魔法少女ともか☆マギカ   作:AC-130U

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ふたつに分けます。
ので、これは前編です。


休み時間

 

 

 

 

「暁美さんって、前はどこの学校だったの?」

 

「前は部活とかやってた? 運動系? 文化系?」

 

「すごい奇麗な髪だよねー。シャンプーは何使ってるの?」

 

休み時間になって、転校生、暁美ほむらさんの周りにはみんなが集まっていました。

はしゃぐように次々に話しかけるクラスの子たちの質問にも、暁美さんは僅かに答えています。

 

 

ちなみに、佐倉さんはさやかちゃんに質問攻めされていました。

 

 

「不思議な雰囲気の人ですよね、暁美さん」

 

声がして顔を上げると、わたしの横には仁美ちゃんと友華ちゃんが立っていて、やっぱりわたしと同じように彼女を、暁美さんを見つめていました。

 

「なあまどか、あいつ、知り合いか?」

 

「え・・・・・・? 暁美さんのこと?」

 

「ああ。さっきガン飛ばされてたろ?」

 

友華ちゃんの質問に、わたしは言葉に詰まります。

 

 

ガン飛ばされるってよくわからないけど・・・・・・でも、睨まれていたのかな? 夢で助けなかったから?

ううん、そんなまさか───あれは夢で、だいたいさっき初めて出逢ったはずなのに、今朝の夢ですでに逢っていたなんて、そんなおかしなことが起こるわけが───

 

自分でもどうなっているのかよくわからなくて、わたしは結局友華ちゃんに言葉を返すことができませんでした。

 

 

───と、その時。

 

 

「ごめんなさい」

 

暁美さんが突然、周りの子たちの言葉を遮って立ち上がります。

 

「なんだか緊張しすぎたみたいでちょっと気分が・・・・・・保健室に行かせてもらえるかしら?」

 

「えッ? あ、じゃあアタシが案内してあげる!」

 

「私も行く、行くッ」

 

慌ててそう言う周りの子たちに、暁美さんは首を振ります。

 

「いえ、お構いなく。係りの人にお願いしますから」

 

そのまま、振り返ってわたしを見ました。

 

 

また、わたしの心臓が、とくんと激しく高鳴ります。

まっすぐにわたしを見つめたまま、近づいてくる暁美さんに───わたしの膝はいつしか震えていました。

 

 

「鹿目、まどかさん」

 

そう言葉をかけられて、思わず、はいっと答えてしまいます。

 

「あなたが、このクラスの保健係よね?」

 

「え・・・・・・えと、あの」

 

「連れて行ってもらえる? 保健室」

 

 

わたしを見下ろす彼女の瞳は───

 

夢と同じ、冴え冴えとした強さがあって・・・・・・わたしは否応も無く頷いてしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

歩幅に合わせて、腰までかかる黒髪が揺れます。

 

わたしの前を歩く暁美ほむらさんは、歩調に迷いがなくて、これではまるでわたしが学校を案内されているみたいでした。

廊下ですれ違う生徒たちはみんな暁美さんに見とれていて───それが、見知らぬ女子であるせいか、とても整った容姿のせいかわたしにはわからなかったけど・・・・・・でも、多分、後者だと思います。

だって、男の子がみんなほけえっとしていたから。

 

 

そんな暁美さんと連れ立って歩くわたしは、まるでなんでもできる漫画の主人公とその引き立て役みたいです。

もともと自分に自信のないわたしにとって、とても辛い時間でした。

 

でも───そんなことばかり考えていじけてても仕方ありません。

 

とにかく暁美さんに話しかけてみよう、と勇気を出して声をかけてみました。

 

 

「あの、わたしが保健の係って、どうして・・・・・・?」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「えっと、あの」

 

「早乙女先生から聞いたの」

 

「・・・・・・あ、そうなんだ・・・・・・そうだよね、あは」

 

謎が解けてすこし微笑むことができたわたしだけど、そのまま会話を弾ませていくことができません。

 

「・・・・・・えっと、さ。保健室は・・・・・・」

 

「こっちよね」

 

「や、うん、そうなんだけど・・・・・・いやだから、その、もしかして・・・・・・場所、知ってるのかな、って」

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

ものすごく気まずい沈黙が、わたしたちの間に漂っています。

 

 

 

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