私には友達と呼べる人は少なかった。
大方は父のせいだが、恨んでいない。
同い年とはいかないが、年下の友達ならいる。
その子たちは今は日本、中国、イギリス、フランス、ドイツに住んでいる。
◇
「だから……」
「ですから……」
「何故解らないのだ……」
第三アリーナでは、箒、鈴、セシリアがまた一夏に無理難題の意味不明な講義が行なわれていた。
それを聞いていた秋葉は、途轍もなく呆れることしかなかった。
「本当に話を聞いた通りね……」
昔に学園生活のことを聞いた時に話てくれた内容に訓練時の様子で意味不明の話があったのだが、それがこれほどとは思ってもいなかったのだ。
よくこれで、上達したものだなと秋葉は思う。
「お父さんは、白式をどこまで理解している?」
「え? えーと……」
パラメータを開いている時点で、まったく理解していないことに秋葉はため息をついた。
「白式は超短期戦特攻機体。つまり速攻で勝つ為の機体なのよ」
「お、おう」
「ちなみに言っておくけど、私の夜桜も白式と同じく特攻機よ」
「そうなのか?」
「防御力を全くなくして、スピードとパワーに特化した機体なのよ」
「へぇ……」
理解しているのかは解らないが、人には実戦と講義のどちらかで覚えられる。私はどちらかというと実戦なのだが、これを見るにお父さんも実戦タイプだろう。
「そんじゃあ、実戦形式で教えてあげるから……」
「待て! なぜ貴様が仕切っているのだ!」
「あんた達に任せていたら、宝の持ち腐れだからよ。なに? このまま教えてお父さんが上達すると思っているわけ? もしそうなら、あんたの頭の中はお花畑ね。あんた達の教え方を見ていたけど、全く基礎がなっていないのよ? なら、私がやった方がいいに決まっているじゃない。何か反論ある?」
「……っ」
箒は秋葉の説明に反論できず、大人しく引き下がった。
鈴とセシリアはあらかた気付いていたので、反論はなかった。
「うんじゃあ、まずはゲーム形式でやるわよ」
「お、おう」
秋葉も夜桜を展開し、右手に一本の剣を展開する。
「え? それって……」
「雪片弐型よ?」
白式の主力武装である雪片弐型を展開した秋葉に一夏は驚く。
「今からやるのは、零落白夜のみヒットとする戦いよ」
「え? つまり……」
「零落白夜が当たった時のみSEが削れる」
「そんな事が可能なのか?」
「可能よ。あるプログラムを入れればね。勿論制限時間はあるよ。早速インストールするから」
そう言って白式にそのプログラムをインストールさせる。
「これで完了ね。こっちも同じ条件だから安心していいからね」
「ああ」
表示された項目を確認終え、スタートさせると時間が表示された。
「じゃあ、いくよ?」
「来い!」
カウントが始まり、0になった瞬間、秋葉の姿が消え……気付いた頃には試合終了のブザーがなっていた。
「へ?」
本人も全く解っていなかった。
とう言うより、誰もわからなかったのだ。
「ねぇ……セシリア、見えた?」
「いいえ……全く見えませんでしたわ」
鈴もセシリアも今の光景に目を疑った。
それをやった秋葉は一夏の後ろに立っており、右手の雪片弐型は零落白夜を発動させていた。
「これが、白式の本当の使い方よ。お父さん」
◇
「~~~~~~♪ ♪~~~~~~」
授業は普通に終わりを告げ、放課後になった。
綺麗な夕日の光が教室の中を照らしていた。
そんな中、秋葉はある歌を歌っていた。
「まだ、いたのか」
教室から歌声が聞こえたので、千冬が様子を見に来たんだ。
「もう少し、居たくてね……。私……学校に行くのが初めてだったから」
「そうなのか?」
それを聞いた千冬は少し、悲しそうな顔をしていた。
「そう言えば、さっきの歌はなんだ?」
「これのこと? “永遠語り”だけど?」
「知らない歌だったもんでな」
「それもそうよ。これはある国で教えてもらった歌だからね」
まだ、世界を飛んでいた時にとある国で迷子になった時、一緒に探してくれた女性が歌っていた歌のだから。
「そろそろ、門限だ。早く帰れよ」
「分かったわ」
そう言って千冬と秋葉は教室を出た。
◇
部屋に戻ると、一夏が私のアルバムを見ていた。
「まだ、見ていたのね」
「ああ、少し気になるのがあってな」
「へぇ……ちなみに?」
「箒たちの子とかいないのか?」
ああ、そのことね。と秋葉は理解した。
私がいる時点で箒さんたちもいても可笑しくない。
「うん。いるよ……でも、私とは3つ以上も違うからね」
「そうなんだ……」
「早く結婚したのお父さんたちだからね。後は3年後にセシリアさんあたりが結婚したんだよ」
「あのセシリアがか!?」
最初のセシリアを思えば今のセシリアはまだましの方だろう。
そんなこんなと話は続いた。
◇
「ここのよねぇ~」
「え~、そう?」
教室はいつよりも騒がしかった。
理由はISスーツの申し込み時期が近づいていたからだ。
「そう言えば、織斑くんたちのはなんなの?」
「俺のは確かどこかのラボで作られたって聞いているが?」
「私のも特注品なので……」
実際はこの後に出来る会社が出した製品なので、この世界ではないタイプなのだ。
「へぇ……そうなんだ」
そんな事があり、山田先生に続いて織斑先生が入って来たことにより、SHRの時間が来た。
「今日はなんと転校生の紹介をしたいと思います。しかも2名です」
「え?」
『ええええええ!!!』
(そうか、今日なのね……)
この中で知っている者は秋葉だけだった。
その2人が入って来ると一夏の顔が少し変わった。
そう、その2人はあの写真に写っていた2人だったからだ。