拙い文章ですがお許しください。
誤字や誤った表現があるかもしれません。
どうか生暖かい目でお読みください。
――パタン
「咲夜」
「はい、なんでしょうかお嬢様」
本を読んでいたレミリアは本を勢いよく閉じ、近くを掃除していた咲夜へ語り掛けた。
すかさず掃除を中断し、体の前に手を組み、体をレミリアへ向ける咲夜。
「紫って幻想郷と外の世界とをスキマで繋げることができるのよね」
「はぁ...まぁ。周知の事実ですよそんなこと。知っておいてどうして聞くんですか。」
主からの問いに咲夜は訳も分からず応答する。
咲夜の答えを聞くと、レミリアは机に肘をつき、手を組み、斜め下を見据えて何かを深く考え始めた。
その姿を見て、咲夜も立ったままレミリアの考えを考え始める。
『また異変を起こそうと考えているのではないか。今度は外界を巻き込んだ大異変を。』
『いや、単に外界の物が欲しくなっただけではないのか。それを手に入れる手段として紫に目を付けたのでは?』
二人は思考をはじめ、沈黙が流れる。
時計の秒針の音と二人の呼吸音だけが聞こえる。
しかし動いているのは秒針だけで、二人は微動だにしない。
呼吸音が聞こえるにも関わらず、人形のようにぴくりともしない。
誰かが見たら精巧な人形と見間違えるだろう。
そんな状態を保って時は流れていく。
それからどのくらい経っただろうか。
数十分か、一時間か、それ以上か。時間の感覚が狂うほど沈黙は続いた。
そんな沈黙も急に終わりを告げる。
椅子が床をする音が響く。レミリアがふと立ち上がり言った。
「外界へ行くわよ、咲夜」
部屋に反響するレミリアの声。
再び沈黙が流れる。しかし、今度は一瞬にして沈黙は破られた。
「ふへ!?」
咲夜の素っ頓狂な声が発せられる。
その声が合図であるかのように早々と動き出すレミリア。
話が呑み込めず棒立ちになっている咲夜を横目に、レミリアは黙々と出掛ける準備を進める。
しばし後、ようやく動き出す咲夜。
それでもただレミリアに向けて片手を伸ばしたり縮めたりしているだけだった。
そんな咲夜に向けて、深いため息をついてレミリアは言う。
「咲夜、さっさと支度するわよ。どうしたの?」
『どうしたの?って、これ以外にあるわけがないだろう...』そう思いながら咲夜は率直に思っていたことを聞いた。
「いや、その...なんで外界に...?」
「それは後で説明するわ」
あっさりと咲夜の質問を投げるレミリア。
レミリアの言う「後で」は何分先か、何時間先か分からない。
もしかしたら数日後なんてことも有り得る。いや、あった。というか日常茶飯事だ。
今の行動を終えてもきっと質問には答えてはくれないだろう。
「さき、行ってるわよ」
納得のいかない様子の咲夜に向けてレミリアは言った。
咲夜が納得のいかないのも無理はない。
幻想郷内のどこかに行くのと外界に行くのとでは話が違うからだ。
結界を抜けることになるし、あまりにも遠くへ行ってしまうと無事帰ってこれるかどうか...
なんだかんだ言って幻想郷は吸血鬼のレミリアにとって居心地の良い場所である。
幻想郷には天狗や神や魔法使い、仙人がいるのだから吸血鬼がいても誰もなんとも思わない。
けれど外界は人間がほとんどだ。今の時代では妖怪は滅多にいないだろう。
妖怪ばかりの幻想郷と異なり今の外界は人間ばかりである。
一見幻想郷より安全な場所のように見えるかもしれない。
しかしそれはレミリアに限らず、妖怪にとって外界には仲間、同類が少ないことを意味するのだ。
周りが人間ばかりの世界に果たして耐えられるのか...
咲夜も正直なところ、人間でありながらも超人的な力を持っているため外界に行くと場違いな感じがしそうで怖いのである。
その発言に対してすかさず咲夜は問う。
「行くってどこですか?本当に外界へ...!?」
「当たり前じゃない。私はやると言ったらやる主義よ。咲夜が一番よく知っているでしょう?」
「...本当に...行くんですか......」
レミリアの返事を聞き、咲夜は心の中で思っていたことがつい声に出た。
その声は魂が抜けたような、力が抜けたような、幽霊の囁きのような声だった。
レミリアは先の質問の1つ目の問いを思い出し、振り返って言った。
「博麗神社に行くのよ。大抵あそこに紫がいるから。霊夢と世間話でもしてるでしょ。」
こうしてレミリアはリュックを背負い、日傘をさし、とことこと博麗神社に向けて歩みを進めた。
咲夜は何を用意したらいいか分からず、とりあえず必要最低限のものを鞄に詰め込んでいった。
レミリアは期待を胸に、咲夜は不安を胸に。
読んでくれただけでも胸がいっぱいです。
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