魔法少女リリカルなのはStrikers IRONMAN   作:赤い配管工の人

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アメコミの泉第六回

MARVELのヒーローのほとんどの性と名は

同じ頭文字から始まる



遅れましたがこの作品でのアイアンマンの世界観は映画の世界(マーベル・シネマテイック・ユニバース)と原作(マーベル・ユニバース)を合体した世界観となっています。
四月に入ると忙しくなり、更新が遅くなっていきますがよろしくお願いします。



#15

その後マリエルやはやてに怒られ

 

陸戦用空間シュミレーターの貸し出しも許可してくれ事態は収まり

 

「二度と危険な事はするんやないで!」

 

と隊長室で八神にどやされ、内心ふて腐れながらも渋々承諾した。

 

スリルのない人生なんか面白くもなんともない

それを否定されるのは心底辛いががこの場に置かせてもらい、莫大な予算をもらっている上に彼女の心配の種を増やす訳にはいかない。

 

(隊長職だ。日々のストレスと仕事と戦っていない訳がない)

 

ここは言う事を聞いた方が身のためだ。

 

そう思いながらオレは開発を続ける。

 

『マークⅡ』での開発で一番の思い出を出せと言うならアレだ。

 

 

 

数日前 管理局  デバイスルーム  PM15:00

 

 

「ガジェットのデザインはどこをどう見えてもダサい。そう思うか?」

「どういう意味?」

 

リパルサーとブーツの微調整の時、上記の会話を交わしていた。

シャリオはまだ寝込んでいるため(といっても三日である)

マリエルが担当していた時だ。

 

「機動六課に入った時、最初は遺跡もどきを探す部と聞いてげんなりしてたがそうでもなかった」

「うん」

「ガジェットというメカを聞いてどういうヤツか期待していたら」

「していたら?」

「期待した結果がこれだよ!」

 

デスクにバン!と音を立て、表情を表した。

 

マリエルは驚くがすぐに呆れた顔に戻り、やれやれと手を上げ首を振る。

 

データに『ガジェット』と名付けられたファイルが表示され

オレはイスの上で「OH MY GOD」とポーズを作っていた。

 

そこにはカプセルのような形をした『Ⅰ』や戦闘機を小型化したような形をした『Ⅱ』が出ている。

 

オレの世界では銀行強盗や泥棒、ヴィランという悪人や小物が多く相手にした。

 

大きいヤツでは巨大兵器やミュータント、古代人(アポカリプス)という脅威クラスの連中もいた。

 

前者はソロで戦ったりコンビを組んで戦い、後者はチームで戦うという戦法がある。

 

この世界に来てどのような敵と遭遇するか心をワクワクしていた

(不謹慎な言い方だが)

 

だがガジェットというどう見えても一つ足りない敵を見て気分が落ちてしまった。

 

「これならヴィランとドゥームボットを相手にした方がよっぽどマシだよ」

 

と愚痴をこぼしてしまう。

 

「ドゥームボット?」

 

その単語にマリエルは少し噛みついてきた。どうやら興味津々だ。

 

タブレットから『S.H.I.E.L.D. REPORT』と書かれたファイルを表示し、タブレットごと彼女に渡し

 

それを受け取り真剣そうに読む。

 

「この『ドゥームボット』っていうのはこの『ドゥーム』の身代わりという事?」

「あぁ。しかも目に余る程大量にいるんだよ」

 

悪魔博士・・・もといDr.ドゥームは自分の分身であるドゥームボットを大量に造り

 

魔術を得意とする彼にとっては戦力であり、身代わりである。

 

モグラ当てゲームのようにアタリ(ドゥーム)を当てさせず、毎回ハズレを当てさせる厄介な相手だ。

 

ブリキモドキの鎧を纏い、緑の大きなマントを羽織るヤツは一筋縄にはいかない。

 

ヤツをムショにぶち込むのは到底数十年は掛かる。

 

そう頭の中で思いながらもカイリーは話題を変えた。

 

「名古屋弁て知ってるか?」

「ナゴヤベン?」

日本(ジャパン)にある特有の訛りでな・・・」

 

 

 

 

 

 

(ってな事があってね、その時の彼女に)

 

部屋に届いた荷物の開封と配置に準備しながら独り言を呟いていた。

周りにはデスクや冷蔵庫が置いてあり包装の袋が至る所に散らばっている。

これでもまだ二割で、まだ段ボールの山がカイリーを囲んでいた。

 

(イスの選定に時間を掛けたのが要因だな・・・仕事はイスによって決まるというし)

 

ロトがせっせとアームを動かしながら働く中

オレは組み立てたばかりのイスに座り、それを回しながら考えていた。

そうしていた時ノックが二回も鳴り響く、来客だ。

 

「ハイハイ」

 

プシュッと機械な音が鳴り、ドアがスライドしてゆく。

 

「おっじゃましまーす!!」

「し、失礼します!」

「スバル・・・なんでアンタはハイテンションなのよ・・?」

「広い・・・」

「キュクル~」

 

四人の新人達がぞろぞろと部屋に入ってきた。

 

時計を見ると既に一時を回っていた。

彼らの格好を見ると訓練を終え、昼飯を食い終えたばかりと推測した。

そんな彼女達を見て

 

「やぁ新人(ルーキー)君。今日は遊び?それとも冷やかし?」

「部屋を見に来たんですよ!カイリーさん!」

「唐突に『カイリーさんの部屋に行ってみようよ!』って無理やり連れてこられ・・」

「・・・・」

 

恐るべし15歳。彼女は外見イイ女だが付き合うとなると一生振り回されかねない。

ティアナの身になれば分からない事もない。

 

(振り回されるのもイイか・・・?)

 

いや、今はそう事じゃない。

 

今度来た時はセキュリテイを設けよう。とびっきりの

 

そう思いつつ

 

「散らかってるから気を付けろよ」

「は~い!」

 

ズボンからどこにでも売っている非常食を取り出し、昼食を取り始めた。

 

幸い彼らには自分がヒーローである事を明かしておらず、まだそれを証明する物を出していない。

 

親父達は既に正体を公表しているが、オレはそうはしない。

 

なのは達にはすでに知られており、まだ他の者には知られていない。

18にしてパパラッチやゴシップに追われたくない。単純な理由だ。

 

自分が『アイアンマン』になったのはエキスポの時

逃げ惑う人々を守るためスーツを装着し

そこで初めてヴィランと対決し、『マークⅤ』を損傷しながらも死闘の末これに勝利した。

 

そこからヒーロー活動を始めキャップやスパイダーマン、ソーなどのヒーローと出会い共に戦い絆を深めた。

 

メディアでは『黒いアイアンマン』とか『トニーの化身』とか言われているがいい気はしない。

 

*ブラックアイアンマンや色々な名称が出ているがここでは『アイアンマン』と統一する

 

この世界(ミッドチルダ)ではどんな名前で呼ばれるものか。

頭を複雑そうに考えながら黙々と食していた。

 

(親父今頃どうしてるかな・・・)

 

「ソファーもふもふだぁ~」

「くつろぎ過ぎ」

 

出したばかりのソファーに体一杯使って寝そべるスバルにポカっとツッコむティアナを見て

 

口に付いた食べかすを指で取り払い、手にカッターを持ち段ボールに付いたガムテープを切り始めた。

 

「ほらもう帰った帰った。仕事のジャマだ」

「え~少しだけいさせてください~」

「これ以上スタークさんの迷惑になるから行くわよ」

 

ぶーぶーと不満顔になるスバルにティアナは首根っこを掴み、ずるずると彼女を引きずってゆく。

 

「あ~ん、ソファーが欲しい~」

「失礼しました」

「キュクルー!」

 

彼女達は次の訓練のため持ち場へ戻り、部屋にはオレとロトだけになった。

 

・・・彼女達?

 

そういえばエリオはどこに行った?

 

既に持ち場へ戻って行ったのか、それともどこかに隠れているのか

辺りを見渡す中、ベランダの手摺にもたれ海を眺めるエリオがいた。

 

(あいつ何してるんだ?)

 

足音を立てずにそーとベランダに入り、同じように手摺にもたれ 

 

「どした?」

「す、すみません。カイリーさん」

 

オレが来たのを驚き、エリオは少し弱声になった。

 

「皆は?」

「次の訓練でなんとかかんとか。着いて行かなくても?」

「僕はいいです。出来れば少しいてもいいですか?」

「ノープロブレム」

 

そこから二人は沈黙した。

波の音とカモメが鳴く声だけが響く中

 

(あー言ったけどどうすればいい?ガキとは余り話した事がねぇ・・・)

 

エリオとどう接すればいいか分からないまま、答えを求める中

 

「悩みを聞いてくれますか?」

「お、おぉ聞いてやろう」

 

突然エリオの口から悩みという言葉を聞き、彼の相談を聞く事にした。

 

「有名人《ヒーロー》を父親に持つってどうなんですか・・・?」

「唐突だねぇ」

 

親父がオレを養子(息子)として引き入れた時、マスコミやパパラッチが大きく騒いだ。

 

ニュースやラジオでは話題のネタとして取り上げられ、四六時中カメラのフラッシュを浴び得ざるおえなかった。

 

親父はオレを別荘の中へ匿い、その姿をメディアに公表しなかった。

 

当時のオレはそんな事などお構いなしに毎日抜け出し、人目に付かないようにいろんな所へ遊んで行った。

 

家から出るたびにフラッシュが飛び交い、フードで顔を隠しても痛かったのを思い出す。

 

有名人の息子ってのはツラい物だ。

 

会話は数回でほとんど家を空け、顔を赤くしてベッドへ一直線。

久しぶりに苦い記憶を思い出し、どう返そうかと悩む。

 

「す、すみません。答えなくてもいいです!」

 

それを見たエリオは慌てるが、オレは動じず

 

「いや構わん、オレからも一つ」

「フェイト嬢から聞いたんだが君とキャロルは彼女に引き取られたと聞いたが」

「はい(キャロル・・・?)」

 

「なぜ君は彼女について行ったんだ?学校に行って普通に暮らすって方法があったはずだ」

 

オレは理解できなかった。初めて彼らにあった時「若すぎる」と感じた。

 

彼女達の年齢を聞いた時スバルは15歳、ティアナは16歳だがエリオとキャロは10歳という事に疑問を抱いた。

 

魔法という安全な力で、有能なら学歴や年齢を問わずに採用するシステムに心の底で怒りが沸いた。

 

ストリート・チルドレンや少年兵を思い浮かべ、大きく悩んだ。

 

彼ら(管理局)は少年兵を作る組織なのか。向こうの連中に伝えたら二年、いや数十年も近く物議を醸してしまうだろう。

 

「それは・・・フェイトさんに借りがあるんです」

「借り?」

 

まさか一生に残るような傷を負わせたのか、それとも何かの助けがあったのか。

 

「僕はある人のクローンなんです」

 

クローン

 

それは人類が夢見ていた夢の技術

ある人は驚異のテクノロジーだと。またある人は脅威の産物であると

この世界では既に達してしまったのか。

 

ついにSFがリアルに出てしまったのか

 

だがここで疑問が浮かぶ。

 

ここにいるエリオは『エリオ・モンディアル』なのか?別人なのか?

なぜ彼は創られたのか?なぜエリオは簡単に秘密を明かしたのか?

 

多くの疑問が頭に巡り困惑させた。

 

「・・・すまない。気が動転してしまった続けてくれ」

 

会話を中断しないよう頼み、心配そうな顔をしながらエリオは続けた。

 

「モンディアル家っていう大富豪の一家がいて、息子が病気で死んでしまったんです」

「悲しみに暮れた両親はそれを受けいる事が出来なくてある違法な技術を利用して創ったんです」

「まさかそれが・・・」

 

「僕なんです」

 

オレはどの感情を出せばいいか分からなかった。

この衝撃的事実にどう対応すればいいか判断出来なかった。

 

「両親は僕をクローンではなく息子として大切に愛してくれました。その時の僕は幸せだった」

「でもある日、匿名希望の通報があって管理局が僕を連行したんです」

「両親は裁判で必死に僕を取り戻そうと努力しました・・・でも」

 

「『そこにいるエリオ・モンディアルは本人ではない。違法な技術で創られたクローンだ』」

 

「たった一言の言葉で両親は僕を取り戻すのをあきらめ、僕は研究所送りにされました」

 

そこで彼は監禁され、実験と称した非人道的な虐待を受け体をボロボロにされてしまった。

 

彼は信じられなかった。自分は何者なのか

 

自分は『エリオ・モンディアル』ではなく『エリオ・モンディアル』の『二人目』なのか

必死に考えていくうちに出口のない迷宮に迷い込んでしまい人間不信に陥ってしまった。

 

周りを見る事が出来ず訳も分からず人を傷つけ、暗い所へ押し込まれ一人ぼっちになってしまった。

 

自分の人生は一生このままで終わってしまうのか

そう考えていた時があった。

 

「その絶望な状況でフェイトさんが保護してくれたんです」

 

今でも覚えている

 

魔力が制御出来ず、暴れまわった自分を

全身全霊をかけて優しく受け止めてくれたあの時のフェイトさんを

 

優しくかけてくれたあの時の言葉を今でも一生忘れられない。

 

 

そう思った時、頭にポンっと温かい感触を感じた。

 

 

視線を移すとそこには海を眺めながら頭を撫でているカイリーがいた。

 

オレは彼女(フェイト嬢)を誤解してたかもしれない

 

最初にあった時、ブロンド色の髪をした少し内気で損な役回りをさせられる女だと

思っていたが彼女は強くて子供思いで優しい女性だと認識を改めた。

子供思いな人だ。今まで彼女を見誤っていた事が恥ずかしい。

 

「あ、あのカイリーさん」

「いいから」

 

エリオの言葉を聞かず頭を撫で続けならも言葉を続けた。

 

「・・・サンキュー、エリオ。話してくれて」

「・・・ごめんなさい。こんな暗い話で」

「謝る必要がどこにある?世界中で『自分の過去は幸せ爛漫』ってヤツがいたらクソでもくれてやるぜ」

 

だから気にするな

 

と最後につけ加え右手を離し部屋の中へと戻った。

 

「そろそろ時間だろ?教官が鬼のような顔で待ってるかもしれないぞ?」

「え!?」

 

腕に巻いた腕時計状態のストラーダを見ると3時を既に回っていた。

 

エリオは焦った。

 

これはヤバい、早くいかなければ皆に迷惑をかけてしまうついでになのはさんに怒られてしまうと。

 

「あ、ありがとうございます!」

 

その場で頭を下げ衣服を整えすぐに向かおうとしたが

 

「エリオ」

 

突然呼び止められ振り向く

 

「君が出した質問だがこの場でシンプルで答えよう」

 

その場で足を止め、彼がこちらへ歩いてくる。

 

軽く深呼吸をし息を整え口を開いた。

 

「親父は酒好きな億万長者&プレイボーイで、鋼鉄のアーマーを着た有名人だけどな」

 

「オレは誇りに思ってる」

 

「なぜかって?」

 

「親父が一生退屈させない人生を魅せてくれるからさ!」

 

自信満々に言い切ったその言葉を聞いたエリオはクスリと小さく笑い

 

「ありがとうございます」

「こちらこそ」

 

お互いの右手を軽く当て、エリオはその場から走って行った。

 

一人になったこの空間でオレは彼女(メリル)に問いかけた

 

「アイツの人生に光を照らす『ヒーロー』になれるか?オレは」

 

ロトが作業の手をやめこちらをじっと見つめる中、メリルはあらゆるデータの演算と仮定を思考していた。

 

ピピッと電子音が鳴り、メリルの演算が終了した。

 

「結論__彼らのヒーロー(希望)になれる可能性は現時点では未知数です」

 

メリルの結論を聞き少し落胆した。ブラックな過去をブッ飛ばせる力はここにはないのか

 

そう結論付けようとした時

 

「しかし」

 

「今後の行動次第でヒーロー(希望)になれる確率は高いかと思われます」

 

「サポートAIとしてあなたの行動をサポートさせていただきます」

 

「カイリー様」

 

後に続く言葉を聞いて安心した。

 

「わざわざしょうもない演算をしてくれてサンキュー。メリル」

「お気になさらず」

 

最後に丁寧な言葉を残し、各所の調整のため口を閉じた。

 

 

・・・さてと予算から入手した高性能のサーバーの接続準備を急ぐか

 

エリオとの問答を心に仕舞いコードの順番と容量の度合を思い出しながら手を開きながら作業を再開した。

 

「ロトロト。そこのコードとドライバー一式が入った工具箱持ってきてくれ」

 

そう命令し大型サーバーが設置されたガラス部屋のドアに手を掛けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶりに良く寝たわ~」

 

 

かわいい欠伸を立てながらシャリオは足元に照らされたライトを頼りに廊下を歩いていた。

 

現在深夜で消灯されているため、足音を立てないようになるべく静かに歩いていた。

 

彼女はアイアンマンの原動力である『アーク・リアクター』を彼と開発し、長時間の格闘の末

 

開発に成功したと同時に三日間も寝込んでしまった。

 

彼女には新人達や隊長達のデバイスの開発や調整が残っているが

その全エネルギーを使ってまで集中したと実感していた。

 

(そういえばカイリーさんどうしているんだろう?マリエルさんとちゃんと仲良くしてるかな)

 

頭の上に棒線が生まれ、悩むごとにどんどんとこんがらがってゆくシャリオであった。

 

(でも考えるまでもないか。マリエルさんなら誰とだって意気投合するし)

 

あっさりと結論づけ、自室に戻りもう一眠りしようと考えた時

 

 

ピピッ!ピピッ!

 

突然電子音が二回も鳴り始めた。このシグナルは通信だ。

咄嗟に驚きながらも空間に人差し指を向け画面を開いた。

 

ナンバーを見てみると非通知番号で不明と表示されている。

不審に思いながらも彼女は通話ボタンを押し、その相手が誰なのかを待っていた。

 

こんな夜遅くに通信とは一体誰?

まだ寝たりないのに・・・・

そう思いながらも彼女は通信に出た。

 

「も、もしもし」

「あー、テステステス。聞こえるか?」

 

ボリュームのを下げるほどの音声が発生しシャリオは慌てて下げた。

 

「だ、誰ですか!」

「オレだシャリオ。カイリーだ」

「カイリーさんなに通信してるんですか!?もう深夜ですよ!」

「やっぱり成功したか。ヘルメットからの通信は」

「はぁ?ヘルメット?っていうかどこで通信してるんですか?」

「屋上」

「屋上!?」

「そうそう言い忘れた事があったわ。耳かっぽじて良く聞いてくれ」

 

「は、はい」

 

彼の言葉をよく聞くためボリュームを少し上げ、耳を澄ました。

 

「完成した」

 

「え」

 

「深夜限定の飛行テストだ、遅れるなよ。遅れたらアレだ」

 

最後に意味深い言葉を残し通信を切った。

 

『遅れたらアレ』

 

もし飛行テストに出なかったらナニカされてしまうのだろうと解釈したシャリオは頭を抱えた。

 

ベッドかテストか、好奇心かあきらめか

 

(メカテストと聞くと足が動かずにいられない・・・!でも早く寝ないと体が持たない・・・!)

 

体全体がかわいく震える中

右足を一歩出すか足を引くか決断できない。

 

時一刻を争う事態にシャリオは決めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

装着機のアームが稼動し、脚部アーマーの装着作業に入る。

 

フレームを覆いかぶさるようにアーマーが設置し、自動進行形態(オートモード)で装着した。

 

肘パーツの横にあるボルトに目がけてドライバーを当て、引き金を引く。

 

脚部と同じく自動進行に入り各部がスライドし、一つの『腕』となっていった。

シルバーとホワイトで構成されたボディが月に反射し、輝いていた。

 

それを眺めながらカイリーは思う。

 

初めての飛行テストで今までジャンプ程度の飛行しか出来なかったが『空を飛べる』事が彼の心を躍らせる。

 

だが今日の彼は深く物事を考えていた。彼の一つのクセだ。

 

エリオの話をきっかけに今後起きる出来事を考えていた。

 

『機動六課』というはやての夢に『アイアンマン(イレギュラー)』が混ざった

 

この世界に予測不可能な出来事が起こる事は避けられない。

どんな事があろうと決して立ち止まってはいけない。

人生に残る経験を彼女達に残していこう。

 

心の奥でそう固く誓った。

 

(悔いのない人生を彼女達に捧げてやろう・・・これじゃちょっと硬すぎるな)

 

もちろん不真面目な思考も忘れないでいた。これなしではいつもの自分ではないと思っていた時

 

「前線復帰おめでとう&仕事だ。シャリオ君」

「・・・これ以上何言っても無駄ですよね」

 

視線を移すとそこにはやれやれと残念そうに溜息を吐いていたシャリオがいた。

 

「今から飛行テストの最終チェックに入る。病み上がりだが出来るか?」

「了解了解。休み中にマリエルさんとうまくやってるかな~と思って」

 

軽口を叩きながらもシャリオはちらっと観察していた。

 

全身がシルバーと銀という重厚そうなイメージを持ち、至る所に注意書きが書かれていた。

 

ディテイールの存在がテスト機という目立たされている。

 

アレが『アイアンマン』

 

しかも自分がその現場に係わっている事に喜びを隠さずにいられない。

その証拠に彼女の顔は宝物を見つけたような笑顔だ。

 

「これより『マークⅡ』飛行テストの最終確認(ラストシークエンス)に入る」

「了解、転送(インポート)されたデータを履歴に表示します。Ms.フィニーノ」

 

「最終確認に入ります」

 

満天の星の下で夜風が吹く中、ヘルメットを装着しフェイスカバーが下りる。

 

様々な情報が更新され、モニターに出現する。

それを確認しながら各部のチェックに入った。

 

 

 

 

「操作プログラム確認。異常なし」

 

掌から発するリパルサーが起動しそれを握りしめる

 

「リパルサー・レイ、両腕とも稼動良好。異常なし」

 

背中に設置されたフラップが上下に動き元に

 

「背部フラップ可動。どちらも問題なし」

 

動力系統(アーク・リアクター)に異常は認められません」

 

「補助動力チェック。異常なし」

 

「全システムチェック完了」

 

「ヴァーチャルデータ測定完了。高度計と方位をそちらに表示します」

 

シャリオの言葉を聞き前方に高度計が、右上に方位が出現した。

 

両方とも確認を終え二人にサムズアップを示し合図を出した。

 

「了解」

 

彼は前方の上空に浮かんでいる月を眺めた。

どうせならあの月まで飛んでやろうかと考えたが、親父の二の舞になると理解し集中した。

 

その光景を二人はじっと見つめる中、テストが始まった。

 

「目に焼き付けろよ。カウント3」

 

シャリオは頷き、データ採取に入った。

 

両手を水平に構え

 

「2」

 

足をピッタリと隙間のないように閉じ

 

「1」

 

カウント終了と同時に脚部スラスターと腕部のリパルサーから光が発し、わずかながら徐々に上昇する。

 

シャリオはそれを記録しながらモニターをチェック、メリルはサーバーを経由しシステムのチェックに入る。

 

テンションが高ぶってゆき口が押えられずにはいられない。

 

アクチュエーター音が作動し、飛び立つ瞬間

 

「YEEEEEEEEEEEEEEEEEEAAAAAAAHHHHHHHHH!!」

 

思いっきり叫び、夜空へ飛び込んだ。

 

ジェット音がその場で爆音と化し、思わずシャリオは耳を塞ぐ

 

気が付けばそこには焼け焦げたコンクリだけが残り、満天の星が浮かぶ夜の空へと飛び立った。

 

 

 




スパイダーマン:ピーター・パーカー(Peter Parker)
デアデビル:マット・マードック(Matt Murdock)
Dr.ストレンジ:スティーブン・ストレンジ(Stephen Vincent Strange)
ハルク:ブルース・バナー(Bruce Banner)
などが挙げられる。

*ちなみにオレちゃんの本名はウェイド・ウィルソン(Wade Wilson)だけどデップーってイイよーん!

ん?オイオイオイオイ!感想ちゃんが息してネぇ!26でストップしてやがる!
誰かァ!感想でも批評でもイイ!コイツを生き返らしてくれェ!何でもするからァー!
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