幻想の空になく   作:産地直送

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激変する環境

 

 

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幻想郷の賢者 八雲紫は考えていた。

幻想郷のこと、人間のこと、最近起きたこと、そして何より新しく作るルールのことを。

幻想郷は今は平和だ。

しかし、それが吸血鬼異変の時のように崩れるのはいつかわからないが起こりうる可能性があるだろう。

また、あの時のように多くの人間や妖怪が犠牲になるかもしれない。

そこで、純粋なパワーバランスで図ることが出来ないルール、人間が妖怪に対抗できるルールが必要だった。

まず、そのルールは生死が関わってはいけない。

誰もが快く出来て、尚且つ外の世界で言うスポーツのようなものが好ましかった。

しかし、外の世界のスポーツを参考には出来ても、そっくりそのまま使うことは出来ない。

なぜなら、この幻想郷には普通の人間だけではなく、妖怪や神や亡霊など多くの人外も住んでいるからだ。

それではどんな物を作るのか。

何に重きに置くのか。

どうすればどんな人でも納得できるルールが出来るか。

八雲紫は考えていた。

考えていると。

自分の持っている妖力より何倍もの量の力が一瞬だけ膨らんで消えたのが感知出来た。

八雲紫は幻想郷の管理者で実質八雲紫のお陰で幻想郷が成り立っていると言っても過言ではない。

そんな八雲紫は幻想郷を監視するために色んな式神を通して自分の目を至る所まで張り巡らしていた。

そんな式神の一体から莫大な妖力を感知したのだ。

幻想郷にそんな妖力を持った者が侵入したとなればただでさえ危ない幻想郷のパワーバランスが崩れてしまう可能性がある。

しかし、奇妙なことにほんの一瞬だけの出来事で自分のようにその場の近くに式神のようなものがいるかその場に自分自身がいないと気付かないレベルだった。

そんな力に八雲紫は既視感を覚えた。

しかし、思い出せない。

そのままにしておくと何か手遅れになるかもしれないという焦燥感に当てられ、調査の為に自分の式神を張り巡らして観察することにした。

さて、自分は幻想郷の新たなルールを作らなければ…。

 

 

 

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自分の世界と勝手が違い過ぎた。

現代の日本がすごく発展しているのが身に染みてよく分かる。

しかし、だいたいの家事をこなすと小鈴さんに約束してしまった手前に

勝手が違いすぎるなら無理なんて理由でやらないのもカッコ悪いので、小鈴さんから教えてもらった知識と元の世界で読んだ知識をフルに活用した。

すると、予想を遥かに超える手間だった。

慣れるまでの辛抱だ。

 

「夜考君料理上手だね!」

 

目の前で味噌汁を啜りながら答えてくれる小鈴さんがいる。

誰かと卓を囲みながら食事をするのは久しぶりだった。

家では一人だし、学校では便所メシとはいかないが一人で食べていた。

それに、自分の手料理を人に食べて貰うのは初めてで少し緊張した。

 

「ありがとうございます。お口に合ったみたいで幸いです。」

 

そう言いつつも自分も料理を口の中に掻き込む。

はっきり言って自分もお腹が減り過ぎてて作ってる最中何回かつまみ食いしそうになったが、多分食べ出したら止まらないと思って堪えていた。

久しぶりに誰かと食べた感動と一日ぶりに物を食べた感動で泣きそうだ。

朝ご飯も食べ終わり食器を一緒に洗っていると

 

「そういえば、夜考さんの会った妖怪ってどんな感じのやつだったの?もしかしたら私の持っている本で分かるかもしれないよ。」

 

小鈴さんがそんな風に話しを切り出した。

はっきり言ってまだあれが妖怪だとは信じきってはいない。

もしかしたら空腹から見た幻覚もしれない。

 

「さらっと流してたんですけど、何で妖怪がいるんですか?確かに僕は百鬼夜行絵巻に似たような妖怪がいたって言いましたけど、普通は妖怪なんていませんよね。」

 

あの肉塊のようなあれは絵巻に似たようなものがいて便宜上、妖怪と分類していたが今更になっておかしい事に気付く。

だって普通は妖怪なんていないんだから。

 

「?、あー…そっかその辺も説明しなきゃいけないよね。」

 

その辺とはどの辺なのか分からないがちょうど食器も洗い終わったので再び貸本屋の方に向かう。

この貸本屋は住居と店内が一緒になっていた。

僕が雇ってくれる間は客間を僕の部屋としてくれるようだった。

店内に着き、店の端にある椅子に腰をかける。

 

「この幻想郷はね、外の世界で忘れられた物が来る世界なの。

私は外の世界に行ったことがないから分からないけど外の世界は妖怪とかはいないって思われてるんだよね?」

 

「はい、そうです。そんな架空の者があるって認識だけですね。」

 

「そんな存在を否定されたもの達が集うのがこの幻想郷なんだって。

私の知り合いが言ってた。」

 

少し苦笑しながら小鈴さんが答える。

知り合いの受け売りなのか…

 

「それじゃあ、妖怪実際に存在するってことなんですか?」

 

「うん!そうだよ!妖怪だけじゃなくて神様とか、幽霊とかもね!」

 

快活に答えてくれる。

オカルトが好きな人は大歓喜な場所だろうが残念な事に俺は一般的なオカルトぐらいしか知らない。

それゆえにあんまりはっきり想像が出来ないが一つだけ分かった事がある。

 

「幻想郷では外の常識に囚われない方がいいんですね…。」

 

「まあ、そうなるね。」

 

あいからわず小鈴さんはニコニコしながら答えてくれる。

認めなきゃいけないみたいだった。

観念したように俺は出会った妖怪の特徴をつらつらと述べる。

小鈴さんは眼鏡をかけてメモを取っていた。

 

「うーん、なるほど…じゃあさ、百鬼夜行絵巻にも載ってたんだよね?どの妖怪か教えて。」

 

机に置きっ放しだった絵巻を広げる。

自分が出会った妖怪に近い容姿の妖怪を指差す。

 

「あーこいつねー…」

 

小鈴さんは急に立ち上がりパタパタと歩いて行き、本棚な間に消えた。

暫くして、一冊の本を手に戻って来た。

ペラペラとページを捲った後に俺の前にさしだす。

 

「この妖怪じゃない?」

 

自分が会った妖怪と良く似ている絵が載っていた。

 

「あ、はいそうです。こいつです。」

 

「やっぱり、ぬっぺふほふだった。良く生きてこれたね!」

 

「え?そんな強い妖怪だったんですか?」

 

確かにあの妖怪は無駄に足が速くて怪力だったが。

 

「妖怪としてはそこまでだけどね、妖怪は人間より強いのが当たり前だからね。」

 

「あ、そうなんですか…」

 

あれよりもっと強い妖怪がいるのか…と思い顔が引き攣る。

 

「ぬっぺふほふはね、古いカエルや死肉が化けた妖怪らしくてね、生きた人間の脂を吸いに来るって言う妖怪で人間に害を成す妖怪なんだって。」

 

今更になって悪寒がはしる。

何が起きたか分からないがやっぱり俺はあの時死にかけたんだなと思う。

気絶した時何が起きたのか分からないがとりあえず何もなくてよかったと思う。

 

「また、会ったりしたらどうするんですか?」

 

「うーん…そうだねぇ…これは妖怪全般に効くけど清めたお札を貼るとかかな?博麗神社のが一番効くらしいよ。」

 

「博麗神社ですか…博麗神社ってどんな神社何ですか?」

 

結界も管理してて妖怪退治もお手の物みたいな神社なんて今まで見たことがないので凄く気になる。

 

「普通の神社らしいけど…私まだ一度も行ったことがないんだよね。」

 

「あ、そうなんですか。」

 

「そうだ!今度一緒に行こうよ!」

 

「え?…あ、はいそうですね。」

 

幻想郷を全く知らない人と知らない土地に行くのに凄い不安を覚えるがまあ、大丈夫だろう。

 

「それより、僕はまず人里を案内して欲しいです。僕の日用品とか買いたいですし…」

 

「あぁ、それもそうだね!これから忙しくなりそうだね!」

 

なぜか小鈴さんはテンションが上がっているようだった。

 

「それじゃあ今から案内してあげるよ!」

 

「え⁉︎今からですか?」

 

「思い立ったが吉日それ以外は凶日だよ!」

 

「店はどうするんですか⁉︎」

 

「臨時休業でいいよ!」

 

それでいいのか…と思いつつ小鈴さんに手を引かれ俺は店から出た。

 

 

 




今月、忙しくなるのですいませんが投稿が遅れます。
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