まだ投稿がまちまちになる可能性が高いです。すいません
小説
それから一ヶ月ほど過ぎた。
あの後から体を動かしたりしてみたがやはり、外の世界の時より飛躍的に身体能力が上がっていた。
この事はまだ、誰にも打ち明けてはいなかった。
幻想郷での暮らし外の世界ほど便利ではないにしろ充実していた。
外の世界ではいつも一人で過ごしていたが今は小鈴と一緒に過ごしている。
小鈴は基本的にあまり家事が出来ないので大体俺が行っていた。
小鈴はあまり人と関わってこなかった自分をその持ち前の明るい性格ですんなりと打ち解けることが出来た。
彼女には感謝してる。
住むとこや働くとこを提供してくれたことももちろん、人と関わることで今まで見えなかった、見て来なかった世界をみることが出来た。
仕事も最近は慣れて来て借りに来た人などにも顔を覚えられ知り合いも沢山増えた。
時々、妖魔本がガタガタと震え出すのはどうやっても慣れなかった。
阿求は時々やって来て小鈴と話したり本を借りたりしていた。
あいからわず俺に対してはきつい当たりで小鈴にはデレデレしていた。
そんなある日の事だ。
仕事を早く終わり、店を閉めた小鈴は阿求の所に遊びに行くそうだ。
付いて行こうとしたら
「あ、今日はダメ!とにかくダメ!付いて来ちゃダメだからね‼︎」
と言ってそそくさと出て行ってしまった。
これだけ拒否されると悲しくなってきた。
胸が少し痛むような気がした。
久しぶりに一人になった俺は人里をぶらぶらと歩く事にした。
人里はいつも通り賑わっていた。
至る所から声が聞こえていた。
外の世界では鬱陶しいと思っていたこの騒々しさも今は逆にこの騒々しさが心地良かった。
焼きまんじゅうか…お腹減ったな、買って帰ろうかな、そうだ!小鈴の分も買って帰ろう
そんな事を考えながらフラフラしていると、
ドンッ
何かにぶつかってしまった。
「う…いたた…」
どうやら女の人とぶつかってしまったようだ
「す、すいません…大丈夫ですか?」
すかさず手を差し伸べる
「あぁ、こちらこそすまない。よそ見をしていてな…」
女の人は手を取り立ち上がる。
「む…そうか、お前もか」
「どうかしましたか?」
「いや、何でもない。そうだ、出会ったのも何かの縁だ。どこかでお茶をしないか?」
「え…はあ…いいですけど…」
これは俗に言う逆ナンというやつなのか…
幻想郷では本当に外の世界とは違う経験をさせてくれるなと思う。
「私は上白沢慧音だ。寺子屋で教師をしている。」
「僕は白木夜考です。鈴奈庵で働かせてもらっています。」
上白沢慧音と名乗った女性は青と白を基調とした服を着ていて胸元の赤いリボンが特徴的な服装だった。
そして、教師にしては胸元が開きすぎなんじゃないかなと思ったが口に出すのは少しやめておいた。
なるべく胸元に目がいかないように喋ろう。
「あの小鈴の店で働いているのか?そうか、そうか新しく従業員が増えたと聞いていたが君のことだったのか…」
「小鈴と知り合いなんですか?」
「あぁ私の教え子でもあるし、最近は行ってないがあそこの貸本屋は良く利用させてもらっているんだ。」
「そうだったんですか。」
とすると小鈴の小さい時なども知っているのだろうか?
無性に気になってしまう。
「立ち話もなんだから店に入ろうか。あそこの団子屋でもいいか?」
「えぇ、構いません」
適当な団子屋に入り団子を数本頼んだ。
お金は持ってきているし多分問題はないだろう。
「さて、君は噂によると外の世界から来たらしいね?」
「そうですよ。もう幻想郷に来て一カ月もたちます」
「そうかそうか、もう幻想郷の生活には慣れたか?」
こんな会話から始まり自分の身の上話や他愛もない話を慧音さんと話ていた。
慧音さんは見た目とは裏腹に真面目で心から他人を気遣うことができる人だった。
ずいぶんと話込み日が沈み出す時間まで話ていた。
当初の予定は人里をぶらつくだけだったがこんなに外にいるとは思ってなかった。
もうそろそろ帰って夕飯を作らなくてはいけなかった。
「そろそろいい時間なので帰りましょうか」
「おお、もうこんな時間か。私も帰らなくては…」
店から外を見て慧音さんはそう言った。
もう人里は夕日によって真っ赤に染まっていた。
「夜考君、また会えるかい?」
「えぇ店に来て頂ければいつでも会えると思いますよ」
「そうか、君は無害みたいだからなまた一緒に話したい。今度は小鈴と一緒に話そう」
「そうですね」
そう言って俺達は解散した。