どうしてこうなった?! 神による転生者の輪廻物語 作:マーボー
はい。5話はじまりまーす!
やぁ。オレの名前は天道 劉。今日でこの『魔法少女リリカルなのは』の世界に転生してきて早五年経ちました。そう、五歳です。五歳なんです! この意味が分かるかな?
転生して、アテネに言われたデバイスを届けてもらえるのが、五歳になった頃。
つまり、今日ようやく念願のデバイスが手に入る。前日から楽しみすぎて、中々眠りにつけず、眠りについたのも深夜だったはずなのに、寝覚めは最高だった。
そして目が覚めると同時にアテネから念話が届いた。今日の夕方辺りに届けてくれるとのこと。
「夕方……それまで何をしていよう……」
別に今すぐでもいいじゃないか。アテネならそのくらい余裕でだろう。
どれだけもったいつけるというのだろうか……。
「まぁいいや。それまで魔法の練習でもしていようっと」
既に朝食を終えたオレはベッドに座り集中し始める。
士郎さんを助け、それからも練習し続けてきたおかげで、オレはある程度の魔法は扱えるようになっていた。
しかし、それでもまだまだだ。
だからこそ、デバイスがきたらどんだけ修行の幅が広がるのかとか、どんなすごい魔法が使えるのかとか、否応なしに考えてしまう。
……あれ? 集中できないぞ……?
こ、こんな事で集中力をかいてしまうなんて……。
「劉ちゃ~ん、おいで~!」
と、母さんがなにやらオレの事を呼んでいた。
どうせこのまま練習しようとしてもできないことは明白だったから、すぐに練習をやめて母さんがいるリビングへと向かった。
「なにさ~」
「今日の誕生日会、高町家の皆さんも一緒にやってくれるそうなのよ。それで、今から我が家はパーティー会場に変身します」
「おぉ! それ本当? やったーっ!」
なのはたちが一緒に祝ってくれるのも嬉しいけど、桃子さんの料理が食べられることに喜ぶ。それに士郎さんも退院しているから、士郎さんの料理も食べられるはずだ。
なんとも豪華な料理が並ぶことだろう。今から楽しみすぎる。
「というわけで、主役の貴方がいると準備しづらいから今からお外で遊んできてほしいのよ」
「え? でも、それなら部屋にいれば――」
「何そんな不健康なことを言ってるのよ。いいから、ほら」
「え、ちょっ、もう分かったよ~」
母さんには逆らえない。
しょうがないからオレは仕方なく外に出ることとなった。
「はぁ。まさかなのはも相手をしてくれないなんて……」
家を出て、一人じゃあ何もやることがなかったオレは、なのはを誘いに高町家へと向かったのだが、
「りゅ、劉ちゃん!? なんでここにいるの!」
「え、いやぁ、家を追い出されちゃって。だからなのはと一緒に遊ぼうと――」
「きょ、今日はダメなの!! じゃあまた後でなの!!」
バタンッ!!」
「えー……」
もしかしたらなのはも何か準備してくれているのかもしれない。
分かってはいるが、あんなドアが破壊されかねないぐらいの力で閉められたらなんか……ねぇ? 悲しくない? オレ、一瞬涙が出そうになったよ。
「にしても、アテネが来るまで時間もあるだろうし……。ん~、とりあえず公園に行こうか。誰かいるかもしれないし」
「なんで今日に限って誰もいないんだよ……」
いつもなら近所に住んでいる子供たちで賑わっているはずの公園だったが、まるで町に鬼でも出たのかと錯覚するくらい誰もいなく、今のオレにとっては余計に孤独を感じさせる現状となっていた。
「まじか。これまじか……?」
一人寂しくベンチに座り、仕方がないから今後の事を考えてみた。
「この後、予定がうまくいけばなのはが魔法と出会うことになるだろう。それで……」
そこから物語が始まる。
ユーノとなのははジュエルシードの回収を始め、フェイトと出会う。
ん~、オレはどこで合流すればいいかなぁ。できれば最初からがいいんだけど切り出し方とかどうすれば……。それにフェイトの事もどうにかしたいし……んーわからん。
というか今更ながらだけど、オレはこのまま原作に介入しててもいいのか? アテネはいいと言ってたけど、それだと何か問題が起きたりしないだろうか? それに、なのはの成長を妨げたり……。でもその心配はないから、アテネはオレにああ言ったんだろうし……。…………あ、だけどアテネのことだし、きっと面白半分で言った可能性も、なきにしもあらずだな。
「む。失礼ね。劉ちゃんは私のことそう思っていたのね。お姉さん悲しいわ」
「うわっ!!」
思考に割って入ってきた人物、アテネは両手を組み、嘆息しながらオレの事を見下ろしてくる。
自分だけで考えてたから、いきなり声を掛けられた驚きを隠せなかった。
思考を読まれた事に対してはもうそこまで驚きはしなかったけど。
「や、やぁ、アテネ。別にオレはそんなこと微塵も思ってないよ? まったく何を言ってるんだよ」
「ふ~ん。まぁ私は人の思考全て把握できるから何でも分かっちゃってるんだけどね」
「だったら、今更じゃないか!」
「ふふっ。劉ちゃんをからかうのが私の楽しみなのよ」
「いや、そんな笑顔で言われても……そんな楽しみ方は今すぐにやめない?」
「なんで止めなければいけないのよ。嫌よ、少ない楽しみなんだもの」
「え~……」
「それに実際にそう思われていたのは少し心外だわ」
「そ、それに関してはごめん」
「別にもういいけどね。というわけで、遅くなったけど久しぶり。相変わらず小さいわね」
「うるっさいよ!!」
ポンポンと頭の上に手を置かれ、自分がアテネより身長が低いことを自覚させられてしまう。悲しいな、オレって……。
「この容姿だってアテネが決めたんじゃないか! せめてなのはよりは身長を高くしてほしかったよ!」
「え~劉ちゃんが私に任せてくれたんじゃないのよ。文句を言われる筋合いはないわよ?」
「うぐっ……痛いところを……」
たしかに、転生するときにアテネに任せたのは失敗だった。
自ら言ってしまった、その結果なんだからその事を言われるとオレは何も言えない。
しかし、アテネに任せた結果、男の娘になろうとは誰が予想できただろうか。
もしかして……
「薄々気がついていたけど、アテネってこういう趣味だったり?」
「そんなんじゃあないわよ! でも、普通に可愛くていいじゃない」
いやだから、そんな事を言うって事は絶対にそういう趣味だよね? そうなんだよね?
「それにここ最近になって。更に可愛さも増してきたみたいだし、うん。いい感じよ!」
サムズアップするアテネに、オレの怒りのボルテージはふつふつと噴き上がってくる。
誰か、あの親指をへし折る許可をください。
「ふふん。今の劉ちゃんには無理よ~♪ まぁこのデバイスをたちを使いこなされたら分からないけどね!」
そう言いながら、どこともない空間から指定通りに仕上がっているデバイスたちがアテネの手のひらに下りてくる。
いったいどこから出しているというんだ? あれはゲートオブバビロンみたいなものという認識でいいのかな?
「んまぁ私くらいになると、あんな物より更に質が高いけどね♪」
飄々と言い切るアテネにオレは何も言えない。
こんなのチートじゃないか。そんなアテネに勝てるようになるデバイス……本当だろうな?
「えぇ、本当よ。ただし、使いこなせたらだけど。まぁそれでも時間はかなりかかるはずだから。頑張るのよ♪」
「別段、アテネを倒そうとは思ってないんだけどね」
だけど、それくらいの気概で修行に励めばこの先どんな困難が降りかかってきても余裕でいられるだろうとは思った。
「じゃあ、説明するわね。まずこのデバイスから」
そう言ってオレに渡してくれたのは指輪型のデバイス。
「名前は『クリスティーナ』。アームドデバイスで、主に武器担当よ。種類は、ファーストからサードまでの三つの形態変化ができて、それぞれ剣・銃・槍といったところね」
「お、おぉ。この指輪が本物のデバイス……!」
なんか実際にこの目で見ると感無量な反面、本当にこれが武器になるのか少し疑問を思ってしまう。
「ふふ。大丈夫よ。これは歴としたデバイスなのだから、劉ちゃんが知っての通り、ちゃんと変形するわ」
「そうか」
ホント、心の声が駄々漏れなんだな。
これじゃあ逆に声に出しての会話なんて無意味じゃないのかな?
「嫌よ! 私はちゃんと劉ちゃんの声を直に聞きながらラブラブにお話ししたいの!」
「今までそんなラブラブな会話を繰り広げた事なんて一度もないけどね!」
「こほん……さて、え~っと次は~」
アテネが誤魔化すように、説明に取り掛かる。
「このブレスレット型のは『インフィニティ・ゼロ』。インテリジェントデバイスよ。こいつは主にバリアジャケットの展開やら魔力変換の補助なんかをしてくれるわ」
「ほう、これでバリアジャケットを――」
『よろしくな、マスター』
「うわあっ!?」
手に取ったブレスレットが、振動と共に機械的な声を発し、オレはそれに驚いてしまった。
「そんなに驚くかなぁ」
「いやいや、だってデバイスなんて初めてだもん。前の世界にはなかったし、アニメとかで知っていても、実際に喋りかけられるとびっくりするよ」
というか、いきなり喋りかけられたら、誰だって少しは驚いたりすると思う。
『それはすまなかったな。俺の事は気軽にゼロとでも呼んでくれ』
「ゼロ。うん、了解」
ゼロと名乗ってくれたオレのデバイスは、チカッと光ると姿を消した。
どこに行ったのかと思ったが、ふと左腕に違和感を感じる。
左腕を持ち上げてみるとそこには、ゼロが装着されている状態だった。
いや、ゼロだけじゃない。クリスティーナもちゃっかり指輪として装備されていた。
『わ、私の事もクリスと呼んでくれていいわ』
「う、うん。わかった」
よし、もう驚かなかったぞ。
なんて心の中でガッツポーズをしながら、クリスに聞いてみる。
「もしかして、さっきから君、もといクリスも意識があったの?」
『…………』
しかし答えは返ってこなく、沈黙が続いてしまった。
まさか聞いてはいけなかったのかと思い、焦ってしまう。
何せ、声てきにゼロが男性でクリスは女性という印象だった。
ということは、知らず知らずのうちに何か女性に対して失礼な事をしてしまったのかも知れない。
『その心配はない。こいつはマスターに惚れているだけだからな』
「え? そ、そうなの?」
『ちょっ、ちょっとアンタ、何言ってるのよ!』
だが、オレの心配は杞憂に終わった。
どうやらクリスは恥ずかしかっただけだったようだが、なんでオレの事を?
「きっと劉ちゃんが可愛いからよ~。ね、これも私が可愛い容姿にしてあげたおかげよ?」
ふふんと胸を張るアテネ。
「いや、好意を感じるのは嬉しいけどさ……」
『ふん。まったくゼロは。ぶつぶつ……』
クリスはその後、スリープモードになったようだ。
「さて、最後はユニゾンデバイスね。この子の名前は――」
「あ、私が自分で言うわ」
そう言うと、アテネの手の平にいたユニゾンデバイスは立ち上がり、オレの目の前まで浮遊してきた。
「初めまして、マスター。私は貴方のユニゾンデバイス、フィオネと申します。今後は主にマスターの補助役をさせていただきますので、何とぞよろしくお願いしますね」
最後にペコリと一礼をするフィオネにオレは少し唖然としてしまう。
ここまで礼儀が出来たデバイス、今まで見た事もない。
……まぁデバイス自体見た事ないんだから当たり前なんだけど。
「あーうん。よろしく」
たしかに礼儀は大事だ。親しき仲にも礼儀あり。
だけどここまでされると、なんだか壁を感じてしまう。
「みんな、オレの事はマスターなんて呼ばないで良いよ。気軽に劉とでも呼んで。その方がオレは嬉しい」
たぶん、いきなり親しくしろと言われても無理だと思う。
それにそんな命令やお願いで仲が深まったていで居られるのも嫌だ。
だからまずはなのは流の「名前を呼んで作戦」を使ってみることにした。
こうしたちょっとした所から変えていけばいい。
友情なんてその後についてくるもんだ。
「わかったわ! じゃあ私は劉ちゃんって呼ばせてもらうわね!」
『ちょっ、何抜け駆けしてるのよ! 私も劉ちゃんって呼ばせてもらうわ!』
『分かった。劉がそれを望むならそう呼ぼう』
「…………」
あれれ? なんか一気に態度が軟化した?
まぁそれは良いことなんだけども。だけども……ゼロ以外の女性デバイス陣が……あれ?
「いやぁ、マスター……じゃない、劉ちゃんって私の好みドストライクなのよねぇ。可愛いし、イケメンじゃない? こんな人がマスターなんて最高よ~!」
『そうよねぇ。私も最初は恥ずかしかったけども、このユニゾンデバイスが恋敵になった以上、ウカウカしてられないわ!』
「そう言うのなら劉ちゃんの転生神でもある私だって!」
『…………』
「…………」
何やら男性陣ほっぽり出して争いを始めだした。オレ達は蚊帳の外。
「ねぇゼロ」
『……なんだ?』
「これから大変だろうけど、どうかゼロだけは……」
『ああ。まかせろ。俺はいつでも劉の味方だ』
「ゼローッ!!」
感極まわって涙が出そうになる。
なにこのデバイス! すごいいいやつだよ! 惚れそうだよ!
『『「ちょっとそこの
『何故そんな殺意が混じった視線を向けるんだ!?』
何やら女性陣がギャーギャー騒いでいるが、もう今のオレにはゼロしか見えていなかった。
というわけでなんとか今回の話も無事、投稿出来ました。
今回はまぁ……なんといいますか。
この世界の魔導師にとって大切なデバイスが登場しましたね。
んー劉にとっては心強くはありますが、其の分何かと大変な思いをしそうな予感が……。
さ、さてさて、こうしてデバイスも登場したわけなんですが、簡潔にですけどデバイス設定を載せようかなぁなんて考えていたりします。
とくに書き込んだ物ではありません。
前の「にじファン」にて投稿してた際に載せていた内容です。
まーあってもなくてもいいとは思いますけど、皆さんの意見を聞いてみたいです。
では次に、感謝コーナーです。
もけ様、てりー様、紅 幽鹿様、佐天様、感想ありがとうございました。
皆様の貴重なご意見は、今後作品を書き続けていく上で参考にさせて頂きます。
その中であったあとがきについてなんですが、もうしばらくはこんな感じでいこうと思います。
ですが、しばらくしたら例の掛け合いをまたやっていこうと考えています。
読んでくださっている皆様、ご了承ください。
それと皆様、どんな些細な事でも構いません。
何でもいいので感想くれると嬉しいです。
例えば「劉いいやつだなー」でも構いません。
それだけでも書いてる側としては嬉しいんです。
ですので皆様、どうか一つお願いしますね。
では今回はこの辺で。
次回も楽しみにしていてください。