東方白化雪 ~ White wonder wizardry. 作:夢哉
Side 白
ここ最近は、何のアクションもない素敵な日常を過ごす事ができていた。あの紅魔館の件以来、ちょくちょくお邪魔させてもらってフランと会ったりしている。なんというか、妹が出来たような感じです。
はてさて、今日も変わらず魔理沙さんと博麗神社の敷地を借りて特訓しています。六華はアリスさんの家で待ってもらっています。すっごい心配されたから心配性だなぁ、って苦笑いしました。
なんの特訓かというと、弾幕の形作りです。僕が今までに作り出している弾幕はあくまでも弾幕を具現しただけだった。それに対して魔理沙さん曰く、
「弾幕ごっこは美しさを競う戦いなんだ。だから形を作ってみたらどうだ?」
と言われ、今に至る。やっぱり、これもイメージが大切だとも言われた。
「白ちゃんは雪を模したスペルが多いのよね?」
「ええ。能力絡みらしい所もありますが」
「それじゃあ雪を模した弾幕を作るのが楽なんじゃないかしら?」
「そうだな。見た目も雪っぽいし、いいんじゃないか?」
「雪っぽい……やってみます」
イメージとしては簡単で、雪の結晶体を想像する。その型に霊力、魔力を注入し、掌に創造。すれば、掌の上には以前の弾幕と同じサイズの弾幕が作り出されていた。以前のものと違う点は言うまでもなく雪を模した形となっていた点だ。
「はぁー……お前、本当に何でも一度で成功させるよなぁ…?」
「……凄いわね。本当に。それじゃあ、その弾幕をこの木に当ててみて頂戴」
前もって用意しておいた丸太を設置して、そこに弾幕をぶつける。……ええ、粉砕なんてしてませんし、ボコッて音がして傷がついたくらいですよ。
「威力は変わってないな。申し分ない」
「そうね。以前と同じ威力を出せるならそれで十分よ。力の減りはどう?」
「前の弾幕を出す時とほとんど違いはありませんが、少し時間が掛かってしまってると思います」
やっぱり、いきなり形を変えて前回と同じように弾幕を作り出すのはなかなかに難しいものなのだろう。弾幕ごっこでは少しのタイムロスで敗北へと繋がってしまう事も少なくない。故にこの点は早めに修正しなくては、と頭に入れた。
「弾幕は練習あるのみね。……そういえば白ちゃん、空を飛ぶ時ってまだ翼を出してるの?」
「へ?あ、はい。そのほうが安定して飛べてる気がするのでそうしてます」
「それじゃああの翼も変えてみたらどう?」
「翼をですか?」
「あー、あの翼か。そういえば白はまだ力を半々に分けて使ってるのか?」
「はい…楽ですし……」
「ぶっちゃけて言うと、めちゃくちゃ違和感があるんだ。あれ」
「えっ?」
違和感……全くもって考えてこなかったけど、冷静に考えてみれば確かに思い当たる点はたくさんある。左右で色が違う翼だとか、色が派手だとか。
……思い返すとすごい派手じゃないですか。
「あー、確かに違和感ありますね」
「でしょ?だからついでに白ちゃんの翼も白にしてみたらどうかって思ったのよ」
なるほど。いい機会だし、やってみようかな。
「えっと、じゃあやってみますね」
「ああ」「ええ」
手順としてはいつもと変わらない。弾幕を創った時と同じように創る型を変えればいいだけだ。
(霊力、妖力は変えずに色は白……こうやれば…)
練った力をいつも通り展開させる。すると
「おお、綺麗じゃないか。やっぱり白はそっちの方がいいな」
「……」
「…無言で鼻血を流すお前はどうにかしような」
「あはは……でも、とりあえずできたので少し飛んできますね」
「ああ。霊夢はこっちでなんとかしとくから」
「お願いします」
***
とりあえず適当に空を飛びまわってみることにしてみると、幻想郷の全域を見渡す事ができた。
そういえばちゃんと上から見たことがなかったなぁ、と思う。まだ僕自身、幻想郷の全域を周ったことがない。だからこそ、貰った命でこの世界を見回ってみたい。
「およ?白さんじゃないですか」
「あ、文さん。こんにちは」
ぼうっとしていたところに文さんが声を掛けてきた。カメラを持っているから恐らくネタ集めをしているのだろう。
「はい、こんにちは。今日はどうしたんですか?こんな上空に上がってきて」
「ちょっと羽のテストがてら、飛んでみようと思いまして。あとは幻想郷を見渡してみたいなぁ、って思ってここにいました」
「なるほど。そういえば羽の色が変わってますね。白さんはそちらの方が似合ってますよ。天使みたいですね、可愛らしい姿も相まって」
そう言われれば、そりゃあもう恥ずかしくなってしまう。やめてください……
「ふふ。照れてる姿も可愛らしいですねぇ……。さて、では私はここで」
「ええ。また」
文さんがビュン、と擬音でも聞こえそうな速さで飛んでいく。幻想郷一の速さは凄いですね……。
「そろそろ戻ろうかな」
ぼうっとしている内に結構な時間が経ってしまっていた。思いの外、空を飛んでいる幻想郷の住民は少ないようだった。まあ、ずっと飛んでいれば疲れますからね。
博麗神社までゆったり飛んで、帰り道の景色を楽しんだ。
***
「ただいま戻りました……?」
「おお、おかえり。どうだった?」
「えっと、楽しかったです。それで、霊夢さんは何を…?」
霊夢さんを見てみれば、まず出てくるのは違和感。身体が半透明になり、そして浮いている。外からの干渉を全てシャットアウトしているのか、全く動きが見られなかった。
「うーん、なんて言えばいいのかね。あれは霊夢の能力をフル行使した状態だ」
「能力、ですか?」
「ああ。あいつの【空を飛ぶ程度の能力】、あれは全てのものからの干渉を受けないんだ。故に、能力をフル行使することでああいう芸当が出来る。天才ってのは怖いな。成長の終わりが見えやしない」
「……そしたら、あの能力を使えば弾幕ごっこでは負けなしなんじゃ…?」
「いんや、そんなことはない。確かに弾幕ごっこであんなのを使われればこっちには勝ち目がありゃしない。だから、私があれをスペルカードにした」
「ああ、なるほど。確かにスペルカードにしてしまえば時間制限が生まれますね」
「そういうことだ。それでも鬼畜には変わりないけどな。あいつ目瞑ってるし、何も考えずに弾幕を放り投げてるんだ。何処に飛んでくるかわからないんだ」
うへぇ……それは嫌です。ランダム弾ってたまに逃げ場がなくなりますし……。いや、まあ実際はあってもそこまで到達できなくなります…。
「はぁ……。ん、あ、白ちゃん帰ってきてたの!?」
「え、ええ。ついさっき…」
「ごめんねお迎えできなくて!」
ぎゅう、っと堅く抱きついてきて、霊夢さんの胸で息が出来なくなる。だが、そんな窒息よりももっと大変だったのが、自身の精神メンタル値だ。
(僕男だからこういうのはダメなんですぅぅ!!!)
必死にバタバタ暴れてみても、びくともしない。霊夢さんのどこにそんな力があるのか。いや、僕が弱すぎるんだ。
「おいおい。開放してやれ。また窒息死させる気か」
「あっ!」
「ぷはっ…!あう……あう……」
「はぁ……霊夢、白を中に運ぶぞ。次からは気をつけろよ」
「……はい」
そこから先は覚えてませんでした。
新年初投稿です。今年もよろしくお願いします。
いやもう本当に文章が安定しないので、自身でも書いててあれ、となってます。辛い。
次回も未定です。早く出せればいいなぁ。
それでは今回はこの辺で。ノシ