IFストーリー〜もしも過去に残っていたら〜   作:幼馴染み最強伝説

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けんぷファー

「ひゃっほう!」

 

えー、皆さん!私、藤本将輝は今、スキー場に来ております!

 

そうなると当然スキーをやっているわけですが、感想を言わせていただくとチョー気持ちいい!

 

前は運動神経良くも悪くも無かったし、スキーも微妙だったが、人外スペックとなった今、楽しい事この上ない!時速何キロ出てるかはわからないが、取り敢えずめちゃ速い事だけは言っておこう。

 

それもこれもこのスキー場をIS学園の生徒だけで貸し切りに出来ているが故だろう。人がいたらあんまりスピード出すと危ないからな。

 

と、ここで俺の両サイドに並ぶ人影が…………ま、千冬と静だけどね。

 

「どした?二人とも」

 

「何、この辺りでデッドチェイスと洒落込もうと思ってな」

 

「まぁ、ただのレースだ。ただ………負ければ何時も通りだ」

 

成る程、負けたら色んな意味でハッピーゲームオーバーなんだな。何を言ってるかって?俺もわかんねえよ。

 

何時もなら乗ってやるところだが…………

 

「悪い。今日はそういう気分じゃない。っていうか、身体の調子がな」

 

「む?どうした、風邪か?」

 

「どうも昨日のアレの所為で身体の調子がおかしいんだよ」

 

「そういわれてみれば、私達が隣に行くまで全く気がつかなかったな」

 

「ま、兎にも角にも今回はパスだ。適当に滑ったら一休みしたい」

 

体調を崩すなんていつ振りだろうか。流石の人外スペックでも性別の変化というのは応えるみたいだな。前は特に何もなかったあたり、絶対というわけではなさそうだが。

 

二人と別れた後、適当に滑り始めた。其処までは良かったんだが………

 

「やば……道に迷った」

 

絶賛迷子になっていた。幾ら何でも適当に滑りすぎた。IS学園の生徒はおらず、そこらへんにちらほらと滑っている人が見えるくらいだ。隣のスキー場にでも迷い込んだか?この辺りのスキー場は大体繋がってるから、その可能性もある。

 

携帯は…………置いてきたんだった。流石にIS使って現在地特定するわけにはいかないし…………仕方ない。その辺の観光客っぽい方に聞いてみよう。全員女の人ばっかってのはどうにも引っかかるが、それはいいか。現在地特定の方が優先事項だ。幸い、今は帽子とかゴーグルとか着けてるから俺が誰なんてわからないだろう。

 

「あー、すみません」

 

「Was?」

 

が、外国人の方でした………。しかも何か発音が英語じゃなかったぞ。俺、日本語しか話せないんだよなぁ。昔ドイツ語とかイタリア語辺りは覚えようと試みたんだが、三日坊主だったのが、今を物語っている。いや、ドイツ語ならある程度は話せるな。ていっても日常的につかう言葉は覚えてないけどな。携帯さえあれば翻訳サイトか何かで話せるんだが………

 

「Er nicht durch scheinen………失礼、日本に来たのはこれが初めてなので、つい本国にいるように話してしまっていたようです」

 

「日本語お上手ですが、知り合いに日本人でも?」

 

「職業柄、他国の言葉を覚えなければいけないだけです。それに日本語は今や世界共通語。流暢か、そうでないかの差はあれど全く話せない事はないでしょう」

 

そういえばそうだった。ISが世に浸透してから日本語は世界共通語になったんだ。当然だ、束は日本人以外は何故か嫌う。例外も存在するが、IS作成時点では訳する必要なしと日本語でしか書き記さなかった。そうなると日本語を覚えるしかないわけで、世界共通語は英語から日本語へと変わった。

 

まぁ、相手が日本語を話せるのなら好都合だ。ここがどの辺りなのか、聞いてみよう。

 

「失礼ですが、ここはスキー場のどの辺りですか?」

 

「貴方のいた第二スキー場は彼方ですよ。ここは私達ドイツ軍の貸切ですので」

 

「ああ、そうですか。では、さようなら」

 

華麗にスルー。最早俺は何も驚かなかった。何でドイツ軍がこんなところにいんの?慰安旅行ならもっと別の所があるでしょうが。そう思って滑り出そうとした時、背後から襲った敵意に俺は身を伏せた。

 

「Du siehst großartig aus。流石は噂に名高い世界最強。間違いなくとったと思いましたが」

 

先程まで俺の頭があったところにはサバイバルナイフの切っ先があった。何でこいつ………と思ったが、心当たりはある。そういえばフリードリヒがドイツ軍の人間だったはずだ。あいつが亡国企業の人間で裏から色々と糸を引いていたという事実が白日に晒された時、ドイツ軍内部はさぞかし混乱しただろう。その報復………と捉えてもいいが、俺が世界につけた印象を鑑みるにそれはありえない。何せ、国家の存続に関わる。

 

「なんのつもりか………なんて事は聞かない。ただ、仕掛けてきた以上、覚悟はしてると思っていいか?」

 

「構いません。但し、覚悟をするのはそちらも同じ」

 

パチンと女性が指を鳴らすとそこら辺にいた方々全員が服を脱ぎ捨て………って、この人達も軍人だったな。何で軍服を下に着てるのかはこの際置いておくとして、今は非常にマズいぞ。

 

本調子じゃない体調。行動を制限するスキー板。おまけに今はIS学園の制服着てないから、当たると普通に死んじゃう………と思う。ここまでくると自分がどの程度で死ぬのかわからない。

 

………取り敢えず逃げるか。相手にするだけ無駄だし。

 

「っ、逃げるおつもりですか。それは困ります」

 

俺が逃げるのを察知して、女性は詰め寄ってくる。滑って逃げるしかない以上、そうなるよなっ!

 

首元めがけて突いてきたサバイバルナイフをいなして投げ飛ばす。足場は悪いし、踏み込めることは出来ないが、人外スペックともなると腕の力だけで五メートルは軽く投げられるんだぜ。本気出せばもっといくんじゃないか?

 

投げた女性は宙を舞いながらも銃を抜いて発砲。手前の雪を射抜いた。普通に撃ってきたよ、この人⁉︎

 

そしてそれが開始の合図となり、周囲にいた方々全員が発砲してきた。流れ弾が味方に当たらないように立ち位置を考えて撃っているのは流石軍人。本当なら感嘆の声の一つもあげたいところだが、その的が俺であるならそういうわけにもいかない。

 

「さしもの世界最強といえど、行動制限された状態での全方位射撃は応えるでしょう。とはいえ、まだ一発も当たっていないというのは疑問を感じざるを得ませんが、それもそろそろ限界でしょう」

 

ごもっともで。そろそろ避けるだけというのは辛くなってきた。

 

「Es ist mit das getan」

 

ん?今のは伝わったぞ。俺の極僅かな語彙の中にその言葉はある。だからこう返そう。

 

Sie fahren nicht in Fig(図にのるな)

 

飛んできた弾丸を俺は避けることなく、思いっきり積もった雪を蹴り抜く。

 

するとその雪が俺を中心に凄まじい勢いで高さ三メートル程の雪柱を作った。よし、無力化完了。スキー板が壊れたが、今回のは勘弁していただきたい。

 

「Der Kerl ist!Wirklich menschlichen⁉︎」

 

「あー、ごめん。それはわかんねえや。けど、なんとなく伝わったよ」

 

多分リアクション的にはこいつ人間かよ的な感じだろうな。大体初見だと皆同じこと言うし。

 

「悪魔か化け物にでも見えるかい?」

 

「………そちらの方がまだ納得出来たでしょう」

 

「酷い言い草だ…………で、いきなりだが最終通告だ。今すぐにそれしまってもらおうか。それともまだ続けるか?」

 

「当然。続けましょう」

 

人外認定した後に挑んでくる輩は初めてだな。オータムも俺が人外スペックであるのを見届けるや否や逃げたし、亡国の幹部共はそもそもそれすらわからない雑魚ばっかだし。因みに学園の人間は例外な。

 

「仕方ない…………骨の一本や二本、折れても文句は言ってくれるなよ?」

 

全身全霊で雪を蹴り飛ばす。それはさながらモーゼの海渡り。某史上最強の弟子に出てくる無敵超人よろしく、蹴りで雪を真っ二つに割き、土の部分を露出させた。我ながら素晴らしい威力だ。絶対に人間蹴っちゃいけないな。

 

「さて、足場は出来たし、相手を………何やってんの?」

 

ちょっと相手してやろうかなぁ〜と思ったら、ドイツ軍の方々は隊列組んで土下座していた。雪の上でそれって辛くない?というか、集まるの速いな。

 

「『ジャパニーズ土下座』です。日本では相手に許しを乞う時、このようにして頭を地面に擦り付けると聞きます」

 

「あながち間違ってないけど、ちょっと待った。なんで謝ってるの?君ら俺を殺しに来たんだよね?」

 

「はい?私達は始めから殺すつもりはありませんが。というよりも、現時点で貴方を殺せるような人間は存在しないでしょう」

 

「いや、そうだけどね?普通に撃ってきたし、刺してきたじゃん?殺す気満々じゃん」

 

「これ、刃は潰してますよ?弾もゴム弾です」

 

そういって女性はすっと先程使っていたものを差し出してきた。確かにサバイバルナイフの刃は全て潰されていてとても切れそうにない。弾もカートリッジから出してみれば実弾ではなく、ゴム弾だった。

 

あ、そういえば始めから殺気は殆ど感じなかった。

 

敵意は闘ってれば当然出るけど、殺しに来ているという割にはどうにも殺意が無さすぎた。

 

「じゃ、じゃあさ。何で俺を襲ってきたわけ?というか、何でこんな所にドイツ軍がいんの?」

 

「ほんの一週間前の事です」

 

あれ?おかしいな。理由を聞こうとしたら回想に入り始めたんだけど。

 

「デューク・フリードリヒ。という名前に覚えはあるでしょう」

 

「当事者だしな。俺」

 

「彼は貴方が捕まえた亡国企業の人間であり、私達ドイツ軍を実質的に総ていた人間でした。私がドイツ軍に所属し始めた四年前から既に彼の黒い噂は知れ渡っていましたが、彼の力は大きく、我が国家の政治を裏から操っている程。暗殺しようにも常に厳重に警戒された場所に籠っていますし、社会的に殺す事は立場上不可能です。それ故、彼と彼と関係のある組織関係者の事についてはタブーとされていました。ですが……」

 

「俺がとっ捕まえた」

 

「最大の標的であり、障害でもあった彼の捕獲は私達にとっては日本で言うところの寝耳に水でした。そしてそれと同時に棚から牡丹餅でもありました。彼さえいなければ後は一網打尽に出来る手はずは整っていました」

 

てっきり困ってるのかと思ったけど、寧ろ役に立ってたみたいだな。まあ、ドイツ軍内部の事情なんて知ったこっちゃないが。

 

「とはいえ、実質的に総ていた人間の失脚に多くの関係者の捕獲で現在ドイツ軍内部は非常に混乱しています。ですので、この機会に我が部隊は慰安旅行にこの地を選びました。来年度からIS学園の生徒として(・・・・・・・・・・)この地に赴く前に見ておきたいと思った所存です」

 

「成る程………うん?今なんていった?IS学園の生徒として?」

 

「はっ。私はドイツ軍の小隊長を務める身ではありますが、ドイツの国家代表候補生も未熟ではありますが務めさせていただいます」

 

びしっと敬礼をしてそういう女性。すごく様になってる………とその前にだ。今の話が本当ならこの人………いや、この子は俺より歳下って事か⁉︎

 

「えーと、君今何歳?」

 

「先月十五歳になりました」

 

十一歳から軍人になってたのか………凄いな、この子。何か妙に雰囲気が大人びてるから年上かと思ったら、経験が違うんだな。

 

そういえばなんかこの顔どっかで見たことあるような気がするな。

 

「私の顔に何か……?」

 

「いや、何でもない。それより結局俺に挑んできた理由は何?」

 

「はっ。私達の予約していたこのスキー場の隣が偶然IS学園の修学旅行で貸し切りになるという情報を得まして、これを機に一目見ようと思いましたところ、偶然目標の人物である貴方の方からこちらに来て下さったので、その実力を押して測ろうと考えた所存です。結果は私達程度では到底測ることなど出来ない素晴らしい能力の持ち主であられる事が非常によくわかりました」

 

「君の言う通り、これでも世界最強だからね。そうそう押して測られる程度の実力じゃないつもりだ」

 

それにしても本当に悪い偶然があったものだ。まさか不幸に自ら飛び込んでいくような愚行を犯すことになるとは。本格的に俺の中には赤い龍帝さんでもいるんじゃないかな?ほら、やたらと襲われるし、女の子にはなんかモテるし。あり得ないって未来から過去に飛んだだけでこの違い。顔なんて憑依前と同じだよ?その理屈だと俺この世界に来る前からモテてないとおかしいよ?一回も告白すらされた事ないのに………いかんいかん。思考がそれたな。

 

「それはそれとしてだ。一応世間に流れてる俺の噂を知った上で俺にちょっかいを出してきた……っていうのはちょっと軽率なんじゃないかな?」

 

世間で流れている俺の噂。まあ、全部嘘なんだが要約すると気まぐれの狂人で戦闘狂。喧嘩を売ったら国だろうが滅ぼす不発弾(地球破壊規模)。だから他国の偉いさんは俺にちょっかい出そうなんて事はしないし、したとすれば非難轟々どころの騒ぎじゃないだろう。最悪、地球上から国家消えちゃうわけだし。

 

「はい。本当に貴方が噂通りの人物であるならば、私も最終手段を講じざるを得ませんでした。ですが、私の勘は当たっていたようです。どうやらあの噂は真っ赤な嘘らしい」

 

「最終手段?何それ」

 

「私自身を貴方に差し出す事です」

 

「はぁ?」

 

「世間で流れている貴方の狂気を収める唯一の方法。それは貴方に『女』を差し出す事と言われています」

 

「また誰がそんな無責任な噂を……」

 

どんだけ俺は変態なんだ。ただの種蒔きじゃねえか………。

 

「なんでも人を殺さない日は女性を抱く事でストレスを解消しているのだとか………どうやらその様子だとそれも嘘のようですね」

 

「ああ。出来れば今すぐにでも世界中に向けて嘘だって叫びたいくらいだ」

 

とはいえ、それで牽制出来ているならそれでいいか。真実を知ってるのは近しい人間達だけでいいし、生徒達はそれを俺のキャラとして受け入れてくれている節があるからそちらも構わない。

 

「何れにせよ。今回の慰安旅行は非常に有意義なものでした」

 

「それは良かったが、今後はああいう事は控えるように。今回は不問にしてあげるけど、次からはドイツ軍に直談判しにいくから」

 

「それは困ります。私の首一つで済むのならお安い御用ですが、その場合は国全体がパニックに陥ってしまいますので」

 

「なら次からは普通に話しかけてきなよ………そういえば名前、聞いてなかったね」

 

なんやかんやで名前を訊いていなかった。まぁ、なんとなく見当はついてる事にはついてるんだが………

 

「これは大変失礼しました。では………」

 

コホンと一つ咳払いした後にピシッと姿勢を正して、少女は言った。

 

「ドイツ軍特殊部隊所属兼ドイツ国家代表候補生クラリッサ・ハルフォーフ。階級は中尉です」

 

修学旅行先で襲ってきたドイツ軍人の少女はまごうことなく、原作の登場人物であった。




一週間ぶりくらいの投稿でした!

他数作品と同時執筆している手前、なかなか厳しいです。

今回話していたドイツ語は翻訳アプリを使用してますので、合ってるか間違ってるかはわかりません。作者は知識に乏しいので。でも使ってみたかったです。後悔はしてません!

さて、今回クラリッサさんの初登場。まだそこまで日本の文化に精通していないので堅い感じの軍人といった感じです。キャラ変し始めるのは入学してからかな?
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