東方白化雪 ~ White wonder wizardry.   作:夢哉

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その10

 

Side 霊夢

 

 

とりあえず魔理沙、白ちゃんと別れた後に真っ先に出会ったのはここのメイド長という十六夜咲夜。時間を操る能力を有していたため、なかなかに苦戦を強いられた。

だが、私は負けない。絶対に。

 

咲夜というやつを、ここの主の所へ案内させる。その時の咲夜の態度を見ると、それはもう、とても悔しそうだった。

 

そしてここの主が居る所へ着けば、少女がいるではないか。最初は驚いたが、こいつから発せられる気迫を見る限り、相当な実力者であることはわかった。

 

「さて、自己紹介でもしましょうか。私の名前はレミリア・スカーレット。知っての通り、ここの主を務めてるわ。咲夜を倒してきた辺り、強いみたいね?」

「私の名前は博麗霊夢。知ってると思うけど、異変解決・妖怪退治を仕事にしてる博麗の巫女よ。変な奴なんていつも相手をしてるのよ。普通は負けないわ」

 

この異変を引き起こしたのはこいつだ。それは自信のある私の勘が言っている。ということは遠慮は要らない。だが、こいつも相当の実力者である。少し長引きそうね。

 

「ふふ。こんなに月も紅いのに…」

「「永い夜になりそうね!」」

 

陰陽玉を展開させ、弾幕を発射する。あいつも同じようにやってくるが、霊力を上げ、返り討ちにする。

 

「これならどう?呪詛『ブラド・ツェペシュの呪い』」

 

円を描くように迫るナイフから弾幕が設置されていく。一拍子遅れてから、一気に動き出す。

 

「なら、霊符『夢想封印』!」

 

だが、こちらも負けるわけにはいかない。得意のスペルを使用し、弾幕を消しつつ、ダメージを与えていく。

 

ふと、気になった事を訊ねてみる。………まあ、余裕があるからね。

 

「ねえ、レミリアさん?」

「…戦ってる最中に話しかけてくるなんて余裕ね…。何かしら?」

「ここに来る時、三つ分かれ道があったわ。真っ直ぐ進んで階段を上ればあんたの所に辿り着いたわ。それじゃあ、他の二箇所は?」

「そうね。右に進めば私の友人がいる図書館があるわ」

 

…魔理沙が向かった方ね。それじゃあ白ちゃんが向かった方は?

 

「左は………」

「…お嬢様、私が答えましょうか?」

「…いや、いいわ。…左に進めば、私の妹、フランドール・スカーレットがいるわ」

 

別に妹がいた、というだけなのに何故話すのに間が生まれたのだろうか?それを訊ねてみる。

 

「なんで間が生まれたのよ?」

「………そっちに進んだ人は…ほぼ必ず死んだからよ」

「…っ!!!」

「戻ってきたとしてもかなりの重傷………。フランは、少し気が触れてるのよ…。だから、異変を起こして外に出させてやりたかった」

 

目を剥いて、自分がしでかした事に後悔した。…左へ進ませたのは、私だった。

 

「………」

「…まさか、そっちに進んだ人間が?」

「…半人半妖よ。だけど、こっちに来たばかりだから…」

「!!!」

 

霊力を込め、一気に飛躍する。

 

「私たちも行くわよ!」

「わかりました!」

 

………絶対に、間に合わせる。

 

 

 

 

 

 ***

 

 

 

 

 

Side 魔理沙

 

 

どうやらあの道を右に進んだのは私にとって最高の判断だったらしい。

 

「ここは凄いんだぜ…。魔道書が大量にあるんだ!ちょっとばかり借りていくんだぜ!」

 

どうやらここは図書館のようだった。それもかなり大きな。そして私の知識欲が叫んでいる。ここの書籍を全て読み明かしたいと。

 

「少しなら貸してあげてもいいわよ」

「誰だ?私は霧雨魔理沙。普通の魔法使いだぜ」

 

声の主は視界の右端にあったソファーからだった。紫色の髪に、パジャマの様な服。…引き篭もりか?

 

「私の名前はパチュリー・ノーレッジ。この図書館の管理者ね。もう一人いるんだけど、今は出掛けてるわ」

「そうか。それじゃあ本を借りていくぜ」

「ええ。でも、二週間したら返しに来なさい」

 

まるで本当に図書館だった。期限付きか………家に帰ったら写しておこう。

 

「そういえばパチュリー」

「どうかした?」

「さっき、道が三方向に分かれてたんだが、それぞれどんな所に繋がってたんだ?」

「ああ、あそこね。あのまま真っ直ぐ進めばレミィの所へ辿り着くわ」

「レミィ?誰のことだ?」

「ああ、ここの館の主よ」

 

ほう。この紅い館の主か。さぞかし紅色が好きなのだろうな、と思った。

はて、それでは白が向かった方は?

 

「そうか。実は連れがあの分かれ道で左に向かってな。どこに繋がってるのか気になるんだが」

「…左に進んだ…?その子は人間かしら?」

「い、いや、半人半妖ってとこだ。左に進んじゃ不味いことでもあるのか?」

「………あそこにはレミィの妹がいるわ。ただ、少し気が触れているの。…そして、そこへ踏み入れた者は…ほとんどが死んでいったわ」

「なっ…!!!」

 

心臓が止まる程の衝撃を受けた。………そっちに進んだほとんどの人が死んだ…?冗談じゃない。あそこには白がいるんだぞ…?

 

あそこへ進ませてしまったのは………私だ。パチュリーにはすまないが、持っている本を放り投げて、自分が出せる最高のスピードで、白が進んだ方へ向かう。

 

「レミィの妹は能力を持っているわ!気をつけなさいよ!!!」

 

後ろで、パチュリーの声が聞こえてきた。それを頭に入れ、急いだ。

 

絶対に、間に合わせてみせる。

 

 

 

 

 

 ***

 

 

 

 

 

No Side

 

 

霊夢と魔理沙は、先ほど三人が別れた場所で丁度合流した。お互い焦りと罪悪感の表情を浮かべていた。

 

白が向かった方………地下へと続く階段へ、急いで向かう二人。長さは博麗神社の石段程で、かなり長かった。それが、とてもじれったかった。

 

ようやく階段も終わり、扉の前へと降り立った。霊夢、魔理沙の後ろにレミリア、咲夜が続く形で並んでいる。

 

「それじゃあ、入るわよ」

「ああ」

 

霊夢が扉を開け、中へ入る。部屋は何か戦いの後のように、荒れていた。

霊夢の心には、先ほど以上に罪悪感が込み上げていた。“戦闘には巻き込ませない”という約束を破ってしまったのだ。

 

だが、次に四人は驚いた顔をした。それはそうだ。白と、一人の少女が、抱き付き合うようにベッドで眠っていたのだから。

 

四人はポカン、と口を開け呆けていた。特にレミリアと咲夜は信じられないものを見た、といった顔だ。

霊夢と魔理沙は、白が生きていて良かった、という気持ちでいっぱいだった。

 

「ん…」

 

白が呻き声を上げる。そろそろ起きるのだろう。

あれほどの焦りはどこへいったのかと思うほどに、四人の顔には微笑が浮かんでいた。それはまるで、小さい子供を見守る保護者のような顔だった。




こんばんは。夢哉です。
今回は文章が乱れに乱れています…。ちょっと疲れていたのでしょうか、と自問自答しています…。

さて、今回は霊夢・魔理沙視点のため、地の文がいつもと違う(?)と思います。白視点では子供っぽく、というように目指しています。

さて、そろそろ紅い霧の異変も終わりが近づいています。どんな終わり方になるかは………やはり未定です!

それでは、次回もお楽しみに!ノシ


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