東方白化雪 ~ White wonder wizardry.   作:夢哉

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その14

Side 白

 

 

「やはりと言うべきか、威力が心許ないな」

「そう…ですか…」

 

魔理沙さんに弱点を指摘され、弾幕ごっこをしないかと誘われた。アリスさんにも弱点を知る事が出来るのはいい事だと言われたので受ける事に。

 

そして、そう告げられた。だけど、決定的に力が足りていなかった。最早、どうしようも―――――

 

「だから、お前に稽古をつけてやろうと思うんだが、どうだ?」

「いいんですか!?」

「ああ!これでも弾幕ごっこにはかなりの経験を積んでいるからな!」

「ありがとうございます!」

「気にすんな。そんじゃ、博麗神社に行くぞ!」

「はい!」

 

 

 

 

 

 ***

 

 

 

 

 

「それで、私の神社の敷地を使いたいって言うの?」

「ああ、そうだ」

「ダメでしょうか…?」

 

ダメならダメで他の場所を探さなければなんだけど……

 

「白ちゃんがそう言うのならいいに決まってるでしょ」

「ありがとうございます!」

「ええ!お茶用意するわね!」

「もう、病的レベルにまで溺愛してるな…。まあ、それはさておきだ」

 

「修行を始めるぞ!」

「はい!」

「まずは弾幕の出し方だ。白は霊力と妖力を合成させた弾幕を使ってるな?」

「はい。威力も上がるのでそれを使っています」

「それじゃあ、今度は別々に作っていくぞ」

 

実は、まだその方法は実践していなかった。だけど威力を上げるのならこのままでもいいと思うんだけど…

 

「合成させる分、倍に量を使ってるんだ。だから別々に作っていったほうが個数は作れる。それに力を加えていっても合成させるよりは消費量は少ないはずだ」

「なるほど…なら威力を出したい場合は合成させて使うといいということですね?」

「そういうことだ。それじゃあ、早速やってみてくれ」

 

“別々”に力を使う―――――それは合成する過程を外せば簡単な事だ。むしろ合成させる方が応用だ。

 

いつもやっているように…左手に霊力を、右手に妖力を集める。すると青い玉、赤い玉がそれぞれできていた。

 

「天才には敵わないなぁ…」

 

魔理沙さんが苦笑いを浮かべていた。つられて僕も苦笑いを浮かべてしまう。

 

「とりあえず、それを放ってみてくれ。限界までだ」

「わかりました。どれくらい力を込めればいいですか?」

「そうだな……最小出力でやってみてくれ」

「了解です!」

 

とりあえず前方に打ちまくる。

 

「あら、力を別々に分けて使ってるのね」

「ああ。別々に分ける過程まで一発でやりやがった。……あいつ、本当に何者なんだ…?」

「そうね。本当は嫌だけど、注意しておく必要があるのかも…」

 

この会話が行われていたことを僕は知らなかった。

 

 

それから三十分ほど弾幕を出し続けていると、限界が見える。

 

 

「もう…出せません…」

「これだけ出せれば大したもんだ。ちょっと休もう」

「はい……」

 

 

 

 

 

 ***

 

 

 

 

 

一時間程休憩をとり、修行を再開する。ある程度は回復できた。

 

「霊夢、的を作ってくれないか?耐久力高めで頼む」

「わかったわ」

「それじゃあ、今度は最大出力で放ってくれ。」

「わかりました!」

 

まずは霊力。青い弾幕を作り、徐々に徐々にそこへ力を加えていく。

それを的に投擲。

 

的は壊れなかった。

 

「なかなかの威力だな」

「そうね」

「的は壊れてないですよ…?」

「いや、的を見るとかなり傷がついてる。霊夢もかなりの耐久力を付けてくれたんだな」

「ええ。簡単に壊れる的なんて、実際の実力はわからないでしょ?」

 

なるほど。確かにそうですね。

 

「そんじゃあ、今度は妖力でやってみてくれ」

「はい!」

 

今度は妖力。霊力と同じように赤い玉を作り、徐々に妖力を加えていく。

それを的に向かって放つ。この時、疲労感が一気に押し寄せてくる。

 

的にはヒビが入った。

 

「おお!すごいな…って、大丈夫か!?」

「はい…ちょっと疲れました…」

「魔理沙、白ちゃんを神社の中に運んで。私は布団を用意するわ」

「わかった!」

 

ああ、まだまだ足りないなぁ……。そう思い、目を閉じた。

 

 

 

 

 

 ***

 

 

 

 

 

目を開くと、何度か見た天井が視界に入った。

 

「お、起きたか」

「えっと、魔理沙さん。僕、どれくらい寝てました?」

「そうだな、三時間くらいか。ちょうど、おやつの時間だぜ」

「そうですか…運んでくれてありがとうございます」

「ああ。気にするな」

「霊夢さんは?」

「あそこだ」

 

指されたほうを見ると、霊夢さんが弾幕を展開していた。

 

「やっぱり、あいつは天才だ」

「それは魔理沙さんも……」

「私の二つ名、知ってるな?」

「普通の魔法使い、ですよね?」

「ああ。私は天才でもなんでもない。これはあんまり言いふらさないで欲しいんだが、私は今まであいつに勝てたことなんてほとんどない。いつも力の差で負けるんだ」

 

魔理沙さんが悔しそうに拳を握り締める。決して届かない天才の域、それは如何に凡人が目指しても届かない領域なのだろう。

 

だけど―――――

 

「今まで魔理沙さんがここまでこれたのだって、すごいことなんです。努力を怠らない人だって天才ですよ!」

 

実際、人は自分に甘い。それは僕自身でもそうだ。だけど、それを抑えて必死に努力していけるのはかけがえのない才能だ。それを持っている魔理沙さんは天才と呼べると思う。だから、そんな表情はして欲しくない。

 

「…ははは、教え子にそう言われちゃあ、敵わないな」

「余計なお世話でしたかね…?」

「いや、嬉しかったよ。素直にここまで言ってくれる人がいるのは」

「それはよかったです」

「ああ」

 

どうやら立ち直ってくれたようで、ほっとした。

 

「白、さっきお前の弾幕を見たら、かなりの威力があった。霊夢が作った的にヒビを入れるほどだからな」

「そう…なんでしょうか?」

「ああ。だから、私の取って置きのスペカを伝授してやる。いつも私が使ってる十八番だ」

「それって……」

「そうだ。『マスタースパーク』。だが、はっきり言うと私ほどの威力は出せない。だから、やり方だけは教える。力の調整、威力は自分で決めるんだ」

「…わかりました!」

「よし、それじゃあ早速やるぞ!」

「はい!」

 

 

 

 

 

 ***

 

 

 

 

 

「いいか、私はこの八卦炉を使ってマスタースパークを放ってる。だが、白、お前はそれを持っていない。つまり、それをなしであの魔砲をぶっ放す必要があるんだ」

「わかりました。やってみます」

「そして最後。お前にとって、マスタースパークはいわば、最大攻撃とも言える。それを使うとお前にはほとんど力が残らないと思う」

「つまり……」

「そう。『ラストスペル』、『ラストワード』だ」

 

ラストスペル、ラストワード、文字通り最後のスペルカードだ。僕にとって、最大出力の攻撃となるのだから、その扱いになるのだろう。

メリット、デメリットそれぞれとても大きいスペルとなるのだ。

 

「いいか、それじゃあやり方だ。まずはイメージが大切だ。お前はあの魔砲を何として捉える?」

 

あれを何と捉えるか………あの高威力の魔砲を何と捉えるのか……

 

―――――雪崩

 

「イメージを掴めたら、力を掌にチャージだ!」

 

霊力、妖力をそれぞれ最大出力までためる。そして、アリスさんから貰っている魔力も加えていく。

 

それを一つに合わせ、そして―――――

 

「発射だ!!!」

「うぉおおおおおおおおおお!!!」

 

上空に、白い魔砲が放たれた。

 

 

 

 

 

 ***

 

 

 

 

 

あの後再び倒れ、霊夢さんと魔理沙さんに介護されなんとか意識をとどめる事ができた。魔理沙さんはすごいすごい!と興奮していて、霊夢さんは口をポカンと開き呆けていた。

 

「魔理沙!あれは一体なんなのよ!」

「白流の『マスタースパーク』だぜ!いやあ、あれは本当に凄かった!!!」

「あはは……でも僕はあんまりあれは撃ちたくないですね…」

「まあ、最大威力だし、キツイのかもね。よく頑張ったわね、白ちゃん」

 

霊夢さんに頭を撫でられる。魔理沙さんに背負ってもらっているので抵抗する事ができず、恥ずかしさで顔が真っ赤になってしまった。それを見て霊夢さんが「可愛いわ……」と呟く。もう、恥ずかしさで死にそうです…。

 

「そうだ。白、お前あの魔砲になんて名付けるんだ?」

「そうですね……雪崩を模して作ったので『スノースパーク』でしょうか…?」

「おお、白らしいな!」

「そうね…」

 

こうして僕のラストスペル、「スノースパーク」が生まれた。魔理沙さんとの共作スペル、大切にしていこうと思う。




こちらも完成。そしてラストスペルの作成も完了。
実際に使うのはいつになるのでしょうか…いずれ使います。
次回は…どうなるのでしょうか。この時点で妖々夢異変直後、という時間です。
それではまた次回に。ノシ


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