クロスアンジュ~”天使”(ここ重要)と龍の輪舞~ 作:同志プジョンヌイ
エアリアの部分はいらないと思ったでカットしました。
皇女アンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギはざわめく群衆に囲まれた中、侍女とともに呆然としながら佇んでいた。公の場ではいつも毅然とした姿を決して崩すことはない彼女であったが、今は少しショックを受けた様子であった。それも当然である、彼女は顔に白濁とした液体をかけられるとは想像すらしていなかったのであるから。
ことの始まりは、エアリアの試合帰りの姫様を乗せた皇族の公用車が停まってからだった。
車は普段とは違い、少しばかし急に止まった。いつもはスムーズに停車するはずなのにと、皇族兄妹一同が思っている中、
「近衛兵、防御円陣!」
「マナの光を!!」
近衛長官リィザから近衛兵らに命令が下され、公用車周囲にマナによる結界が張り巡らされた。
「この先で問題が起きたようです・・・」
「ノーマか・・・」
近衛長官の発言に兄のジュリオは何が起きているか察したようだ。
外の子を抱いている母親らしき人物とそれを囲むノーマ検疫官達を見、アンジュリーゼは驚愕した表情を浮かべた。
「実際に見るのは初めてかね」
「これがノーマ・・・」
兄に対しなおざりな返事をしながら車の外に出た。
この時あえて、恐怖の表情で震える妹シルヴィアを無視した。アンジュリーゼ様は妹大好きなシスコンであり、いつもなら妹のこの表情はたまらないものなのですが(モモカ談)
「お願いします!セイラを、どうかセイラを連れていかないでください!!」
必死の懇願にもかかわらず、周りの検疫官達と野次馬の表情は冷たいだけであった。
「この子は他の人よりちょっとマナを使うのが下手なだけなんです!!」
「それこそがノーマであることの証・・・断じて見過ごすわけにはまいりません」
「アンジュリーゼ様!」
近付いてきた皇女に気付いた母親も周りも大層驚いた様子だった。
「母が子を愛するのは当然のこと。それを引き離されるのを見るのかなり心が痛みます・・・」
「でしたら、皇女様。どうか見逃してください!」
「それは無理です・・・この子はノーマなのですから」
その言葉に母親は愕然としたようだが、依然として食い下がらない。
「どうかお願いします!この子は私がきちんと育てますから・・・」
「私もそうできるように望んでいます・・・しかし、決まりは決まりです・・・その子を隔離しなければなりません。」
「・・・・・・・」
アンジュリーゼは、
「その子の分までいきるのです・・・あなたが希望を失うことをこの子ものぞみません。だから・・・・」
と話を始め、優しく母親を慰め、諭した。その姿は慈愛に満ちており、人々を惹きつけてやまない。
「さすが、アンジュリーゼ様。心優しい・・・」
「皇女なのに、ノーマを生んだ母親にまで気を配るとは・・・できた方だ・・・」
「結婚したい!」
といった称賛の言葉が周りの群衆から飛び、事態がうまく収まるかに見えたその時、KYな発言が飛び出してきた。
「もう、こんな勝手に出てきてはいけないではありませんか。」
侍女のモモカである。
「皇女であるアンジュリーゼ様がたかがノーマごときのために出てくるとは、まったく・・・」
「モモカ・・・」
アンジュリーゼはモモカに対し、よしなさいと視線を送るも、
「ノーマは本能のままに生きる好戦的で粗暴な存在、姫様が関わるものではございませんわ!」
「・・・・・・・」
モモカは口を閉じない。
「だいたいノーマは人間ではないのですよ。そんなの気にすることはないのですよ。」
「えっ・・・」
母親を励ますつもりなのか、とどめに(普段ならば)プライスレスの笑顔でこう付け加えた。
「早く忘れることです。そして次の子を産むのです。今度はノーマではない正しい子供を。」
「うわぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!」
突然我を忘れた母親から哺乳瓶が飛んできた。
しかし、モモカ・萩野目15歳、皇女アンジュリーゼの筆頭侍女は、メイドに関してはよくある話だが、卓越した反射速度及び運動神経、戦闘能力を要していた。
モモカは軽々とそれをよけたがアンジュリーゼのもとへ向かっていることに気付くのが遅れた。
「障壁!!」
「!」(うわ!しまった・・・)
アンジュリーゼがマナの呪文を叫んだ直後にモモカも叫ぼうとしたが、間に合わなかった・・・
瓶は頭に当たって割れ、牛乳がアンジュリーゼの顔中にかかった。
モモカと母親はハッと我に返り、自分の過ちに驚愕した。
モモカは体をブルブル震わせながら周りを恐る恐る見渡した。
「おい、見たか、アンジュリーゼ様の顔に白い液体が・・・」
「ああ、今夜のおかづに・・・いや、脳裏に焼き付けよう!」
「画像投稿するか・・・」
「侍女グッジョブ!!」
周りの荒ぶる愚民どもを見て、モモカは胸をなでおろした。あ~、あいつら馬鹿で助かった。
一方、赤子の母親の方は自分のしたことの重大さを感じ、恐れおののいていた。
そこに検疫官が警棒を取り出し、怒号を放ちながら彼女を取り押さえようと駆けつけてきた。目と鼻の先で皇女殿下が傷つけられるという失態をさらしたのだから当然である。
「このアマ、よくも目の前で・・・アンジュリーゼ様になんてことを!!」
「やめなさい!!」
自身の顔に白い液体を滴らせながらも毅然とした態度で言い放った。周りの劣情を集めているにもかかわらず・・・
「彼女は気が動転していただけです。罪はありません」
「しかし・・・」
「決して罰さないでくださいまし・・・むしろ、モモカが悪いのです。」
「!?」
一難去ったと思ったが、また一難であったモモカだった。
ちなみにこの後、お仕置きはアンジュリーゼではなくシルヴィアから受けたそうな。
「これは余計なことをいった罪!これはお姉さまを牛乳まみれにした罪!そして、これはお姉さまを野獣の性欲にさらさせた罪!」と鞭打たれたのはまた別の話。
一方、ジュリオはさらに自分の確信を強めながら、車から一連の出来事を眺めていた。
「自分の妹はシルヴィアだけでいい・・・・アンジュリーゼ、君は必要ない。」
彼は自身の決意を表すかのようにつぶやいた。
「父上、母上。妹はノーマだという事実に飽き足らず、今日皇室の権威を落としました(劣情を集めたため)。だから、排除します。お許しを」
そして、息を重くゆっくりと吐き、自分に言い聞かせるように付け加えた。
「決してコンプレックスとかそういう問題じゃないんだからね!」
下ネタ寄りですいません。
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心はアンジュみたいに強くないので・・・
ちなみに、私は1話の頃からアンジュ好きでしたけど、皆様はいかがでしたか?(色物好き)