生まれ変わったらめんどくさい種族になっていた   作:ラーカー

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久々の投下~


商談と悪巧み

sideゲント

 

「……思ってたより少ないですなあ」

 

 リストとして渡されたそれは、うちのコミュニティが仲介した数に比べて少なすぎる。ざっと1/4もない。想定していたより少ない。少なくても半数は確実だと踏んでいたのだが、高望みすぎたかねえ?

 そういう事も含めて交渉相手の補佐役(お兄さん)を見るが、目があっただけで忌々しそうに舌打ちされた。

 ――解せぬ。

 

「そうでもないだろう。貴様らのような無法者共の仲介などどれだけ有益でも付き合いは断つべきだろう」

「このようなことでも起きない限りはですか?」

 

 適当に煽ったらギロリと睨まれたおお怖い怖い。

 今、交渉している相手は”サラマンドラ”といういくつか存在する北の階層支配者(フロアマスター)を擁するコミュニティだ。

 前頭首(いや、正式にはまだ変わって無いんだったか?)が病気だとかで新しい階層支配者(フロアマスター)に代替わりすることになったらしい。

 それだけなら問題ないのだが(それはそれで問題なきもするが)、新頭首はわずか十一歳の子という事で”サラマンドラ”の有力な協力コミュニティが協力関係を打ち切ると言いだしたのだ。

 しかも”サラマンドラ”の領域(テリトリー)でも何の経験もない末っ子ではなく目の前の経験豊富(笑)な補佐役(お兄さん)を頭首にすべきだと内乱寸前だったりする。

 お兄さんが補佐役に甘んじるという事で何とか抑え込んでいる状況だ。

 ……嫌だねえ。才能持ってるってだけの存在(子供)に大人たちがおんぶにだっことは。

 大樹に育つ樹があったとして苗木のうちに城が建てれるわけがない。少し考えればわかるだろうに。

 ……チィッ。かなり投影してんな入れ込み過ぎだ俺。

 

「——貴様らの仕業じゃないだろうな?」

「まさかぁ。俺らがおちょくる理由がありませんし、おちょくるならもっと悲惨に(・・・・・・)なってますよ。具体的には内乱で直系傍系含めてとっくの昔に全滅するぐらいには」

 

 仏門系か”あいつら”なら兎も角、そこそこの遊び相手である”サラマンドラ”にそこまでする理由は無い。

 それにお披露目に協力しないように唆すとか俺らはしない。むしろ”サラマンドラ”を支えるためとか操るにはいい機会だとか言って、協力することに後押しして”サラマンドラ”の許容範囲を超えるように動かすわ。

 そう言ったら何故か呆れられた。

 俺なんかおかしなこと言ったか?

 

「——貴様が原因なら楽なのだがな」

 

 あんたらが傍から見ても頭の悪い選択してるのが原因だと思うが。

 

「俺の首でも獲りますかね?」

 

 そう言ったら周りが殺気立つ。俺はどんだけ恨まれてるんだか。

 あとこいつら程度に不意打ちされても怪我すらしないんだが、そこら辺わかってるのかねえ?

 

「生憎、損得計算は出来るつもりだ」

「そうですかい」

 

 損得ねえ?

 見た所、損得というより感情っぽいけど。流石にこれは言わなくていいか。言ったら余計拗れる。

 

「それじゃ、決まったこれらのコミュニティとの仲介はすぐに行いますね。明日までには終わらせますんで。いつがよろしいですか?」

「明後日から準備ができ次第行う」

「ハイハイ。それじゃこれにてお開きですね」

「おい。案内しろ」

 

 そう言って交渉中ずっとこちらを睨んでいた部下の一人に外に出るまでの案内という名目で監視させるつもりらしい。やれやれ信用ないなあ。

 

    ☆   ★   ☆

 

 外に出たら仲間と合流して、些事をこなした後お披露目の舞台となる外門を見て回る。

 

「どうでしたか?」

「どうって?どのことだい?舞台としてはまあまあの場所だと思うけど?」

「”サラマンドラ”のことです」

 

 思い付きでユーちゃん――ナーガ種の背に乗せて貰っといてなんだけど、ここすごく乗り心地悪いな。これならシリュウでも連れてくるんだったなあ。いや、あいつもあいつで面倒臭いからあんまり変わらないか。

 

「思ってたより優秀だったね。新頭首とやらと会いたかったけどそっちについては完全に遮断された。俺みたいなのにいいように利用される危険性は承知らしい」

 

 それは正しい危惧だが、これからの事を考えたら顔繋ぎぐらいしておくべきだろう。期待過剰のくせして過保護とか。今は信用してないって言ってるようなもんだ。

 育てる気ないのかねえ?

 

「そうですか。それは残念ですね」

 

 小声でいい戦力になりそうですのにとか呟かない。

 確かに黄昏(うち)はいろんな変わり種を集めてるけど俺は別に箱庭の覇権とかそんな面倒臭そうなもの興味ないから。

 

「ユーちゃん俺のこと誤解してる節あるよね?」

「違うのですか?」

「違うね。これからは遊び相手になりそうもないからな」

 

 北側の階層支配者(フロアマスター)とは、時に協力して時に敵対したりと敵でもあり味方でもある敵対気味な友好関係を結んでいる。

 階層支配者(フロアマスター)達は利害や損得で魔王に肩入れしたりするうちを目の敵にしているようだがまあ知ったこっちゃない。別にこちらは無益な事はしないだけだ。

 ぶっちゃけ。最終的な利益に繋がることが少ないから誤解されてるような気もするが今更なので気にしない。

 

「魔王を呼ぶとか正気なんでしょうかね?」

「正気か狂気かしらんけど、白夜叉と共同開催することで後ろ盾になって貰うつもりなんだろう。――あんな役立たずに期待するとか頭おかしいとしか思えんけど」

 

 過去の記録を確認しても箱庭の覇権を取るために暴れた力押しの脳筋という印象しかない。強大な力を持ってるからか強者の傲慢に付け込まれて失敗してきた。そういうタイプのバカだ。

 知恵が回るタイプには一番利用しやすいタイプだ。だからこそ愛とか友情だとか贖罪とか功績とか意味わからんことを吹き込まれて階層支配者(フロアマスター)なんてやっているのだろう。

 実際、仏門の連中は神格で縛って人類のためとか過去の罪を雪ぐためにとか言って階層支配者(フロアマスター)にしたらしい。

 言ってることは立派だが内容は上層にお前の席ねえからっていうイジメである。もっとも本人は気づいてなさそうだが。

 

「それ自体は別に悪い判断じゃねえ。ただあからさま過ぎる点を除けばな」

「新米階層支配者(フロアマスター)VS新米魔王。……確かに出来過ぎですね」

「バレた時あるいは劣勢にならない為に縄張りの違う白夜叉に頼んだんだろうが――こんなあからさまな策利用されない方がおかしい」

「実際、無関係の私達も知ってますしね」

 

 俺達は小悪魔との関係もあってかなり特殊な部類なんだが。まあいいや。

 

「何回か会談してみたが白夜叉を呼ぶ判断自体が他所からの知恵っぽいんだよなぁ。あの子娘ども手をまわしてたな?」

「小娘?」

「まだ知らなくていいよ」

「わかりました」

 

 サラマンドラといくつかのコミュニティとの仲介交渉して欲しいなんて要求してくるから何かと思えば、俺に濡れ衣着せる気だったなあの子娘。

 あいつら自身は南に行くと言ってたし、目的は読めるが……。あほらしいから本命以外は消極的な付き合いにしておくか本命以外は俺は興味ないし関わる理由ないし。

 

「鬼が出るか蛇が出るか。楽しみだねえ」

「来るのは魔王では?」

 

 ユーちゃん空気読んで。




>無法者共の仲介
コメント「失礼な。約束は守ってるし守った上で敵対したりしてるだけだ」

>大樹に育つ樹
コメント「アンダーウッドって大樹には何千もの動物や人型が住んでるとか」

>”あいつら”
コメント「俺を敵視してるみたいだけど。ぶっちゃけ関わりたくない」

>不意打ちされても怪我すらしない
コメント「俺の逃げ足舐めんな!」

>ユーちゃん
コメント「簡単に言えば上半身が人間で下半身が蛇の美人さん」

>変わり種
コメント「俺以外にまともな奴いないけどね」
※とある部下のコメント「その筆頭が何言ってるん?」

>あの子娘
コメント「なんであんな組織いるんだろ?世界を敵に回すような願いでもあるのか?」



次から原作と絡む予定です
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