ここが『楽しい世界』ですか、そうですか……。
なんか超どんよりしてるんですが。てかヒトカゲしかいないしっ!!
『また追加、か』
『全く、あのトレーナーは何を考えているんだ…』
『じ、自分は個体値が悪すぎるって言われたっす……』
『個体値…才能のようなものだったか?』
……ふむーん、ここはまさかとは思うがそのまさかなのか?
できれば外れててほしいが…。
『5匹転送された…あのトレーナー、俺らをどうするんだよ…!!』
『卵の中で聞こえたけど、僕達は野生にするっていってたよ?』
『野生…俺ら三匹の経験値は高めだが、他の奴らは生まれたばかりだ、生き残ることはできないだろう。』
『じ、自分は学習してただけで実戦はしたことがないっす』
『…僕達二匹だけ、ってことか。』
あっちゃー、まじか。ここパソコンの中かよ。
そんでここのトレーナーが厳選トレーナーという事か。これだから廃人は…てか、現実世界でも廃人がいるのかよ。どこも楽しくないじゃないか。
(ダァァァ!)
ん?ダークライも許せないか?やっぱりそうだよな。命を適当に扱ってるんだもんな?
(ダァ)
でも俺じゃあなにもできないんだよなぁ。
(ダァ、ダァァッ!)
俺らで保護するだって?そんなんできないし、できたところでヒトカゲ達をどうやってパソコンから出すんだよ?
(ダ…ダァ…)
…今考えたって何も起こらんぞ。
『……?この場所にあんな子、いたっけ?』
『い、いなかったっすよ…でも、格好良いっすね』
『…少し、話をしてくる。』
『ちょっと怖いから気をつけてね?』
ん?一匹こっちにきたな。あいつはリーダー的な奴か。
「すまない、少し聞きたいのだが」
「あー、さっきの話は勝手に聞いていたよ。俺はここのトレーナーのポケモンじゃない。勝手に入り込んできたんだよ。」
「勝手に入り込む、か。…まるで俺がみた夢のようだな」
「…夢?少し聞かせてもらえないか?」
俺がダークライってこともあるし偶然とは思えない。
「聞いても何にもならんがな。そこまで長い話でもない。この前、急に睡魔に襲われてな。その時に見た夢が真っ暗な空間だったんだよ。声だけが聞こえる、な。ちょうど貴方のような声で、さっきのような会話をして、すぐに俺らは捨てられたんだよ。だが、貴方が俺らを救ってくれた。俺らに戦いを教えてくれて、暮らしも教えてくれた。……夢だがな。」
「…なんというか、夢らしくないな。この後に君達が捨てられるのならばただの夢では無いが。」
俺が救うか。ダークライの提案通りに、俺が救うのか。しかしそんなことはできるのか?戦い方もなにも、俺はポケモンになって時間が経っていない。暮らしもこの土地がどこかかも知らないし、ポケモンの暮らしも知らない。
「ッ!あの野郎がパソコンにアクセスしやがった!」
「グッ!?」
頭が痛ぇ!アクセスした証拠なのか!?
『良個体やっとでたぜーっ!こいつらは……逃せばいいか!ボックスの邪魔だし!』
本当に…起きた…!?
「捨てられる…!?」
『結構孵化してたんだなー、じゃあさようならー!』
「や、やめてください……あぁぁぁ!!」
「じ、自分はここからでたら生きていけないっス…いやだぁぁぁあ!!」
「大丈夫だよ、僕がみんなを守るから……!!」
「すまねぇ…!貴方に話したこと、そのまんまになっちまったよ…!」
周りからヒトカゲが消えていく。
一匹、また一匹。10秒も経たない内に周りに誰もいなくなった。
『こいつ何なんだ…捕まえてもいないはずだが。逃せばいいか!』
あ、頭がかき混ぜられて……!!
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うっ…ぐふぅ…知らねぇ天井、だな…。
(ダァ…?)
大丈夫だよ、ダークライ。心配してくれてありがとうな。
「だ、大丈夫……スか?」
「ん?…君は…?」
「えっと、自分はトウゲって言うっス!」
名前…厳選中に、あまり良い個体じゃないのに名前をつけるのか?
「って言っても、仲間内でそう呼び合ってるだけなんすけどね…」
「…そういうことか。……ダークライ。俺の名前だ。」
正直本名言ったってわからんだろうし。自分で名前を考えるのもな…。
「だ、ダーさんて呼んでいいっすか?」
「ああ、良いよ。ところでトウゲ、他のヒトカゲは?」
「とりあえず、生まれたばかりの子達はすぐそこで集まってもらってます!パソコンの中でダーさんが話してたのがザンさんで、レベルが高いので見回りをしてもらってます。もう一人レベルが高いリンさんも一緒に回ってもらってます!」
少し遠くを見ると100体は軽く超える数のヒトカゲがいた。前の世界の俺ならどうでもいいことだが、現実としてみると残酷なことだ。
「さっきから何か変な石像が見えるんですよねー…ほら!あそこにも!」
ん?石像…あれは、ミュウツー!?ミュウツーの石像…まさかとは思うが…確認しなければな。
「あ、ダーさん!あまり近づかない方がいいっスよ!」
「大丈夫。俺の推測が正しければ…ほら、あった。」
「あったって、何が…スイッチ?」
そう。スイッチが石像にあるのだ。つまりここはポケモン屋敷。俺の記憶には深く残っている場所だった。色々謎があったしな。
「スイッチっすか…一体なんなんスかねぇ?」
「カ、カゲカゲェ!」
ッ!?一体なにが!?
「ドッガー……」
あれは、マタドガス!?ってこんなことしてる暇はない!俺ができることとすれば、距離を考えれば『でんこうせっか』だけ…でも使い方なんて…!
(ダッダッ)
合体したから感覚でわかる?…やってみるしかないな。
「あっ、ちょっと、ダーさん!あぶないっスよぉ!!」
「うるせぇ!喰らえ、でんこうせっかぁ!!」
ドンッ!
「ドォ…ガァ……」
「もう一発!」
ドンッ!
「ドォ……」
な、なんとか助かった。マタドガスは目を回して気絶してるようだ。
ポケモン屋敷だから53Lvには簡単だったのか…ん?ちょっと待て。いくらレベルが高いって言ってもまだヒトカゲ。あいつら、見回りに行って…やばい!
10Lv代じゃねぇかよ!
「すまないトウゲ!あいつらを探してくる!」
「わ、わかったっスけど、気をつけてくださいね!!」
移動タイプが通過で助かったぜ!待ってろよ!
トレーナーのたかし君(仮)が廃人になる前に育てたのがザン、リン君です。少し知ってからトウゲ君。結局この三匹は個体値が悪いので封印という裏話。後付けでもある。
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