東方白化雪 ~ White wonder wizardry. 作:夢哉
Side 白
霊夢さんに案内され、神社の中へ入る。会場へと向かうと、そこにはもう沢山の人や妖怪が集まっていた。紅魔館の皆もいる。
「あ、お姉さま!」
フランが笑顔でこちらへ駆けてくる。とてとてと、本当に可愛らしい少女だと思う。
「ああ、可愛い………」
「そうですね………」
「お前ら、ちょっとやばいんじゃないか?」
霊夢さんと咲夜さんが鼻血を出していて、そこに魔理沙さんが突っ込んでいた。流石に僕も驚いた。
「えっと、それで僕は何をすればいいのでしょうか?」
「うーん、そうね。今回は宴会がどういうものか体験して欲しくて、っていう理由も兼ねて招待したのよ。まあ、異変が解決されれば絶対行われるんだけどね」
「後は白がどれくらい酒を飲めるか見てみたいからだぜ!」
え、っと…僕、未成年なんですが………。確かに日本と隔離された世界なのかもしれないけど、どうしても“日本の世界”の常識が頭によぎる。確かに郷に入っては郷に従え、という言葉があるけど………。
「こっちじゃ逆に飲むもんなんだ。別に気負いする必要はないだろ?」
僕確かこういった誘いに断るための授業をやった気がします。
Q.もし、飲酒に誘われたら?
A. 勇気を出して断ります。
うーん、でも飲んでみたい…と思ったりもしていました。
「そ、それじゃあ、いただきます…」
「フランも飲むー!」
「ああ!どんどん飲めよ!」
そして魔理沙さんがそれはもう満面の笑みでお酒を渡してきた。
『ヤゴコロ印』
そんなラベルの文字と絵を見て、もう嫌な予感しかしなかった。
***
どれくらい経っただろうか、どうやら眠ってしまっていたようだ。ずきずきと痛む頭痛を抑え、なんとか上半身を起こす。
そこには鼻血を出し、気絶している人たちがいた。猛烈にカオスな空間が展開されていた。
「あら、起きたのね」
そんな中、一人の女性の声が響き渡る。紫さんだ。目を向けると、月明かりが紫さんを照らしていてとても幻想的な雰囲気を醸し出していた。
「ふふ、あなたは驚かないのね。つまらないわ」
「あっ…すみません…」
「いいのよ。さて、私はちょっとあなたに話があってね」
紫さんの笑顔が崩れ、スッと目が細められる。強烈な威圧感が襲い、体が震える。
「…なんでしょうか?」
「あなたの力は強すぎる。これはあなたの鍛錬を受けて思った事よ」
「強すぎる…?でも、僕の力は有限で、これ以上は伸びないって…」
「そうね。だけど私が危惧しているのはあなたの吸収力よ」
「吸収力…ですか?」
「ええ。弾幕を初めて作るときも、翼を作ろうとしたときもそう。あなたは作り出すだけなら“一度”で成功させてるわ」
言われてみればそうだった。昔から、それは僕が幻想郷に来る前からでもあったが、よく人から知識の吸収が早い、と言われていた。
「これはあなたの才能よ。だけど、これは幻想郷の脅威にもなりうるのよ」
「そう…なんですか…」
確かに、ものは使いようでプラスにもマイナスにも転がる。この事を紫さんは僕に話しているのだろう。
「それで僕はどうすれば…?」
「私はただ危惧している事を話しただけよ。これを実行したら如何なる手段をとって、あなたを排除させてもらうわ」
「っ…!」
生唾を飲む音がやけに鮮明に聴こえた。威圧感が凄い。逆らったら容赦しない、刃物を向けられているかのような緊張感に襲われた。
だが、僕の反応を見るとさっきまでの威圧は何処へ、紫さんの顔はまた柔らかな笑みに変わっていた。
「…脅しになってしまったわね。私はあなたの事を気に入ってるわ。あなたが成長していく姿を楽しみにしているのよ。だからあなたには幻想郷を脅かすような存在にはなってほしくないの」
幻想郷の賢者からの期待、それはやけに僕に重くのしかかるように感じられた。だけど―――――
「わかりました。紫さんの期待に副えるように頑張っていきます」
「ええ。頑張ってね」
頑張っていきたいと思ったんだ。
文字数が少なく、かつ悲しい文章となってしまっていますが、お久しぶりです。
小説を書いたのは実に二ヶ月ぶりと、かなり久々なものです。が、この会は外せない、と思い、拙いながらも書かせていただきました。
実は紫Sideも書きたかったのですが、それはまた今度ということで。
本格的な受験シーズンまであと少し、ということなので書けるときに、なんて事も言ってられなくなりました。ですが、皆様の感想が私自身の励みとなっています。本当にありがとうございます。
次回の投稿は全くと言っていいほどに未定です。あれ?もう出せたの?なんて場合もあれば、おお、やっとか、なんて場合もあるかと思います。ですが、待っていただけると幸いです。
長くなってしまいましたが、ここらで終いとさせていただきます。それでは次回もお楽しみに!ノシ