立てられた作戦が失敗して小父様が重症になった原因は、あなたが原因なんですよ?」

 

「わ、私が……」

 

アリアから聞かされた真実に、箒はその場で崩れる。

その後も何かをぶつぶつと唱えていた。

 

「では、本作戦はこれでよろしいでしょうか? 織斑先生」

 

「ああ。いいだろう」

 

千冬の決定が出たことにより、作戦が開始された。

 

 

    ◇

 

 

時刻11時30分。

福音の予想ルート上に複数のISが陣取っていた。

 

「では、作戦を開始します」

 

アリアの指示の元、開始の宣言が言い渡された。

そして、背後から永遠語りが聞こえる。

 

「来ましたわ」

 

スコープ越しで覗いていたセシリアが、福音らしき人影を捉える。

それを聞いた全員は己の武器を構える。

 

「行くぞ! 白式!!」

 

一夏の先陣に鈴、シャルロット、ラウラが続く。

 

「敵機確認。迎撃モードへ移行。《銀の鐘》、稼働開始」

 

オープン・チャンネルから聞こえたのは抑揚のない機械音声だった。けれど、そこに明らかな『殺意』を感じる。

そして、福音はぐりん、と。身体を一回転させ、光の弾丸を撃ち出す。

 

「やべぇ……」

 

放たれた光の弾丸に一夏は危機感を感じた。

元々SEの少ない白式に軍用のISの攻撃が耐え切るとは思っていない。

だから、なるべく回避しながら仕掛けるつもりだったのだが、福音は初手から広域殲滅をおこなってきたのだ。

 

「世話の掛ける後輩ですね。天翼種……《久遠第四加護(クー・リ・アンセ)》」

 

一夏たちは、ジブリールのIS『天翼種』のバリアに守られる。

それに合わせて桃色の球体が福音を追跡し、回避した所を月見璃兎が福音を叩斬る。

しかし、福音もただではやられるような貧弱ではなかった。

 

「なのはぁ!!」

 

「うん。お願い、レイジングハート」

 

なのはの『レイジングハート』から数個の桃色の球体が形成され、福音に向けて放たれる。

福音はそれを回避するが、そこに一本の荷電粒子が福音を飲み込む。

直撃を喰らった福音は重力に従い落ちて行く、それを追い打ちをかけるように一夏は雪片弐型で斬り上げた。

それを受けた福音はSEが無くなり、強制的に解除された。

 

「おっと」

 

一夏は福音の操縦者を回収し、作戦は一時終了を告げるが……。

 

「来る……」

 

「え?」

 

一夏はなのはの言葉に疑問を覚えるが、すぐにそれが分かった。

一夏の真下に巨大な渦が発生し、そこから一機のISが膝を抱えて現れた。

 

「一夏くんは、福音の操縦者を連れて、旅館に戻りなさい」

 

「は、はい!」

 

一夏はなのはの指示に従い、操縦者と共に旅館のある方向へと向かう。

そこに残った者たちは未だに眠っているISに警戒していた。

そして、目覚た。

 

「            」

 

目覚めたISは言葉にならない雄叫びを上げ、璃兎、なのは、ジブリール以外は恐怖を覚えた。

今にでも押しつぶされてしまいそうな威圧に耐えながら、己のメイン武器を構える。

 

「これでも喰らいなさい!!」

 

アリアの《インフィニット・レイン》が放たれ、それと同時に全員仕掛ける。

しかし、それは全く動こうとせず、必要最低限のガードしかしない。

 

「やったか……?」

 

ラウラのセリフに違和感が覚えるが、それは確実にアリアのインフィニット・レインを全て受けた。

海に落ちたそれは、突如現れた。ある装備を付けて。

 

 

    ◇

 

 

 

旅館の一角に設けられた部屋では千冬と真耶以下教師陣はある現状に脅かされていた。

あらかじめ秋葉からこの事件は普通に終わらないと告げられていたが、その予想を遥かに上回っていた。

一夏は無事に旅館に着き、操縦者は教師陣に引き取れた。

その後、一夏は千冬の元に呼ばれた為、向かうが……。

 

「これは……」

 

一夏は真耶の声に慌てて入ると、部屋中イレギュラーの文字で埋め尽くされていた。

 

「千冬姉、これは!?」

 

「一夏か」

 

千冬の目の前のディスプレイには、アリアたちの戦闘様子がリアルタイムで流れていた。

しかし、そこで一夏は違和感を覚えた。

福音の後に現れたISが、何故か()()()()()()()()()()使()()()()()()()

 

「どう言いうことだよ……」

 

「今回の敵は特に厄介な奴よ」

 

専用機がまだ完成していなかった秋葉は、今回現れたISを解析し、ある結論に至っていた。

その真実に一夏は驚く。

 

「あのIS……一度受けた武器を安全にコピーしている」

 

「コピー?」

 

「そう。更に言えば、戦いながら成長している。このまま行けば……誰も止められなくなってしまう」

 

そのことに一夏は嫌な汗を流す。

 

「オルコットさん、凰さん、デュノアさん、ボーデヴィッヒさん、撃墜されました」

 

真耶の現状報告に一夏は慌てて部屋を出ようとするが、千冬に呼び止められる。

 

「織斑。何処に行くつもりだ」

 

「決まっている。皆の所だ」

 

「……分かっているだろうが、奴は化け物と同列の存在だぞ?」

 

「……俺だけがここで、指を加えて待つ訳にはいかねぇんだ」

 

「わかった……」

 

千冬は一夏の揺るがない決意に免じて出撃を許可する。

 

「ただし!」

 

「!?」

 

「生きて帰って来い! いいな?」

 

「へぇ! 言われなくたってそうするよ」

 

「どうやら、決まったようだな」

 

アリアの船の船員、村雨さんが通信を入れて来る。

 

「もしかして、出来たのですか?」

 

「ああ。秋葉の専用機が丁度出来上がった所だ」

 

グッドタイミングと言うに等しいくらいのタイミングで秋葉の新しい専用機が出来上がる。

 

「試運転はしていない。ぶつけ本番になるが……」

 

「今はそんな事を言っている場合ではないので」

 

「わかった。旅館前で待っていてくれ」

 

「分かりました」

 

通信を終え、一夏、千冬、秋葉は旅館前に行くと、そこに一つのコンテナと村雨が待っていた。

村雨は3人を目視すると、コンテナを開ける。

そこにあったISは……純白の装甲に包まれたISだった。

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