で、HD版で『臨場感溢れる』英語音声が追加されるらしいので公用語は英語とみて間違いあるまい。
※10時くらいに投稿したのは間違えてました。申し訳ございません。
超文明時代。
オリエンスは四つの大国に分かれ、互いに争いながらも原初の力たるクリスタルの加護を受けて平和を享受していた。
しかしある時、西の大国白虎に一人の男が現れる。
後に『白虎の魔王』と呼ばれるその男は野心に溢れ、専制国家であった白虎の皇帝を追放し、国主となる。
だが、その男は欲深かった。その男の野心を収めるには一国だけでは足らなさすぎた。
故に男はオリエンスの全てを欲した。
その為に白虎を急速に軍国化させ、自身は戦争の切り札となる特殊部隊を養成するべく行動を開始する。
やがて大戦がはじまると白虎は南部の大国朱雀に大打撃を与え、北の大国玄武を吹き飛ばし、東の大国蒼龍を傀儡化させた。
朱雀は致命的な大打撃を受けながらも伝説のアギトとして語られている当時の0組の獅子奮迅の働きもあり、長きに渡り世界の流れに抗った。
しかし、朱雀に0組がいるならば白虎にも同様の存在がいた。
『ノア・コマンド』と呼ばれる白虎の男が自ら養育した20人の特殊部隊。
彼らは荒唐無稽と思えるような現象を容易くやってのけ、0組と互角の戦いを繰り広げて見せたのだ。
いくら0組とてノアを相手にしては、肝心の白虎軍本隊を叩くことはできず、圧倒的戦力差で朱雀は降伏に追い込まれたのだ。
こうして朱雀は白虎に降伏し、白虎はオリエンス統一を成し遂げたのだ。
しかし、オリエンス統一を成し遂げた直後に終末の時【フィニスの刻】が訪れ、世界はルルサスと呼ばれる軍勢によって蹂躙された。
朱雀も必死に抵抗したが、当時の魔法の源である朱雀クリスタルは白虎の技術によって封印されており、朱雀の防衛戦は困難を極めた。
が、そんな時に白虎から『ノア・コマンド』の一人が朱雀に訪れる。
『裏切りのノア』と呼ばれ、後に四聖連合の指導者となった男である。
彼は自らの主であり、父と慕った男が白虎諸共ルルサスを消し飛ばそうとするのを見て、ついていけなくなったのだ。
それで彼は自分の義父に反対し、幽閉されていた者達を解放し、朱雀に亡命したのである。
0組も最初は『裏切りのノア』とその同胞を疑ったものの、彼自身は義父が常々言い聞かせていた「白虎が戦乱絶えぬオリエンスを統一し、世界に平和を齎すのだ」という言葉を純粋に信じて行動していたことが話しているうちに分かったので、彼らの亡命を受け入れた。
そこで『裏切りノア』は亡命を受け入れてくれたお礼に朱雀クリスタルを封じる機会を一撃で粉砕する。
これにより戦闘能力を取り戻した朱雀軍に防衛戦を任せ、0組はルルサスが溢れ出てくる本拠地に特攻を仕掛け、命と引き換えに諸悪の根源を打倒することに成功する。
こうしてルルサスの脅威が消え去り、『裏切りのノア』は空飛ぶ鉄の方舟でオリエンス中を旅し、【フィニスの刻】の生き残りを集め、肥沃且つ豊かな朱雀の大地へと導いた。
だが、四大国の力をあらゆる意味で支えていた四つのクリスタルの内、三つは白虎と共にその姿を消し、残った朱雀クリスタルも徐々に力が失っていくという問題に晒されていた。
だが、『裏切りのノア』を始めとする白虎の技術者が自然の中からエネルギーを取り出すことを提案し、クリスタルから得られる力より遥かに劣るものの、普通に生活する分には何の問題もないようになった。
こうして四つの大国の生き残りにより、四聖連合という国家が建国され、超文明時代に比べて拙いながらも決して超文明時代にはなかった戦争のない平和を手に入れたのである。
こうして数百年に渡り、大きな争いのない平和な時代を連合は謳歌していたのだが、ある時問題が発生する。
切っ掛けは連合における貴族制度廃止だ。
これにより貴族達は不満を燻らせていたのだ。
その数十年後に秘密裏に揃えた強力な魔導アーマーの軍隊を率い、元貴族のガレマールという男がクーデターを起こし、不満を持っていた貴族階級の者や市井の貴族主義者らもクーデター側に回り、連合は激しい内戦状態に陥った。
が、連合を打倒しきれないと内戦の中で悟ったガレマールは帝国として連合からの分離独立を宣言。
こうして現在のオリエンスを二分する連合と帝国という対立構造がこの時に形成され、以後千年近くに渡って対立を続けている……
オリエンスの民なら誰でも知っている常識である。
・・・・・・・・・・
「マジか」
「マジよ」
「いや、お前に言ったんじゃないんだ」
ヘレナから説明を聞かされたリシャールは深くため息を吐いた。
まずここは世界界じゃない。どうやら世界線そのものを超えてオリエンスにきたのだ。
問題はなぜ超えることになったかだが……
(どうせ勇者が原因だろ)
というかそれ以外に原因を考えられないのでリシャールは勇者が悪いと結論づけた。
そして途中までゲームでの知識と同じだというのに、なぜ白虎が勝利してしまっているのか。
(俺の会社、皇国スキーの奴らが多かったから皇国が勝ってること自体は嬉しいのだが……。
ゲーム開発部門のクルッテス・カークスが制作した20人で遊ぶFF零式のTRPGした時皇国出身を選ぶ奴が15人くらいだったしなぁ……白熱しすぎて5日ぶっ通しでして大変なことになったけど)
すこしばかり思考が脱線していることに気づき、リシャールは考え直す。
(俺はFF零式で判明した設定は歴史の記録全文に至るまで暗記している。
なのにゲームの知識と食い違っているのはなぜだ。特にノアってなんだよ)
乙型ルシのクンミを撃破したり、色々有利な条件があったとはいえ甲型ルシのニンブス・ホシヒメ・ギルガメッシュの3人を退けた0組と互角に戦えた奴が皇国にいるなど全く想像できない。
暫くなぜそうなったのか考え込んだが、リシャールは唐突に感がるのをやめた。
(やめだ。第一、今から約1500年前らしいゲーム時代になにがあったかなんか気にしたところで仕方がない)
1500年前の知識なにかの役に立つとも思えないのでとりあえず今の事を尋ねることにした。
「とりあえず帝国と連合の関係はわかった。
で、お前、ここのこと盗賊ギルドとか言ってたな。それはなんだ?」
明らかな非合法職の同業者組合の存在。
リシャールでなくとも突っ込んで当たり前である。
「いくらこのウラヘルが無法の街だと言っても、ある程度は秩序みたいなのがあってね。
盗賊ギルドが金を払う奴らの安全をギルドが保障してやってるのさ。
それと一応ここも書類上じゃ帝国の領土ってことになってるらしくてね。安心して商売するためにも、帝国とよろしくやっとく必要もあるんだよ」
「商売って?」
「簡単に言うと軍の支給品の横流しとか薬の売買。それと女とかさ」
それって盗賊ギルドっていうかマフィアの方が正しくないか?
そんなことを思ったリシャール。
確かにどの辺が盗賊なのかさっぱりわからない。
「じゃあ、お前らはいったいどこで盗みを働いたりするんだ?」
「縄張りの外」
「縄張り?」
「ええ、盗賊ギルドって言ってもこのウラヘルには4つあってね。ここは【夜光】ってギルドで、他に【奈落】【欺瞞】【深淵】ってギルドがあるの」
「なんかどれも嫌な名前だな」
「私もセンスが悪いと思うけど、自分のギルドの命名するのはギルドマスターだからね。
それで今私たちは【奈落】との仲が悪くてね。貴方が殺してくれた盗賊共は【奈落】の奴らよ」
「へぇ」
あの絵に描いたような悪党どもをリシャールは思い出す。
「それでたぶん貴方も【奈落】から睨まれてると思うから気をつけてね」
「は?」
「当然でしょ。私に刺客を差し向けたにも関わらず私が無事で、さっきまで私と貴方がこの街をウロウロしてるとこを【奈落】の連中が揃いも揃ってみていないわけがないでしょう?」
確かに言われてみればその通りだとリシャールは青い顔をする。
「だ・か・ら。【夜光】に所属して盗賊デビューしてみる気はない?」
「断る」
どう考えても先が見えない盗賊なんて職業に就職したくない。
そういう強い理由を持ってリシャールは【夜光】に所属するのを拒絶した。
「じゃあどうするの?」
「このウラヘルから出る」
「でもここから龍神の聖域に行くための港は全部盗賊ギルドが牛耳ってるわ。
貴方、港を利用する為に盗賊ギルドが要求するお金を払えるの?」
「それなりに金目のものなら持ってる」
リシャールは懐から2つの小包を取り出す。
一つ目の小包の中には砂金がぎっしりとつまっており、もう一つの小包は超特殊方法で製造される金属がいくつか入っている。
これらは乗機が破損し、どこぞの世界に遭難した時に備えてリシャールが常に持ち歩いていたものだ。
それぞれの世界、中には世界の中でさえ通貨が異なることがある世界界で基本的に通貨代わりに使うのだ。
特に特殊金属は軍事国家の奴らに便宜をはかってもらうのによく使える。
と言っても、ここは世界線そのものが違う。
これがこのオリエンスで何の価値も持たない可能性もないわけではない。
そのため小包をヘレナに見せてみたのだが……
「砂金の方は凄いけど、そっちの変な金属はなんなの?」
「わからないのか?」
「わかるわけないでしょ」
この世界全体ではどうか知らないが、とりあえず盗賊ギルドでは何の価値も持たないようだ。
リシャール内心すこしがっかりし、ヘレナは砂金の方を検分する。
「まぁ、砂金の方なら換金すれば港を利用するくらい大丈夫だと思うけど……
そっから文無し状態でどうすんの? 龍神の聖域で農奴にでもなるの?」
「まて! 農奴って言ったか今!?」
「ええ、言ったわよ」
この街の技術レベルから見て、普通に近世~近代レベルの文明はあるように思える。
これが数百年前に破棄された要塞跡というのだから、本当ならもっと進んだ文明だとリシャールが考えたのはごく当然だろう。
だというのに農奴なんて非効率極まりない制度がなんであるんだとリシャールは問う。
「帝国の領土の大半は荒地で、龍神の聖域は数少ない肥沃な大地だからね。
土地を耕す人間を確保するために龍神の聖域ではそういう制度が敷かれてるらしいよ」
「帝国の領土の大半が荒地? 悪いがこのオリエンスの地図を見せてくれないか」
リシャールの要望に、ヘレナは頷くと部屋から一度出て、地図を持って戻ってきた。
ヘレナは部屋の真ん中にある机に地図を広げる。
ゲームでいうロリカ同盟があった地域周辺に『Empire』を大文字で書かれた領域が広がり、朱雀領を中心にオリエンスの殆どを含む領域は『Four Holy Confederation』と書かれている。
北東の蒼龍があった地域より小さい領域に『Doragunia Kingdom』とあり、白虎首都があったアズール地方には『Dimas Taoist countries』と書かれている。
他にも小国が複数存在するが、ゲームで言う一地方以上の領土を抱える国家は、他に存在しない。
そして帝国の領土を示している『Empire』の領域を見てみるとゲームにおける玄武領全域と龍神の聖域の南半分、そして北トゴレス地方が領土として記されている。
そして北トゴレス地方の北東端に小さく『Uraheru』という地名が書かれている。
「ウラヘルが北トゴレスにあるなら、ここいらも緑豊かな大地だろ。
それをなんで帝国が放置しているんだよ」
この地図を見るとそう思わずにはいられない。
「この北トゴレス一帯は超文明時代に『ノア・コマンド』の一人がなんかろくでもないものを散布したって伝承があってね。そのせいかどうかは知らないけどここらは凶悪なモンスターの巣窟で開発費がいくらあっても足りないんだよ。このウラヘルひとつ建設するのにだって当時の帝国の国家予算の半分を投資して、ようやく建設できたらしいからね」
「……じゃあなんでこのウラヘルは破棄されても、モンスターは寄ってこないんだ?」
「なんでも帝国がこの基地を築いた後、大戦力でこのウラヘルに近づくモンスターを徹底的に殲滅してたら、モンスターたちがここに近づかなくなったそうだよ」
それでも年に一回くらいはとんでもないモンスターがこのウラヘルを襲いに来るから、防衛線したりしなきゃいけないんだけどさ。
そんなことをさらっとヘレナは呟く。
「……となると凶暴なモンスターの巣窟である森を抜ければ港を利用しなくても……」
「やめたほうがいいよ。南へいけば連合領だよ? 密入国者として処刑されるのがオチさ。
西に行く場合は更に山脈を越え、灼熱のユハンラ地方を最寄りの街まで徒歩でいかなきゃならないけど?」
「元から西へ行くのは考えてなかったが……無理かあ」
考えてみれば帝国と連合は千年以上にわたって、犬猿の仲だとさっき聞いたばかりだとリシャールは思う。
となれば危険な森を越えてまで、連合領に無断侵入など危険どころの騒ぎではない。
しかしそうなるといよいよ港を使うのが現実的な判断になってくるが、それだと砂金全てを使って文無しになる。
かといって盗賊化する気はリシャールにはない。
「となると指名手配されるの覚悟で南に抜けるか」
「それくらいならここで稼いで龍神の聖域に行った方がいいんじゃない?」
「だよなあ。なら一切遠慮せずに【奈落】を潰して、そこから金品を略奪すれば……」
「もう盗賊以外の何物でもないわね」
リシャールは髪の毛をくしゃくしゃにしながら悩む。
一応、元の世界界だと自分の会社は人類陣営の多くの国から凄まじい恨み買ってたのだから、新しいこの世界では暫くは公的権力と敵対することなく、気ままに放浪したかったのだが、リシャールは諦めた。
そもそも無法の街に流れ着いた時点で、決まってたのかもしれん。
「とりあえず、仮に、ってことなら【夜光】に属してもいい」
「その辺の相談はマスターとしてちょうだい。ショルドにマスターと会いたいって言えば、大丈夫だから」
「そうかい」
リシャールはひとまず、ギルドのロビーに行き、ショルドにマスターに会いたいと伝えると「明日の正午に会えるようにしといてやるよ」という返事を返された。
用が済んでヘレナのとこへ戻ろうとすると
「そういやもう夜だけど、あんたヘレナの借りた部屋に泊まるつもりなのかい?」
「ん? ああ、そのつもりだ」
そういや、まだ確認してなかったな。
そう思いながらリシャールはそう返すとショルドはニヤニヤした笑みを零す。
「なんでニヤニヤしてるんだ?」
「いや、なんでもないですよ」
ショルドは顔をリシャールから逸らして、そう言った。
その様子をリシャールは訝しげに思いながらヘレナがいる借り部屋に戻った。
するとヘレナから
「じゃあ、私は自分の部屋に行って寝るから」
「……俺はここで寝ていいのか?」
「いいわよ」
そう言って部屋から出て行ったヘレナを確認すると、リシャールは少し変な臭いのするベットに寝ころんだ。
決して快適な寝床ではなかったが、敵地での野宿も経験したことのあるリシャールからしたら、雨風凌げるだけで安眠するには十分すぎた。
ハッキリ言って、英語はグーグル翻訳にそのままかけただけなので適当です!