生まれ変わったらめんどくさい種族になっていた   作:ラーカー

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女好きの巨人を読んで思いついた設定


ゲーム中断中

sideゲント

 ゲームが中断されたのにも関わらずだいちゃんが帰ってこないので気になって、交渉内容を聞きに戻ってくると想像以上に想定外の結果になっていた。

 

「いひゃいれふ!おひぃひゃま!」

「あっはっは!何言ってんだかわからないな~」

 

 そう高笑いしながらリトルシスターのほっぺたを引っ張りながら説教する。

 主力が集まってる前だがそんな事は気にしない。

 よく見るとレティシアがいないが気まずいのかね?

 

「昔、言ったよなあ?審判権限(ジャッジマスター)でゲームを中断するなら魔王の種類ぐらい把握してからやれって言っただろうが。まさか確認もせずに中断するとは思わなかったわ」

 

 こっち側の組織に医者や呪術師(解呪)ができる人材がいるか最低でも確認しろって言っといたのになあ。まさか忘れてるとは。

 

「でひゅわ!」

「ん?言い訳か?いいだろう聞いてやる」

 

 うわー。という目で(一部羨ましそうに)こっちを見ているギャラリーを無視して、偉そうに座ってリトルシスターの反論を聞いてやろうという姿勢を貫く。

 周りの評価が落ちているようだがいつものことなので無視する。

 

「お兄様は審判権限(ジャッジマスター)を使う時の注意で確かに魔王の種類について確認するように言いました。しかし、詰まされることなんかあまり無いから不利だと感じたらすぐに一時中断させるのも手だと」

「それはこっちの陣営に優れた指導者(ゲームメイカー)がいるときだ。今回はそこの金髪とチビが機転を利かせて、尚且つ魔王が慣れてなかったから大丈夫だっただけで点数つけるなら40点といった所だ。もちろん百点満点中な」

 

 さらっと”サラマンドラ”を貶めながら、マイシスターに気持ち甘めの採点を告げるとしおれたように俯く。チラッチラッとこっちを盗み見るのは自覚はないようだがかなりあざとい。

 基準を100点として主な加減点は「確認せずのゲーム中断(-60点)」「主力を攫われていても気がつかない(-10点)」「機転を利かせて詰みを回避(+20点)」「明確な時間制限(タイムリミット)の決定(-10点)」といった所か。

 流石の俺でもこれは褒められない。

 一般の巻き込まれたプレイヤーとして見るなら十分な評価だが、対魔王を謳っているコミュニティであればこの点数は論外だ。最低でも80点は欲しい所だ。

 強者に保護されてた弊害か最悪への想定がかなり甘い。……7割くらい俺の責任のような気がするがたぶん気のせいだろう。

 

「ふん!貴様が役立たずなのを棚に置いて説教とはな!」

「生憎、”サラマンドラ(おまえら)”と違って魔王(あれ)の傘下に入っても俺は困らないからな」

「なんだと?やはり貴様――!」

 

 何か勘違いしたのか激昂しているマンドラの言葉を遮って続ける。

 

「そりゃあ俺は下から魔王を操って好き勝手出来るからな。何度かそれやって魔王を破滅させてるし」

 

 俺の持ってる知識や財産に縁は俺の自由意思がないと意味がなものだ。

 負けた時にみっともなく命乞いしたり、魔王に情報を売ったりして勘違いした魔王が俺を都合よく使おうとして勝手に破滅した。

 ちなみに俺は何もしていない。

 ただ断片的に手に入れた情報を提示して、信頼できると本当の事を言ったら偶然(・・)そこに強者がいたり、たまたま(・・・・)天敵が通り掛かったりしただけである。

 俺は何もやってないし、嘘もついていない。

 どんな手を使ってでも情報を入手しろというから計画を提供することを条件に情報を入手しただけだ。

 破滅した魔王は俺を恨んでるようでもないし、俺は悪くないQ.E.D.

 

「……最悪だな貴様」

「あんまりほめるな照れる」

 

 さて、だいちゃんはどこへ行ったんだ?

 

 

side逆廻十六夜

 解くべき謎も解き終え、各々が明日のゲームに向けて最後の休息や調整を行っているであろう夜。

 明日は満月になるだろうなと考えながら、最後まで手出しする気がないと言っていたお兄さん(・・・・)を動かすべく探していた。

 

 お嬢様を気にしていたあいつの仲間……だいちゃんだったか?そいつがいないのとお嬢様が行方不明なのは無関係とは思えねえ。あの笛吹き女(ラッテン)が攫ったって言っていたからあの木偶の棒が攫ったとは思わねえが、お嬢様と一緒あるいは居場所を把握している可能性がある。

 ならば、木偶の棒の居場所=お嬢様の居場所=魔王の居場所で結ばれる可能性が高い。

 それを知ることが出来れば明日のゲームは初動で一撃噛まして有利に動けるはずだ。

 

 そう考えて黒ウサギを説教してた日から聞こうとしているが不自然なほど自然に出会うことが出来ない。

 部屋を訪ねても外出中だったり、いるはずの場所に行っても入れ違ったりと妙に間が悪い。

 これは俺だけじゃなく黒ウサギや”サラマンドラ”の連中も同じだというのだから明らかにわざと外しているのだろう。

 

 普通にやっても会えないのは分かったのであえて最も高い塔の上から捜索する。

 すれ違っている目撃証言は腐るほどあるのだから近くにいるのは間違いないあとはどう見つけるかだけだ。

 

「あそこか」

 

 目星を付けたらあまり騒ぎにならないように移動する。

 いつもなら気にせず派手にかますが、呪いで苦しんでる奴に余計な負担を与えるのも悪いしな。

 そこそこの広さの中庭に入るとそこで舞っていたお兄さん(・・・・)がいた。

 

「ヤハハハ。踊っているとは予想外だぜ」

「これは踊りじゃなくて型なんだけどねえ」

 

 そういいながら流れるように踊る動きを見ると確かに武術の型のような動きがちらほら見えるが見たことのないような型の方が多い。

 やはりこいつは侮れねえ。

 こいつは弱い。

 少なくとも俺よりは確実に弱い。下手すれば春日部より弱い。

 だが、俺がこいつ戦った場合、瞬殺できるともいえるし、瞬殺されるともいえる。またまた引き分けるかもしれないし、そもそも勝負にならない可能性もある。

 単純に強いというより毒を持たないはずの蛇が毒を持っていたかのような厄介さなんだ。

 敵に回すのもおもしろそうだが、どんな被害が出るのか想像も出来ねえ。

 

「ちょっと聞きたいことがある」

「よく見つけられたねえ。参考までにどう探したんだい?」

 

 一段落着いたのか動きを止めてこちらをみるお兄さん(・・・・)は相変わらず興味なさげにこっちを値踏みしている。

 気に食わねえな。

 

「単純にいろんな方向から見て死角になってる場所を探しただけだ。ここはどの方向から見ても死角だったからな」

「ここは元々、”サラマンドラ”の初代頭首が嫁との逢引に使った場所でな?自力で見つけ出さないとたどり着けないようになっているんだ。そのせいで下っ端は知っているのに上は知らないという奇妙な状態になっているのさ。変に襲撃されないから勝手に使わせてもらっている」

「確かにいい場所だな」

「それで何の用?生憎、君と遊ぶ気はないんだけど」

 

 さっきの流れる動きを見たせいで軽く戦闘態勢に移行できるように強張っていたようだ。言われるまで気づかなかったとはいえ、少々やりにくい。

 

「お前とやり合うのは今度にするわ」

「敵対しない限りあり得ないけどな」

「黒ウサギがいるからか?」

「それは関係ないな。”    ”の時だって敵対気味だったし」

 

 俺が一方的に嫌ってただけだけど。と呟くのを見る限り、最悪の場合は黒ウサギを敵に回すこともあり得そうだ。余程の事がない限りそれはありえなそうだが。

 

「単刀直入に言う。今回のゲームで味方してくれないか?報酬は黒ウサギ一日貸出権で」

「引き受けよ――――いや待て、やっぱ無理」

 

 チィッ。行けると思ったが寸前で止まりやがったか。

 

「俺は手を貸してもいいと思ってるがだいちゃんが完全に観に入っててね。邪魔したら面倒くさいしややこしいことになるから今回は手を出す気はないね」

「お嬢様に関係することか」

「……意外と察しがいいな。そうだ。だいちゃんはある血統を持つ奴を見定める定を背負っているからな。下手な手出しも協力もややこしいことになるから今回のゲームは日和見させて貰うよ。だいちゃんもあのお嬢ちゃんが一定以上まで成長するまで手出しも協力も妨害もしないだろうからほっといていいぞ」

 

 ある血統ねえ。

 お嬢様は財閥の家系とは言ってたが、それと関係するのか?金持ちに関係する伝承?権力者に関係する伝承?頭の中で検索をかけても絞り込むことが出来ない。

 

「言っとくけど正直あの子は試練を受けるかどうかも微妙だと思うぞ?直系でもないし、使命を背負ってるわけでもないしな。だいちゃんのお眼鏡に適わない限り」

 

 だいちゃん?

 古くから言い伝えがあって、身体が大きいなどの条件が当てはまり、呼び名でだいがつく伝承といえば。

 

「……だいちゃんって、だいだらぼっち(・・・・・・・)か?」

「極東の巨人。原初の歴史で星地の守護者にして役割を奪われたもの。最もそこら辺の真実は本人以外知らないだろうけどね」

「星地の守護者だと?なんでそんな奴がお嬢様に?」

「さあね?だいちゃんには重要な理由があるんじゃない?俺は知らないけど」

 

 じゃあねと言って立ち去るお兄さん(・・・・)を見送りかけて、慌てて追いかけるがすでに遅く。すぐに見失ってしまった。

 

「何があっても対処できるように頭の隅にだけ入れておくか」

 

 そう心に決め明日を待つことにする。

 すべては明日で決まる。

 

 

side 久遠飛鳥

(入口にようやく到達したか)

「入口?」

(だが、まだ足りない)

「足りない?いえこの声あなたなの?」

(**を守るにはまだ足りない)

「何を守るって言ったの?聞きとれないわ」

(**を守る使命を背負った血脈よ)

「だから何を守るか聞こえないわ!」

(資格と力がないからだ)

「資格と、力?ディーンでは足りないというの?」

(長には群れが必要だ。使命を背負わないというのなら群れの長になるべきではない)

「長?そんなものに興味はないわ!私はみんなを守る力が欲しい」

(守護者の血からは逃れられぬか)

「だからなによ守護者って!」

(**の守護者の血脈よ。研鑽せよ。**を守護する力を得よ)

「うるさいわね。私はこれからみんなを守りに行くから邪魔しないでくださる?」

(……)

「消えた?いやいなくなったのね。なんなのあいつは?」

「……それよりも時間をかけ過ぎたわ。行くわよディーン!」

「DEEEEEEeeeeeeeeEEEEEEEEN!!!!」




だいだらぼっちって山とか湖を作ったって言う伝承があるのでそこからいろいろと膨らませました
すべてが明かされることはあるのだろうか?(描写的な意味で




久遠飛鳥
「自由が欲しい」

元いた世界では財閥の令嬢であり将来の幸福はほぼ約束されていたが、自身のギフトによりあらゆることが思い通りになる人間関係や、代わり映えしない日々の生活に嫌気が差し、箱庭の世界に行くことを決意した。
プライドは高いが、決して傲慢というわけではなく、相手の意見を受け入れる柔軟さも持ち合わせている。十六夜や耀と違い身体能力は普通の人間であり、護身用の武具に“威光”の力を付加することで補っている。
“威光”は、自身より霊格の低い物を従わせる事ができる恩恵であったため、飛鳥の高い素養と自身の強い意志が力となり、支配する力となっていると誤認しており、「種(相手の心身)を支配するギフト」ではなく「ギフトを支配するギフト」の方向へ能力を育てようとしている。
家の後継者として厳格に育てられたため、家の都合に振り回されつつも決められた路線で生きていたため、自分で決めて自分で行う今の生活を気に入っている。
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