東方白化雪 ~ White wonder wizardry. 作:夢哉
その12
Side 白
あの紅い霧が蔓延った異変も終わり、平穏な日常へと戻った。平穏、というのは幻想郷のことであって、決して僕には当てはまらなかったのだけど…。
宴会終了後、霊夢さんに愛でられて、その後に魔理沙さんから
「引き篭もりの妹を倒したんだってな!それじゃあ弾幕ごっこをやるべきだろ!」
と言われ、半ば強引に弾幕ごっこをさせられた。宴会に参加していた人たちは観戦していて、賭けまで始まる始末。誰も止めてくれないのだから涙が止まらない。ちなみに結果は僕の負けです。当たり前ですよね…。
そんな事が続いていたけど、今日こそは何もない事を切実に願っています。こんな青空なんですよ。僕のささやかな願いだって聞き取ってくれるはずです!
***
願いは、叶わないものである。
今日はアリスさんに、買出しを手伝って欲しいと言われたので人里へと向かった。一通り買出しも終え、後はアリスさんの家へと帰るだけだったんだけど…
~少女回想~
「およ?これはこれは!アリスさんじゃないですかー!」
「文じゃないの。どうしたのよ?」
「いやぁ、新聞のネタ集めをしているのですが、なかなかに集まらないものでしてね…」
「ネタって言ってるわりには、毎回まともな記事が見当たらないんだけど?」
どうやら、黒い羽を生やした女の人は、射命丸文、というようだ。幻想郷一の速さをほこる鴉天狗で、“
「と、アリスさんの隣に居るお嬢さんは?」
「ああ、この娘は最近幻想入りしてきた…」
「水上白です。はじめまして」
「礼儀正しいですね!しかも可愛らしい!…はて、そういえばこの前の異変解決者の一人でしたっけ?」
なんで知っているのだろうか。文さんは宴会には参加していなかったはずなのに。
「風の噂ってやつですかねぇ…」
「心読んできましたね…」
「まあ、能力ですからね。それでですね白さん!」
「はっ、はい?!」
目の色を変え、凄い勢いで肩を摑んできた。驚いて変な声が出ちゃったよ…恥ずかしい…
「ぜひとも貴女の事を取材させていただけませんか!?」
「で、でも、今から帰るところで…」
「そこをなんとか!」
「うーん………」
視線を少しアリスさんに向ける。するとアリスさんは溜め息を吐き、
「絶対に捏造しない事。これが絶対条件ね」
助けてくれないんですか!?
恨みを込めた視線を送ると、
「仕方ないのよ。彼女は一度目をつけると絶対に離れないわよ?」
そんなの嫌でしょ?と続けられてしまい、それでは流石に仕方ないと諦めた。
すっと、アリスさんが文さんの傍へ行き、何か話した後、文さんの顔が真っ青になった。どうしたのだろうか?
「わかったわね?」
「わ、わかりましたです!」
「ふふ。それじゃあ白ちゃん、私はあそこの団子屋にいるから、終わったら来てね」
「はぁ……わかりました」
かくして、文さんの取材を受けたのだった。
***
「アリスさん、終わりましたよ…」
「結構聞かれたのね…お疲れ様」
あれから一時間ほど質問攻めが続き、やっと終わった時にはもうお昼時だった。
「はい、白ちゃん」
「ありがとうございます」
追加で注文してくれたアリスさんにお礼をし、団子をいただく。絶妙な甘さの餡子と熱めのお茶が疲れを癒してくれる。
「ごちそうさまでした」
「もういいの?」
「はい。十分です」
「そう。じゃあ、帰ろうかしらね」
こうしてやっと、帰ることが出来たのだった。
ここからかなり、日常編と番外編が続きます。異変はきっと、地霊殿までは飛ばします。
後は、有名な二次創作フリーゲームからとあるキャラクターが出てくるかなぁ、と思います。
それではまた次回で。ノシ
〜更新情報〜
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