それではお付き合い下さい。第4話です。どうぞ!
クラインさんと別れ俺達3人は次の町となる【ホルンカの町】にいる。
ホルンカの町に向かう途中のモンスターは全て倒して来た事もあり、3人はレベル4まで上がった。
そして俺は片手剣の熟練度がついに両手剣のソードスキルを使う数値【100】まで上がったのである!
たしか熟練度の最大値は1000だったよな? 序盤の熟練度はスイスイ上がるらしいけど・・・これを1000まで上げるってのはものすごく苦労するんだろうな。現に100超えただけでもう上がりにくく感じたしな。
さて、この町に来たのは4層まで使えるというアニールブレードを手に入れるクエストを受けに来たからだ。
早速そのクエストを受けている訳だが・・無駄にクエストの説明が長い・・・。しかもSAOのNPCは全員フルボイスとなっており。従来のRPGみたいに会話をコマ送りできない・・。クエストの説明を全て聞かなければならないみたいだ・・。
キリトさん苦痛だろうな~。βテスト入れたら二回目のクエストだろうし。
なんて思っていたのだが・・・。
「リッキー、シリカ良かったな! 正式版ではアニールブレードの片手剣だけじゃなくて報酬を選択できるみたいだな! もちろん両手剣も短剣もある!」
え? ホント!? 両手剣手に入れられるの!?
というか・・キリトさんは最後までNPCの説明を聞いていたのか・・。俺は初めてなのにまったく聞いていなかったなんて言えない・・・。
「あ、そ、そうみたいですね!」
相槌でごまかそう・・
「私はアニールダガーかな~。りっくんはアニールクレイモアですね!」
「ついに俺も両手剣デビューできるぜ!楽しみだな~・・」
二人とも話をちゃんと聞いていたみたいだ・・。俺もうまく話しを合わせる事にしたけど・・ばれてないよね?
「それじゃあ早速クエストアイテムを取りにいこうか」
「え? どこに行くんですか?」
「りっくん・・・? クエストの説明ちゃんと聞いてた?」
あ・・せっかく誤魔化してたのにもうボロがでちゃった・・・。
キリトさんがあきれ顔で説明してくれた。
クエスト内容は、ここから徒歩で10分程離れた森にいる【リトルペネント】という植物型モンスターの、さらにレアポップでしか出現しない≪花つき≫タイプを倒した時の確定ドロップである≪胚珠≫を手に入れることだ。そしてその胚珠をクエスト発注者にトレードで完了となる。
一見、簡単なクエストに感じるが、このリトルペネントは少々厄介なモンスターらしい。
一般のリトルペネントは頭が芽であり、花つきは名前の通り頭が花。そして、この2種類とは別の、頭が実の形をした≪実付き≫の3種類いるとの事。
厄介なのはこの実付きで、何かの拍子で頭の実が割れると、森中のリトルペネントが集まってしまい、周辺がモンスターハウスとも言える状態になる。
キリトさんもβ時代にこの仕組みを知らないプレイヤーがモンスターの群れに飲まれてポリゴン化し爆散した姿を何度も見たとの事だ。
そして今はゲームの死=現実の死である・・。つまり現段階では最高級のクエスト報酬ではあるが、それ相応のリスクを背負ったクエストである。
自分たちがこのゲームを攻略するには死のリスクを避けることは出来ない。俺はキリトさんの説明を真剣に受け止めた。そしてクエストNPCにも心の中で「話し聞きいてなくてごめんちょ!」と謝っておいた。
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実際にリトルペネントのいる森に来てみたのだが、その森に行くまでは安全な道となっており、モンスターとは遭遇しなかった。もしリトルペネントで瀕死のダメージを受けても帰り道は安全だ。
そして肝心のリトルペネントだが・・
当たり一面にポップしてはいるものの1体1体、それぞれのリトルペネントとは距離が空いており、普通に戦えば、リトルペネント同士でリンクすることはなさそうだった。
1層の最高級の報酬が用意されているとはいえ、まだここはアインクラッドの1層、そこまでの危険度ではないようだ。
かといって油断はしないぜ! 間違って実付きを攻撃した日には生きて帰れる保証はないからな!
そんな事を考えていると目の前に急にポリゴンが生成され、それが集まったかと思うと・・
なんと花つきがポップした!
これはついてますぜ! 今日の占い第1位はおれの星座(うお座)に違いないな!
「キリトさん! これって花つきですよね!!?」
珪子がキリトさんに訊ねる
「ああ、いきなりポップするとはついてる! 早速倒そうか!」
すぐにキリトさんはモンスターの特徴を説明してくれた。
「こいつらの攻撃は至って単純、溶解液みたいなのを飛ばすか、ツタで殴る。この2パターンだけだ。溶解液を飛ばした後は隙だらけになるから、そこでソードスキルをぶち込んでやれば簡単に勝てる!」
「花つきのポップ位置からして、こいつを釣れば他のリトルペネントが2体リンクすると思う。俺が花つきと戦うから、リッキーとシリカで一体ずつ相手してくれ!」
「おっけ~っす!」
「分かりました!」
キリトさんが花つきに石をぶつけると、やはり、他の二体もリンクして襲いかかってきた、おれとシリカでそれぞれのリトルペネントに石をぶつけタゲをもらい受ける。
リトルペネントは俺の前まで来るとキリトさんのアドバイス通り、溶解液を吐いて来た。俺はすかさず裏に回り込み、覚えたての片手剣ソードスキル【スラント】でツタを切り付けた。
この一撃だけでリトルペネントの体力は50%を下回っている。ソードスキルの硬直が解けても、リトルペネントは溶解液を吐いた硬直が長いのかまだ動けずにいる。
もう一発スラントをお見舞いしてやり、リトルペネントはポリゴンと化し爆散した。
「よっし!!」
動きさえ分かってれば楽に倒せるな~。さすがキリトさんのアドバイスだぜ!
経験値とColを確認後、他の二人の応援に行こうと思って周りを見渡してみたが・・・
あれ? もう二人ともモンスター倒し終わってる? しかも俺よりも前に倒し終わったのか、キリトさんと珪子は雑談しているではないか・・。おれも速攻で倒したと思うんだけど? どうなってるの?
キリトさんはともかく珪子まで倒しているのは納得いかない・・。
疑問を二人にぶつけてみよう。
「あれ・・俺もうまくモンスター倒したと思ったんだけど、二人はもっと早かったんですね?」
「ああ、モンスターにはそれぞれ弱点部位が存在して、リトルペネントなら見た目からして分かると思うけど頭が弱点なんだよ。そこにソードスキルをうまくあてれば一撃ってわけ」
キリトさんが説明してくれた。
だが・・・。
「キリトさんはともかくシリカまで弱点見破ったのか?」
「え? だってりっくん、この子達いかにも頭が弱点な感じじゃない? それぞれ3種類とも形が違うし、その罠として実付きは頭を殴っちゃいけないように仕組まれてると思うし」
・・・・・珪子って実は観察眼すごいんだね・・・。おれ・・珪子と守り合うどころか、おれが足手まとい? 珪子に俺が守られちゃうの?
「まあ普通は分かるよね」
キリトさんこれ以上俺を追い込まないで・・・。俺の心のHPはもう赤ゲージよ・・・。
いじいじしてる俺に突然キリトさんからトレード申請のウィンドウが開かれる。
疑問に思いながらトレード画面を開くと、そこには・・・・・!
花付きを倒して手に入れた【胚珠】がキリトさんのトレード欄に映っている。
おれが驚いてキリトさんの顔を見ると
「リッキーがまだ戦闘中の時、シリカと話して決めたんだけど、最初の一個目の胚珠はリッキーにあげようって事になったんだ」
さらに驚いて珪子の顔を見る。
「だってりっくん早く両手剣使いたいでしょ? この森に来るまでだって片手剣なのに両手剣ソードスキルの素振りりしてるんだもん。キリトさんと二人でそれ見て笑ってたんですよ!」
「ここから町まではモンスターに襲われる心配もないし、早速アニールクレイモアをもらってくるといいよ。俺達は花付きのポップを待ちつつ、通常のリトルペネントでも狩ってるさ」
キリトさん・・珪子・・・おれは今猛烈に感動している・・・。
「分かりました! お言葉に甘えてぱぱっと交換してきます!」
キリトさんのトレード申請に俺はスケルトンの骨をトレード品として選び、トレード申請を受託した。俺のアイテムストレージに胚珠がある事を確認すると、俺は笑顔になる。
キリトさんはというと・・俺がトレードしたスケルトンの骨をオブジェクト化し、なんとそれを俺に投げつけてきた・・・。ひどいっ!! あんまりだ!
そんなやり取りを見て、シリカは笑いながら言う
「りっくん! 交換後はしっかり働いてもらうからね!」
「おう! まかせとけ!! それじゃあ行ってくる!」グッ
俺は親指を立てながら少しでも早くここに戻って来れるよう走って町を目指した。
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いつまでも親指を立てながら走っていくりっくんを見送り、私とキリトさんは経験値目的にリトルペネントを狩りつつ、花付きのポップを待つことになった。
それにしてもキリトさんは頼もしい。もちろんβテスターであることが一つの理由でもあるのだが、それを惜しみなく人に教える優しさ。
胚珠を一番にりっくんに渡そうっていってくれたのもキリトさんだった。この優しさに惹かれるものがある。
キリトさんは何歳なんだろう? 私より年上は間違いないんだろうけど、りっくんよりも上なのかな?キリトさんの年齢は聞いてないけど、りっくんは自分よりも年上と決めつけてずっと敬語で話してるしな~。
思い切って聞いてみようかな?
そんな事を考えていたんだけど・・・
突然脚に衝撃が走り転んでしまった。
「きゃあ!?」
リトルペネントとの戦闘中にも関わらず、こんな事を考えていた私は、油断してリトルペネントのツタ攻撃を喰らってしまったのだった。
「大丈夫か? リトルペネントの攻撃は単調とはいえ、一撃は重いから気を付けような」
他のリトルペネントを倒し終えたキリトさんが、さらに私を転ばしたリトルペネントを倒し、転んでる私の所にきてくれた。
そして・・・次のキリトさんの行動に驚いてしまった。
ツタにより、すりむいたようなエフェクトになっている私の太ももをキリトさんが薬草を塗り付けてくれたのだ・・。
これは予想もしていなかっただけに・・顔が熱くなるのが自分でも分かった。SAOではエモーションが大げさにできており、ちょっとした心の変化が顔や表情に思いっきりでてしまう・・・。
つまり私の顔は今真っ赤になっている・・・。
「リトルペネントのツタに付いてるトゲは毒があり、数発くらうとバッドステータスの毒を発症してしまうことがある。この低レベルで毒のステータスは馬鹿にできなくて、HP全快でも半分は減らないと毒が消えない。この薬草は毒になる前に患部に塗り付ける事で身体に蓄積した毒素を0にしてくれるものなんだ」
私はうなずくだけだ・・。恥ずかしくてキリトさんの顔を見れない・・。
「ようは毒になる前の予防薬だ。完全に毒が発症してからだと解毒結晶じゃないと治せない。あれはまだ手に入らないからな。この解毒草は100Colで買えるから余裕あればシリカも買っておくといいよ」
この世界はすごい・・。キリトさんの手の感触と太ももを触られるくすぐったさが再現されている・・。
そのせいでキリトさんの大事なアドバイスは私の頭に入って来ない。
「キリトさんは優しいですよね。面倒見もすごくいいです」
そのせいか今の薬草の会話と関係のない事を私は口にしていた。
「俺が優しい? 今までそんな事言われたことないような人間だよ俺は。でも、君たち二人に優しくしてしまうのは・・今気付いたけど、理由がある」
「理由ですか・・? それを聞いてもいいでしょうか?」
「笑わないって約束してくれるなら話すよ」
「絶対笑いません!」
キリトさんが話してくれる理由を笑うはずがない。
「それじゃあ話すけど、君たち二人、特にシリカは俺の妹に似ているから・・だと思う」
余りにも予想外だったその理由を聞いた私は
「ぷっ。あははははははははは」
吹き出して笑っていた。
あ・・・キリトさん俯いちゃったよ・・・。笑わないって約束したけど・・流石にこの理由は笑っちゃいました。ごめんなさいキリトさん。
「約束したのに笑っちゃってごめんなさい。あまりにも意外な理由だったんで。良ければキリトさんの妹さんの話を聞かせてもらえますか?」
キリトさんは妹の事を話してくれた。
実際は妹ではなく従妹であり、そしてその子は従妹である事を知らないという事。
その事実を知ったキリトさんは、妹さんと距離を置いてしまった事。
祖父が厳しい人で、兄妹で剣道を習わされていたが、キリトさんは2年で剣道を辞めてしまった時、キリトさんは祖父に殴られた。妹さんは剣道二人分頑張るからキリトさんを殴らないでと、祖父からキリトさんをかばった事。
その結果、妹は剣道で全国でも上位の成績を残している事。
そして剣道を今でも続けている妹さんが、本当は違う事をやりたいのにそれが出来ない事でキリトさんを恨んでるんじゃないか?と、キリトさんが気にしている事だった。
私には弟のような兄のようなりっくんはいるけど、本当の兄弟がいないからキリトさんの気持ちは完全には分からない。
でもこれだけは言える。
「キリトさん! 妹さんはキリトさんを恨んでなんかいませんよ。だって好きでもないのに上位の成績を残せるほど剣道に打ち込める訳ないですよ! 本当に剣道が好きなんですよ!」
それよりも、こんな優しくて面倒見のいい兄を妹さんが恨んでいるはずがないよ。
流石にこれはキリトさんの前では恥ずかしくて言えないけどね。
「・・・まさかシリカに慰められるなんてな。あはは。でも、シリカの言う通りだといいな。もし現実に戻れたら今までの妹との仲を解消してみせるよ」
その言葉を聞いて私は嬉しくなった。
「よ~~し! 休みましたし、傷も完治です! レベル上げの続きをしましょう!」
「そうだな、そうしようか」
狩りを再開しようと降ろした腰を持ち上げる。
するとプレイヤーが一人近づいてくるのが分かった。
りっくん? にしては早すぎるよね・・。往復20分はかかるはず。クエスト報告も入れれば30分は戻って来ないはずだけど・・
時間を確認してもりっくんが出発してからまだ10分程だった。
キリトさんもプレイヤーが来ることに気付いているみたいで、少し強張った顔をしている。
やがてプレイヤーが私達の近くまでくると
「あ、あの・・君たちもアニールブレードのクエストをしているんですよね? もし良ければ僕も混ぜてもらえませんか? あ、もちろん胚珠は僕が3番目でいいですよ」
良かった。ちょっと緊張しちゃったけど、悪い人じゃなさそうだ。
私はキリトさんの顔を見て、キリトさんがこの人に返事するのを待った。
「ああ。いいよ。一緒にやろう。おれはキリト。よろしくな」
「私はシリカって言います。よろしくお願いします!」
「あ、僕の名前はコペルです。短い間だけどよろしくお願いします」
コペルさんもこのクエストを知っているあたり、やはりβテスターであった。基本的な動きが素人の私と違うのが分かる。それでもキリトさんと比べると・・・なんていえばいいんだろう・・。動きそのものが違うといった感じかな?
それぞれ単独で、3人は離れ離れでリトルペネントを狩っているんだけど、私が2体倒す間にコペルさんは2~3体、キリトさんは4体も倒している。やはりキリトさんはβテスターの中でもさらにトップレベルなんだろうな~と実感した。
しばらくリトルペネントをそれぞれ3人で狩っていると、通常のポップとは少し違う、ちょっと大きめな光と共にポリゴンが集まったと思うと、キリトさんの近くで花つきがポップした。
しかもちょうど花付きのポップした付近のリトルペネントは一掃してある為、リンクの心配もせずに戦える。
すぐに戦わないキリトさんを不思議に思い見ていると、キリトさんは遠くに離れたコペルさんを見ている。
キリトさんが何か呟いたのが分かった。
「・・・・いや、ダメだろう・・それは・・・」
その瞬間ものすごい破裂音が聞こえた。音はコペルさんの方からだろうか・・?
びっくりして音の方向を見ると、信じられない光景を目にした。
コペルさんが実付きに攻撃し、実が破裂していた・・・。あの破裂音はコペルさんが実付きの実を破裂させた音だった・・・。
どうして? なぜ? この言葉しか思いつかない。
βテスターなら実付きがどれだけ危険か分かっているはずなのに。
何を目的で実付きを攻撃したんだろう・・・。
この3人なら大群のリトルペネントを倒せる自信があって、経験値目的でリトルペネントを集めるのかな・・?
でもすぐに経験値目的ではない事がわかった。理由は明解。集まってくるリトルペネントの数が多すぎる。こんなの全部倒せるはずがない。ざっと見ても30体以上が集まり始めてる。
もしかして・・この世界に絶望したコペルさんが、私たちも巻き込んで自殺でもしようと思ったの? イヤな考えが浮かんで来た。
でも現実はもっと最悪だった・・。コペルさんは大量のリトルペネントから逃げたと思うと、突然コペルさんの姿が消えた。
これは隠蔽スキル? まさか・・まさか・・モンスターを集めるだけ集めて自分は隠蔽スキルで隠れ、モンスターをこちらに仕向けるつもりだったの? 最初からこれが目的で一緒にやろうと言ってきたの?
信じられなかった。デスゲームが始まり、誰もが協力してクリアを目指すものだと思っていた・・。
キリトさんは今の状況をどう思っているんだろう。流石のキリトさんでもこの数を相手は無理だよね・・。
何も出来ずにいる私は、離れているキリトさんの方を見た。
「シリカ。俺が言うまで一歩も動くなよ。絶対だぞ!」
真剣な表情だ。諦めた顔じゃないのが分かる。
キリトさんには何か策があるのだろうか?
「わ・・分かりました・・」
自分の声が震えているのが分かる。
集まっていたリトルペネントの軍団が急に進行方向を変えた。向かってる場所は・・行き止まりの細道?なんであんな場所に向かうんだろう?
その疑問は悲鳴と共に理解した。
「うわぁぁぁぁぁ! なんで? なんでだよ~~~!!!?」
コペルさんの悲鳴が聞こえた・・・細道の先で隠蔽スキルを使って隠れていたみたいだ・・。
「隠蔽スキルのハイディングは姿は見えなくなるが、完全にモンスターから振り切れるようになるにはレベルが足りない。さらにリトルペネントの様な視覚感知ではなく聴覚感知のモンスターじゃまず逃れられない」
「でもシリカ! いくらコペルにほとんどのモンスターが向かっているとはいえ、こっちにも漏れたリトルペネントが来る!俺達はそれを迎え撃つぞ」
「分かりました・・・」
私は自分が助かる事に安堵した・・・。でも、このままだとコペルさんは・・・。
コペルさんの事が気になる・・。
だけど・・今は向かってくるであろうリトルペネントに集中しなければならない。この場を離れたら漏れたモンスターが全てキリトさんに向かってしまう。
キリトさんの言う通り、すぐに8体程リトルペネントがこちらに向かってきた。
そして都合よくキリトさんに4体、私に4体と別れてくれた。
「よしやるぞ!! シリカ!」
「はい!」
一秒でも早く倒さなきゃ・・そうしないと・・・そうしないと・・・
「やぁぁぁぁぁぁ!」
私は掛け声と共に短剣ソードスキル【ラウンド・アクセル】を発動した。
一定の範囲に二回、回転攻撃をする、短剣ソードスキルの中でも珍しい範囲技だ。
「な・・シリカ! そのウエポンスキルは危険だぞ!!」
キリトさんが叫ぶけど、それは百も承知。
ラウンド・アクセルは使用後の硬直が長い。もし一撃で全部のリトルペネントを倒せなかった場合、私は致命傷を負うかもしれない。それでも・・すぐにこの4体を倒して・・・できればコペルさんを助けに行きたい。いくら私たちを殺そうとした人でも・・・助けられるかもしれない命を見捨ててしまえば、それは私が殺したのも同然だからだ。
私は全神経を集中し、4体のリトルペネントがラウンド・アクセルの範囲に入った事を確認し、短剣を振ると共に自分自身も回転する。
このソードスキルを4体の頭に全て当てれば倒せるはず!
一回転目はすべてリトルペネントの弱点の頭に当てる事ができた。4体ともHPは半分を切っている。
いける!もう一回転もすべて弱点にあてれば全員倒せる!
私は二度目の回転にすべてをかける!
今までにないくらい自分が集中しているのが分かる。
私がイメージした通りの軌道を二回転目も描く事ができた。
4体全員の頭に再度当てる事を確認できた。
よかった!これで4体倒したはず・・・・・なのに
4体とも赤ゲージの状態で体力を一割残していた・・・。
どうして? 確かに弱点にあてたはずなのに・・・。もしかしてラウンド・アクセルは二回転目は威力が落ちるの?範囲技だしそれくらいのデメリットはあるのかもしれない・・。覚えたばかりの技だったから威力の確認までしていなかった・・・。完全に私のミスだ・・・。
そして硬直時間が始まる。私は全く動けない。きっとあと3秒は動けないだろう・・・。この場での3秒は致命的すぎる・・。この無防備とも言える状態で、4体全員にまともに攻撃されれば致命傷は免れない・・。キリトさんも戦闘中・・助けに来れるはずがない・・。
リトルペネント4体が、ソードスキルで斬られた怒りをぶつけるようにツタを振り回してくる・・。
ダメだ・・。
目をつぶってしまう。
(りっくん・・・りっくん・・・助けて・・・)
私は心の中であの人を呼んでいた。
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どれくらい時間が経ったのだろう? 硬直も解け、普通に動ける。なのにリトルペネントに攻撃された様子はなかった。
目の前にいるであろう、リトルペネントを恐る恐る目を開けて見てみると・・・。
なぜか・・・4体共ポリゴンと化し散るところだった。
何が起きたのか全く分からない。
固まってる私に聞きなれた声が聞こえてきた。
「呼んだ~?」(満面の笑み)
こんな時でもいつものノリ・・。でもすっごく安心する声だ・・。
「・・・呼んだ・・よ・・・りっくん・・」
私の目からは一筋の粒が流れ落ちていた。
今回はキリトとシリカで若干いちゃつくシーンがありましたが、これからシリカにはキリトへ対する気持ちが恋なのか、それとも凌空に対する気持ちが恋なのか悩んでもらう事になります。
原作を持っていない為、コペルの話は他の方の作品を参考にさせてもらっています。
また、両手剣ソードスキルを使うには、片手剣熟練度が100必要は独自設定です。
他にもリトルペネントの攻撃方法や、ツタに毒があるなども独自設定です。
原作と違うことは全て独自設定だと思ってもらえるとありがたいです! でも、余りにも原作と違う事や、ここは原作通りのがいいよ! というよう事がありましたら、どんどん指摘して下さい。
4話もお読み頂いてありがとうございました!