IFストーリー〜もしも過去に残っていたら〜   作:幼馴染み最強伝説

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感想でIFストーリーを見たいと言ってくださった方の為にIF編を早速描いてみました!

不定期更新になるかもしれませんが、その辺りは重々承知の上でお願いします。


〜動乱の過去編〜
生徒会役員共


季節は秋。二週間前に学園祭を終え、俺は今日も今日で忙しなく生徒会の雑務に追われている。

 

秋の大会がある競技に特別コーチとして参加してほしいという申請が大半を占める所為で、どれもこれも一日では解決出来ないというのが密かな悩みであったりする。大きな悩みと言えば生徒会メンバーの事くらいだ。

 

先日、正式に(・・・)IS学園に入学をしたばかりで何かと忙しいというのに、相変わらず俺に仕事を投げてくる。それでもこなすものだから、更に投げられるという負の連鎖だ。そろそろ説教の一つでもしてやりたいが、時間の無駄なのであいつらが改心する事はまずない。

 

ところで何故俺が未来に帰っておらず、今もこうしてここにいるのかというと、俺がここに残る事を選んだからだ。

 

四人の「この時代に残ってほしい」という願いに俺は応えた。俺は未来に待たせている人間はいないし、好意を向けている人物もいない。箒とはとても親しい関係を築いていたし、福音の時は命懸けで護ったりもしたが、好意を持っているかと言われればノーだ。それに彼女は一夏に好意を抱いている。俺はそれを応援しているし、手伝う事も多々あったが、安定の唐変木具合には俺のような彼女が出来たことのない人間の思考では敵わなかった。故に心残りがあるなら、箒の恋路を最後まで応援出来なかった事くらいだが、それも未来の出来事、またこの時代で応援すればいい。

 

そして俺は既に男性IS操縦者として発覚している為、この時代でもIS学園に入学をした訳だ。当然、それは秘密裏になんて事はなく、何れバレることなので、束が全世界に俺を「世界で唯一の男性IS操縦者」として発表した。もちろん戸籍やその他諸々を束が偽造完了させた上でだ。おまけにここにいるお蔭で押しかけられるなんて事はなく、束と共に向かった記者会見の場で一時間の問答に答えて、その場を乗り切った。

 

ISは言わずもがな『夢幻』だが、第三世代IS故にこの時代でその性能を半分でも発揮してしまえば、世界の軍事バランスが崩れてしまう。それ故に俺は束に頼んで緊急事態以外は第一世代より少し性能が良いくらい(フル制限)で抑えてもらったのだが、これがまた第三世代に慣れた俺としてはものすごく勝手が悪い。それもおいおい慣れていかないといけない。因みに普段は俺と一体化状態。当然だ。未来の束には俺とISを同化させた原理はわかるが、こっちの束にはまだ分かっていないのだから。

 

まあ、今は取り敢えずこの時代でどう生きていくかを考えていこうと「まぁぁぁくぅぅん‼︎」来たな、諸悪の根源。その歪み、俺が断ち切る!

 

「さあ!私の愛を受け止めふげっ⁉︎」

 

俺は飛びついてきた束をひらりとかわし、床に落ちた束の背中を踏みつけた。

 

「たーばーねーさぁぁぁん。俺に何か言わなきゃいけない事はないかなぁぁぁ⁈」

 

「んー…………愛してる?」

 

何でそうなる。可愛く言っても俺は誤魔化されないぞ。

 

「誰が愛を告白しろって言ったよ。お前、また実験で学園の壁吹き飛ばしただろ⁉︎また先生から苦情来てんだよ!いい加減、爆発するような実験止めろって言ってんだろ!」

 

こいつは事あるごとに学園のISを実験する場所の壁を消し飛ばす。一体何の研究してんだよと聞きたいところだが、聞いてもわからないので聞かないし、わかっても悩みの種が増えるだけなので聞きたくない。

 

「何言ってるのさ!今回は吹き飛ばしたんじゃなくて、溶かしただけだよ!」

 

「キレるところがおかしいっつーの!つか、余計にタチ悪いわ!今すぐ直してこい!」

 

「まーくんがキスしてくれたら良いよ?」

 

「お願いしてんじゃねえよ。命令してるの、お前がやった事なんだから、最後まで責任持て……って何で其処で無理矢理キスしてこようとしてんの!」

 

踏む足の力を緩めた隙に束は俺の拘束から抜け出すとそのまま顔を近づけてきた。何とか押さえ込もうとしているが、細胞単位でオーバースペックな束にやや押され気味だ。全力を出せれば捩じ伏せられるが、両腕の骨が逝く。

 

「積み立て金的な?」

 

なんのだよ!何で尻拭いさせる為に俺が何かを払わないといけないの?意味わからないんですけど!

 

「私とじゃ………いや?」

 

「そういう問題じゃないぃぃぃぃ‼︎」

 

「ならしても良いよね!」

 

「何故そうなる⁉︎」

 

ちょっ、誰かヘルプミー!そろそろ疲労で腕がプルプルしてきた!何で束の奴は筋肉疲労とかしないの⁉︎オーバースペックってだけで人体構造は…………変わるな。駄目だ、こいつに常識を当てはめては………悟り開いてる場合じゃなかった!割と限界が………

 

俺の腕が限界を迎えるよりも早く、束が横から飛んできたナニカによって壁に吹き飛ばされた。ん?これって…………生徒会室の扉じゃねえかぁぁぁ⁉︎

 

こんな事をする奴には心当たりしかない。生徒会室の扉が飛んできた方向を見ると其処には何かを投げ終えた姿でやりきった感を出している我らが生徒会長織斑千冬の姿があった。

 

「千冬!毎回毎回束をぶっ飛ばす時に生徒会室のドア使うなって言ってるだろ!」

 

「いや、ついカッとなってな。反省はしている」

 

「そんなワイドショーの殺人犯みたいな事言うなよ!ていうか、反省してるなら、頼むからドアを投げるな!ドアを使って殴るな!修理申請出した時の「ああ……またやったのか、いい加減にしてくれよ」的な視線を事務の人に向けられる俺の身にもなれ!機嫌が悪いと俺が説教されんだぞ!俺は保護者じゃねえっつーの!」

 

ちゃんと面倒見ろよってマジ意味わかんねえ。何で副会長が会長の面倒見なきゃいけないんだよ。逆だろうが、ふざけんな。でも、そんな事言って自分で直せとか言われると困るので言わないけどな!ていうか、何で毎回毎回申請を俺が出しに行かなきゃいけないのか、千冬行けよ。

 

「それよりもしっかりとトドメを刺しておかないとな」

 

「ちょっと待った。お前ここをサスペンス劇場のワンシーンにでもしたいのか?しかも何またドアで攻撃しようとしてんの?頼むから業者さんの仕事増やすような真似するなよ!ただでさえ申し訳ないんだからさ!」

 

少し前に業者さん達が話している所の横を偶然通りかかった時に「毎回ここに来るのは面倒だから、いっそここに何人か待機させておくか」って話が聞こえんだぞ!幾らここが国からのバックアップ受けてるからって修理業者の人が待機してるとかあり得ねえよ。気持ちは大いにわかるが、それすると更に千冬が何事もなく扉を武器にしそうで嫌だ。慣れとは実に恐ろしい。割とマジで。

 

「わかった………これで終わりだ」

 

「君、人の話聞いてる⁉︎」

 

頷いた割には倒れてる束を思いっきり扉で殴ったよこの子。誰が血を見ないようにトドメさせって言ったよ。まあ、扉壊れてないから良いけどな。

 

「あー、また何時もの馬鹿騒ぎしてる。お前ら飽きないナー」

 

「いい加減飽きてほしいけど………って、お前もかよ⁉︎」

 

振り向いた俺はしっとりと濡れた髪を靡かせるヒカルノを見て、思わず叫んだ。

 

「?にゃにが?」

 

「お前また近くの川に魚取りにいったな!」

 

「そうだよん。何か問題ある?」

 

確かに魚を取りに行く事自体は大した問題じゃない。そしてそれが釣りならどれだけ良かったか。だがこいつには決定的に釣りの才能が不足している。その為、ISスーツの格好をして素潜りで取るのだが、そうなると当然ISスーツは濡れる訳だ。幾ら乾きやすくとも十分に水を吸っているなら、絞って乾かさないといけない。それでも三十分程度では乾かない。そしてこいつが気分転換に行く川は片道五分。そして着ているスーツを乾かすようなことは決してしない。その状態で学園内を歩くという事は即ち床がビシャビシャになるという事だ。

 

「身体拭けよ!」

 

「相変わらず将輝は優しいよナー。私が風邪引かないように心配してくれてるんだろ?」

 

「違えよ!いや、それもあるけど!今俺が言いたいのはそういう事じゃなくて、お前が歩き回った校内の事だよ!一応聞くけど真っ直ぐここに来たんだよな⁉︎」

 

「んー?整備課に忘れ物があったから、そっちにも行ったかにゃあ?お蔭でここに来るまで結構乾いたし」

 

「乾いたんじゃねえよ!吸収してた水が床に落ちて抜けただけだよ!その分他の所がビシャビシャになってるだろうが!掃除する用務員さんに謝れこのヤロー!」

 

「こんな美少女を引っ捕まえてヤローとはなんだ!このヤロー!」

 

「五月蝿え!つっかかる所が違えだろ!ていうか、さっさと身体拭いて服着ろ!」

 

俺は何時ものように用意していたタオルをヒカルノに向けて投げる。因みにこんな時の為にこの生徒会室には更衣室まで設置されるようになってしまった。おかしい、何かが決定的におかしい。

 

残るは後一人だが、まあ基本的にあいつはポッキーが無くなってない限り、何とかな「ポッキーどこじゃぁぁぁ‼︎」何ともならなかった。

 

残るもう片方の扉を蹴破って入ってきたのは髪の毛が逆立った静。こいつポッキーが無くなると魔王になるんだよね。ある意味一番タチ悪い。お蔭で俺は何時もこいつのポッキー事情を把握してなければならない。口が寂しいのはわかるが、それで荒れていた時代に戻るのは勘弁していただきたい。よくもまあ、そんな荒れ狂っていた静に告白しようとした猛者がいたものだ。心霊スポットに度胸試しにいくよりも度胸いるぞ。

 

「静。ほれ、ポッキーだ」

 

「ポッキーぃぃぃぃ…………ふぅ、やはり口が寂しいと抑制出来ないな」

 

ポッキー咥えた途端普通に戻る。こいつ基本的に何かを口にしていないと無理なのだ。それで一時間以上経つと魔王になる。睡眠時間はもちろん対象外で、食事中と身体を動かしているIS実習も別。座学の後、休憩時間にポッキーがないと怒り狂い出す。よって、俺は常にポッキーを二箱携帯している。何で食べもしないポッキーを携帯せにゃならんのだ。

 

「お前さ、荒れ狂うのは良いけど、その都度ドア壊して現れたり、壁に穴開けてショートカットしたりするのやめてくんね?マジで胃が痛いから」

 

「いやな。私の行く手を阻む物が心底憎くて、うっかり壊してしまう」

 

「壁も扉もお前の邪魔してるんじゃねえよ!必要だから存在してるだけだよ!うっかり壊すな!」

 

壁も扉もないとか、フリーダム過ぎるだろ。というかプライバシーも何もあったものじゃないな。そしてこれも俺が修理申請を出していくしかないわけだ。はぁ………また小言が五月蝿い。俺は何も悪くないのに、寧ろ被害を最小限に食い止めている筈なのに………あんまりだ。

 

しかし、悲しいかな。毎日とは言わないまでもこの出来事はしょっちゅうあるのが現実だ。

 

はぁ…………俺本当にこの時代に残るべきだったのか、本格的に分からなくなってきた。

 

今日も今日で俺の生徒会副会長としての最初の仕事はメンバーの起こした始末だった。

 

大丈夫か……この生徒会。

 

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