IFストーリー〜もしも過去に残っていたら〜 作:幼馴染み最強伝説
少し投稿遅れました、すいません。
それはそうと昨日、高校を卒業しました。卒業式でも部活動のお別れ会でも泣くことはありませんでしたが、皆様には感謝しています。
そんな訳でまた執筆に全力を注いでいきたいと思いますので、よろしくお願いします!
「んあ?」
昼寝をしていた俺が目を覚ますと部屋は真っ暗になっており、何時の間にか布団が被せられていた。
昼寝をした時は普通に畳の上で雑魚寝していた訳だから、おそらくヒカルノ以外の誰かがしてくれたのだろう。だってヒカルノは三人と違って筋力値が振り切ってないし。
それにしても身体が動かん………痺れを切らしたような、じんじんとした感覚が身体中から感じる。心なしか、重いような気も………はぁ⁉︎
唯一、何の影響も受けていない頭を上げてみると俺の身体の上には束が乗っかっていて、静かに寝息を立てていた。寝ている時でもカチューシャを外していないのは何かこだわりを感じるな。それかあの子兎モードを束があまり好きでないのかもしれないが、俺としては暴走しない分、あっちの方がそれはそれで扱いやすくて良いのだが。
さて、どうしたものか。壁に掛けられた時計は午前一時半を指しているのだが、腹が減った。ついでにいうと風呂に入っていないから入りたい。前者はともかく後者は上に乗っている束を退ける事が出来れば大丈夫そうだな。
そう思って退けようと束の腕を掴んだ時、俺の手に伝わったのは布の感触ではなく、柔らかい肌の感触だった。ちょっと待て、何で腕を掴んだ筈なのに、この感触なんだ?
背中に手を回してみるが、そっちも布の感触がない。一か八か、もし起きられたら勘違いされる可能性大だが、一応ブラのホックがあるかを確認してみるが…………背中には何もなかった。おい、何もないってどういう事だ。こいつもしかして全裸で入ってきてるのか⁉︎
「まーくん、驚いた?」
「……起きてたのか、束」
「まあね。流石の束さんもこんな大胆な事をしたのは初めてだから」
確かに束がここまで大胆に迫って来たことは無かった。何時も夜這いこそ仕掛けて来ているが、何処か踏ん切りがつかないと言った感じだった。だから俺は力技で束を追い返していたし、束もそれを楽しんでいる節があった。しかし、今は違う。今までのように俺とのやり取りを楽しむのではなく、確実に誘惑してきている。横には千冬達が寝ているというのにだ。
「今日は逃げられないよ。だから観念して私を抱いて、ね?」
いつも通りの口調で話している
「断る。俺はお前を抱くつもりはない」
「それは私に魅力がないから?それとも私以外の誰かが好きだから?」
「どうだかな。真意はお前がーーーいや、お前も知っているし、望んでいる事じゃないのか?」
「……」
俺の返答に束は押し黙った。当然だろう、俺は彼女達が望んだから
「それよりもだ。お前、何に
「ッ⁉︎何の事かな?私はただまーくんと愛しあいたいだけで……」
「それも本心だな。俺が聞きたいのはそれを急ぐ理由だ。
確かに束の言っていることは本心だ。だが、あの謎のテンションの高さとウザさが欠落している。あれは恥ずかしがっているから、なんて理由で隠せるようなものでもないし、時と場所を選ばない。お蔭で何時も苦労させられているが、あれはあれで束の良いところでもある。そしてそれが消えていた事は過去に一度だけあった…………俺にこの時代に残る事を懇願してきた時だ。あの時と違ってはっきりと表情は見えないが、おそらく同じ表情をしているだろう。
「一体何に怯えてるんだ?まさかとは思うが、俺が此処から消える事か?」
「………まーくんて、何でも知ってるんだね」
「阿呆。何でもなんて知らねえよ。お前らの事くらいしかな」
それに少なくとも今の束の状態なら大抵の事はわかるし、そうでなくてもこいつらの行動を読めなければ生徒会のストッパーなんて務まらない。
「それにしたって、何でまたそんなありもしない事を考えてんだ?俺が帰る方法はお前の作った装置を使って飛ばすことだけだろう?」
「そうだね。それだけしか方法は無いって私もわかってる…………だけど、それ以外にもあるんじゃないかって考えちゃう時もあるの。もしかしたらまーくんが此処に入られるのには時間制限があって、飛ばした装置の効力が切れたら帰っちゃうんじゃないかって」
「そんな事……」
「わかってる。そんな事はあり得ないって。けどね、その可能性だって零じゃない。コンマ数パーセントくらいはあり得る。他の人やまーくんから見れば取るに足らないかもしれない。はっきり言って地球を壊せるだけの隕石が降ってくる確率よりも低い。起きた方が奇跡くらいの確率しかないけど、私はその奇跡が怖いんだ。もし朝起きた時にまーくんがいなくなってたらどうしようって思って、まーくんの顔を見たら安心出来る。でも、まーくんの顔を見るまですっごく不安で不安でたまらないんだ。皆にとっては砂粒程の確率しかなくても私にはそれすら危険視するレベルで大きい確率なんだ。零じゃない、何時かは奇跡的に起こり得る出来事が私は怖い。だから私は心残りを作っておきたくないんだ」
「だからそのほぼあり得ない奇跡が起こる前に俺に抱かれたいと?」
「うん。避妊なんてしなくていいし、責任なんて取らなくていい。もし今の私が嫌なら、カチューシャだって外してもいいよ?あの時のまーくんはすっごく『愉悦』って感じの表情だったから。これ外すと何もかもに自信を無くしちゃうけど、それで抱いてくれるなら私は一向に構わないから」
普通に考えればこの話は男としてものすごく美味しい話だろう。何せ、美少女を肉欲のままに貪った上で責任は取らなくていいときているんだから。もし俺が成人していて、自分で金を稼いでいるなら乗っていたかもしれない。もちろん責任は取るがな。
「けど、無理だ。そういう事になったら責任は取るつもりだし、その為には俺が働いてなきゃいけない。いくらお前が世界一の天才で金が掃いて捨てる程あって今の世の中が女尊男卑の社会であっても専業主夫になんてなるつもりはない。だから後三年待て」
某目の腐った高校生のように将来の夢を専業主夫にして、職業体験を自宅とか書いたりはしない。女尊男卑のこのご時世専業主夫の方々は年々増加傾向にあるらしいが、生憎と俺はそんなものになるつもりはないし、なれるわけない。何せ俺は『世界で唯一の男性IS操縦者』なんだ。適当な職に就かなければ、国家代表やテストパイロットとして世界各国から使者が向けられるだろう。ある意味では百パーセント無職にはならない。それに束に養われるという事は色々と主導権を握られそうだから絶対に嫌だ。
「三年なんて無理だよ………私は明日でも遅いって感じるくらいなのに」
「安心しろ……なんて無責任な事は言えないが、もし最悪の奇跡が起きた時は未来で思う存分抱いてやるよ」
いくらこれしかいう事がなかったとは言え、我ながら今凄く大胆な発言をしたと思う。もし憑依前の俺がこんな事を言っていたら周りの奴らは滅茶苦茶驚いていただろうな。
「最低三年、最高六年かぁ………本当にそれだけ待てばまーくんは私達を愛してくれる?」
「ああ。任せておけ、男に二言は………ん?待て、今『達』って言ったか?」
「やった!言質は取ったど!という訳で三人とも寝たふりしなくても良いよ〜!」
今までの雰囲気は何処へやら束は起き上がると底抜けに明るい声でそう言ったかと思うと今まで静かに寝息を立てていた筈の三人がむくりと起き上がった……てことはまさか。
「お前ら初めから起きて……」
「まあな。今回ばかりはこの作戦を考えついた束に感謝しなければならないな」
「将輝はこういうのに弱いからナー。さっきの発言の言質を取るにはあれしかないって訳さ」
「もっとも、誘惑に乗って二人が行為を始めないか、かなり不安だったが」
んな、馬鹿な。束のさっきまでの全部が演技だったってのか?幾ら何でも真に迫り過ぎて全く分からなかったし、そもそも束の奴に演技なんて器用な真似が出来るはずない。
「んーとね。さっきまでのは演技じゃないよ。全部嘘偽りない本音だよ。だからこそ、まーくんにああ言わせられたんだ。因みにまーくんが束さんの誘惑に乗ってたら、もれなく三人起こして朝まで乱交コースだったけどね〜」
あっさりと俺の心を読みやがった。という事は何時もの束だが、一瞬気を失うかと思う程の衝撃が走ったぞ。今までもつくづく度肝を抜かれるような事が多々あったが、これは人生で一、二を争うレベルの衝撃かもしれない。ドッキリの番組なら大成功だったけど、仕掛けられた方が失神して放送できなくなったレベル。
「それにしてもよく将輝は耐えるな。大抵の男なら今頃抱いているところだと思うが」
「あれだ、さっきは雰囲気があれだったから例外で、何時もはその時だけ悟りを開いて目の前にいるのは俺の命を狙う敵って言い聞かせてる」
精神的に邪な事を考える余裕を無くしておけばある程度は何とかなる。ならないときは…………言うまでもない。俺だって男だし、枯れてなどないから。
「三年は少し長いけど、何はともあれこれで私達は晴れて将輝の嫁だにゃ」
「嫁じゃねえよ。第一、日本じゃ重婚なんて出来ないぞ」
「その時は束がいるだろう。それにいざという時は籍を入れなければ良い話だ」
「ちょ、千冬さん⁉︎貴方まで何を仰ってやがるんですか⁉︎」
ついに千冬までも壊れた⁉︎そもそも束の作戦に乗った時点で壊れてるのは明白だったが、ここまでぶっ飛んだ発言をするとは思わなかった。こういう時だけはこっちの人間だと思ってたのに!
しかし、これで在学中は夜這いをかけて来ることはないだろう。そういう点では少し安心だ。
「え?普通に夜這いするけど?」
「はぁっ⁉︎三年待てって言ったよな‼︎さっきの約束は何処に行った‼︎」
「ごめん、言い方が悪かったね。正確には夜這いはしないよ。単純にまーくんの性欲を爆発させて襲わせるってだけの話さ。もちろん薬は使わずに私の魅力だけで陥落させるから」
ま、また屁理屈こねやがって………確かにそれだとさっきの約束は破っていないし、寧ろ襲った俺の方が破っている事になるから、そうなった時に非があるのは紛れもなく俺になるから、責めることは出来ない。
「さてさて、まーくんは私達の誘惑に耐えられるかな〜?」
「絶対に耐え切ってやる……………が、ダメだった時は土下座してから抱く」
「耐えきると言い切れない所が何とも将輝らしいな」
「仕方ないよん。こんな美少女達の誘惑に今も耐えてるだけでも頑張ってるのに」
「全くだ。エロゲなら間違いなく一日に合計十回は合体しているところだ」
五月蝿い。仕方ないだろ、俺だって思春期真っ盛りの男児なんだから。ヒカルノの言う通り、よくもまあまだ童貞のままでいられていると思うよ。いくらヘタレな奴でもここまで耐えてる奴はいないだろうしな。
「取り敢えずこの話は終わりだ。俺は風呂入ってくるから、お前らは寝れ」
これ以上何か言われて墓穴を掘るのも嫌なので、俺は荷物から着替えを取り出し、足早に露天風呂へと向かった。
因みに俺が再度眠りについたのは午前三時の出来事なのだが、朝七時に起きた時には四人とも俺の布団に潜り込んでいた。もう俺は何もツッコまない、