艦娘たちと共に ~海洋戦争戦闘録~   作:ヨシ ヒロ

18 / 27
話の展開を分かりやすくする為と、個人的にやってみたかったので深海棲艦視点でも話を進めていきます。
例によってマニアックな所が満載なのはご了承下さい

あと深海棲艦の台詞は平仮名の所を片仮名にするのが一般的らしいですが、私は面倒くさいのと読みやすさの為に普通に書いているので、あしからず。


激震:ムエルタ攻防戦
1 思惑


4月25日

 

 サンタ・ジョージア諸島の島々の中の一つ、リコリス島にいた飛行場姫はこの後の作戦の確認をしていた。というのも、いよいよ今夜敵の拠点があるムエルタ島に殴り込みを仕掛ける時が来たのだ。サンタ・ジョージアに展開する艦隊を率いる彼女に緊張するなと言う方が難しいだろう。

 

 考えてみれば、今回の作戦は初動から躓きを見せていた。艦娘達の目を掻い潜って戦線の背後の島に上陸出来たまではよかった。いや、その後敵の部隊を利用して敵の拠点を探し当てたまでは上出来と言えただろう。

 

 しかしその後の航空部隊の攻撃の際の敵の迎撃による消耗は痛過ぎた。空母が出払っている事も当日の南部の戦線の部隊の情報で確認していた為、容易に敵の拠点を壊滅する事ができると高をくくっていた。

 しかし蓋を開けてみれば、そんな見通しは甘過ぎた事をまざまざと見せつけられた。奴らは艦娘に依存する事無く迎撃用の戦力を用意していたのだ。

 

 したがって今回の攻撃もかなりの反撃を受ける事になるだろう。そう思うと、自分の部隊を敵が手ぐすねを引いて待ち構えている敵のホームグラウンドへ送り込むのは余り気が進まない。

 しかし「上」からの命令ならどうしようも無い。「上」も焦っているのだ。やっとの事で前線に有力な戦略拠点を設置したにもかかわらず、我々は未だに録な戦果をあげられていないのだ。

 間もなく南方の拠点(ファレーズ環礁)から囮となる陽動部隊が出撃するだろう。そして敵の主力が南に釘付けになっている隙に夜襲をもって敵の防衛線を突破し本拠地のムエルタ島を襲撃。今度は艦砲射撃を実施し、拠点能力を奪い、敵の士気を削ぐ。あわよくば南の陽動部隊も北上を続け、敵に大打撃を与える。これが今回の作戦の概略だ。

 

 はたしてどこまで上手くいくのか…。それは誰も予想出来ないまさに乾坤一擲の大勝負が始まった。後は運と自分の部下の技量を信じるのみであった。

 

「今夜、我々の命運は決するだろうな…。」

 

 

 このころ最前線に築かれた深海棲艦の新たな拠点であるサンタジョージアは、その機能の維持を危ぶまれる程危機的な状況に追い込まれていた。大河内三佐の思うツボにハマったのだ。つまり補給が消耗に追い付かない状況に陥っていた。

 これは陸戦の戦略や戦術に詳しい大河内が、1950年代のインドシナ戦争において、強固な拠点を築いたフランス軍を装備や戦力に劣るベトミン軍が撃退した方法から考えた作戦だった。

 艦娘達は駐屯部隊は攻撃せず、ひたすら深海棲艦の補給部隊に待ち伏せ攻撃を仕掛る、云わば通商破壊戦に重点をシフトしていたのだ。

 

 鎮守府の正面は全艦載機を戦闘機に替えた赤城と加賀というこれ以上無いと言える程強力な“ ディフェンダー”で固め、さらに後方の鎮守府には大量の重火器や火砲で武装した第5独立混成大隊という強力な“ゴールキーパー”が待ち構えていた。

 

 サンタジョージアからは鎮守府に向かって定期的に空襲が行われたが、この強力な防御体制を前に戦果に全く見合わない(鎮守府にたどり着く前に航空隊は殆ど壊滅してしまう為)損害を出し続け、ついに積極的な攻勢をする程の航空戦力は殆ど無くなってしまったのだ。

 そしてその損害を埋め合わせるはずの補給も日に日に厳しくなっていき、ついにこの拠点の維持の限界が近付いていたのだ。

 

 このまま制空権を完全に失えば、サンタジョージアに駐屯する戦艦を中心とする強力な水上打撃部隊は為す術も無く艦娘達の航空部隊に殲滅されるだろう。そうなる前に深海棲艦達はなんとしてもこの状況の打開する―残された打撃部隊をもってムエルタ鎮守府に肉薄し、敵に大打撃を与える―作戦を決行しなければならなかった。

 

 

「敵艦隊発見。鎮守府に向けて北上中。」

 

 この報に本多海将を初めとする鎮守府の幹部 、参謀達次々と送られてくる情報に釘付けになった。

 

―敵艦隊、正規空母3又ハ4、軽空母5隻前後。戦艦3隻、巡洋艦5隻以上ヲ確認。

 

「こりゃまた立派な機動部隊だな。」

 

本多海将が呟くように言った。

 

「ええ、この前のオキシドル島の時の艦隊に匹敵…もしくは凌駕する程の規模です。」

 

 大河内はモニターを睨みながら言う。モニターには赤い点が点滅している箇所があるが、そこがまさに敵機動部隊のいる場所を示しているのだ。

 実は艦娘達の飛ばす偵察機(零式水上偵察機、観測機又は九七艦攻)には最新の小型GPS発信器が取り付けられており、敵の艦隊を発見したらすぐに妖精さんが発信ボタンを押す事によって、かなり正確に敵艦隊の居場所が把握できるようになっているのだ。

 

「それは不味い…よな…。」

「はい、非常に不味い事態ですね。連中の狙いは間違い無くこの鎮守府の壊滅でしょうな。」

「大河内君、君よくこんな時に他人事みたい言えるなぁ…。」

 

本多は焦っているような声色で大河内に言った。ここまで連中が明確に自分達に敵意を向けて行動してきた事があっただろうか?

 

「海将、この現実を見てください。敵の機動部隊は全速力で今、まさにここを目指しています。速いところ持てるだけの戦力を持って迎撃しなければ、間違いなくこの前の二の舞になります。」

 

「ううむ、簡単に言ってくれるねぇ、本多君。今の状況を考えても見てくれ。我々はサンタ・ジョージアの敵にも備えなくてはならんのだよ?全部を機動部隊の迎撃に充てる訳には…。」

 

本多がそう言った。確かに現状では彼の言うように南から進行してくる敵機動部隊に対する部隊とサンタ・ジョージアに対する押さえとしての部隊と戦力を分けなければならない。

 

「しかし中途半端な戦力をぶつけてもこちらの出血が増えるだけです。今、この状況下で行動不能な艦娘が増えるのはもっと不味い事態で…。」

 

大河内はそこまで言ってから待てよと思った。今、自分はサンタ・ジョージアにはこちらを襲撃する力は殆ど無いと高をくくっていた。確かに航空戦力に限って見ればそう思えるが…。

 

「海将、前言撤回です。」

「お、おう。」

「恐らく今夜が“山場”です。今夜を乗りきれば何とかなる筈です。」

 

大河内は力強く言った。その時の大河内はいつになく据わった目だった。 

 

 

 「い、いよいよですね隊長。わ、私武者震いが止まりません。」

「そうか、それは結構な事だ。」

「ちょっと隊長、まさか本気で言ってるんじゃないでしょう?この娘、任務が言い渡されてからずぅっとこんな調子なんですよ?」

「緊張感を持つというのは良いことではないか?少なくとも君のように弛むよりはな。」

「それはそれは、言ってくれますね…。」

 

 今、海の上でこんな会話を交わしているのは真っ白な肌に禍々しい真っ黒な艤装を身に付けた、3人の空母ヲ級達だ。リーダー格のflagshipヲ級に古参のヲ級、新参者のヲ級が一人、といった面子だ。

 flagshipのヲ級や、彼女と共に海を駆けて来た古参のヲ級は、その艤装や身体を見れば一目でその戦歴を垣間見る事が出来る。例えば旗艦を務める彼女が頭部に着けている航空艤装は目に当たる部分が片方だけ真っ黒な空洞になっている。

部隊最古参を自負する彼女の額には大きな古傷が見られる。さらに本人の話によれば、今も艦娘の放った砲弾の破片が身体の中に幾つか入っているらしい。本当かどうかは何とも言えないが…。

 

「それにしても、やっとこさこの第3機動部隊に任務が来たと思えば、まさか囮役とはねぇ。隊長、どう思います?」

「…私か?いや、別に。何とも思わんよ。」

 

flagshipヲ級はそれがどうしたと言わんばかりに応えた。

 

「えぇ~冷めてますねぇ。隊長、悔しくないんですか?この前のオキシドル島の時なんか…。」

「私は任務に私情は挟まない…この前の戦いは敵の指揮官の指揮が私よりも優れていて、尚且つ我々に不利な条件が重なった結果の事…それだけだ。」

「た、隊長、格好いいです!」

 

そんな会話を交わしながら3人の空母を中心とした部隊は北上を続けていた。

 

(こんな罠にわざわざあいつらが正直に掛かるか?いや、きっと何か手を打ってる。戦力を見れば我々は決して不利ではない。しかし攻略戦となるとどうしても守備側の方が若干有利な条件になる…それを差し引けば…。)

 

と旗艦を任されたヲ級が険しい面持ちで考えていた。

彼女の指揮する部隊の戦力は、正規空母3、軽空母6、高速戦艦2、重巡4、軽巡5、駆逐艦8の高速機動部隊だ。

 

「さぁ…どう出るんだ?人間共は。」

 

その目線の先には青く澄みきった空が広がっていた。

 

 

 その頃、迫りくる戦闘を目の前にムエルタ島は喧騒に満ちていた。

隊員達は整然と銃を手に取り、装甲車を走らせ、155mmの主砲を持つ自走砲はエンジンを唸らせながら所定の陣地ヘと移動していた。

 

「胸熱でありますな、大隊長殿!いよいよ我ら陸ぐ…陸自の面目躍如でありますな!!」

 

 フル装備で身を固めたあきつ丸がいつも以上にハキハキしながら大河内に言う。

因みに今、あきつ丸が持っているのはスプリングフィールドM1903A3ライフルだ。見るからに古臭そうな木製のストックのこのライフルは第一次大戦から朝鮮戦争にかけてアメリカ軍が採用していた銃だ。

 彼女はもちろん、本当は帝国陸軍の使っていた三八式または九九式歩兵銃を使いたかったが、残念ながら兵站の関係上運用する事は出来ない為、泣く泣く同じボルトアクション(1発撃つごとにボルトを引いて排莢する)ライフルのM1903A3を使う事にしたのだ。

 

 

 陸自の隊員達は基本的に大戦中の火器で武装している。それが深海棲艦に対抗できる唯一の手段なのだ。

なぜライフルや機関銃等の小火器で武装しているのかというと、陸に上がった深海棲艦達は艦娘と同じように耐久力が人間並になるという事実が最近明らかになったからだ。

それは同時に、深海棲艦が上陸作戦も遂行できると言う事実も孕んでいた。

 

「あきつ丸、気合い入ってるのもいいがそこそこに…」

「よぅし!!皆、俺達の出番だぁ!!準備はいいか!?」

 

大河内の苦言は突然弟の怒鳴り声にかき消された。

 

「「オッ、オーっ!!」」

「声が小さぁぁぁい!!!!」

 

言ってる側から…。大河内は呆れながら、銃を振り回して水雷部隊を鼓舞する弟を見た。

 

「連中は愚かにもこのムエルタ島をまた襲撃しようと企んでるようだ。だが今にもきっと奴らは後悔する。なぜか分かるか?ここには不運な事に、この俺達がいるからだ!!」

 

 そんな大河内二曹が手にしているのはM1カービンという1941年にアメリカ軍で採用された自動小銃だ。恐らく現在この島で一番ポピュラーな銃だろう。

 小型軽量で扱い易く、それなりに威力と射程がある。オマケに反動もマイルドだから、隊員達から一番人気があるのだ。

 大河内ニ曹は更に改造されてフルオートで連射をできるようにし、コンパクトに折り畳めるストック式の銃床のモデルを持っている。

参考までにあきつ丸の使っているM1903A3と比べてみると次のようになる。

 

M1903A3

全長:1105mm

重さ:3.6kg

弾のサイズ:直径7.62mm×長さ63mm(.30-06弾)

装弾数:5発

発射形式:ボルトアクション(1発撃つごとに手動で排莢、装填)

有効射程:500m

 

M1カービン

全長:904mm

重さ:2.5kg

弾のサイズ:直径7.62mm×長さ33mm(.30カービン弾)

装弾数:15又は30発

発射形式:セミ又はフルオート(引き金を引けば自動で発射、排莢、装填される。)

有効射程:300m

 

 余談だが、あきつ丸がボルトアクションのライフルを使う最大の理由は「弾が詰まらないからであります!!」だそうだ。

 拳銃の方はというと、これまた彼女は私物のブローニングM1910を携行しようとしたが、自衛隊の中でそんな事ができる筈もなく、一応は支給品のM1911を携行している。元々はアメリカ人の手に合う大柄なサイズで設計されている為、あきつ丸はもて余しているようだ。

 

 

「それにしても大隊長殿、本当にここで敵艦隊を迎え撃つつもりでありますか?」

 

あきつ丸が大河内に訪ねた。

 

「ああそうだ。連中はどうもこの島を攻撃する事に固着してる。だがここ最近の戦果の報告や空襲の頻度の減少から察するに、サンタ・ジョージアの連中の航空兵力もいよいよじり貧なようだ。恐らくもうまとまった空襲を仕掛ける戦力は残っていないだろう。だから俺も最初は南から進行している機動部隊がこの戦闘の本命だと思った。だがきっと違う。」

「と、言いますと?」

 

あきつ丸が再び大河内に訪ねる。

 

「あきつ丸、我々はひたすら防衛に徹してきたんだ。結果、サンタ・ジョージアには無傷に近い水上打撃部隊がいまだに残ってる可能性が高い…。これが何を意味するか分かるか?」

 

 大河内がこう推測する訳は、サンタ・ジョージアヘ向かう途中で撃破された深海棲艦の輸送艦が大爆発を起こし、爆発に艦娘が巻き込まれて損傷するという事故があったのを思い出したからだ。きっと大型の巡洋艦や戦艦が使うような砲弾を満載していたのだろう。

 

「まさか、夜間になったら暗闇に乗じ、その部隊を使ってここに艦砲射撃をかます…でありますか。」

「きっとそのつもりだろうな。まるで…」

「まるでガダルカナルの再来のようでありますな…。」

 

 

 「て、敵機編隊接近!!」

 

 新参のヲ級が叫んだ。澄みきった空の彼方に真っ白な機体の零戦の編隊がこちらに向かってくる。一糸乱れぬ見頃な編隊飛行だ。旗艦のヲ級は相手は一筋縄ではいかないであろう事を悟った。

 

「おいでなすったかぁ!」

「我々の索敵機からの報告は?」

「…ありません、隊長。」

 

(先を越されたか…仕方ない。ここは防戦に徹するか。)

 

「艦隊、此より防空戦を開始する!各空母は間隔を広げ、輪形陣をとれ!!」

 

「「了解。」」

 

「おい、新人!」

古参のヲ級が叫んだ。

 

「あ、はい!」

「上だけじゃなくてちゃんと横も見て走れよ!」

「はい?」

「爆弾と魚雷避けんのに夢中になって、誰かにぶつかんなってことだよ!」

「あ、了解です!!」

「しっかり目ぇ見開いてろよ!!」

 

 次の瞬間敵の編隊が一気に散った。こちらの戦闘機も相手の後ろを取ろうと必死の旋回を始める。

 

「格闘戦では奴らに分がある。一撃離脱に徹するように戦闘機隊に伝えろ!!」

 

 しかし相手の零戦も巧みに機を旋回させてこちらの一撃をかわす。しかも敵は編隊を二つに分けているようで、低空の敵戦闘機隊に対抗する為に高度を上げようとすると、上空にいた別の敵戦闘機隊に迎撃を受ける格好となった。

低高度まで追い詰められたこちらの機は次々と火を吹いてゆく。

 

(相手も中々の手練れだな…。)

 

「対空戦闘用意!!」

 

一斉に艦隊全ての火器が空を睨んで砲口を上げる。

 

「撃てぇ!!」

 

 まずは高角砲が、その次に機銃が火を吹いた。パッパッと青い空に次々と黒いシミができていく。ある機は曳光弾の線に捉えられ、また、ある機は至近距離で炸裂した高角砲の破片をもろに浴び、火を吹いて海面に叩き付けられてゆくが、それを上回る数の航空機が頭上に殺到する。

 

(これだけの数の航空機が襲来するという事は…釣り針に食い付いたか。)

 

「本部、本部、こちら機動部隊。これより敵艦隊の誘引を開始する。艦隊、進路を南に取れ!!」

 

旗艦の彼女がそう伝達し、全員がもと来た方角に反転した直後、誰かが叫んだ。

 

「9時の方向!爆撃機の編隊!!」

 

 誰かが叫ぶ。見ると固定脚が特徴的な九九式艦上爆撃機の編隊が見える。今は遥か頭上だが、間も無く降下体勢に入って一気に仕掛けてくるだろう。

 

「ヴァル(※1)だ!用心しろ!!」

 

そう伝達した旗艦のヲ級だが、どこかで違和感を拭い切れなかった。何かがおかしい…。心のどこかで直感的にそう感じていた。

 

 

数時間前…

 

「では今南からこちらに向かっている機動部隊は囮だというのかね?ここを襲撃する可能性は低いと?」

 

本多が大河内に言った。

 

「ええ、少なくとも今日の所は。レイテ沖海戦の時の小沢艦隊と同じです。もっとも、規模からすると威力偵察や侵攻作戦なども考慮された、汎用任務部隊といった所かと。」

「確かに、あれだけの戦力なら本気でかかればこちらを潰しにかかる事もできなくはないな。」

「しかし、敵の索敵機は鎮守府周辺まで来ていますが、一向に攻撃隊はこちらに来ません。」

「では…当たりだったな。」

「ええ、向こうがその気で無いなら、こちらもわざわざ乗る必要は無いでしょう。我々はサンタ・ジョージアの水上打撃部隊をこの島まで誘き寄せて、夜戦にて決戦を仕掛けましょう。」

 

 それを聞くと本多は一息吐いてモニターを見た。モニターには4つの青い点と13個の緑の点が表示されている。

 これは現在の艦娘達の居場所が表示されているものだ。青は空母、緑は巡洋艦以下の艦を表している。これらは、艦娘の艤装に取り付けられたGPS発信器によってもたらされる情報で、これによってリアルタイムに艦隊の動きを把握できるようになっているのだ。

 

「久し振りだな、こんな規模の戦闘を仕切るのは。」

 

 大河内は煙草をポケットから出し、ジッポで火を付けた。白い煙がゆらゆらと執務室を昇る。

 

「状況は我々のほうが有利です。あとは艦娘達を信じて存分に暴れてやりましょう。そして海将…」

「ああ、待て待て。さすがに私でも君の言いたい事は分かったぞ。常に最悪の事態を考えて先手を打つのが君のやり方ってのはもう学習したぞ?」

「では…」

「ああ。」

 

そう言うと本多は大淀に言った。

 

「大淀君。アメリカ海軍の第31任務部隊と繋げるか。」

 

 

※1…ヴァルとは大戦中に九九艦爆に連合軍側の付けた暗号。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。