どうしてこうなった?! 神による転生者の輪廻物語 作:マーボー
前のには書いてない箇所がいくつか増えていると思います。
まぁどれもあってもなくてもいいところですけどね!
では、第1話はじまりま~す。
「先生!赤ちゃんが泣きません!!」
「なに?!早く背中を叩くんだ!」
ん……誰の声だ??せっかく気持ちよく寝ていたのに~
パン!
パン!
「おぎゃ~!!」(いたっ!誰だよ急に背中を叩くのは……って、あれ?言葉が発せない?!)
「先生!赤ちゃんが泣き始めました!」
「あぁ!もう安心だ。」
(え?赤ちゃん??マジで……?オレ……赤ちゃん??!)
「おぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」(嘘だぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!)
どうも、天道 劉(てんどう りゅう)です。
名前は生前のままのようで、漢字も全く変わっていません。
早いことに、あれからもう三年が経ちました。え? とばすな? いやね、意識のある赤ちゃん生活ってかなり恥ずかしいんだよ。
そんな黒歴史とも言える赤裸々な暴露話はここでしません。察してください。
さて、オレも今年で三歳。
アテネとはちょくちょく念話で連絡を取っていた。
何せ、寝る、食べる、泣くことが仕事の赤ちゃんなんて、意識があるオレにとっては暇で暇で仕方がなかったんだ。
だから話し相手として、よく相手をしてもらっていた。
その中で話しに出てきたのが、デバイスについてだった。
アテネからデバイスを受け取るのは五歳の予定だ。
それまでに色々な要素や、効率を考えて作成してもらっていた。
「ねぇ。なんで5歳にならないとデバイスを渡してくれないの?」
「そ、それは~……えっと……今はまだその時じゃないからよ~」
と、オレの質問に苦笑しながら返答するアテネに疑問を感じたが、まぁ彼女がそう言うんだから仕方がないんだろうと割り切った。
そして、今でも小さい魔法ならデバイスなしでも使える、らしい。
らしいというのはまだ試してないからだ。
正直、まだ魔力をきちんと扱える自信もないし。
そんなこんなで三年間、オレはこの世界にて第二の人生を生きてきたが、やっぱりあれだな。
この三年間で一番衝撃的な出来事と言えば、なのはの家、高町家が経営する喫茶翠屋がご近所だったことだ。
更には、オレの父さんとなのはの父さん、士郎さんが同級生で、オレの母さんは翠屋で働いている。そのせいか、なのはの母さんである桃子さんもオレの母さんとは仲が良い。
なにこのご都合主義は。そんな調子で家族ぐるみでの付き合いをしていることから、既にこの物語の主人公であるなのはとは対面済みであった。
無論、可愛さの方はアニメや漫画で知っての通りで、無邪気に微笑んでくれた時なんかは、もう死んでも良いんじゃないかと思ってしまったほどだ。
「本当、この世界にきて正解だったなぁ……」
なんて感慨深くなりながらも、最近、悩み事が一つ増えた。
それは、なのはの事だ。
いつもは分け隔て無くその天使のような微笑みを向けるなのはだったが、最近はめっきり笑わなくなってしまったのだ。
理由は分かっている。士郎さんが入院をしてしまったからだ。
この時期のなのはは家に一人でいる事が多く、寂しさに明け暮れる日々だった。
それを知っていたオレは、よくなのはの家を訪ねて遊びに誘ったりしたのだが、結果はあまり変わらなかった。
たしかに笑ってはくれるんだけど、なんだろう?
心の底からの笑顔ではない。
「…………」
これは生前に『リリカルなのは』のSSで読んだとおり、士郎さんを魔法で治した方がいいんだろうか?
だとしたら、早く治癒魔法も練習しないといけない。
「どうするかぁ。オレだって出来れば早く治してあげたいけど……」
なにぶんタイミングが難しい。
入院するほどの怪我がいきなり治るのはおかしいからね。
そんな事を考えながら、オレは一人歩いていた。
今もなのはの家に行った帰りなんだけど、なのはは留守だった。
オレの家と高町家、両家の間にあった公園に差し掛かったところで、公園から女の子の泣き声が聞こえた。
「これは……なのはの声?」
その時にはもう、足は公園へと向いていた。
劉side out
なのはside
はじめまして、高町なのはです。
私は今一人で公園にいます。なんで一人かというと、お父さんがケガをして入院していて家の中がギスギスしているからです。お母さんとお兄ちゃんはずっとお店に行っていて、お姉ちゃんはお父さんの所に行っていて、皆忙しそうにしているから……私は皆に迷惑をかけないようにしなくちゃいけません。
それでも、少し話しかけただけで「なのはは向こうに行ってなさい」って……。
ブランコに乗りながら皆のことを考えていると、涙が出てきました。
「皆、なのはの事が嫌いになったのかな~。」
なのはside out
劉side
公園に着くと、オレの不安は見事に的中していた。
「やっぱり……」
笑顔からはほど遠い、涙で顔をくちゃくちゃにしているなのはがブランコに座っていた。
「うぅ~、グスッ、劉ちゃん…?」
「いや、劉【ちゃん】じゃなくて、劉【君】でしょ?」
なのはの言葉を聞いたオレは、毎度のやりとりのように嘆息しながら訂正させようとする。
だがしかし――
「そんな事言うと、劉ちゃんのお母さんに言っちゃうよ?」
「…………」
そうなのだ。
母さんは一人称を『オレ』とは言わずに、『ボク』または『私』にしなさいと何度も言ってくる。
ついでに言うなら皆には、オレのことを『ちゃん』付けで呼ぶように声を掛けていた。
(どうしてこうなってしまった……)
原因は既にわかっている。
――アテネだ。
転生前、容姿の事を聞かれたオレは、何でもアテネにすべてを一任してしまった。
しかし、それがすべての間違いだったのだ。
どうやらアテネのおもちゃにされたのか、今のオレはどこからどう見ても女の子のような顔立ちをしていた。
所謂『男の娘』だ。
生前に色々なアニメやラノベなんかで見てきた存在にいざ自分がなってみると分かるこの苦労。
黒、というよりは紺に近い色をしたさらさらな髪は切ることを許されず、今ではすっかり背中まで伸びている。
目もパチッと綺麗な二重で、その中にある瞳は深みのある青色をしている。
そして色白い肌も、羞恥心を感じたりお風呂なんかで逆上せたりすると、すぐに紅潮するところなんかはまさしく女の子っぽい。
更には体格なんかもそうだ。
身長はなのはより小さく、なのはよりも軽い。
オレがそんな扱いを受けている理由がおわかりいただけただろうか?
うん。許すまじ、アテネ。
今のなのはより小柄で、こんな容姿だから、母さんには女の子用の服ばっかり着させられている。
(母さん、オレは男の娘……じゃない、男の子だよ?)
それを見た父さんは――
「ハァハァ、可愛いよ。今日から息子じゃなくて娘だ!」
なんていいながら抱きついてくる始末だ。
これも一種の愛情なのかと思うと、少しだけ気分が下がる。
とまぁそんなわけでオレは皆には『ボク』で通して、自分の中では『オレ』と言っている。
「――ちゃん? 劉ちゃん!」
「え……あぁごめん」
「もう。急に黙っちゃってどうしたの?」
なのはが首を傾げながら聞いてくる。
その仕草は小さいなのはがやると、可愛さが相まっていた。
「い、いやぁ。ちょっと考え事をしてただけだよ。それより――」
オレはなのはの両肩をがっしりと掴む。
すると、ビクッと体を反応させるなのは。
いきなり捕まれたことに驚いているようだが、オレはそのままなのはに聞いてみた。
「なのはこそ、何でこんなところで泣いていたんだよ?」
「な、泣いてなんかないもん!」
それは条件反射というのか、こっちが質問し終えた直後に言い返してくる。
テレビアニメでの高町 なのはというキャラクターは誰にでも思いやりを持てる優しいキャラな反面、誰にも言わずにため込んで無茶をするキャラでもある。
そして今のオレは、そのなのはの幼なじみだ。
なのはがいくらなんて言おうと、それが嘘であることは明白だし、何より、実際になのはの泣き声を聞いてオレはここにやってきた。
だから泣いているのは十中八九間違っていない。
「いや、さすがにそれは嘘でしょ?」
「な、なんでそんな事言うの!? 劉ちゃんはなのはの事信じてくれないの?」
「今だけはね。オレがここに来たのは、なのはの泣いている声を聞いたからだし、目元も赤くなってしまっているその顔を見て、今まで笑っていたとは到底思えないもの」
「ふぇぇぇ……うぅ、劉ちゃん、何で分かっちゃったのぉ……」
「だから、今言ったとおりなんだけど?」
そう言いながらオレはなのはの事を優しく抱きしめる。
け、決していやらしい意味ではない。
これはなのはを安心させる手段として選んだだけだ。
と、自分の中で誰かに言い訳しながら、自分を正当化するオレを客観的にとらえてしまう。
これって、変態犯罪者の思考に近いんじゃないだろうか……?
「…………」
ダメだ。
今は余計な事を考えるのはやめよう。
「なのは、オレの目を見て」
「…………」
なのはが顔を少し下に向けてくれる。
うん。ありがとう。そうしないとオレがなのはの顔を見られないんだ。
なぜなら、オレの方が身長低いからね。
しかも優しく抱きしめるなんて言ってるけど、こっちのが身長低いから、オレがなのはに抱きついているみたいになっている。
……情けなくてすいませんね!!
「ふふ。劉ちゃんはやっぱ可愛いの!」
さっきまで泣いていたことは思えない程の可愛い微笑みを向けてくれるなのは。
そうだ。オレはこの笑顔に惹かれて、君たちのことが好きになっていたのだ。
せっかく、今はそれを直に見られるんだから、オレがこの子たちに笑顔をプレゼントしてかなくては。
この子たちに涙は似合わない。
「なのは。もう大丈夫だよね?」
「うん。劉ちゃんの思い、ちゃんと受け止めたの」
なのはがそっと離れる。
「なのはは一人じゃない。今はみんな忙しいだけ。でもなのはへの愛情を忘れている訳じゃない。そうでしょ?」
「あぁ、そうだよ」
なんて理解力のある子だろう。
この年齢で、ここまで人から思いを読み取れる子はそうそういないだろう。
「それと、劉ちゃんが私のこと好きだって告白してくれたのも……その、受け取れたの」
赤面しながら何を言ったかと思えば、変な電波まで受信していた。
「そんな事、オレは言ってないからね!?」
「えぇ、劉ちゃんはなのはのこと、嫌い?」
「うぐっ、……いや、好きだけど、でも――」
「じゃあ問題ないの! 劉ちゃんはなのはのお嫁さん決定なの!」
「異議あり! なんでお嫁さん!? そこがまず問題ありなんだけどっ!!」
「ないの~!」
そう言いながら、公園から駆けて出て行くなのは。
「劉ちゃん!」
「な、なんだよ?」
なのはが振り返る。
「劉ちゃん、ありがとう。大好きなの!」
「~~! あ、あぁそうかよ」
なんだか照れくさくて顔全体が熱くなるのを感じた。
けど、不思議と嫌ではなかった。
「ただいまぁ」
「「劉~ちゃ~ん!!!」」
なのはと一緒に翠屋に着くと、母さんと桃子さんがオレに抱きついて頬ずりしてきた。
「ちょ、母さん、桃子さんまたなの!? や、やめてよぉ! なのはもお客さんも見てるんだよ!?」
「関係ないわぁ。あ~、なんで私たちからこんな可愛い子が生まれたのかしらぁ!」
……母さん。
「そうよぉ! それに劉ちゃんとなのははこの店の看板娘よ! なんら問題ないわぁ!」
……桃子さん。
オレはもうどうにでもなれと、好きにさせることにした。
「うぅ、なのはもしたいのぉ!!」
横では涙目のなのはが何か言ってるみたいだけど、今のオレの耳には何も入ってこなかった。
マ「はい。記念すべき第1話が終わりました」
劉「これ書いたのいつくらいだっけ?」
マ「これ自体はついこの前だけど、元になったのは約一年くらい前かな?」
劉「懐かしいよねぇ」
マ「本当だよ。俺なんて懐かしすぎて涙が止まらないわ。こんなんじゃあ何にも手がつかないのはしゃーないよね」
劉「んなわけあるかっ! しゃんとしろっ!」
マ「うるさいわ、男女! さっそく変な地位を築き上げている分際で、作者に食い掛かるとは何事だ!」
劉「これはお前のせいだろう! つか、せめてそこは男の娘でしょう! 男女だと性別女性になっちゃうからね!?」
マ「ハッ。誰のせいだって? その容姿はアテネが決めたんだから、アテネのせいだろうが」
劉「でもそうさせたのは作者でしょ?」
マ「さぁね。でも今回はこの辺で許してあげようか」
劉「許すも何もオレは別に悪いこと何もしてないんだけどね。それにしてもどういう風の吹き回し?」
マ「だってお前、今認めたじゃない」
劉「え、何を?」
マ「ん? 自分が男の娘だって。言ったよね?」
劉「え゙っ、やっ、ちがっ! あれは男女だと本当の女性になっちゃうから、どっちかというとってことで――」
マ「でも言ったよね? 『男』に二言はないよね?」
劉「ぐっ……」
マ「ん~? そこんとこ、どうなんですかぁ?」
劉「うっ、うぅっ……」
マ「あらら。顔真っ赤にしながら泣いてるようじゃ男じゃあないな」
劉「う、うるさいよっ!}
マ「では、感想コーナー! メガネ様、龍賀様、佐天様、紅 幽鹿様、感想ありがとうございました」
劉「あ、ありがとうございました。……ぐすっ」
マ「あ~……では、次回もよろしくお願いしますね! 感想、なんでもいいのでどしどしくださいませ」