GOD EATER ~Disturbed View ~   作:羅偽

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ちょっと時間開けすぎました。
申し訳ないです。


摘み取る庭師は羅偽の為

「グォォオォアォ!」

『セクメト』の悲鳴が空気を伝わり耳に届く。

救援の 菊 が到着して二分、彼は流れるように仕事をこなしていた。

『神機』は『局地化技術開発局』に所属する『ブラッド』が使う『クロガネ』タイプの神機。一部を水色で塗装してあり、《シエル・アランソン》の物と瓜二つであった。

彼の神機はセクメトの肉を少しずつではあるが

確実に削ぎ落としていき、最終的にこの『アラガミ』の命を奪い去るに至り、炎の化身は地に倒れた。

 

 

 

「くっそ…なんで、なんでだゾーアン!あんなに…元気だったじゃないか…!」

少年の神機使いは涙を流し、仲間の死を悔やんでいた。

結局、菊の迅速な討伐もむなしく、青年の『旧型神機使い』、ゾーアンは息を引き取っていたのである。

どんなに治癒能力の高いゴッドイーターも、死ぬ事はあり、また一人、人類の希望はその生涯の幕を閉じた。

いつもはクールな女性の神機使いも、その場に泣き崩れていた。

しかし、菊はいたって平坦に告げる。

「人が死んでんのはわかってるからさ、この書類にサインしてくれるかな?俺そうしないと帰れないんだよね。別に茶飯事なんだから何ともないでしょ。」

少年は菊に凄まじい勢いで近づき、胸ぐらを掴む。

「ふざけるな!こっちはずっと長くやってきた仲間がいなくなったんだぞ!アンタは初対面でも、俺達には家族同然なんだ!」

だが、少年の叫びは菊に嫌悪の念を抱かせる事しかできなかった。

「あー、はいはい。お熱くて格好よろしゅうございます。家族家族、すばらしーすばらしー。」

「テメェッ!」

少年が怒りのすべてをぶつけようとした時、甲高い音が聞こえた。

何かが擦れる音、ブレーキの音だ。

菊の後ろにバンが停車した。

アラガミの攻撃を凌ぐための『対アラガミ装甲』が沢山使われており、十人近くを安全に運べる。

バンのドアが開き、人が降りてくる。

女性だ。まだ少女とも呼べる彼女はブラッドの戦闘用の服、『特装服』を纏っていた。数種類ある中で彼女の纏う特装服は『バスターブレード』と呼ばれる大剣を使うブラッドの服で、腕の付け根の方の肩が露出している。

銀髪を後ろの上の方で纏め、月に咲く華のようになっていて、白い肌に整った顔は朱く少し鋭い眼でまとめあげられていて、彼女を妖艶に映した。

銀髪の神機使いは菊の方に歩きながら口を開く。

「早く乗れ、菊。他のメンバーも回収しなければいけない、一人だけに時間を割くわけにはいかない。」

低めの声である。女教官等にこの手の声の持ち主は多い。

「いやぁ、団長。それが、この通りで。」

菊はおどけて彼女に言う。

銀髪の少女は少女を見、次に泣き崩れている女性を見る。そして最後に、生の鼓動を打てないゾーアンを見た。

すると、

「菊お前は先にバンにいろ。話は私がつける。」

少女が言った。

「なっ!?…待てよ!俺はソイツに…」

はいはーい、と菊は言いながら車に向かって行く。

追いかけようとした少年を、塞き止めると彼女は言った。

「私は、ラギといいます。部隊長をやっているので部下の責任は私の責任です。何か不都合がございましたか?」

ラギは笑いもせず、怒りもせず、菊と同じように死に悲しむ二人を嫌うかのような冷たい表情で尋ねた。少年は怒鳴りたてて言う。

「おかしいだろ!重傷者がいるのに討伐だけして、死んでもそっちのけでサインをして仕事を終わらせたいだって!?何にも感じないのか!?」

すると、ラギは少し驚いたかと思うと、また平坦な表情に戻って、

「負傷者の対応が遅れたのは謝罪します。

これでも討伐系任務は一番の成績の菊を向かわせましたが、セクメトはこの地域ではあまり遭遇例が無いために菊を送ったヘリのパイロットも動揺していたのか、二十秒もの予定ポイントへの到着の遅れ。

みっともない限りです。

しかし、同情しろ。と言うのであればそれは出来ません。今回の件で菊の到着予定時より前にそちらの神機使いが負傷していたように聞こえました。この場合我々は手の打ちようがありません。それでもあなた方の気持ちが収まるとは思っていませんので、

今回の報酬はお受け取りいたしません。

そのお金で良いお墓をたてる足しにしてください。

ご利用ありがとうございました。」

そういうとラギはくるりとバンの方に向かって行く。少年が止める間もなく、ラギはバンに乗り、エンジン音と共にバンはどこかへ走っていった。

「な…くそっ!…」

少年は感じていた。ラギの声が少しだけ震えていたのを。もう、やめてくれ、わかってる、見せないでくれ。今にも泣きそうだ、と言わんばかりの彼女の眼を。

本当の気持ちを隠して嫌われ役を演じた二人に、少年は複雑な気持ちだった。

 

 

 

 

「っ!…んぐっ!!」

バンのドアを思い切りラギは殴った。

バンには今三人の神機使いがいる。

その全員が人一倍、死に敏感だった。

「悪ぃ…ラギ。」

菊は俯いたまま言った。

「やめろ菊…お前のせいじゃない。今回は想定外の事態が起きていた、あの地域のあの場所にセクメトは珍しい。」

二人が暗い気分でいると、

「おぅら二人とも、そんな顔じゃ咲に笑われちまうぜ!もっといつもみたいにしてろって!」

落ち着きが見てとれる顔、茶の髪、二人を励ましバンで運ぶのは部隊最年長、慶護(けいご)だ。

「あ、あぁ…すまんな。」

ラギが自身の頬をつねりながら言う。

『フェンリル本部直属緊急人員派遣部隊』、『画像荒い団』は次の団員回収に向かう…。




読むのも疲れるし書くのも疲れますよね
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