ソードアート・オンライン 二人の思い   作:Hiroking

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今回は割と早く書きあげられました。

第7話です!どうぞ!


攻略会議

迷宮区の攻略が始まってから2週間、つまりデスゲームが始まり1ヶ月が経った。

その間にプレイヤーが1500人死んだ・・・。

しかし、まだ1層すら突破できていない・・。このペースで攻略すると・・・100ヶ月以上、つまり8年以上かかる事になる。

 

それでも俺達は諦めていない。他にも同じ気持ちのプレイヤーがいたおかげもあり、ついに迷宮区の最奥、ボスフロアを発見する事ができた。

 

明日・・フロアボスに挑む予定だ。

 

そして今日はフロアボス突破の為の攻略会議が行われる事になっている。

 

俺達4人はというと、あれからずっとパーティを組んでいる。今は攻略会議が行われる町の広場に向かっているところだ。

 

 

「ついに・・明日はフロアボスですね。今から緊張します・・」

 

「一層のボスはルインコボルト・トルーパーの延長だと思ってもらえればいいよ。もちろんボスコボルト自身の大きさも使う武器も違うから、絶対に油断しないようにな」

 

「β時代もボス戦の前に攻略会議とかあったんですか?」

 

「フロアボス討伐の募集があって、それに参加するだけだったな。会議って事はやらなかった。あとは倒せるまで何度でもリトライってのが主流だったよ」

 

「それ・・今は絶対に出来ない方法よね・・」

 

 

 

そんな会話をしつつ広場に着いたのだが、思ったよりは参加している人数が多い。

数えてみると上限の48人には届かないが、46人参加している。死がかかったデスゲームで、よくこの人数が集まったもんだ。

 

会議の時間になると一人の青年が声を張り上げた。

 

「みんな~! 今日は俺の呼びかけに応じてくれてありがとう! 俺はディアベル、職業は気持ち的にナイトやってます!!」

この挨拶に場が盛り上がる。

「ジョブシステムなんてないだろー!」

「あははははは!」

プレイヤー達によるツッコミが入り、さらに笑いが起きる。

 

ディアベルさんの見た目は長髪の青毛、こんな髪型は現実に戻された顔じゃ普通は似合わない。だがディアベルさんは現実の顔に戻されてもイケメンだ。さらにこの爽やかさで髪型に全く違和感を感じさせない。

 

 

広場の笑いがおさまりはじめると、ディアベルさんは真剣な顔になる。

ディアベル主催による攻略会議が始まった。

 

ディアベルさんのカリスマ性とでも言えばいいだろうか? 俺達4人、いや、広場中の皆がディアベルさんの話を真剣に聞いている。

長い話が嫌いな俺でも真面目に聞いているくらいだからな!

 

だが、今のところディアベルさんの話はフロアボスの攻略というよりも、フロアボスへの意気込みだ。

 

「俺達はフロアボスを倒し、第2層に到達して・・このデスゲームもいつかはクリア出来るって事を、はじまりの町で待っている皆に伝えなくちゃならない! そうだろみんな!?」

 

ディアベルさんの問いに俺達を含む広場のみんなは拍手で答える。

 

 

「それじゃあこれから攻略会議を始めたいと思う」

あ、やっぱさっきまでのは意気込みだったんですね・・。

 

「まずは6人のパーティを作ってくれ。パーティとパーティを束ねた、レイドパーティを作るんだ!」

このディアベルさんの言葉に俺達4人は顔を見合わせる。

 

「えっと、とりあえず4人は確定でいいですよね?」

俺が尋ねるとすぐに3人から返事が来る。

 

「「「「もちろん(です)」」」

 

3人のハモリ声が聞こえ安心する。しかしあと二人をどうしようか・・・

俺達は周りを見渡してみるのだが・・・元々6人パーティを組んでいる仲間同士が多いのか、あぶれている人はいないようだった・・。

 

「ここにいる人数は46人だ。4人パーティが一つはできるから俺達は4人パーティにしよう」

キリトさんはディアベルさんに確認するかのように声に出す。ディアベルさんもまたその言葉を聞いて頷いてくれた。

 

 

ディアベルさんはパーティ編成が終わったのを確認すると、攻略会議の続きを始めた。いや・・正式には始めようとしたのだが・・・。

突然、怒鳴り声が割り込んできた。

 

「ちょっ待ってんか!!」

関西弁の大声と共に広場の階段を飛び降り、ディアベルの横に並ぶ。

 

派手な登場だが・・・残念ながらそういうのが似合うようなカッコイイ顔はしていなかった。

見た目は・・・とりあえず背の低いおっさん・・・。そして髪型が特徴的すぎる。イガグリの様な・・・サボテンの様な髪型をしている。何を思ってこんな髪型にしているんだろうか・・・?

 

「ワイはキバオウってもんや、ボスと戦う前に言わせてもらいたい事がある!!」

名前も髪型と同じでいいセンスしている・・。

しかし何を言いたいんだろうか? そんな髪型にしてる理由でも話してくれるのか?

 

「こん中に、今まで死んでいった1500人に、詫びいれなアカン奴がおるはずや!!」

そう言いながらキバオウは広場のみんなを指さす。

なんだ? 何が言いたいんだこの人は・・? 誰か騙されて死んだりでもしたのだろうか・・? そんなこと考えたくもないが・・。

広場のプレイヤーからも「誰の事をいってるんだ?」という声が聞こえてくる。

 

「決まっとるやないか!! βテスターの事や! β上がりどもはこのデスゲームが始まったその日に、ビギナーを見捨てて消えおった! 奴らはみんなうまい狩場やら、ぼろいクエストを独り占めして、自分らだけ強うなってったんや」

「その後もず~っとビギナーの事なんか知らんぷりや! こん中にもいるはずやで! そいつらに土下座さして、貯めこんどった金やアイテムを吐き出してもらわな、パーティメンバーとして命を預けられんし、預かれん!!」

 

・・・・・・・何を言っているんだこいつは・・? 俺はβテスターじゃないが、そんなこと微塵にも思った事がないぞ。それにキリトさんみたいに俺達ビギナーを育ててくれた人もいる!

 

俺は感謝の対象のキリトさんを見てみる。が・・・キリトさんは顔を歪めている・・。このサボテン野郎の言葉を気にしているのか・・?

そうか・・・クラインさんとその仲間達の事を置いてきてしまった事を気にしているのか・・? それだったら引き止めなかった俺も一緒じゃないか・・・。キリトさんが気にする事ではない!

 

 

大体こいつの言っている事は無茶苦茶だ。仮にテスターが正直に告白してアイテムやコルを差し出したとしよう。その後テスターの人はどうやってフロアボスと戦う? 差し出したアイテムはどうやって分配する? テスターと一般プレイヤーの深まった溝をどうやって埋める? そんな事このサボテン頭は何にも考えていないんだ。

どうせこういう奴は自分がテスターなら、独占するような真似をするに決まっている。こんな奴に・・こんな奴に・・キリトさんが気に病む必要なんてないですよ!!

 

 

「ちょっと待ってくださいキバテンさん!!」

俺はこのサボテンを許せない。どうしても反論したい。キリトさんが謝罪するくらいなら俺が・・・

その気持ちをぶつけるかのように声を張り上げ立ち上がった。

 

「誰がキバテンや!! キバオウや!」

やばっ・・サボテンの事ばかり考えてたら名前間違えた・・・。まぁいいや。

 

「すみません・・イガオウさん」

 

「だからキバオウや!!いい加減にせぇよ!」

あれ・・?今度はイガグリと混じった・・?

 

「すみませんキバオウさん。ただキバオウさんの言っている事に、どうしても納得できません。俺はβテスターに助けてもらったおかげで今の俺があり、ここに居ることが出来てます。そんな助けてくれたβプレイヤーからも土下座とアイテムを要求するんですか?」

 

キバオウは少し躊躇する。が・・

「も、もちろんや! れ、連帯責任や・・!」

こいつ・・引くに引けなくなってるだけだろ・・。勢い弱くなってるし。

そもそもこんな連帯責任ありえないだろ・・。

 

「そうですか・・僕はβテスターに助けてもらったのに、その人を土下座なんかさせたくありません。変わりに僕が土下座もしますし、アイテムも渡します。それでこの場は許してください」

 

キリトさんをこんな糞野郎に謝らせる訳にはいかない。

俺は土下座をしようと膝を地面につける。

頭を地面に降ろそうとした時、一人の大男に止められた。

 

「あんた男だな。仲間の事を思ってやった事だろ? 格好良かったよ。だがここから先は大人にまかせておけ。あんたが頭を下げる必要はないぞ」

俺を止めてくれた大男は日本人ではなさそうだ・・。190cmはあろうかと思われる身長、浅黒い肌、そして髪型はスキンヘッド・・。かなりの迫力を持つ男だった。

 

大男はキバオウの目の前まで歩いていく。

 

「俺の名前はエギルだ。キバオウさん、あんたの言いたいことはつまり、元βテスターがビギナーの面倒を見なかったからたくさんのプレイヤーが死んだ。その責任を取って謝罪しろ。そういう事だな?」

 

「そ・・そ、そうや!」

エギルさんの声と顔の迫力に押されたのか、キバオウはたじたじになっている。

 

「このガイドブック、あんたももらっただろ?」

あの小さな本は・・たしか道具屋で無料配布してたものだったな。

 

「も、もろうたで、それが何や!?」

 

「配布していたのは元βテスター達だ。いいか! 情報は誰にでも手に入れられたんだ」

「さらに、はじまりの町では、初心者講座を開いていたβテスターもいた、その講座では如何に死なないかを重点においた教えだった。まさかそのプレイヤーの事を知らないわけがないよな? デスゲームが開幕して二日目の夜からずっと講座を開いているからな」

 

それを聞いた広場のプレイヤーから声が聞こえてくる。

「ああ、あのコペルって人が開いてた講座か、あのおかげでここまで来れたようなもんだよ」

「ピンチを切り抜けられたのは、あの講座のおかげだったな。本当に助かったよ」

「あの人は丁寧に教えてくれたよな~。お金も取らなかったし、感謝してるよ」

周りからは様々な感謝の言葉が聞こえてくる。

 

コペル・・本当に初心者に教えていたんだな・・。

珪子が救った命が、さらに多くの命を救ってくれたのかもしれないな。1500人の犠牲は多いが・・コペルがいなければもっと死んでいた可能性だってあるんだ・・・。

 

 

「つまりだな、βテスター達は情報と生き残る為の知識を公開していた」

「言い方は悪くなるが、死んだプレイヤーの大半は、そうした情報も集めず、自分の力量を誤り死んでいったと俺は考える。βテスターに感謝はすれど、恨む事は筋違いってものだ」

 

エギルさんの言葉に広場のみんなも賛同したようだ。βテスターの事を責める様な人は誰もいない。

 

キバオウもバツを悪くしたのか。舌打ちして元の位置に戻っていった。またエギルさんもキバオウがこれ以上反論しない事を確認すると元の位置に座った。

 

俺も元の位置に座り、エギルさんの方を見るとニカッっと笑ってくれた。俺は頭を下げてお礼をする。

見た目はおっかないけどエギルさんはすごくいい人だな・・。俺もあんな大人になりたいもんだ。

 

 

広場が落ち着きを取り戻すと

「よし、それじゃあ再開をする。」

ディアベルの言葉によって攻略会議が再開される。

その後の会議は順調に進んだ。

 

 

ディアベルの話の内容をまとめると・・

 

例のガイドブックの最新版が配布され、それにボス情報が掲載されボス情報が分かったらしい。

 

フロアボスの名前は【イルファング・ザ・コボルドロード】

今までのモンスターと違いHPゲージが4本あるらしい。武器は斧とバックラーなのだが、HPゲージが残り1本のさらに2割、つまり赤ゲージになるまでHPを減らすと斧から曲刀に変え、使ってくるソードスキルも変わる。

攻略会議に参加する前から聞いていたキリトさんと同じ情報だ。

 

またボスの取り巻きとして【ルインコボルド・センチネル】が3体おり、ボスのHPゲージが1本減るたびにさらに1体追加される。

 

その為、ボスを倒すパーティ以外に、取り巻きを相手にするパーティが必要だ。

取り巻きは大して強くないとの事で、人数の少ない俺達4人のパーティが取り巻き相手に抜擢された。

抜擢と言えば聞こえはいいが・・。余り者PTは取り巻きを相手にしろって感じだろうな・・。

 

いや、悪い方向に考えすぎか・・? 俺達4人は広場のプレイヤーと比べると若い・・。向こうからしたら子供に見えるだろう。そんな子供をボス相手に戦わせるには危険って判断してくれた気遣いかもしれない。

そう思うようにしよう。余り者扱いはイヤだしな!

 

 

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「以上で攻略会議を終了する」

ディアベルのその言葉により、会議は終了した。

 

広場に集まったプレイヤー達はみんな帰っていく。俺もそれに続いて腰を上げようとした時、キリトさんに声をかけられた。

 

 

「リッキー・・さっきの行動は俺の為にしてくれたんだよな・・? すまなかった。そしてありがとう。俺…こんなに嬉しかったの始めてかもしれない。お前とこの世界で出会えて良かった」

 

キリトさん・・。まさかキリトさんがこんなにも真っ直ぐな気持ちを伝えて来るとは思わなかった。少し照れてしまう・・。

 

「その言葉はそのままお返ししますよ! 俺はキリトさんがいなかったら今の自分がありません! 攻略する気持ちはあっても、フロアボスに参加出来る程の実力は持てなかったはずです。それにこんな程度じゃまだまだキリトさんからもらった恩は返せてませんって!」

 

照れを吹き飛ばすかの様に俺はなるべく大きな声でそう言った。

 

「りっくん! さっきは格好は悪かったですけど、広場の誰よりもカッコよかったですよ!」

イマイチ意味が分からない事を珪子は言う。土下座しようとした見た目は格好が悪いけど、行動は格好良かったってことなのだろうか?

 

「ほんと。リッキー君、見直したよ」ニコッ

アスナさんが笑顔でそう言ってくれた・・。oh‥Angel Smile‥‥

 

「リッキー・・ありがとう。俺達はこれからもパーティを組んで行こう! そして100層まで突破してやろう! まずは明日の第一層を誰も死ぬことなく突破しような!」

 

 

「「「おー!」」」

 

キリトさんの言葉に俺達3人は拳を握り空に向かって突き上げた。




キリトとアスナのキャラが原作と大分違うかもしれません。前話もそうですがアスナは特に原作と違うと思います。デレの時期が早かったアスナとして読んでもらえるとありがたいです。

また、お分かりかもしれませんが、死亡人数が2000人から1500人に減ってるのはコペルのおかげです。

次話は土日中に投稿できればと思ってます。次話もよろしくお願いします!
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