仮面ライダー龍騎 14番目のライダースレイプニル 作:壊れゆく鉄球
「新田さん、ここに資料置いときますからね?」
「あ、助かります千川さん」
目の前にいる事務員は『千川ちひろ』このプロダクションに所属する事務員の一人だ。基本的に資料や企画の手伝いなどをする事務員で結構な美人。…ライダーバトルが終わるまで誘うつもりはないけど。
「じゃあ頑張ってくださいね」
「あ、は~い。……ハァ」
彼女が出て行った後に俺はため息をついた。しょうがないだろ?ノーパソ何台分だ?この厚さ。今の俺は企業戦士なんだ。そう言い聞かせてやるにもこの量にはうんざりさせてくれる。残業は確定だよこれは。
「あ、そうそう新田さん!」
「何ですか千川さん!?これ以上仕事増やされたら壊れちゃいますよ!!」
「そうじゃなくて『ギルティ・クラウン』の送り迎えしないといけないのでは?」
「あ!」
思い出した。先輩が今育休だから押し付けられたんだった…。下っ端はいつもつらいと感じるのでした、まる。
「じゃあ行ってきます!」
「いってらっしゃ~い」
ちひろさんの声援を聞きつつ俺は駐車場へと向かった。
★
「すみません。遅れてしまって」
「まだ新人なんでしょ?大丈夫大丈夫。同じことを次にしなければいいんだから」
「ほんとすみません」
リーダーの片桐早苗さんの慰めを糧にして頑張れ俺!負けるな俺!えいえいおー!
「あ~そういえば事後承諾ってことになっちゃうんですけど~」
「なになに?お姉さんに告白とか?だめだよ~アイドルに告白とか」
「そんなんじゃなくて―――」
「『そんなじゃないって』…もう少し反応があってもいいんじゃない?」
「はあ…すみません」
抑えろ俺。俺だって大人になったんだ。この程度で腹を立てていてもしょうがないんだ。怒りを押さえつけるんだ。
「じゃなくて帰りにこの車である場所によってもいいっすか」
「ある場所?」
「知り合いが記者やってましてね?そいつに自分の担当アイドルを取材してほしいんですよ」
「あっなるほど~。いいわよ」
「助かります。え!?いいんですか!?」
「私はいいわよ」
「私もいいですよ」
「さいきっくOKです!」
「たびたびすみませんホント。っと到着です」
会話の終了と同じくらいに駐車場に到着した。タイミングいいな。車を止め、助手席に置いたバックを手に取った。
「じゃあおれ…じゃなくて自分は先方の方々とミーティングしてくるのでステージや台本を確認しててください」
「オッケー。頑張ってね♪」
「はい、頑張ります」
それだけ言って『ギルティ・クラウン』はステージのほうに向かって行った。もちろん俺は運営の方に行った。
★
「では新田さんよろしくお願いします」
「はい、今回育休に入った先輩に代わり『ギルティ・クラウン』のプロデューサーです。よろしくお願いします」
『よろしくお願いします』
掴みいいか?ちょっとしたライブなら先輩が手伝ってくれたからよかったけど、うぅ…。緊張で腹が痛い。
「今回のライブはショッピングモールの屋上ですが、『ギルティ・クラウン』は人気のあるユニットですのでたくさんのファンの人が来るのが予想されます。ですので、20人ほどの警備員の方に来てくださったお客さんがけがをしないように見てもらいます。また―――――」
こういった話をして30分ほどだろうか、ミーティングは終わった。集中してたせいか時間がたつのも早く感じたよ。あぁ…早く帰りたい。
「お疲れ様新田君」
「あ、お疲れ様です。会議はさっきのようでよかったでしょうか…」
「大丈夫だよ。でもガッチガチだったねぇ君」
「すみません。一人でやるの初めてで…」
「そういうところがだよ。まあほかのところでされたら困るけどここでは君は自由に、余裕を持ってやっていいんだ。スタッフは慣れてるから君のサポートができるし、お宅はお得意さんなんだから」
「はぁ…」
なんだこの人は。かっこいいぞ!抱いて!
「なんかありがとうございます…。少しですけど…勇気とか…自信がわいたっていうか……」
「そうか。ならいいかな。がんばれよ」
「はい!あっ。迎えに行かないと!?」
「急げ急げ~」
他人事みたいに言ってくれちゃって!実際そうだけど!それにバカのところまで寄らなきゃいけないんだから大変よまったく!
★
「ふぅ~危ない危ない」
「同じ過ちを繰り返すところだったけどね」
け、結果的には何とか間に合ったんだから問題ないし?(震え声)
そこは置いといて、今俺が向かっているのは『OREジャーナル』というニュース配信会社だ。そこは俺の大学時代の先輩が社長さんで友人が記者(見習いだったけ?)で働いている。今回は『OREジャーナル』を利用してまだまだマイナーな亜季を取材してもらう予定なのだ。
「じゃあ少し待っててください。バカを連れてくるんで」
「はーい」
車を降り、近くのオフィスビルに入る。ここの2階にいるはずなのだ。…間違っていなければ。
コンコンコン
「すみませーん。新田ですけど。お邪魔しまーす」
「なに勝手に人の事務所に入ってんだ!ってお前誠治か!?」
「どうもっす先輩」
「立派な社会人になったみてぇじゃねえか。どこぞのバカとは大違いだ」
「誰がバカなんです?」
「「お前だよ!(お前しかいないだろーが!)」」
「え!?」
先に話しかけられたのが『OREジャーナル』の編集長である大久保さんで、「バカ」に反応したのが城戸真司。よくバカなことをやりあったいい人たちだ。
「では先輩。このバカを借りていくんで」
「バカ言うなよ!」
「おうそのバカなら連れてっていいぞ」
「編集長!?」
「いくぞ真司。以前アイドルの記事書きたいって言ってただろ?願いをかなえる時だぞ」
「おい離せって!」
真司の服をつかみながらビルから出る俺たち。真司には助手席に座らせる。すると真司が尋ねてきた。
「一応聞いていいか?」
「なんだ?」
「なんで俺助手席なんだ?」
「俺たち友達だろ?だから気兼ねなく話せるし」
「し?」
「お前がアイドルの近くに居座らせるとアイドルが汚れちゃうからな。それに盾にもなるし」
「なんだって!?この!」
「車の中で暴れるな」
「うお!」
流れるような動きで真司の顔をぶつ。許せ真司。あとでコーヒーおごってやるから。
★
「本日はお疲れさまでした。後は解散ですのでごゆっくりしてください」
「「「お疲れ様でした」」」
「真司行くぞ。そこの喫茶店で待っているはずだからな」
「誠司の担当アイドルって誰なんだろうな~。お前『取材してくれ』って言っただけで何の情報も教えてくれなかったんだからさあ」
「そのほうがおもしろいだろ?」
「そうだけどさあ」
『ギルティ・クラウン』と別れ、プロダクションの中にある喫茶店に真司と話しながら入る。確か亜季には奥のほうを取るように言ってたから…っといたいた。手振ってるよ。
「真司、手を振ってる娘が俺の担当だ」
「かわいいじゃん!誠司の癖にはセンスがあるよ」
「なに~?」
プロデューサードノー!コッチデスヨー!
亜季が呼んでるからこれ以上突っかかるのはやめにしようか。命拾いしたな真司。
俺と真司はコーヒーを注文し取材を始めた。
「初めまして、城戸真司です。よろしく」
「大和亜季です!よろしくお願いします!」
「ちょっと待ってて。今道具取り出すから」
真司が意外にもメモ帳だけじゃなくボイスレコーダーを持ってきているだと…!?さすがは先輩だ。このバカにも基本的な道具を教えているなんて。
「じゃあ始めます。『大和亜季』さんですね。えっと漢字は?」
「『大和魂』のヤマトに『白亜紀』のア、『季節』のキです」
「おーいい名前じゃん。えっと趣味は?」
「サバゲーと戦艦などのプラモ収集であります!」
「ほぇ~。じゃあCDとかは出してるの?」
「『Alive A life』という歌を1曲といくつかの歌をカバーしているのであります」
「じゃあじゃあ!次の「! おい真司」なんだよ」
「俺ちょっとトイレ行ってくるから。俺のいない間に変な質問するんじゃないぞ。亜季もそれに答えるなよ」
「了解であります!」
「オレがそんなことするかよ」
「あ~そうだなはいはい」
真司を適当にあしらって俺は走り出した。ミラーモンスターの反応がするのだ。素早くトイレに入って鏡にデッキをかざした。
「変身!」
『スレイプニル』に変身して鏡に入り込んだ。
抜けた先のトイレを出てモンスターを探す。さっきモンスターを見たのは亜季のグラスに反射したのをだ。だからさっきまでいた席の周辺を見ればいいのだが……。
「いた!」
《ソードベント》
「せやッ」
「アッ」
ゼブラスカルの鬣を模した『ゼブラフィン』を受け取り
敵の特徴はカマキリの特徴を持つ人型モンスター。
「さてと。うちのアイドルを食おうっていい度胸してんじゃないかええ?覚悟はできているんだよなァ。ハァ!」
「あうあう!?」
このカマキリ野郎が!だがいたぶって逃げられるのも嫌だから一気に片を付けるか。カードを引き、セットした瞬間に音声が聞こえてきた。
《ファイナルベント》
「!?」
この音声は俺のものじゃない。嫌な予感がしたからカフェから脱出した。その直後に、大量のヤギのモンスターがカマキリ野郎に体当たりを仕掛けている。あの量は尋常じゃない。契約のカードは1枚しかないはずだ。まさか…
「…ヤギの特性を利用している?」
「そうですよ。先輩♪」
「ライダーか」
「先輩、見てましたよ先日の戦い。お強い!オレ、強い人が大好きなんですよ」
背後から声が聞こえ振り返る。そこにはヤギの角を組み合わせたようなライダーがいた。バカな奴だ。『ファイナルベント』を使ったんだから俺に対抗できるカードはほぼないはずだ。
「それにどうです?オレ、強いでしょう?オレとチームを組んでライダーバトルを勝ち抜きません?…条件が、あえばですけど」
「断る」
「即答!?ナンデですか!?」
「理由は二つある。1つ目はお前がそうやってすぐ裏切って敵になりそうなこと。2つ目は、俺たちはライダーだからだ!せいっ!」
《スピンベント》
「危ないなぁ~。オレもう勝てる気がしないから。じゃあね♪」
《アドベント》
それだけ言うと小物臭のするライダーは逃げて行った。大量の雑魚を残して。厄介なことだけを残していきやがった。さっきの発言から俺のカードは大体覚えられてしまったってことか…。なら、意識する必要はないのかな?
《アクセルベント》
「せやーー!」
5
加速した体がモンスターに急接近する。
4
ゼブラバイザーとゼブラフィンがモンスターの体に深く食い込み、切断する。
3
別のモンスターを求めて移動し、切り刻む。
2
行動パターンを読まれたのか、背後に回ったヤギを蹴り飛ばす。
1
正面にいるのは斬り、後ろにいるのは一か所に蹴とばす。
0
加速が終わった体は通常のスピードに戻り、新たにカードを取り出した。
《ファイナルベント》
「さぁ~て、お掃除お掃除♪」
巨大斧を構えて高速回転する。ゼブラスカルは逆回転して敵モンスターに接近する。挟まれたモンスターは悲鳴を上げながら体を削られていき、切り上げで上に跳ぶ。上空では何もできないモンスターはやがて重力に引かれ落ち、俺とゼブラスカルの回し蹴りで爆発した。
「…時間か」
体が炭酸が抜けるようにしゅわしゅわしてきた。それにそろそろ戻らなきゃやばいしな。
鏡を抜け、現実世界に戻った俺はすぐに亜季たちの元に戻った。そのころには取材も終わり、真司は新たにケーキを注文していた。
「あ、取材終わったから」
「そうか。記事ができたら一番先に送ってくれよな。添削してやる。誤解されるような表現されたら困るしな」
「そうか、わかった」
「亜季、伝えていたように今日はもう終わりだ。帰っていいぞ」
「了解であります!お疲れさまでした!」
「お疲れ」
その後は真司の相手をして1日が終わった。俺以外のライダーが出現したということは、それに触発されていろんなヤツに出会うことになりそうだ……。
つづく
仮面ライダースレイプニル
身長 195㎝
体重 90㎏
パンチ力 250AP
キック力 400AP
ジャンプ力 ひと跳び35m
100m 4秒
召喚機 ゼブラバイザー
アドベントカード
ソードベント 2500AP ゼブラスカルの鬣を模した「ゼブラフィン」を呼び出す。
ブーメランとしても使用可能。
スティックベント 3000AP ゼブラスカルの足を模している「ゼブラロッド」を
呼び出す。召喚機と組み合わせることで巨大斧として
も使える。
アクセルベント 1000AP 使用者を超加速させる特殊カード。他者にも使用可能。
???
アドベント 4000AP ゼブラスカルを呼び出す。
ファイナルベント 6000AP スレイプニルとゼブラスカルが高速回転して切り刻み
回し蹴りで仕留める必殺技「ハリケーンクラッシュ」
を繰り出す。