Fate/read Moon   作:涙巻き

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話は前に戻ります。


第伍話 間桐雁夜

 うちはオビト

 

 

 私はその名前にまるで心当たりが無かった。もちろん私よりずっと頭の良い慎二にも彼の名前に覚えが無かった。

 

 「うちはオビト?はぁ、姉さんずいぶんと無名のサーヴァント引き当ててくれたよね。」

 

 慎二はあからさまに私が召喚したライダーを見下し始めた。事実であるがこの上無く私は不愉快になった。召喚することも出来ないのに文句を言われる筋合いはない。

 

 「無名か。そうだろうな。俺自信聖杯に興味もないのに召喚された事に驚いている。ただ、なぜ俺が喚ばれたのか、その答えはお前にあると思うぞ、桜。」

 

 「えっ!?」

 

 私は急に自分の名が上がってびっくりした。

 

 「姉さんがそんな一角な人物になるわけないだろ。いくら魔術回路を持っていても歴史に名を残すような事なんて出来るはずがない。その理由に君のような聞いた事もない英霊を召喚するんだ。僕ならまだしも姉さんが一体何をすると言うのさ。」

 

 確かに慎二の言うとおりだ。ライダー自身もその事を重々承知している。だが、もしそうだとしてもサーヴァントとして自分が喚ばれることはまずあり得ないと思っていた。なぜならこの世界の歴史に自分は生まれてすらいない。いっそ別世界の英雄、いや自分の場合は反英雄か、そのような存在なのだから。なのに自分が喚ばれた、なにか意味を考えずにはいられない。それに、

 

 「さっきから無名無名言ってるが、お前は聖杯戦争に参加するのだろう。その無名と組んで戦う、それ以外に聖杯戦争に参加する方法はないぞ。」

 

 慎二は渋そうな顔をしながらもライダーの言うことに納得し、

 

 「わかったよ。それに無名の英雄だからって弱いとは限らないしね。」

 

 慎二はそのように言ってはいるものの、内心不安でしょうがないのだろう。英霊にとって知名度はそのまま強さに変換されると言っていい。ライダーにはそのメリットがまるで無い。弱点を知られずにすむというメリットは有っても、知名度はステータスに響く。

 そんな不安を取り除く為か、ライダーはどや顔で

 

 「安心しろ、俺は強い。」

 

 どや顔というより決め顔だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「さて、これからの方針なんだが、どういう戦略でいく。」

 

 ライダーが今後の事を切り出した。

 

 「私は慎二におまかせします。」

 

 ライダーは一言そうかと言い哀しそうな目で私を見た。

 

 「だから言っただろう、姉さん聖杯戦争やる気無いって。」

 

 「その様だな。何かしら強い願いがあると思っていたのだが。」

 

 「それより今後の事だけど、まず情報収集して同盟相手を探すのはどう?」

 

 「悪くはないな。だが、まずは当分探索がメインだろう。」

 

 「んじゃあ姉さんは早く身支度したら、遅刻するよ。」

 

 「慎二、あなたは?」

 

 慎二にだって学校があります。なのに、

 

 「は、休むに決まってんだろ。何言ってんのバカじゃないの。」

 

 妥当の判断ですがそれだけでバカ呼ばわりとは。しかしライダーが

 

 「今日はお前も学校に行ってこい。何が起こるかわからないのが戦争だ。誰が敵なのかもわからない状況にお前の家は有名だろ。お前ら二人のどちらかがマスターだなんてすぐに判る。そんな状況ですぐにでも動いたら敵に勘づく。まだ普段通りでいた方がいい。」

 

 なんか凄く当たりのサーヴァントかもしれません、うちのライダー。無名といってバカにすることなんて出来ないですよ。

 この言葉にはさすがに納得したのか慎二も学校に行く支度をしました。私も支度を始めようとしたとき、ライダーは私に話かけられました。

 

 「桜、雁夜叔父さんって誰だ。」

 

 私は急な質問にびっくりしました。

 

 「ライダー、どうして急に?」

 

 ライダーはさも当たり前のように

 

 「どうしたもこうしたもお前が俺を見ていきなりその名を呼んだからな、気にもなるさ。」

 

 納得の言い分です。ですから私は話ました、十年前の第4次聖杯戦争の参加者であったこと。お爺様に逆らった事など知っていることのかぎり。

 

 「こういってはライダーに失礼だけど、雁夜叔父さんもライダーと同じように顔が変形しているんです。ライダーとは反対の左側が。やっぱり雁夜叔父さんと全然似てないですね。どうして間違えちゃったのだろ、私。」

 

 「大切な人だったんだな、お前にとって。」

 

 ライダーが何か呟いた気がしましたが私には聞こえませんでした。早く学校に行かないと。

 

  

 

  

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