恋は盲目、愛は脳内麻薬
恋をしたことがない。
仲のいい友達はいないがクラスメートと世間話くらいはする。
この時期になると増えるのが恋愛の話だ。恋愛の話を聞いていると中々その相手の心情を探ることが出来て楽しかったりする。
誰が好きなのか、嫌いなのか、どこが好きで、嫌いなのか、推測するのが楽しい。
彼女が欲しくないと言えば、嘘になる。恋愛話を聞いて羨ましいと思わないと言えば、これもまた嘘になる。
しかし、多分こんな男と付き合おうとする奇特な女性は中々いないだろうとつくづく思う。
そうなったらそうなったらでまあ、いいかとまた、楽観主義的な考えが浮かびまた、落胆していたのは自分しか知らない。
◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎
霧雨魔理沙は眠かった。
今のいままでずっと魔法の実験をしていたからだ。昨日の昼からずっと家に篭りっ放しで徹夜で魔法の実験を繰り返していたのだ。
そして、今さっき完成した。
そこで、魔理沙は眠ろうとは思わなかった。やっと魔法が完成したのだ、試し撃ちをしなければいけない。試し撃ちまでが実験だ。そんな事を思い興奮していた。
しかし、試し撃ちと言ってもただの的では意味がない。実戦で使えて初めて成功なのだ。
強敵と戦う際に、発動までに時間がかかったり、威力がなかったり、見た目が気持ち悪かったりしては意味がない。
だから、丁度いい位の強さの相手が必要だった。
魔理沙が住んでいる魔法の森は多数の妖怪が住んでいた。
しかし、魔法の森も狭くはない、むしろすごく広い。妖怪が住んでいるからと言って必ず会うとは限らないのだ。
徹夜明けの魔理沙には確実性が欲しかった。むしろ、確実にいないと体力がやばかった。
そこで、魔理沙は香霖堂の店主、森近霖之助と共に道具集めに行った時の事を思い出した。
道具集めに向かった場所は無縁塚と言う名の場所だった。そこは、何故か結界が薄く、よく外から道具や、人が迷い込んで来るらしい。その道具目当てに入ってくる幻想郷に住んでいる人間や迷い込んで来た外の人間目当てに妖怪がよく現れるそうだ。
霖之助と一緒に道具集めに行った時も、数匹現れたのを実際に見た。
そうだ、無縁塚に行こう。
そう決めた時には普段着の魔法使いの服に着替え、八卦路と箒とその他諸々を適当に持ち家を出る。
箒にまたがり宙に浮く。何回も繰り返し行なったこの動作はもう、歩くのと変わらない程に体に染み付いていた。
ゆっくりと上昇し、木々達よりも高くなる。太陽が自分の体、顔を照らし目を細める。そこで、無縁塚の位置を確認し、一気に飛ぶ。
春の暖かな日差しが体に当たり、さらに、飛ぶことによって、少し涼しい風が顔に当たりとても気持ちのいい天気になっていた。
さっきまで陰湿だった気分が一気に晴れやかになるのを魔理沙は感じた。
「もう、春だなー…暖かくて気持ちいいぜー!」
意気揚々と無縁塚に向かって魔理沙は加速する。