仮面ライダー龍騎 14番目のライダースレイプニル   作:壊れゆく鉄球

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第1話

「今日は私のライブに来てくれてありがとうであります!それでは、楽しんでいきましょう!」

『おおおおお!』

 

ステージの中央に俺の担当アイドル―――大和亜季が目の前の観客にそう語りかける。小規模のライブだが、前回より確実に人は増えている。

 

「がんばれよ。亜季」

 

聞こえていないだろうが、それだけ言って俺は舞台裏から離れて楽屋に戻った。

 

 

会場の入り口から出ていく男が一人いた。その男が向かう先は……トイレ!

 

「う~漏れる漏れる。…ふぅ」

 

男の大事なところから黄金水が流される。その男を見ているモノが一つあった。

 

「でたでた。じゃ、終わる前に早く戻らないとな」

 

出し切ったモノをしまい、手を洗おうと洗面台に立つ。鏡を見た男は映った自分に違和感に気付いた。自分の肩に手を置かれているのだ。

 

「あああぁあ!」

 

後ろを振り向いても誰もいない。男は恐慌状態になった。男は慌ててトイレから出て行った。

 

 

 

《情熱のベクトルが♪僕の胸を 貫いてく》

「亜季の歌はいいよねぇ。なんかかっこいいし。あぁ!」

 

俺が亜季の歌に聞き惚れていた時だった。頭に『例』の金切り声が聞こえてきた。

 

「…俺は俺で忙しいんだ。たまには休ませてくれよ?それに今はライブ中なんだしさぁ」

 

文句を言ったところで消えるわけではない。俺は音を追って走り出した。

 

音を追って走っていると、観客席の入り口の近くまで来ていた。闘いが終わったら中から入って見てみいいかもしれない。…まだやっていたら。

 

「おっと、そんな場合じゃないかああああ!」

「ああああああ!」

「すんません!大丈夫ですか!?」

 

亜季のことに気を取られたせいか目の前からくる男の存在に気が付かなかった。男はとても慌てているようだった。おそらく亜季のファンなんだろう。

直後にモンスターが男に跳びかかる。

 

「ハァァ」

「た、助けてくれ~!」

「セイヤッ!」

「ギャッ!?」

「早く逃げろ!」

「言われなくてもそうする!」

 

モンスターは『ガラスの中』に逃げ、男は勢いよく走り去っていった。ついでに周りを見渡す。誰もいないようだ。そのことを確認するとスーツの中から『馬の模様があるカードデッキ』を取り出し、窓にかざす。すると突然腰にベルトが現れた。『カードデッキ』を上に頭ぐらいまで、右手で掴み掴み取り、現れたベルトのバックルに差し込んだ。

 

「変身!」

 

すると瞬時に俺の体に装甲服が装着された。そのまま俺は『ガラスの中』に飛び込む。

 

「じゃ、始めようか」

 

『ミラーワールド』、文字通り鏡の世界にやってきた。だから当然、すべて鏡写しになっている。看板の文字も逆になっている。そして特筆すべきことが一つ、人っ子一人もいないのだ。その代わりにモンスターが生息している。

 

「敵は三体か…。時間はあまりかけたくなかったんだけどなぁ」

 

ヤギの特徴を持つモンスター。細かい名前は知らないがコイツらは常に複数で行動している。

俺は腕ブレードの召喚機『馬召剣ゼブラバイザー』を構えた。形は…某カードゲームのデュエルディスクを想像してほしい。

 

「セイやっ!」

「アァ!」

 

召喚機で切ってダメージを与えるが、モンスターはびくともしない。

 

「やっぱこれだけじゃ威力不足か。じゃ、これはどうかな?」

《スティックベント》

 

カードデッキからカード取り出し召喚機に装填する。すると召喚機から音声が鳴り、近くのガラスから俺の契約モンスターの足を模したロッド『ゼブラロッド』が現れた。俺は召喚機を取り外し、ロッドに取り付け斧に作り替えた。

 

「シャァ!」

「おっと」

 

直後にモンスターが手の鈍器で殴りかかってきた。それを斧で受け流し、逆に回転切りの要領で切り払った。

 

「ギャアアア!」

「セヤッ」

「ウワアア!」

 

とどめを刺そうと斧を構えたが、別のモンスターに殴られて邪魔をされた。複数いたのを忘れていたよ。またカードを引き装填する。

 

《アドベント》

「一人じゃ無理だからな。頼むぜ、相棒」

「ヒヒ~ン」

「ついでにこれも」

《アクセルベント》

 

アドベントで俺の契約モンスター『ゼブラスカル』を呼び出す。さらにアクセルベントを使う。5秒間だけだが超スピード!?で動ける特殊カードだ。

 

「そこの2体頼んだぜ!ハア!セヤ!テイヤ!」

「ァァァアアアアア!?」

「ラスト!」

 

何度も叩き込み、最後に崩れ落ちたモンスターに巨大斧を振り落としてとどめを刺した。

汗を拭くような動作をしてゼブラスカルが戦っているところを見ると、少し翻弄されているのが見えた。

 

「だがいい感じにまとめてくれてんじゃん。これで最後だ」

《ファイナルベント》

 

ファイナルベント、その名のとおりデッキで強い最後の手段だ。俺の場合はゼブラスカルが敵を切り飛ばし、俺が巨大斧を回転しながらゼブラスカルと切り刻み、最後に切り上げてから落ちてきたのをゼブラスカルとともに回し蹴りで仕留める『ハリケーンクラッシュ』。極めて固いやつじゃなければコイツで大体の奴は倒せる。

 

「ハアアアア!」

「ガアアアアア!?」

「ダアアアアアアア!?」

 

モンスターたちは切り刻まれ、最終的には爆発した。そしてその爆発のあとからエネルギー体が現れる。このエネルギー体はモンスターの食料だ。だがモンスターは敵モンスターからエネルギーを摂取することはほとんどなく、基本的に人間を食う。だから俺のような仮面ライダーがモンスターを退治する。

 

「よく噛んで食えよ」

「ヒヒ~ン」

 

ゼブラスカルの『食事』を見届けてから現実世界に戻る。時計を見て確認してもライブが終わるまでまだまだ時間がある。モンスターが現れてから焦っていたのだろう。

 

「杞憂だったならそれでいいだが……疲れた」

 

重い足取りで俺は楽屋に戻った。

 

 

「しまったあああああああ!?」

 

寝過ごしたーーーーッ!?あまりの疲れから寝てしまったーー!?ライブがもう終わっちゃってるよ!とするともう少しで亜季は戻ってくるぞ!?

 

「大和亜紀、ただいま帰還しました!」

「お、おお帰り!?亜季!」

「どうでしたか私のライブは!」

「よかったぞ!とても気持ちが伝わった!こんな感じでこれからも頑張っていこうな!な!」

「は、はぁ」

 

危機を乗り切ったか!?焦るなよ俺ェ。あとはあいさつ回りして事務所に帰るだけなんだからな。

 

「じゃああいさつしたら帰ろうか。別の企画書も創んなきゃいかんしな」

「そうですねプロデューサー殿!」

 

つづく




変身ポーズは「555」に登場する草加雅人とレオを組み合わせたものと考えてください。

仮面ライダースレイプニル
変身者 新田誠治
契約モンスター ゼブラスカル

アドベントカード
???
ロッドベント ゼブラスカルの足を模した『ゼブラロッド』を召喚する
アクセルベント 5秒間超加速する
???
アドベント ゼブラスカルを呼び出す
ファイナルベント 必殺技『ハリケーンスラッシュ』を繰り出す。
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